連載 : PCビギナー救済連載「PCゲームのお作法」

PCゲームのお作法

 

(5)GPU編・後

 

 いきなりだが,第4回の復習から始めよう。以下に挙げる1〜5のそれぞれについて,より3Dグラフィックス表示機能が高いGPUはどちらだろうか?

  • GeForce 7900 GSとGeForce 7600 GT
  • GeForce 7900 GTXとGeForce 7950 GT
  • ATI Radeon X1600 XTとATI Radeon X700 XT
  • GeForce 6800 GSとGeForce 8500 GT
  • GeForce 6600とATI Radeon X600 XT
4Gamerでは,グラフィックスカード(など)の性能をチェックするハードウェアレビュー記事を定期的に掲載している(画像はレビュー記事より)。製品名だけで性能を100%推測するのは不可能なので,実際にゲームを動かして,「どれだけ性能が高いか」をチェックしているというわけである

 正解はすべて左側だ。まずGPUの世代をチェックして,その後クラスを比較。そこで結論が出なければ英字→“十&一の位”といった流れで,第4回図1&2を参照しながら一つずつチェックしていけば,いずれも正解にたどり着けるはずである。
 引っかかりやすいのは2.と5.だろうか。2.は右で十の位が「5」になっているが,十の位“調整弁”であり,意味を持つのは「同じ世代+クラス+英字の場合」だけ。英字が異なっているので,英字の優先順に従って左が上位となる。5.はどちらも「2世代前のクラス6」なので悩んでしまいがちだが,ATI Radeonの「X」世代におけるクラス6はローエンド。GeForceのクラス6はミドルレンジ。同じ世代の比較となるので,左が上位になるわけである。

 もっとも,ぱっと見てすべて正解できる人はPC上級者のなかでも多くはないだろう。繰り返すが,第4回の内容はそれほどに難しく,逐一憶える必要はない。ぜひ,必要に応じて参照するようにしてほしいと思う。

 というわけで本題。今回は,第4回で説明しきれなかった部分を順にフォローしていこう。

 

 

罠……に見えて意外とそうでもない「グラフィックスメモリ」

 

「大航海時代 Online」公式Webサイトより。必須動作環境としては,DirectX 9.0c以上に対応したGPUで,「32MB以上のVRAMをもつもの」とある

 第4回ではあえて触れなかったが,ゲームの動作環境におけるGPUの項目には,かなりの確率で「VRAM○MB以上」と書かれている。あるいは「ビデオRAM○MB以上」「ビデオメモリ○MB以上」,(前振りなしで)「○MB以上」なんて書いてあったりもする。それこそ,「ゲームの動作環境にあるGPUの項目は,製品名かDirectXのバージョン,GPUが対応するシェーダモデルのいずれかで書いてある」という第4回の説明が間違っているのではないかと思えるほどの勢いで,動作環境にはこの「○MB以上」という文字が踊っているのだ。

 この「○MB以上」はいったい何を指すのだろう。解答は「GPU専用のメモリ(の容量)」である。このメモリのことを4Gamerでは「グラフィックスメモリ」と呼ぶが,「VRAM」「ビデオRAM」「ビデオメモリ」というのも同じものを指している(ちなみにVRAMというのは「Video Random Access Memory」の略)。

 

「PSP『プレイステーション・ポータブル』」では,本体の側面にゲームのセーブデータを保存するためのメモリカードを内蔵する仕様だ。ニンテンドーDSだとゲームのカードがメモリカードも兼ねている

 メモリと聞くと,ゲーム機に慣れ親しんだ人はゲームのセーブデータを保存するメモリカードのようなものを想起すると思う。メモリカードはプレイヤーが使うメモリであるというのは説明するまでもないと思うが,同じようにグラフィックスメモリというのは,(プレイヤーではなく)GPUが使うメモリなのである。
 何のためにGPUがメモリを使うのかというと,画面を高速に表示するには,そのためのデータを“手元”に置いておく必要があるから。GPUから遠く離れたところにデータがあったのでは,持ってきて表示するまでに時間がかかってしまう。そこで,専用のデータ置き場を用意しておく必要がある,というわけ。その容量が,メモリカードの容量と同じように「○MB」(MB:メガバイト)として記されているわけだ。

