EA CAMP 2003

Text by 奥谷海人

「Freedom Fighters」

 「Hitman」シリーズのIO Interactive社によって開発されているアクションアドベンチャーゲームの最新作が,「Freedom Fighters」だ。この作品は,少し前に「Freedom:Soldiers of Liberty」というタイトルから変名されている。
 シングルプレイヤー専用ゲームながら,最大で12人の仲間を引き連れて敵と戦うという内容で,ウリは仲間達のAIやコマンドシステムにあるようだ。2003年秋に発売を控え,自由の戦士達がアメリカ解放に向けて活躍することになる。

 本作は,ソビエト連邦が冷戦を征し,武力によって世界のほとんどの地域を制圧してしまった現代が舞台。アメリカもすでに無政府状態にあったが,まだゲリラ活動を通してソビエトの暫定政府に対抗しようという人間も多い。プレイヤーは,そのレジスタンスのリーダー,クリストファー・ストーンとなって,荒廃したニューヨークの街で戦いを挑むのだ。
 隊員に命令しながら進んでいくというと,「Rainbow Six」のようなミリタリー系コンバットを連想するだろうが,本作ではリアリティよりもアクション性に重点が置かれている。始めから12人を管轄しているのではなく,カリスマポイントを増やしていくことで,次のミッションでより多くの隊員を補充できるようになるのである。このカリスマポイントは,ゲーム中でより多くの敵を倒すだけでなく,目的を達成したり負傷している一般市民を介抱したりすることで溜まっていくのだという。
 隊員達へのコマンドは,ナンバーキーに割り当てられた護衛や突進,後退などのサインで指令する。一人一人のキャラクターに特定の指示を出すことも簡単で,数人が自分について敵陣へと進行している間に,ほかの仲間が重要基点を防衛するというような局面もあるとのことだ。キャラクターのAIは,現時点でも非常に精巧に作り込まれており,障害物の上にのぼったり後ろに隠れたりするのはもちろん,覗き込みや側面回転,一心不乱に走ったりという行動を取る。しかもパスファインディング機能も良く出来ていて,オブジェクトに引っかかったりする仕草がないのは好印象だった。
 この手のゲームでマルチプレイヤーモードがないのは致命的なところだが,車を爆発させて背後の敵をふっ飛ばすなど,それなりの爽快感も与えられており,充分に遊べるゲームになりそうだ。

 19種類用意されたマップは,ニューヨークの各地域をリアルに再現しており,一つ一つが非常に広大になっている。ゲームは三人称視点で進行するが,ホイールを使えば一人称視点のカメラになって,スナイピングも容易になる。

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