国民的RPGの最新作が5年ぶりに登場！　堀井雄二氏も駆けつけた「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」発売カウントダウンイベントの模様をレポート

　2009年7月11日（土），ニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストIX　星空の守り人」（以下，ドラクエIX）の発売を記念し，渋谷TSUTAYAにて「発売カウントダウンイベント」が開催された。
　ドラクエIXは，言わずと知れた国民的RPGの最新作。シリーズ初の試みとなるマルチプレイ要素や，Wi-Fiコネクションによる追加クエスト配信などが注目されており，TSUTAYA全店における予約数が，前作「ドラゴンクエストVIII」の倍以上に達しているという報道も，ネット上で大きな話題となった。

　本作のプロデューサーである市村龍太郎氏と，「ドラクエ」シリーズの生みの親である堀井雄二氏も登場した同イベント。本稿では，その模様をお伝えしていこう。

朝6時ですでにこの賑わい。カウントダウンイベントに参加できたのは99人だが，イベント終了後にも，おそらく200人近くのファンがドラクエIXを求めて行列を作っていた

前評判やイベントの盛り上がりは「ドラクエVIII」以上？

堀井氏と市村氏が登場し，「ドラクエIX」の見どころや裏話を披露

　イベントが開始されると，まずはMC役のリッカ，ラヴィエル，ルイーダに扮した三人娘がステージに登場。ステージ前に集まった先着99名のファンに，カウントダウンセレモニーの流れを説明し，リハーサルを行った。

　
　それから間もなくして，市村氏と堀井氏も盛大な拍手に迎えられながらステージに登場。「本日，このような沢山のファン達と発売日を迎えての感想はいかがでしょうか？」というMCからの質問に対し，堀井氏は「ドラゴンクエストを初めて作ったのが，今から23年前なんですよ。20年以上経ってもこうして皆さんに注目されるというのは，凄く嬉しいです。本当に感激ですね」とコメント。
　続いて市村氏は「私はドラゴンクエストVIIIからプロデューサーをやらせていただいていますが，VIIIのときもここでカウントダウンイベントをやりました。今回はあのとき以上の凄い熱気を感じます。本当にありがとうございます」とコメントした。

「ドラクエIX」のゲームデザイナーである，ご存じ堀井雄二氏（左）と，ゲームプロデューサーを務めたスクウェア・エニックスの市村龍太郎氏（右）

　続けて，「ドラクエIXの一番の見どころはどこでしょうか？」という質問では，「ドラゴンクエストIXにはスタッフの色々なアイディアが一杯詰まっていますが，やはり一番のポイントはワイヤレス通信を使ったマルチプレイですね。ドラゴンクエストIIIみたいなゲームを，友達と一緒に遊べたらどんなに楽しいだろう，というのが出発点でした。ぜひ楽しんでください」と堀井氏。
　そして市村氏は，「今，堀井さんから話していただいたのが，“皆で遊べる”というところなんですけれども，今回は“ずっと遊べる”というところもテーマにしておりまして，Wi-Fi通信で毎週新しいクエストがダウンロードできたり，ショッピングが楽しめたりします。毎週新しいお話が追加されていくという，“週刊ドラゴンクエスト”。まさに今日から一年間，漫画連載のようにやっていきますので，こちらのほうもぜひ楽しみにしていてください」と熱く語っていた。


　また，「何か裏話やボツになってしまったアイディアなどがあったら教えてください」という質問に対しては，「あまりボツになったアイディアの話をしちゃうと，ああ！　それもやりたかった！　ということになっちゃうのではないでしょうか（笑）。やりたかったことはほとんど入ったんじゃないかと思いますよ。」と，苦笑いしつつ語った堀井氏。
　一方，市村氏は「ニンテンドーDSでやるということで容量に制限があったんですが，ひたすら工夫しました。BGMの曲数とか，意外と大変なんですよ。今回もすぎやまこういち先生に沢山作曲していただいたんですけれども，戦闘の曲を最初作ってもらったときに，堀井さんから「これ途中で飽きちゃうんじゃないかなぁ」という意見が出まして。勇気を出してすぎやま先生に話をしたら，「ウム！　確かにこれは飽きる！」との同意を受け，変更したりしましたね。おかげで今回も戦闘曲は凄く出来がいいです」と，開発の苦労を振り返っていた。


　その後，いよいよカウントダウンセレモニー本番へ。カウントダウンに合わせ，99名のファンが数字の書かれたスライムうちわを順番に掲げていくという趣向だった。
　そしてカウントが0になると同時に，ステージ両サイドから大量の白い羽が噴出。会場が大きな拍手に包まれるなか，登壇者達による商品の手渡しが開始された。
　堀井氏から直接商品を手渡された記念すべき1番目のファンは，「子供の頃から，ドラクエを一番で買って，一番でやりたいと思っていたので，夢が叶って本当に良かったです。ありがとうございます！」と興奮気味に語っていた。


　なお，商品受け渡し終了後にもちょっとした囲み取材が設けられたので，最後にその内容もお伝えしておこう。

――昨年度はゲーム業界が大分落ち込みましたが，今回の「ドラクエIX」発売はゲーム業界にどういった影響を与えると思いますか？

堀井氏：
　確かに今，暇つぶしの要素というのが携帯電話やインターネットに取られていると思うんですが，それでも“やりたいゲーム”があれば皆戻ってきてくれるのではないでしょうか。今回も「ドラゴンクエストだったら遊ぶ」と言ってくれる人が結構いるので，それが凄く嬉しいです。

市村氏：
　今回の「ドラゴンクエストIX」はニンテンドーDS用ということで，忙しい人達も通勤中に遊べたり，お子さんと一緒に遊ぶことができます。そういったところからお客さんに帰ってきて頂ければ，またさらにユーザー人口が拡大されていくのではないでしょうか。任天堂さんが色々やってきたことによって客層は広がりましたが，「ドラゴンクエストIX」はそれをさらに広げていくタイトルになるんじゃないかと期待しています。

――由々しきことに，現在ネット上にマジコン用のデータが流れているようですが，それについてどう思われますか？

市村氏：
　それに関しましてはスクウェア・エニックスとして回答したほうがいいと思いますので，私の方から答えさせて頂きます。確かにそういったデータが出回っているという情報は，私共も得ています。今後しっかり調査・対応を続けていくつもりです。