その辛さ，「VERY HARD」から「EXTREME」級！　「日清のとんがらし麺 うま辛海鮮」イートレポート

　1958年の「チキンラーメン」以降，さまざまな人気食品をリリースし，日本国内のみならず世界における即席麺市場の開拓者，トップランナーとして名高い日清食品。そんな同社が，「League of Legends」のアマチュア大会「Logicool G CUP 2016 Final」の協賛企業となったことは，先日お伝えしたとおりである。
　会場では，麺に唐辛子を練り込むことで独自の辛さとうまさを実現し，即席麺ファンの度肝を抜いた2000年発売の第一食以降，さまざまな後継食品や派生食品が生み出されてきた「日清のとんがらし麺」シリーズのなかから，「日清のとんがらし麺 うま辛海鮮」（以下，うま辛海鮮）が来場者に配布されていた。

　なお，うま辛海鮮は2014年3月10日にオリジナル版が発売され，昨年（2015年）4月6日，今年（2016年）3月21日と，2度にわたるリニューアルが行われてきた食品である。次々と新しい食品が生まれては消える即席麺市場において，同一タイトルで2度のリニューアルが施されているという事実は，それだけ多くのイーターから支持を集めていたことの証左だろう。
　今回，そんなうま辛海鮮を実際にイートしてみる機会に恵まれたので，そのレポートをお届けしたい。なお，筆者自身は辛いもの自体を苦手としているわけではないが，日常的に激辛食品を好んで選ぶわけではないという，いわばライト層であることを，あらかじめお伝えしておく。

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お湯をインストールすると周囲は異空間に

これはもう，VRのようなものかもしれない

　パッケージ側面を見て気付くのは，タイトルロゴの下に並ぶ四つの唐辛子。これは，唐辛子に含まれるカプサイシンなどの辛味成分の含有量から算出した「スコビル値」に基づいて定められた，日清のとんがらし麺独自の辛さ基準値を表す「辛さレベル」が「4」であることを示している。
　なお，上ブタをチェックすると，レベル1が「ピリ辛」，レベル2が「中辛」，レベル3が「辛口」，レベル4が「大辛」，レベル5が「激辛」という5段階に分かれているようで，今回食したうま辛海鮮は，デフォルトでレベル4（スコビル値は495）だった。
　ゲームの難易度に例えると，「VERY EASY」「EASY」「NORMAL」「HARD」「VERY HARD」のうちの，HARDに相当すると思えば，おおよそのイメージが掴めるのではないだろうか。辛さレベル（難度）が高いものを選べば，スコビル値（攻撃力）の高い食品（敵）となり，完食（攻略）が難しくなる分，食後（プレイ後）の達成感も高まるというわけだ。
　なお，前述のとおり，うま辛海鮮のスコビル値は495だが，パッケージには「辛さ調節パウダー」が同梱されている。この粉末を好みに応じて追加投入することにより，スコビル値は最大780に達し，辛さレベルは5オーバー……つまりVERY HARD以上の難度，「EXTREME」にまで達するとでも言えば良いのだろうか。


　パッケージを包むフィルムを外してフタを開けてみると，何種類かの具材が赤い粉末から顔をのぞかせていることがよく分かる。ねぎや卵は定番として，いか，かにあたりの姿から，この食品がタイトルで「海鮮」をうたっていることが思い出させられる。そしてにわかに漂うスパイシーな刺激臭が，本食が決して甘いものではないことをいやが応でも予感させる。
　そして熱湯をインストールして待機。時間が経つごとに先ほどのスパイシーな刺激臭が少しまろやかに，それでいてくっきりとした存在感をアピールし始め，本食およびそれを持つ筆者を中心とした半径1.5m程度が激辛空間へと変化したような印象を受ける。上を向いても下を向いても右を向いても左を向いても漂う臭い。これはもう，うま辛海鮮が作り出す辛味空間であり，おおよそVRのようなものだと言っても過言ではないだろう。

