「Monkey Island」の制作で知られるロン・ギルバート氏が新作アドベンチャーに向け，新たな「SCUMM」を開発中

　ポイント＆クリック型アドベンチャーの名作「Monkey Island」の制作を手がけ，1980年代から90年代前半にかけてLucasArts Entertainmentの黄金時代を築き上げたゲームクリエイターである（Ron Gilber）氏が，自身のブログで「SCUMM」を新たに作り直していることを明らかにした。「SCUMM」は，同氏の手がけたアドベンチャーゲームに搭載された，オリジナルのスクリプトだ。

　ブログに投稿されたエントリーのタイトルは「If I Made Another Monkey Island...」（もしボクが新しい「Monkey Island」を作るなら）。その内容は箇条書きで17項目にわたり，新作に対する意気込みを語ったものだ。その中でギルバート氏は「モンキーアイランドは作っていない。絶対に作っていない。だけど作るとしたら……」と前置きをしつつ，新作タイトルは「Monkey Island」シリーズの精神を受け継いだものであるとした。

　また，「Look」（見る）「Use」（使う）「Talk」（話す）などの「動詞」を選択するパズル的な入力システムが特徴的だったSCUMMに関して，最新版では「動詞は使わない」と公表されている。さらにグラフィックス面は，2Dながらも独特な表現を実現しているという。

　投稿されたエントリーの中で「今と昔のボクは別人なので，1992年にリリースを予定しながらも開発中止となったMonkey Island 3をそのまま作るのではない」と書かれているとおり，単なる「Monkey Island」シリーズの続編になることはなさそうだ。


　しかし，ギルバート氏は「モンキーアイランドは作っていない」と強調しているものの，彼自身が「Monkey Island」の開発を望んでいるのは明らかだろう。2012年にLucas FilmがDisneyに買収され，LucasArts Entertainmentも閉鎖されたばかりとあって，「Monkey Island」の版権に関する状況を知ることはできない。

　エントリーには「モンキーアイランドの新作を開発する唯一の方法は，その知的財産権を手に入れることだ」といった一文もあり，ファンとしては期待を高めずにはいられないところだ。

　いずれにせよポイント＆クリック型のアドベンチャーゲームが，最近元気を取り戻している。この期に乗じて，ギルバート氏らしいジョーク満載の新作ゲームを生み出してもらいたいところだ。

ロン・ギルバート氏のブログ「Grumpy Gamer」