EA CAMP 2003

Text by 奥谷海人

「SimCity 4:Rush Hour」

 「SimCity 4:Rush Hour」は,ウィル・ライト(Will Wright)氏の代表作としてのお馴染みの都市建設箱庭ゲーム第4作の拡張パック。このシリーズで,拡張パックが登場するのは初めてのことだが,オリジナル作品にはなかった交通手段の多様性を表現するため,高架線路,路面電車,トローリー,パトカー,消防車,ヘリコプター,バス,さらにはツェッペリンやタンクまでが登場している。

 ちなみに,ヘリコプターのなかにはアパッチのような戦闘ヘリも含まれている。ここで二ヤッとした読者は,かなり古参のプレイヤーに違いない。これは,ライト氏の処女作である「バンゲリングベイ」に敬愛を捧げる意味合いで,開発者達がゲーム化したものなのだ。今回のデモでは見ることができなかったものの,戦闘ヘリを使って,家屋やビルをプレイヤーが好きなだけ破壊できるのできるようになっているのではないだろうか。

 本作では,交通機関に関する70種類にも及ぶミッションが用意されているのが目新しい。このミッションは,市長を送り迎えするリムジンを正確に運転するというようなものや,消防車を操って消化活動にいそしむというもので,ミッションをクリアするたびに,新しい乗り物が追加される。1度入手した乗り物は,好きなときに自分の作った街の中で乗り回せるのである。

 さて,フェリーなどの登場によって,高価な橋が必要なくなるのかといえばそうでもないらしく,人口が増えるにしたがって車で移動しようというシム人も多くなるようだ。
 今回は,3Dゲームエンジンであることを生かして,橋の高さを自在に変更できるようになっている。高くするほど見栄えが良いが資金が必要になり,低い橋は安価に作れるけどフェリーが通過できなくなる。このあたりは,移動手段を考慮した都市設計が大事ということだろう。これは,さしずめ「SimCity 2000」の仕様を復活させたものといえるだろうか。
 このような以前のシリーズから復活させたジョークは多いようで,UFOで映画「インディペンデンス・デイ」のように街を破壊したり,Truck-a-saurusという,アニメのシンプソンズに登場するキャラクターもしくはメカゴジラを連想させる巨大生物も災害として登場。それに加えて,メイヤーレイティングの上限が上げられたり,1段階近寄ったズームも可能になるなど,細かい部分での調整も多く見られるのはいうまでもないだろう。
 これまでになく,アクション性が加味されたシムシリーズ最新作「SimCity 4:Rush Hour」は,今秋には発売される予定だ。

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