ちなみにBloober Teamが2016年にリリースした「Layers of Fear」もホラーゲームで,「レイヤーズ・オブ・フィア」の邦題でインターグローから日本語版がPlayStation 4向けに発売されている。
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「>observer_」は現在,言語として英語など数か国語が収録されているものの,残念ながら日本語には非対応だ。ただし,日本語版への対応予定はあり,それが遅れたという形らしいので,今後のアップデートで追加されるという。したがって,日本語版をちょっと待ってみるというのも選択としてはアリかもしれないが,筆者は待てなかった。
もう夏も終わりそうだが,この夏のホラータイトルの1つとして紹介したい。
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さて,まずは世界観とゲームシステムだ。本作の舞台は,2084年のポーランドの都市クラクフで,過去,数千人の命を奪った“digital plague”(これが具体的にどういうシロモノなのかは,ちょっと分からないが)と戦争,さらにドラッグの蔓延により政府は崩壊し,現在はChiron(カイロン)と呼ばれる大企業が国を支配している。
いわゆるディストピアものであり,街の雰囲気がかなり荒れ果てていることや,後述する主人公の特殊能力と相まって,雰囲気はかなりサイバーパンク。オブジェクトの情報がホログラムで表示されたり,右手に装着されたガジェットでログを確認できたりなど,超未来的な技術も実現しており,サイバーパンク好きにはたまらないはずだ。
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主人公の名前はダニエル・ラザルスキー。彼は,クラクフ警察に組織された「Observer」(オブザーバー)のメンバーで,他人の脳にハッキングし,その記憶を見られるという特殊能力を持っている。ちなみに,どこかで見た顔だと思ったら,7月20日に掲載した記事でもお伝えしたように,ハリウッドスターのルトガー・ハウアーさんが演じており(関連記事),Bloober Teamの本作に対する力の入れようが伝わってくる。お金かかってます。たぶん。
ゲームの中でプレイヤーが使えるアクションはシンプルで,移動やしゃがみのほか,対象のオブジェクトを動かしたり,ドアや引き出しの開閉をしたり,スイッチを点けたり消したりできる。銃を撃つなど,アクション要素はほとんどない。
主人公は他人の脳へのハッキング以外にも,いくつかの特殊能力を持っており,その1つが「EM(Electromagnetic) VISION」だ。これを発動すると,PCや配線,コンピュータチップなどの電気的なアイテムが強調表示された画面になる。これで見つけたアイテムを調べることで,その詳細が判明し,手がかりが増えるのだ。
もう1つが「BIO VISION」で,こちらは血痕や傷口など,生体的な痕跡や異常が強調表示されるというモードだ。使いかたはEM VISIONとほぼ同様で,この両者を使い分けて事件の現場でさまざまな証拠を発見して,事件解決を目指すわけだ。
![]() 特殊能力の1つ,EM VISION。電気系のアイテムや配線が強調表示されるモードだ |
![]() こちらがBIO VISION。生物や血痕などが強調表示され,調べることで情報が得られる |
また,プレイを続けていると画面にどんどんノイズが現れてくるという演出もある。これはおそらく主人公の特殊能力と関係があり,ログ画面で薬を使用すると回復できるのだが,このように,ホラーと近未来のサイバー感を一緒に堪能できるゲームになっているのだ。
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不可解なメッセージを追ってスラム街へ
さて,ここからは序盤のプレイの模様を追っていこう。
物語は,ダニエルがChironの技術者である息子Adamから,不審なメッセージを受け取ったことで幕を開ける。なぜ疎遠だったAdamがメッセージを送ってきたのか? 不可解な内容が意味するものとは? 不審に思ったダニエルは,メッセージが発信された場所であるスラム街のアパートへ向かう。そして部屋に入ると,そこでは首のはねられた死体が彼を待ち受けていたのだ。
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とりあえず,部屋をあらかた調べ終えたところで,部屋の入口が閉じられていることに気づいた。つまり,部屋から出る手段がなくなってしまったのだ。再び部屋を捜索すると,壁にキーパッドを発見した。コードは天井につながっており,見るからに怪しい。どうやら4桁の暗証番号を入力する必要があるらしい。
特殊能力を使ってハッキングしたところ,最後の数字が「4」であることだけが判明した。ということは,部屋のどこかに,最後が4で終わる数字があるのだろうか? と,このようにいたるところで頭を使う謎解きが盛り込まれており,周囲の探索をしっかり行って小さな情報も見逃さないことが事件解決に必要となる。このへんは,アドベンチャーゲームの基本だ。
![]() キーパッドをハッキングして暗証番号を調べることも可能。ただし,すべての数字が判明するわけではなさそうだ |
![]() 部屋を探索することで,さまざまなアイテムが見つかる。果たして,暗証番号の手がかりは発見できるのだろうか |
……すったもんだの末に脱出に成功し,別の部屋を調べていたところ,またしても血まみれの死体を発見した。しかもお腹が切り開かれて内蔵が飛び出ているという,グロ注意の状況だ。近づいてみると,その男性はかすかに動いていた。そう,死体ではなく,まだ息があったのだ。
いったい何があって,このような状況になったのか。ここで,ダニエル最大の能力である,他人の脳へのハッキングを行う。この能力は,いつでも使用できるEM /BIO VISIONとは異なり,特定の場面のみで使用できるイベント的な扱い。したがって,あたりかまわず他人の脳の中身をのぞけるわけではない。ちょっと,残念。
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日本語の実装にすごく期待
さて,男性に専用の針を突き刺してハッキングすると画面は一転し,男性の記憶の中にある景色が広がった。ここからがホラーゲームとしての本作の本領発揮となる。一見したところ同じアパートの一室なのだが,部屋のつながりが異なっていたり,振り向くと景色がまったく違っていたりなど,記憶ならではの異常な光景が続くのだ。ここを探索して,彼に何があったのかを突き止めなくてはならない。
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……だが,歩みを進めるごとに,恐怖は増大していく。急に刑務所のような場所にワープしたり,幻想的な映像が流れたり,机の上にあるものが高速ワープをくり返すなど,抽象的ながら恐怖感を煽る映像がどこまでも続いていくのだ。
結局,なぜ男が瀕死の状態になったのか,答えが見つからないまま,現実世界へ引き戻された。
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というわけで序盤のプレイを解説してきたが,いかがだっただろうか。
このあとも,アパートの住民に聞き込みを行ったり,聞き込みの中で少女が,「自分にだけ見える友人がいる」というコワい発言をしたり,巨大な機械に接続された半裸の女性を見つけたりなど,物語はどんどんホラー度を増していく。これ以上は書けないので,どのような展開になるのか,ぜひあなた自身で体験してほしい。
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近未来世界を荒廃した舞台にした世界観や,設定を活かした特殊ビジョンなど,興味深い要素は非常に多く,映像のクオリティも高いため,すぐさまこの魅力的な世界に没頭できることだろう。とはいえ,日本語化されていないので,日本語ラブの筆者が本作を十分に楽しめたかと聞かれれば,ちょっとキツかったと答えるしかない。
本作は会話シーンが多く,またメモから証拠を見つけるなど,英語(または収録されたほかの言語)を聞いたり読んだりする機会が多い。というわけで,英語に自信があり,サイバーパンクとホラーが好きな人にとっては,かなり楽しめる作品となる。
日本語はアップデートで対応される予定なので,筆者のように英語が苦手だけど本作が気になっている人は,諦めてそのまま遊んで雰囲気だけを楽しむか,アップデートを待つのがいいだろう。
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