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TCG「マジック:ザ・ギャザリング」の世界選手権が幕張メッセにて開幕。世界最高峰のデュエルをしかと見よ
本来ならば4Gamerとはあまりゆかりのない,アナログゲームのイベントではあるが,日本での世界選手権開催となれば,我が編集部も黙っていられない。世界最高峰のデュエルが繰り広げられ,関連したさまざまな催しが盛りだくさんの本大会を,会場風景と共にお伝えしていこう。
「マジック:ザ・ギャザリング」公式サイト
「マジック:ザ・ギャザリング」公式イベントカバレージ(試合結果速報)
これが「マジック」の今だ!
※「マジック:ザ・ギャザリング」の知識はバッチリ! という方はここを読み飛ばして下に進んでください。
世界初のトレーディング・カードゲームである「マジック:ザ・ギャザリング」(以下,マジック)は,1993年にアメリカで生まれ,現在では9つの言語に翻訳されて世界60か国,約500万人に遊ばれている。
日本マジック界の生き字引きとまで言われる,ウィザーズ・オブ・ザ・コースト日本支部代表の真木孝一郎氏。「普通の写真にしてほしい」と頼んでも撮らせてくれなかったので,これで載せてしまおう
数あるカードゲームの中でも,世界規模の賞金制トーナメントが定期的に開催されるというのがマジックの特徴で,世界中の大会をめぐって賞金などで生活している「プロプレイヤー」も存在する。
そして日本人プレイヤー達も,今や世界最強の一角を占めるようになっている。
ゲームの遊び方(フォーマット)は,大きく分けて「構築」と「リミテッド」の2種類。
「構築」はあらかじめ自分で作ったデッキを持ち寄って戦うが,「リミテッド」は対戦時に新品のパックを開け,出てきたカードでデッキを作る。
また「構築戦」の中にも分類があり,使えるカードの種類がどれだけ多いかによって,「スタンダード」「エクステンデッド」「レガシー」「ヴィンテージ」と分けられる。
一方「リミテッド」は,パックを開けてそのままデッキを作る「シールド」と,8人でパックを順に回しながら,1枚ずつ選んでカードを取っていく「ブースタードラフト」の2種類が主にプレイされる。
カードゲームのイベントお約束のカードショップも,そこかしこに。どのショップも,真剣な目をしたマジックプレイヤーの人だかりで埋もれている。カードゲームを遊ばない人こそ,写真に写っているカードの値段に注目だ
世界の50か国以上から「マジック」プレイヤーが集合
この本戦に招待されるのは,国別選手権の代表3名のほか,過去のトーナメントの成績を総合して決められるランキングの上位者に限られる。
世界の強豪に混じって日本人プレイヤーも42名参加しており,地元の利を生かしての活躍に期待がかかる。
初日9日に行われた開会式では,各国代表が旗を持って行進した後,2010年のマジック・イベントを映像と共に振り返った。
世界選手権を制して,2010年におこなわれた18回のグランプリ,3回のプロツアー,50回以上の国別選手権の頂点に立つのははたして誰だろうか?
世界に挑む日本代表プレイヤー達
今年の日本代表の顔ぶれをご紹介しよう。夏におこなわれた日本選手権を勝ち抜いたのは,この3名だ。
森 勝洋(もり・かつひろ)氏 2005年の世界選手権で優勝経験があるほか,数えきれないほどの戦績を誇る天才系プレイヤー |
池田 剛(いけだ・つよし)氏 マジック黎明期から第一線で戦い続けており,現在はカードショップのオーナーとして全国に4店舗をかまえる |
田籠 渉(たごもり・しょう)氏 日本選手権で彗星のように現れたプレイヤー。父親でもあり,なんと今日が息子さんの誕生日だとか |
彼ら3名の個人戦の成績と,チーム戦でおこなわれる国別代表戦の成績を合計して,上位の2チームのみが最終日の決勝戦に進むことができる。つまり日本代表の3名は,ほかの日本人プレイヤー達と違ってチーム戦も戦わなくてはならず,かなりの長丁場となるのだ。
日本チームは2005年にチーム優勝をなしとげており,毎年好成績を残しているので,今年も是非とも頑張ってほしい。
3日に渡る世界選手権,まずは本戦をチェック
初日9日のフォーマットは,もっとも一般的な「スタンダード構築戦」だ。
ちなみに,現在の環境で一番強いといわれているデッキは「赤緑ヴァラクート」というもので,高速でマナを展開し,《溶鉄の尖峰,ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》という土地カードと,巨大クリーチャーを使って一気に勝負をかける。
最強デッキといわれるだけに,今大会でもこれを使用しているプレイヤーが多かったが,これに対抗するさまざまなデッキもしのぎを削っており,対抗馬として有力な青黒もしくは青白コントロール系デッキが上位に多く勝ち残った。
この日の日本人プレイヤーは,6戦全勝のプレイヤーはおらず,5勝1敗のラインに4人という結果になった。
まさに「マジック」尽くしの会場風景
会場では世界選手権本戦以外にも,さまざまな併催イベントが開催されている。
本戦には招待されたプレイヤーしか出られないが,以下に紹介する併催イベントには誰でも参加可能で,海外からの来場者も多く賑わっている。
どんなイベントが行われているのか,見てまわることにしよう。
スクウェア・エニックスが「ロード オブ ヴァーミリオン2」を出展
会場に入ってすぐのところでは,マジックとのコラボカードが登場していることで知られているスクウェア・エニックスのアーケードTCG「ロード オブ ヴァーミリオン2」の体験プレイブースを発見。
《ニコル・ボーラス》,《シヴ山のドラゴン》,《セラの天使》など,マジックのクリーチャー達を使って体験プレイができ,外国人プレイヤーが「俺はニコル・ボーラスだぜ!」などといいながら喜んでプレイしていた。
アーティストサイン会
お気に入りのカードにサインを入れてもらえるほか,大きなプリントや原画を購入することもできるイラストレーターサイン会には,長い行列ができていた。
レガシー・トーナメント
副賞としてプレミアイベントでの特典が得られる併催イベントも,ひっきりなしにおこなわれている。
たとえばこのレガシーによる大会は「グランプリどこでもトライアル」というもの。上位入賞者には,来年おこなわれるグランプリ(だれでも参加可能な大規模大会)のうちいずれかで,不戦勝を得る権利が与えられる。
ちなみに,最近日本で非常に人気があるフォーマットが,この「レガシー」だ。
エクステンデッドよりも使えるカードプールが広く,古くからのプレイヤーになじみ深いデッキが活躍している。
そのほかのブースも写真で紹介。こちらは「チャンピオン・チャレンジ」。マジックの開発元である,ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの開発スタッフ達と対戦できるコーナー。勝つと賞品ももらえる |
「ディーラーブース」コーナー。世界のカードショップが集まるゾーンには,うなりをあげるほどのカードまたカードが。円高の今なら貴重なカードを安く手に入れられるチャンス!? |
12月10日以降の見どころは……
本戦は12月10日がブースター・ドラフト,12月11日がエクステンデッドでますますヒートアップするほか,ユニークな併催イベントもどんどん続く。とくに土曜日の夜は,観客に巨大なカードを持たせておこなうエキシビジョン・マッチ「人間マジック」が注目の的だ。そして日曜日の決勝ラウンドは,世界最高峰の戦いが日本語解説つきの大画面で中継される。
朝から晩までマジック三昧のこの祭典,最近カードゲームはちょっとご無沙汰気味という人も,この機会にぜひご来場あれ!
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