連載 : 「チーム戦」特化型 国家別対戦攻略 AoEIII:ザ ウォーチーフ


「チーム戦」特化型 国家別対戦攻略 マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ チーフ,出番ですよ!

第5回:「スペイン編」& 「イギリス」編

※本攻略記事は,Version 1.02を基に執筆しています

 

 

 

国家攻略:スペイン

※本攻略記事は,Version 1.02を基に執筆しています

 

総合力評価:A
※この評価は編集部独自のものです
 「総合力評価」は,全11か国の相対的な評価をS,A〜Cでランク付けしたものです

 

■時代別評価

 

■国家特性

  • スタート時に「軍用犬」が与えられる
  • 「探索者」が「軍用犬」を生産できる
  • ホームシティのレベルアップに必要な経験値が約30%少ない
     (1.02パッチによる修正後の正確な数値は不明)

 

 

■概略/チーム戦における評価

 

ロデレロは非常に優秀なユニット。機動力があるため,苦手な弓兵や銃歩兵にも肉薄して近接戦闘に持ち込みやすい

 スペインは,ホームシティがレベルアップしやすいという特性を持つ,速攻を得意とする国家。カードを相手よりも多く使えることを利用して,早期に大量の軍隊を編成,序盤で一気に勝負を決めるというのが,スペインの最も得意とする戦術である。
 その圧倒的な序盤の展開の早さから,1vs.1では無類の強さを誇るスペインだが,チーム戦においては,その強さもやや陰る。1国だけが軍隊を少し多く揃えたところで,チーム戦では,大勢には影響を与えにくい(1vs.1ではそれが決定打になるのだが)というのが,その理由。なので,チーム戦におけるスペインは,多めに使えるカードを駆使して内政基盤の確立を急ぐなど,本来の得意分野とはややズレた戦法をとっていかなければならず,やや苦しい。
 とはいえ,「軍用犬」を使った序盤の先制攻撃は,チーム戦でも非常に強力だ。敵の出鼻を挫いて序盤で優位な流れをつくることも可能であり,強い部類の国家であるのは間違いない。しかし内政があまり強いとはいえないため,中盤以降は何をしても中途半端になりがちだ。

 

 「ランセロ」や「ロデレロ」といったユニークユニットは,クセが強いものの適所で使用すれば強力で,また海戦に関しても有効なカードが揃っているなど,状況に応じて戦い方を合わせられるというテクニカルな側面は,スペインの持ち味であり魅力である。
 とくにランセロは,対歩兵系に大きな攻撃ボーナスを持つ騎兵ユニット。基礎能力こそ低く,騎兵同士の殴り合いでは脆い一面を見せるものの,歩兵に対する瞬間的な打撃力は最高クラスだ。「カバイェロ」というカードを使うことで,対歩兵の攻撃ボーナスをさらに100%高められ,最大で4倍にもなる対歩兵への攻撃補正は,相手側からすると脅威の一言。拡張版になって大幅に強化され,一時期万能に近い性能を獲得したロデレロだが,前回のパッチ(1.02)で攻城力が下げられ,使いどころが難しくなってしまったのは残念なところ。とはいえ,対ユニットでは相変わらず強いユニットなので,相手にスーなどの騎兵国家がいる場合は,積極的に活用していきたいところだ。

 

 

 

■戦略指南

 

序盤のカード選択順序サンプル

「入植者 3」→「経済理論」→(進化:食料 500)→「ロデレロ 7」→「入植者 5」→「入植者 4」→「近接歩兵のヒットポイント」→「金貨 700」→「最新型農業」→

 

