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マジコンにリッピングも違法化する? 海賊版を取り締まる国際条約が準備中。ただし中国を除く
10月2日付の報道各紙では,同条約について政府は,都内で開かれた次官級会合にて,米国や欧州連合(EU),韓国,シンガポール,モロッコなど37か国から大筋合意を得たことを伝えている。
「模倣品・海賊版拡散防止条約」は,映画やゲーム,ブランド品などの海賊版を取り締まる,初の本格的な枠組みとして期待されているもので,発効後はこれまでの輸入時のみならず,輸出時の関税でも物品の取り締まりが義務づけられることになる。このほかにも,偽ラベルの取引や少量貨物,インターネット上での保護などについても規制が強化される見込みで,さらにゲームソフトなどでは,コピープロテクトなどのアクセスコントロールを回避する技術自体にも規制をかけていくことを求められている。
現在問題となっているマジコンなどの機器は,これまで不正競争防止法による取り締まりが行われているが,同法に罰則が設けられていないため,抑止効果が薄いと見る向きもある。同条約が発効された場合,マジコンの製造自体が違法化されることになる。またDVDやBlu-rayといったビデオのリッピング,デジタル放送のスクランブル解除なども,同様に取り締まりの対象となるはずだ。
日本政府は同条約を2011年の通常国会で批准し,早期の発効を目指すとのこと。ただし今回の合意には,海賊版問題について影響力が大きいと考えられる中国が参加しておらず,実効性には疑問符が付く。ゲーム産業の振興のためにも,今後の参加国の拡大に期待したいところだ。
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