「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」完成披露発表会開催。5年ぶりのアフレコ復帰となる大山のぶ代さんも駆けつけたイベントをレポート

　本日（11月18日），東京都豊島区のイベントスペース「みらい館大明」において，スパイクから2010年11月25日に発売される予定のPSPタイトル，「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」（以下 ダンガンロンパ）の完成披露発表会が行われた。

　ダンガンロンパは，殺人事件の真相を暴くために行われた学級裁判を舞台に，プレイヤーがアクションを駆使して相手の主張を論破するという新感覚の推理アクションだ。ハイスピードで議論が展開する中，飛び交う生徒達の主張に矛盾点を見つけ，捜査パートで集めてきた証言や証拠を弾丸として相手に撃ち込むという，まったく新しいゲームデザインが特徴となっている。

　発表会ではゲストとして，後述する「モノクマ」役で5年ぶりのアフレコ復帰となった大山のぶ代さん，主人公である苗木誠役の緒方恵美さん，そして，お笑いタレントのザ・たっちが招かれた。

「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」公式サイト

「ダンガンロンパ」“2.5D”で描かれた学園の様子や，結論を導き出すクライマックス推理などを紹介。見方を変えると新たな発見が……

正面左からたくやさん，かずやさん。いつもは同じ衣装の2人だが，今回はモノクマを表現するため，可愛らしい感じの白と，邪悪な黒に分けたとのこと。笑顔も満面の笑みと薄笑いに分かれているという徹底ぶりだ（？）

　まず最初に登場したザ・たっちの2人は，開口一番「どうも。モノクマです。おまえら，お仕置きしちゃうよ」と，モノクマのものまねで笑いを取った。

　モノクマとは，本作の舞台である「希望ヶ峰学園」の学園長を名乗る，クマの形をした動くぬいぐるみのことだ。15人の生徒達を学園内に閉じ込めたうえに殺人を誘発するようなことを生徒達に言う。不気味さと可愛さが入り交じった，個性的なキャラクターだ。
　ザ・たっちの2人は，すでに本作をプレイ済みとのことで，「推理ゲームの中に爽快感やアクション要素のある，すごく斬新なゲームだと思いました」と語った。

　ここで，ダンガンロンパのアシスタントプロデューサーである齊藤祐一郎氏と，シナリオを担当する小高和剛氏が登壇した。

アシスタントプロデューサーの齋藤祐一郎氏

シナリオを担当した小高和剛氏

本作の魅力について聞かれ，「ハイスピード推理アクションがウリ」と「ストーリーとキャラクターがいい！」に意見が分かれ，口論になるザ・たっち。もちろんそれはネタで，最後はおすぎとピーコの鉄板ギャグを炸裂させた

　小高氏によると本作は当初，企画をなかなか会社に認めてもらえなかったため，まずは試作版を作るところからスタートしたという。試作版だけに，プロの声優を起用する余裕はなく，開発スタッフが声を当てていたそうだ。しかし，演技経験のないスタッフがボイスを当てたバージョンを見せたところ，上司から「これは面白い面白くない以前に，ヒドイ！」と，強烈なダメ出しを食らったという。
　そうした，初期の苦難を経て作り上げられた本作。齊藤氏は「立ち上げ時から“新しいことにチャレンジしていこう”という意識が強かったので，こうして発売までこぎ着けられたことは本当に嬉しいです」とコメントした。

苗木誠役の緒方恵美さん

　ここで，苗木誠役の緒方恵美さんが登場し，本作の印象を「ダンガンロンパはストーリーがとてもよくできていて，プロットを読んだとき，すごく面白い小説を一気に読んだような感覚でした」と語った。
　また「ゲームの収録は，アニメと違って声優みんなで掛け合いをしないんですね。ですから，相手役がどういうふうに喋っているかをきちんと想像できるかできないかで，受け答えのセリフの感じがまったく違ってしまうんです。だけど，ダンガンロンパはキャストが濃い人達ばかりなので，すごくしっかり芝居ができました」と，収録時のエピソードを披露した。

　さらに「探偵役って，人から投げてもらったセリフをスッと返すのではなく，もらったものを自分の中で回してから出すという作業が必要なんです。かなり頭を使うので，脳のブドウ糖がなくなって甘いものが欲しくなりました」と，探偵役を多く演じてきた緒方さんならではのコメントも。


　ちなみに緒方さんは，本作のエンディングテーマも歌っているが，緒方さんによれば，最初，ダンガンロンパにテーマソングなどが入ることは決まっていなかったという。
　そんなとき，「曲とか作ってるんですか」とスタッフに聞かれた緒方さんが，デモテープを持ち込んでスタッフに聴かせたところ，「ぜひこれでやりましょう」ということになったそうだ。普段から曲作りを楽しんでいるという緒方さんは，「今の自分を歌っている曲だったので，それを気に入ってもらえたのはすごく嬉しかったですね」と話していた。

モノクマ役の大山のぶ代さん

　緒方さんに続いて，本日のメインゲストでもある大山のぶ代さんの登場となった。
　大山さんはモノクマを演じた感想について「（悪役は）初めてですけど，モノクマってすごく可愛いんですよね。演じていてすごく可愛い」と語る。

　さらに「私は悪役っぽいのはできないからダメですよって最初は言ったんですけど，ともかく演じてみたんです。アフレコのときって私一人だったから，『これでいいのかな』と思ったんですけど，周りを見ると，みんながニコニコ笑ってるんですよね。それで安心して，そのまま演じました」と，アフレコ時のエピソードを話してくれた。
　齊藤氏も「大山さんの感じるモノクマを自由に演じてくださいとお願いしたら，まさにそれが僕らの持っているモノクマのイメージと一致したんです」と語る。

（左）ザ・たっちのネタである「幽体離脱〜！」は，実はあの国民的人気キャラクターのしゃべり方をイメージしていたとのこと。本人の前でネタを披露できて満足した様子だった。（右）発表会序盤でモノクマのものまねをしていたザ・たっち。大山さんの前で再度披露することになったのだが，一回目は「ちょっと弱いかな。もっと強く言ってみて」と指導を受けた。二回目でお墨付きをもらったものの，やはり本物が見たいということで，今度は大山さんが「おまえら，お仕置きしちゃうぞ！」

発表会終了後は，ザ・たっちから大山さんと緒方さんに花束が渡された