スペインといえば無敵艦隊。本ゲーム中でも,スペインは強力な海軍国家として位置づけられている。ただイギリスやアステカの台頭で,スペイン海軍の影は薄くなってしまった

 チーム戦におけるスペインの序盤は,基本的に「ハサー」か「ロデレロ」の二択。敵にトルコ,スーがいる場合はロデレロを主力とし,それ以外の場合では,ハサーを軸にすると安定しやすいことを覚えておこう。ロデレロは,遠隔攻撃ユニットの数が溜まりやすい4vs.4ではややつらい局面が多い(数が増えると遠隔攻撃ユニットが有利になりやすい)が,3vs.3ならば,序盤は比較的万能に近い性能を持つ。積極的に出していっても,不利になることはそうないだろう。
 紹介しているカード選択順序を見れば分かると思うが,チーム戦では,軍隊カードや資源箱カードを使って“瞬間的に”軍隊を揃えるより,基盤を固めていく方向性を考えたい。一気に軍隊を揃える方法もなくはないが,攻め込むタイミングや味方との連携が難しく,また最初の攻撃をしくじってしまうと,あとあとジリ貧になってしまうので,あまり安定感のあるやりかたとは言い難いのだ。
 今回紹介しているカード選択順序は,ロデレロを出す場合のパターンだが,騎兵を出す場合は,「ロデレロ 7」の代わりに「食料 700」を使えば,ほぼOK。その場合は騎兵で敵軍を牽制,あるいは内政を荒らしつつ,早期のIII入りを目指すのが基本的な戦略となるだろう。
 また序盤は,「軍用犬」を駆使して敵の体勢を崩しておくのも定石。軍用犬は,Iの時代から「探索者」で生産でき,ゲーム開始から4〜6分の時間帯で猛威を奮うユニット。とくに相手の入植者が前線基地を建てようとしているところに襲いかかると,かなりの確率で建設を妨害できる。軍用犬は,Iの時代から生産可能なユニットとしては,基礎攻撃力がとても高く,入植者を倒しやすい希有な能力の持ち主。4〜6分という時間帯は,相手側に防御ユニットも存在せず(兵舎がないので当たり前だが),一方的に相手の入植者を攻撃可能になるのだ。
 序盤における育成所の建設失敗は,すなわちほぼ負けに等しい展開。そんな状況を比較的容易に演出できるスペインの軍用犬は,それだけ強力な一手だといえる。スペインは,中盤以降はいまいち爆発力に欠ける国家。必ず序盤で先手を取り,できるだけ有利な状況を作り出しておきたい。
 早めにIIIの時代に入り,カードを使って「ファルコネット砲」や「ランセロ」を揃えるという戦法も,なかなか強力。敵が序盤のラッシュを警戒して軍隊を強化している場合は,すぐさまIII入りを考えてもよい。

 

 

 

■対スペイン攻略

 

ロデレロの弱点は,攻城力の低さ。内政地に奇襲を受けても,塔や町の中心へ逃げ込めば,かなり撃退しやすい。オランダの矛槍兵に比べると見劣りする要素であろう。

 対スペイン戦において最も警戒すべきは,やはり最序盤の攻撃だ。とくに軍用犬を使ったI後期〜II初期の攻撃は,ほとんど防御手段がないため実に脅威である。対策としては,素直に前線を引き気味に建てる,あるいは中心から「民兵」を派遣するなど,極めて消極的な方策があるのみ。警戒しても防ぎようがないのは事実だが,味方と共に探索者を集結させておくと,多少は防御がしやすい。
 また大雑把な対策ではあるが,対スペインとして「イロコイ」を選ぶというのは有効だ。イロコイは,スペインよりも有利に前線の位置取りができるほか,前線に建つ「戦闘キャンプ」が入植者を守る絶好の施設となってくれる。イロコイは,スペインにとって天敵ともいえる国家であり,イロコイがいるだけで軍用犬を使った戦術をほぼ無効化させられる。あまりに軍用犬に悩まされるという場合は,こういった対応策があることを思い出したい。
 また前線が建ったあとも,スペインの序盤の兵力には注意が必要。より多くのカードを早めに使っていけるスペインが本気を出すと,単純な兵力勝負では負けてしまうことがほとんど。8分前後まではとくに警戒し,スペイン側に付け入る隙を与えないようにしたい。細かいところでは,軍隊を兵舎の後ろ側に配置しておくだけで,敵の攻撃に対する耐性が飛躍的に高まるというのは有効な戦術の一つだ。兵舎が遮蔽物となって,ロデレロやハサーの突撃を防いでくれるのはもちろんだが,兵舎の視界があるぶんだけ,奇襲も受けにくいのである。
 ただ気をつけたいのは,スペインには“素早いIII入り”という選択肢もあるということ。カードが多く使えるというメリットを生かしての早いIII入り,そしてそこからのカード「ファルコネット砲 2」とランセロの組み合わせは,ストレートに決められるとつらいはず。適度な威力偵察で敵軍の様子をうかがい,スペイン側がユニットを追加生産をしているかどうかなどは,こまめに把握しておきたい。

 

 

 

■サンプルデッキ

 

 

 

■サンプルリプレイ

 

リプレイファイル[801KB](821,070バイト)

 

リプレイファイルは,以下のフォルダにコピーした後,
C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\My Games\Age of Empires 3\Savegame
ゲームメニューの「ヘルプ&ツール」>「記録ゲーム」から再生できます。