 少し専門的なことにも触れておくと,ゲーム画面を表示するために必要なグラフィックスメモリ容量は画面解像度に比例する。解像度とは,1024×768ドットとか1280×1024ドットといった,画面の“大きさ”のことだと思えばOK。携帯電話の画面は,大きいほうがより多くの情報を表示できるが,アレと同じである。
 情報量が増えるということは,扱うデータ量も増えるということなので,解像度が高ければ高いほど,必要とされるグラフィックスメモリ容量は多くなるのだ。余談だが,携帯電話にもグラフィックスメモリは搭載されている。

 

「ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影」より。同じシーンを左は1280×1024ドット,右は800×600ドットの画面解像度で表示させ,さらにそれぞれ一部を220×165ドットのサイズで切り抜いたものだ。より大きな解像度(≒画面の大きさ)で描かれる上の画面のほうが,服の立体感など,情報量が増えているのが分かる

 

 2DのWindowsデスクトップやゲームなら基本的に解像度の話だけで済むのだが,3Dゲームではここに3次元世界を作るための奥行きが加わり,さらに(第2回の「3Dグラフィックスにおいてキャラクターを表示する流れ」1〜7で示した)「三角形の組み合わせに絵や模様を貼り付けたりする」作業など,いろいろ処理することが増えるので,必要なグラフィックスメモリ容量はどんどん増えていく。より高い解像度で,よりキレイな(絵や模様を貼り付けた)画面でゲームをプレイするときには,より大容量のグラフィックスメモリが必要になるという理屈だ(図1)。

 

図1 グラフィックスメモリには,(3次元の)三角形の組み合わせに貼る顔やレンガといった(2次元の)絵&模様,あるいはディスプレイに表示すべく計算途中のデータ,ディスプレイへ出力するための最終的なデータなどが置かれる。理想だけいえば,グラフィックスメモリ容量は多ければ多いほどいい(し,詳しくは触れないが,性能が高ければ高いほどいい)

 

「ハーツ オブ アイアンII」の製品ボックスより。2Dゲームの場合,動作環境にあるグラフィックスメモリ容量の要求が低い(ここでは必須4MB以上)。逆にいうと,必須動作環境で要求される容量が32MB以下のゲームは,大半が2Dゲームである

 必要となるグラフィックスメモリ容量は,Windows XPで2Dゲームをプレイするなら4〜32MBもあれば十分なので,ここ5年以内に新品で購入したPCで対応していないというのはちょっと考えにくい。Windows Vistaは最低でも64MB以上必要になることが多いが,これも最近購入したGPU搭載PCなら問題ないと思われる。
 3Dゲームの場合は32MB以上,最近だと128〜256MB程度要求されることが多いので,手持ちのPCでチェックするときはDxDiagにある「ディスプレイ」タブの「メモリ合計」を見れば,クリアしているかどうかが分かるだろう。これから購入するPCについてチェックするときは,PCメーカーのスペック表にあるグラフィックスメモリの欄を確認するといい。

 

GeForceの第8世代ハイエンドとなる「GeForce 8800 GTX」は,768MBものグラフィックスメモリを搭載する。2007年夏の時点で,動作環境として768MBもの容量を要求するゲームタイトルはない

 ただし……。
 動作環境におけるグラフィックスメモリ容量というのは,実のところそれほど重要ではなかったりする。というのも,ゲームの動作環境を満たしたGPU,正確を期すとそのGPUを搭載したグラフィックスカードなら,ゲームの動作環境が要求するグラフィックスメモリ容量は,まず間違いなくカード上に用意されているからだ。ハイエンドやミドルクラスGPUのパフォーマンスを生かすには(画面解像度を高くしたり,よりきれいな絵や模様を貼るために)多くのグラフィックスメモリ容量が必要なので,普通は必要なだけの容量が用意されているのである。