レッドオーシャンでたくましく生き残ってきた

うま辛海鮮の物語

　3分後にフタを開けてみると，そこには程良くお湯を吸収した麺と，いかにも辛そうなスープができあがっていた。ところが，意外なことにスープを一口飲んだあと，麺をすすってみても，想像していたほど強い刺激は感じられない。むしろ，甘みすら感じられる。
　あらゆる表現活動において，誤解や反発を避けるべく予防線を張りすぎてしまった結果，とがった部分が損なわれていく傾向があるとされる昨今，うま辛海鮮もその轍を踏んでしまったのかと，正直なところ拍子抜けしてしまった。
　しかし数秒後，それが杞憂であることを思い知らされることに。ノドの奥から這い上がってくるような辛さが現れたのだ。

　しっかりと準備をして臨んだボス戦。思いのほかあっけなく戦闘に勝利してしまい，ちょっぴり残念な気分になった直後，そのボスが姿を変えて，しかもさらに強くなって復活したときに味わう，あの軽い絶望感とそれを上回る高揚感，そして闘争心……それに似た感情が筆者の胸に去来した。
　確かに辛い（強い）。それは認めよう。だがもっともっと辛い（強い）姿を見せてほしい。それに立ち向かい，完食する（倒す）こと。それこそが，うま辛海鮮をイートする楽しさの本質であるはずだ。

　ここで筆者は，辛さ調節パウダーを思い切ってすべて投入することにしてみた。これでうま辛海鮮はレベル5オーバー。前述の例えを用いるなら，EXTREME級の難度となったわけだ。
　麺を口に運び，咀嚼し，飲み込むにつれ，顔面から噴き出す汗，そして高まる心拍数。これは確かに辛い。スコビル辛い。だが，イーターに食べることを諦めさせるほどの辛さではなく，どこかに攻略のきっかけ（まろやかさ）が見え隠れすることもある。
　ただ辛さ一辺倒でイーターを圧倒するのではなく，「食べきれるかも？」と思わせる要素を適度に配置することで，食べ続けさせるテイストバランスの妙。これは日清食品が即席麺に費やしてきた年月と，積み重ねてきたノウハウが惜しみなく投入されたことで実現したものと思われる。ここには海鮮特有の甘味や食感のみならず，今回のリニューアルによってスープに加えられたという，ビーフのうまみが奏功していると筆者は考えている。


　汗を拭き，ときには鼻をかみながら，3分ほどかけてどうにか麺を完食すると，カップの中には赤いスープが……。
　そのとき筆者の脳裏をよぎったのは，「レッドオーシャン」という言葉だ。激しい競争が行われている市場を指す，この言葉。前述のとおり，2度のリニューアルを経て現世に降り立った本食は，即席麺市場という名のレッドオーシャンでたくましく生き延びてきたわけである。思い切り臭いを嗅いでみた瞬間，どういうわけだか涙があふれてきたのは，そこで繰り広げられてきたうま辛海鮮の激闘の記憶が，筆者にも伝わってきたからなのかもしれない。
　インストールに約3分，イートに約3分という数字だけを見ると，やや物足りなさを感じる人もいるかもしれない。完食後の食べ込み要素があるわけでもない。しかしながら，クリア後の達成感はなかなかのものであることは，きちんとお伝えしておきたい。

　なお現在，日清食品はとんがらし麺シリーズとして，本食のほかに「うま辛担々麺」も発売中だ。こちらは辛さレベル3（辛口）と，比較的ライトな層にもとっつきやすい内容となっている。とはいえ，とんがらし麺シリーズは，甘いものではない。いきなりレベル4からだと心が折れてしまうかも？　と不安ならば，まずはレベル3のうま辛担々麺で小手調べをしてみると良いだろう。


　ちなみに今回，日清食品のご厚意により，日清食品グループ オンラインストアで2000円（税抜）以上の買い物をすると，日清のとんがらし麺が1個もらえるクーポンコードを提供していただいたので，こちらもぜひ活用してほしい。

4Gamer 読者用クーポンコード

3nAHLJsmEkFoxB9h

※2000円（税抜）以上お買い上げの際に有効
※有効期限は2016年12月31日23：59：59
※注文時にクーポンコードを入力してください。

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