 

※これは,「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ」のVersion 1.02用のリプレイファイルです。ほかのバージョンでは,正常に再生できませんのでご注意ください。

 

 

 

国家攻略:イギリス

※本攻略記事は,Version 1.02を基に執筆しています

 

総合力評価:A+
※この評価は編集部独自のものです
 「総合力評価」は,全11か国の相対的な評価をS,A〜Cでランク付けしたものです

 

■時代別評価

 

■国家特性

  • 「家」の代わりに「マナーハウス」を建設できる
  • 「マナーハウス」を建設すると「入植者」が一人得られる
  • 「マナーハウス」は自壊(Delete)できない
  • 「マナーハウス」の最大建設数は20軒

 

 

■概略/チーム戦における評価

 

「イギリスは 何はともあれ 長弓兵」。思わず一句詠んでしまったが,そのくらいイギリスの代名詞的なユニットだ

 イギリスは強力な内政力を背景に,中盤から力を発揮するタイプの国家。圧倒的な射程を誇る弓兵「長弓兵」は,イギリスの代名詞ともいえるユニークユニットで,中盤までは最強クラスの性能を誇る。このユニットのおかげで中盤までの戦いが安定しやすいのも,大きな特徴。拡張版では頼みの長弓兵の攻撃力が下げられるなど,多少の弱体化が行われてはいるが,その強さはまだまだ健在だ。海軍も強く,その強さはアステカに次ぐほど。序盤の立ち上がりが遅く,1vs.1ではややパッしない印象もあるイギリスだが,チーム戦では,陸/海ともにかなりのポテンシャルを秘めている国家だ。

 

 イギリスで注目したいのは,まずなんといっても「ヨーマン」というカード。これは,ただでさえ長い長弓兵の射程をさらに4も上昇させるというもので,拡張版以前からある,由緒正しいイギリスの基本カードだ。このカードを切らないと,IVの時代以降で長弓兵をアップグレードできなくなるという問題もあり,デッキに組み込むのはほぼ必須である。ヨーマンを使った長弓兵は,苦手とする「ファルコネット砲」にも匹敵する射程(26)となり,IIIの時代では間違いなく最強のユニットの一つである。
 また拡張版となって新たに追加されたカードでは,艦船の射程を10アップさせる「海からの援護」というカードが要注目。イギリスが一大海軍国家として台頭する原因となったキーカードで,艦船の攻撃力をアップさせる「艦艇砲手」などとの相性も抜群。いずれも,海戦が激しくなるIIIの時代までに使用できるのがポイントで,イギリス海軍の強さを支える屋台骨的な要素だ。
 イギリスは,あまり深いことを考えずに長弓兵さえ出していればなんとかなるという意味で,非常に扱いやすく,初心者にもお勧めできる国家。何を使おうかと迷ってる人がいたら,まずこのイギリスを試してみよう。

 

 

 

■戦略指南

 

序盤のカード選択順序サンプル

「入植者 3」→(進化:食料 500)→「木材 700」→「木材 600」→「入植者 5」→「外来の硬材」→「最新型農業」→「持続型農業」→

 

終盤戦では強力な主力として使える,マスケット銃兵ことイギリスの「レッドコート」。18世紀の後半,“イギリスの赤服”による横隊戦術は世界最強を誇ったという。……ゲーム中の画面では青いけど

 イギリスの強さの源は,性能が高い長弓兵の生産を支える「内政力の高さ」にある。そしてそれを実現するのが,「マナーハウス」を建設すると「入植者」が一人得られる,という文明特性である。早期にマナーハウスを多く建設して入植者を一気に増やす,通称「家BOOM」は,イギリスの基本戦略の一つ。序盤にやや軍備がおろそかになりがちなイギリスだが,内政が一度軌道に乗ってしまえば,あとは溢れる長弓兵で敵を押し込んでいけるのは,大きな強みだといえるだろう。

 