 ローエンドGPUやグラフィックス機能統合型チップセットも,最近の製品ではグラフィックスメモリ容量が足りなくならないよう配慮され始めており,ここ3年くらいの間に購入したPC,あるいはこれから購入する予定のPCであれば,「グラフィックスメモリ容量が足りない」という事態はまず迎えないはず。そもそもローエンドGPUやグラフィックス機能統合型チップセットの場合は,グラフィックスメモリ容量以前の問題――GPUの性能が動作環境を満たせない――が生じるので,結果としてやはりグラフィックスメモリ容量は問題にならないことが多い。

 繰り返すと,グラフィックスメモリは,ゲームの動作環境においてさも重要であるかのように書かれているのだが,結果としてそうでもない。ざっとDxDiagやスペック表を見ておけば十分だ。

 

 

製品名に追加の英単語&英字があったら要注意

 

DxDiagでノートPCのGPUをチェックしたときの例。「チップの種類」に,第4回で紹介したデスクトップGPUの製品名には見られない「Go」の文字が見て取れる(※このスクリーンショットの撮影にはソニーとNVIDIAの協力を得ました)

 第4回でGPUの製品名を説明したとき,自分のPCでDxDiagを実行した,あるいはPCメーカーのスペック表を見たとき,GPUのメーカー名はNVIDIAかAMD(=ATI)であるにもかかわらず,どうも微妙に製品名が異なっているという人がいたことと思う。
 そのとき,DxDiagの「ディスプレイ」タブにある「チップの種類」,あるいはPCメーカーのスペックにあったGPUの製品名に,「Go」「M」「Mobility」「Xpress」「IGP」なんて単語や文字が付いていなかっただろうか?

 実はこれらは,ノートPC向けのGPU,もしくはNVIDIAかAMD製のグラフィックス機能統合チップセットを示している。これまであえて触れてこなかったが,第4回で説明したGPUの製品名はデスクトップPC向けのもので,ノートPC向けとは微妙に製品名が異なるのだ。また,第3回で触れなかったが,NVIDIAとAMDも,IntelやSiS,VIA Technologiesと同様,グラフィックス機能統合チップセットを市場に投入しているのである。
 製品名の例を挙げると,「GeForce Go 7800 GTX」「GeForce 8600M GT」「ATI Mobility Radeon HD 2600 XT」「ATI Radeon Xpress 1250」「ATI Radeon 9100 IGP」といった具合。基本的には第4回で説明した製品名のチェック方法,つまり「ブランド名+数字+英字」の組み合わせでスペックは推測できるが,気をつけるべき特殊なポイントもあるので,順に説明していきたい。

 

●ノートPC向けGPU
 NVIDIA製のノートPC向けGPUは,第7世代までは「GeForce Go 7800 GTX」といった具合でブランド名と4桁数字の間に「Go」が入っているが,第8世代では4桁数字のすぐ後ろ(※英字の前)に「Mobility」(モビリティ,機動力の意)の頭文字「M」が付く「GeForce 8600M GT」という表記法に切り替わった。
 一方AMD製GPUの場合,ブランド名の間に「Mobility」が入って「ATI Mobility Radeon HD 2600 XT」となるような形が,長らく続いている。

 

ATI Mobility Radeonのイメージ。こんなGPUがノートPCの中に入っていると考えるといいだろう

 先ほども述べたとおり,製品名の見方自体はそう大きく変わらない。「GeForce 8600M GT」なら,第8世代のクラス6,GTだからクラス内性能はやや上。「ATI Mobility Radeon HD 2600」なら,「2」世代のクラス6,「無印」なのでクラス内の相対的な指標としては中ほどといったところ。世代とクラスに関しては,デスクトップPC向けGPUとまったく同じだ。

 しかし――ここが最も重要なところなのだが――同じ世代,クラス,クラス内性能指標(の英字)であっても,デスクトップPC用とノートPC用では,3Dグラフィックス表示機能(=性能)にかなりの違いがある。例を挙げて簡単に説明すると,GeForce 8600 GTとGeForce 8600M GTの性能,ATI Radeon HD 2600 XTとATI Mobility Radeon HD 2600 XTの性能は異なり,同じ世代,クラス,英字でも,ノートPC用GPUのほうが,デスクトップPC向けGPUよりも性能は低くなる

