キュイラシェは攻城力も高く,多少の防御施設なども問題としない。機動力を生かして,敵ユニットのいない拠点を衝くのも有効な戦術だ
フランスの弱点は,序盤における立ち上がりの遅さと,IIの時代で有用なユニットがとくにないという点。なので,いかにして序盤をやり過ごすかが,フランスを使ううえでの重要な,いや最大のポイントと言ってもよい。
サンプルにあるカード選択順序だが,Aは主に「ハサー」を主力とするときの手順。というのも,フランスは騎兵に有利なカードを多く有する国家なので,チーム戦においては騎兵を担当することが多いからだ。簡単に解説すると,まず「クルール 3」「クルール4」というカードを連続して切って内政力を底上げしながら,IIに進化した直後に建てた騎兵育成所からハサーを生産。ハサーの連続生産を絶やさないために,大量に消費する食料をまかなう「食料 700」を切っていくというのが,一般的な手順となる。「木材 700」が早めなのは,早い段階で交易所を押さえる,あるいは周りに動物がいない場合に「粉引き所」を建設するため,という意図が含まれる。
ただ敵が早い段階(それこそ6分前後)で攻撃を仕掛けてきそうな場合は,「クルール 3」の次に軍事カードを切るのも有効だ。例えば,初期生産のハサー4〜5体と,「ハサー 3」カードを使って出てくる3体を合わせれば,最初の一撃までに7〜8体のハサーを揃えられる。序盤においては,少しの兵力の差が勝敗を決定的にしてしまうケースは多い。序盤の攻防に不安を覚えるならば,こういった選択肢も覚えておこう。
サンプルBは,騎兵担当の国がほかにいた場合の手順である。ここでは,「スカーミッシャー」をお勧めしたい。同じ射撃系ユニットの「石弓兵」を出すという選択肢もないわけではないが,とくに味方にイロコイなど,強力な「3」の銃兵ユニットを持つ国がいる場合,この「早期スカーミッシャー」はなかなか有効だ。早期スカーミッシャーだけ切って,味方に強力な歩兵を出してもらい,自分はハサーを出すというやり方も決して悪くない。
いずれにせよIIの時代の全体としては,内政系のカードをバシバシ切って国力増強に努めるのが基本であり,のちの時代への地盤作りが主な目的となる。軍事カードばかりを使って,IIの時代で息切れしてしまわないように気をつけよう。
IIIの時代へ入ったら,いよいよ強力な「キュイラシェ」を生産できるようになるが,IIIの時代の経済力では,まだまだ十分な数を揃えるのは不可能。中途半端な数で敵陣へ突撃すると,返り討ちにあってしまうので注意したい。キュイラシェは確かに強力なユニットだが,決してコストパフォーマンスが良いわけではない。つまり,数が揃ったときの破壊力それ自体は凄まじいが,消耗戦で有効なユニットではなく,内政基盤の弱い中盤での無闇な乱用は禁物なのだ。本格的な攻勢は,あくまでIVに入ってからだという点を念頭に置いておこう。
とはいえ,IIIの時代で味方もろとも総崩れになったのでは話にならない。それを防ぐためには,「チーム:遠隔歩兵の攻撃力」などがなかなか有効だ。IIIの時代ともなると,敵味方の双方にかなりの数の射撃ユニットが溜まっていることと思うが,それらの戦力を底上げすることで,味方チームの瓦解を防ぐわけだ。自身で下手にユニットを生産するよりも有効な場合は多いので,選択肢の一つとしてぜひ覚えておこう。
IVの時代以降は,その強力な騎兵団をもってひたすら押していくのみだが,「サラブレット」を使ってキュイラシェの人口コストを下げておくのも忘れずに。ただしIVの時代になっても,キュイラシェを消耗品として扱うのはなかなか難しく,人口コストよりも資源のほうがネックになる場合が多い。「サラブレット」が本格的に必要になるのは,より資源が潤沢なVの時代以降かもしれない。