 紹介しているカード選択順序も,長弓兵を作りながら早期の内政基盤確立を目指したもの。イギリスでは,大量の食料と木材を消費するが,もし近くに十分な食料源がない場合は,早めに「最新型農業」を使って「粉引き所」を建ててしまうのがよいのは,ほかの国家と共通する部分だ。
 軍編成は,当然ながら長弓兵が主軸。長弓兵は,数が揃ってしまえば苦手な騎兵や大砲とでも渡り合えるため,作りすぎて困るということがないユニット。展開次第ではあるが,IIの時代で100体以上生産することも,そう珍しいことではない。ただ長弓兵は非常に強力なユニットだが,IVの時代以降になると,弓兵自体の基礎能力の低さから,頼りなさが目立ってくるので注意が必要。IVの時代以降は,強化カードが揃っているマスケット銃兵(レッドコート)に切り替えるなど,ほかの兵種への移行も念頭に置くのがよいだろう。
 また,イギリスの強みの一つでもある海戦に関してだが,カードは,「海からの援護」「軍用船のアップグレード」「艦艇砲手」の順で使用していくこと。また海があるマップでは,「クラマス族の集落」など先住民族との交易所を建設することによって,港で「カヌー」が生産できるようになる。カヌーは木材だけで生産が可能で,また性能もそこそこという,かなりコストパフォーマンスに優れたユニットだ。港でのアップグレードこそカヌーには適用されないが,カードによる強化はしっかりと反映されるので,海戦が激しくなりそうな場合は,ぜひ利用するようにしたい。

 

 

 

■対イギリス攻略

 

長弓兵への一番有効な戦術は,ファルコネット砲4門以上での一斉砲撃。敵に射撃する時間を与えず,一気に蹴散らしていこう

 イギリスは,かなり隙のない国家の一つ。最序盤の立ち上がりがやや遅いという弱点こそあるが,それも速攻国と比較しての話で,格段弱いというレベルでもない。ただイギリスには「家BOOM」という選択肢が序盤に存在するため,最初の10分をぬくぬくと過ごさせてしまうと,あっという間に内政力が爆発的に成長する。大量の長弓兵を出され,不毛な消耗戦を強いられるハメになるので,注意が必要だ。やはり序盤から戦闘を仕掛け,マナーハウスを建てる余裕をなるべく与えないのが,対イギリス戦の定石である。
 運悪く戦線が膠着し,長弓兵をある程度揃えられてしまった場合は,IIでの戦いは避けて急いでIIIの時代に移行し,弓兵が苦手とするファルコネット砲を揃えたい。半端な数の弓兵や騎兵による攻撃では,近寄る前に一方的に殲滅される可能性が高い。またファルコネット砲も,必ず「十分な数」を揃えてから攻撃を仕掛けることが肝要だ。1〜2門のファルコネット砲では,射程の長い長弓兵からの集中砲火を浴びて,一瞬で破壊されてしまう危険性がある。4門以上のファルコネット砲を揃え,一斉砲撃で一気に長弓兵の数を減らしていくのが理想的な戦い方である。
 またイギリスは,機動力に乏しいユニットが主軸になりがちなので,騎兵で内政を荒らされることを嫌がる。戦線が膠着した場合は,騎兵を内政地に向かわせ,敵のリズムを崩していくことを重視したい。というより,イギリスは内政力がかなり強い部類に入るため,正面決戦ばかりをしていては不利を免れない。イギリスは荒らしに弱い国というわけではないが,先手先手を取っていき,あまり受け身(正面決戦)になりすぎないように気をつけよう。

 

 

 

■サンプルデッキ

 

 

 

■サンプルリプレイ

 

リプレイファイル[876KB](897,294バイト)

 

リプレイファイルは,以下のフォルダにコピーした後,
C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\My Games\Age of Empires 3\Savegame
ゲームメニューの「ヘルプ&ツール」>「記録ゲーム」から再生できます。

 

※これは,「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ」のVersion 1.02用のリプレイファイルです。ほかのバージョンでは,正常に再生できませんのでご注意ください。

 

 

 

 

■■TAITAI(4Gamer編集部)■■
4Gamer編集部には,昔から太めの体型の人間はあまりいなかったのだが,在籍中に太ってしまうケースは多々見られる。理由の一つとして,どんな痩せ型体質の人でも太りはじめてしまう時期である「30歳前後」の男性スタッフが妙に多いことが挙げられる。TAITAIもまさに三十路目前であり,自宅住まいで金銭的な苦労も皆無であるこの男は,なんと4Gamer在籍中に15kgも太ったそうである。みんなも4Gamerに入るときは激太りに気をつけよう。
タイトル マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ
開発元 Ensemble Studios 発売元 マイクロソフト
発売日 2006/12/15 価格 6090円(税込)
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c),CPU:Pentium 4/1.40GHz以上[Pentium 4/2.40GHz以上推奨],メインメモリ:256MB以上[512MB以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨],HDD空き容量:1.5GB以上

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