 これはなぜかというと,ノートPCの場合,発熱と消費電力の問題がついて回るからだ。3Dグラフィックス表示機能が上がると発熱と消費電力が大きくなるというのは,PLAYSTATION 3やXbox 360を持っている人なら,体験的によく知っていると思うが,筐体が小型になるノートPCでは,ゲーム機以上にこれらが重要な要素となる。発熱が大きくなると,(それこそゲーム機のように)大きな冷却ファンを搭載する必要が出てきてPCのサイズが大きくなり,もちろん消費電力も高くなるのでバッテリー駆動時間は短くなる……というわけで,ノートPC用GPUの性能は,どうしても低めに抑えられるのである。

 

デスクトップ向けGPU(≒グラフィックスカード)を,そのままノートPCに持って行くのは,サイズからして物理的に無理。そこで,筐体に格納できる程度まで発熱や消費電力を抑えているから,ノートPC用のGPUは,デスクトップPC向けのそれと比べて性能が下がるというわけだ

 

 どれくらいの消費電力や発熱量を落としどころにしてノートPCを作るかはPCメーカー次第。日本ではまだまだPCゲーマーが少数派ということもあって,どうしても3D性能と(持ち運ぶための)バッテリー駆動時間やPC本体のサイズが天秤にかけられると,後者が優先されてしまいがちだ。結果,GPUの性能はけっこう引き下げられてしまう。

 そんなわけで「ノートPC用GPUは,デスクトップ用GPUと比べて性能は○%低い」といった形では断言できないのだが,最低でもGPUの製品名にある「英字」1レベル分。場合によっては3〜4レベル分低くなることを憶えておきたい。もっというと,ミドルクラスのノートPC向けGPUの場合,「英字」レベルが高くても“デスクトップ用GPU換算”では何段階か低くなり,結果として第4回で説明した[最新3Dゲーム機]と同等の3Dグラフィックス表示機能を発揮できる条件がかなり限られてくることは,十分に認識しておきたいところだ。

 

●NVIDIA&AMD製グラフィックス機能統合型チップセット
 「グラフィックス機能統合チップセットを製造しているのは3社って言ったじゃないか!」というお叱りを受けそうだが,なぜ説明を後に回したかというと,NVIDIAおよびAMDのグラフィックス機能統合型チップセットには一見,GPUのような製品名が与えられているからである。

 

AMD製グラフィックス機能統合型チップセットを採用したPCで,DxDiagを実行した例。「チップの種類」には「ATI Radeon X1200 Series」とあり,一見しただけではデスクトップPC向けGPUと区別がつかない

 要するに,デスクトップ向けGPUの見方が,基本的にそのまま当てはまるのだ。例えば,NVIDIA製のグラフィックス機能統合型チップセットだと,DxDiagの「チップの種類」やPCメーカーのスペック表には「GeForce 7025」「GeForce 6100」といった文字が躍る。どこからどう見てもGPUの製品名である。
 AMD製だと一部,追加の単語が入ることもあるが,それでも「ATI Radeon X1250」「ATI Radeon 9100 IGP」「ATI Radeon Xpress 200M」といった具合なので,なんとなくイメージは掴めると思う。ちょっとヒネりの必要なATI Radeon Xpress 200Mも,「X」press「200」Mというところで,実在する「X」世代のGPU,「ATI Radeon X300」より下位っぽいことは想像できるのではなかろうか。
 いずれにせよ重要なことは,クラスを示す数字が「0」「1」「2」といったところに落ち着いており,明らかにローエンドということだ。

 

「スカッとゴルフ パンヤ」より。同タイトルは第3世代GeForce(=GeForce3)以上が推奨とされるタイトル,いわば最低限の3Dグラフィックス表示機能を要求するゲームだが,NVIDIAやAMDのグラフィックス機能統合型チップセットがターゲットとするのもこういったタイトル。ミドルレンジ以上のGPUとは性能がまったく異なる

