ゲームライターとしての自信を,根幹から揺るがされるこの連載も,すでに後半戦。今回は久しぶりにオーソドックスなレースゲーム「テイルズランナー」を紹介しよう。
テイルズランナーは,ほかのプレイヤーと共に多種多様なコースを走り抜け,障害物を避けたりアイテムでライバルを妨害したりしつつ勝利を目指す,典型的なレースゲームだ。ただし,キャラクター達が走る「レース場」は,「ももたろう」や「ジャックと豆の木」といった物語の中。マップ内の景色やNPCも,童話の題材と密接にリンクしているのが特徴である。
5人のキャラクターがそれぞれ,童話の世界に飛び込んで走らねばならない理由や悩みを抱えているのも,カジュアルゲームには珍しい(?)奥深さといえよう。細かいことだが,童話の世界に“入り込む”という設定を生かすためなのか,レース開始時には必ず空からキャラクターが舞い降りてくるというあたりも,ちょっとユニークだ。
アイテムショップでは定番の洋服,アクセサリ,髪型などのアバターアイテムに加えて,各キャラクターの「モーション」も購入可能。えらく懐かしい「マカレナ」のモーションを見つけてしまったのだが,4Gamer読者の何割が,このダンスを知っているだろうか……。余談だが,筆者は今でも完璧にこれが踊れる。
本作はタイプのまったく異なるマップを,数多く用意しているのが特徴だ。まずチャンネルがレベル別に「初心者」「初級」「中級」の三つに分かれており,さらにゲームモードは個人戦の「競争」,最低5名から最大30人の大混戦が楽しめる「30人競争」,プレイヤー同士の連携が問われる「リレー」,そして練習を兼ねてさまざまなステージに挑戦できる「シングルプレイ」の4種類が用意されている。
実際に走るステージだが,こちらは大きく分けて「トレーニング」「童話」「サバイバル」の三つのカテゴリがあり,工夫を凝らした背景と童話に関連したモチーフの変身アイテムなどが魅力だ。
・トレーニング
チュートリアルを含む,基本的な走りや障害物を体験できるソロプレイ用コース。楕円形のトラックをひたすら走る最もシンプルな「スピードマップ」から,陸上競技さながらにハードルが設置された「ハードルマップ」,空中に浮いたブロックを踏み外さないようゴールを目指す「ブロックマップ」などがある。それぞれに縦スクロールと横スクロールバージョンがあるだけでなく,「EASY」「NORMAL」と難度別に遊べる。ダッシュ,ジャンプ,着地ダッシュなどのタイミングをつかむには最適だ。
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ハードルマップ(縦) |
ブロックマップ |
スーパージャンプ |
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・サバイバル
主に30人競争用のコースで,基本的に前進していくほかのマップとは異なり,画面手前へ向かって走るのが特徴だ。後ろから巨大なタコが迫り来る「タコ親父の怒り」,火の玉を吐くトカゲから逃げる「トカゲオジサンの怒り」などがある。このコースでは,もし途中でレースから脱落してしまっても,Tabキーを押すことでほかのプレイヤーの様子をチェックできる。
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タコ親父の怒り |
トカゲオジサンの怒り |
マドロス ジョー |
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・童話
テイルズランナーのテーマでもある,誰もが知っている「童話の世界」を走り抜けるマップ。「直線コース+障害物」の単純な作りとは一味違い,スキーで雪山を潜り抜ける「雪女」,走るどころか水泳まで要求される「蛙王子」など,まさに大冒険が待っている。子供の頃に読んだ物語を覚えていれば,作り込まれた背景も一緒に楽しめることだろう。