 NVIDIAやAMDが発表もしていないような製品名も実際には存在するので,こんな製品名ならグラフィックス機能統合型チップセットとは断言できない。しかし,グラフィックス機能統合型チップセットであることが分からなくても,ローエンドGPU(相当)であることが分かれば,ゲーマー的には十分だ。
 少なくとも2007年夏の時点において,NVIDIAやAMDのグラフィックス機能統合型チップセットが持つ3Dグラフィックス表示機能は,クラスの値からも分かるように,クラス的にはローエンドGPUの,しかも下のほう。[最新3Dゲーム機]と同等の3Dグラフィックス表示機能は望むべくもない。IntelやSiS,VIA Technologies製のグラフィックス機能統合型チップセットとの性能比較でも,ほぼ同じか若干上といった程度だ。もっといえば,最低限の3Dグラフィックス表示機能か,それより少し上といえる程度の性能しか持っていないのである。

 

 

 以上,3回にわたってお伝えしてきたGPUに関する説明も,これで一段落となる。第4回図1&2を中心に据えながら動作環境と照合すれば,手持ちのPCや,これから購入しようとしているPCで,どんな3Dゲームが動作するのか,動作するとして,どれくらいのキレイさを期待できるのかは,およそ掴めるはずだ。

 というわけで次回以降は,最重要のGPUから少し離れる。ゲームの動作環境にあるそのほかのPCスペックについてもチェックして,万全を期すことにしよう。(佐々山薫郁)

 

ちなみに。

Intel製のグラフィックス表示機能を搭載したノートPCで,DxDiagを実行した例。このようにいくつかまとまって表示されることが多いが,GPUと同じく「チップの種類」をチェックしよう

 国内の大手PCメーカー製PCは,3Dゲームを想定していないため,IntelやSiS,VIA Technologiesのグラフィックス機能統合型チップセットを採用していることが多いという話を第3回で行ったが,このうち,圧倒的に数が多いのはIntel製のグラフィックス機能統合型チップセットだ。
 そこで,念のためIntel製グラフィックス機能統合型チップセットの世代をチェックするためのヒントを示してみたい。

 GPUのスペックをチェックするにはDxDiagの「チップの種類」,もしくはPCメーカーが公開しているスペック表にあるGPUの欄を見ればいい。だがこのとき,PCメーカーのスペック表を見る場合に限っては,いったんGPUの欄で「Intel」(もしくは「インテル」)と書かれているのを確認してから,次に「チップセット」を見る必要がある

 

これは富士通製PCの例。GPUの欄(※ここでは「グラフィック・アクセラレーター」)に「インテル〜」とあるから,そこで「チップセット」をチェック。すると「インテル G965 Expressチップセット」というグラフィックス機能統合型チップセットを採用していることが分かる

 さて,DxDiagの「チップの種類」もしくはスペック表の「チップセット」に,なんと書いてあっただろうか? 以下「xx」にはさまざまな数字が入ることをあらかじめお断りしておくが,「チップセット」の欄に「Intel」(もしくは「インテル」)とあり,続けて「9xx」「G9xx」「GM9xx」「Intel Gxx」とあった場合,3Dグラフィックス表示機能の「世代」は,GeForceの第5世代,ATI Radeonの「9」世代と同じ,シェーダモデル2.0世代(※厳密には誤りだが,この理解で構わない)になる。「DirectX 9世代以降のGPUに向けて作られたゲームのうち,最低限の3Dグラフィックス表示機能でもプレイできる」タイトルなら,プレイできる可能性が高い。

 逆に「Intel 828xx」(インテル 828xx)もしくは「Intel 8xx」(インテル 8xx)とあった場合は,かなり苦しい。これは「DirectX 7」という,非常に古い世代のDirectXにしか対応していない。DirectX 9以上を要求する3Dゲームタイトルはまず動作しないだろう。

 そんなこんなで,一概に「Intel製のグラフィックス機能統合型チップセット」といっても,その3Dグラフィックス表示機能はさまざまで,「Intel 9xx」と「Intel Gxx」の間でも微妙に異なったりする。これから新規購入するPCが「Intel 828xx/8xx」を搭載していることはまずないので大丈夫だが,Intel製のグラフィックス機能統合型チップセットを使っている人は,念のため確認しておくといいかもしれない。

タイトル 連載:PCゲームのお作法
開発元 N/A 発売元 4Gamer
発売日 - 価格 N/A
 
動作環境 N/A


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http://www.4gamer.net/weekly/pc_manners/005/pc_manners_005.shtml