― 連載 ―

カジュアルゲーム

連載第7回 クールにバスケ FREESTYLE編

 これまでカジュアル姉さんが紹介してきた6タイトルには,簡単な操作(使用キーの少なさ)で直感的にプレイが楽しめるインタフェース,そして単純明快なゲームルールといった,初心者〜中級者向けの要素が強いという共通点があった。
 今回はコアゲーマーが多い4Gamer読者を意識して,ややハードルの高いカジュアルゲーム「クールにバスケ FREESTYLE」(以下,FREESTYLE)を取り上げてみよう。

 

 FREESTYLEはストリートバスケがテーマの,最大6名で対戦できるスポーツゲームである。小さなハーフコート内で行われる試合は,常に緊張感とスピード感に溢れている。
 試合ではチームプレイが必ず要求される(「1on1」形式を除く)うえに,プレイヤースキルの差がはっきり試合内容に現れてしまうため,ビギナーにはいささか参加しにくいハードルの高さが感じられるタイトルだ(もちろん初心者用チャンネルもある)。
 ただし操作さえマスターしてしまえば,ディフェンスをかいくぐってパスを通したり,リバウンドボールを華麗にカットしたりといった,鮮やかなプレイが楽しめるようになる。また,キャラクター作成時に「ガード」「センター」「フォワード」のどれを選ぶかで得意技も違うため,コート内での役割を意識した動きが大切だ。ミスの少なさを競うレースゲームやリズムゲームとは異なり,チームメイトの動き一つで試合の流れがガラリと変わる面白さは,カジュアルゲームの中でもちょっと玄人向きといえる。

 

 操作はカーソルキーでの移動に加えて,ドリブル,パス,シュートなどの基本的な動きにはW/A/S/Dの4キーを使用する。カメラ視点は状況に応じて「C」キーで3パターンを切り替えられる。
 最小限の指の動きでプレイ可能にするため,一つのキーに最低でも二つの動きが割り当てられており,物覚えの悪い筆者にとってこれは実のところかなり苦戦させられた。「ドリブルはA! パスはS! シュートはD!」と三つ覚えただけで精一杯……。相手からボールをスティールするつもりが,コートの真ん中でブロックの動作で飛び跳ねていたりと,操作を完全に覚えるまではだいぶ恥ずかしい思いをしてしまった。
 試合に勝てば多くの経験値が入手でき,レベル15以上になるとタイプと能力の異なるポジションに分岐する(ガードとフォワードのみ)。例えばフォワードの場合,ジャンプ力やゴール下シュートの能力に優れる「パワーフォワード」と,3ポイントシュートやスティールに長けている「スモールフォワード」のどちらかに進化できるのだ。
 試合後に入手できるゲーム内通貨「BP」や,チャージが必要な「SP」を使えば,洋服や靴,リストバンドといったお洒落アイテムだけではなく「スキル」の購入も可能だ。「ワンハンドゴール下」「チップインシュート」といったスキルは,事前にどんな技なのかを確認してから購入できるし,スキルが有ると無いとでは試合運びが大きく違ってくるので,ぜひとも手に入れたいところ。

 

 

キャラクター

 キャラクター作成で選べるのは,男女の性別と顔や肌のパターン,色違いのシンプルな衣装,そしてプレイに直接関わってくる身長とポジションの5か所だ。ドリブルやパスの正確さ,シュートやジャンプといった身体能力は,男女でかなり差がある。また,身長は170〜190cmの間で設定でき,体重は身長に比例して自動的に変わる。身長は能力値にも影響するので,自分がどんなスタイルのプレイをしたいのかを,よく考えて作ろう。

 

ゲームモード

 FREESTYLEで選べるゲームモードは「チーム対戦」と「一般戦」の2種類のみで,試合内容に大きな差はない。どちらも試合はハーフコートで行われ,ルームマスターは自分とのレベル差を0〜1以内,または制限無しで募集できる。「一般戦」は1on1または2on2が選択できるが,「チーム対戦」は基本的に,一般戦で親しくなった仲間同士で結成した「チーム」で参加する,3on3形式の試合だ。といってもチームに入っていなければ参加できないわけではなく,飛び入りも可能だ。

 

一般戦の2on2で人を募集してみると,日時を問わず,あっという間に人がやってくる。初心者向けのサーバーなのだが,一番レベルが低いのが筆者である
試合時間が長く,パスを回しながら相手の隙を狙う醍醐味が味わえるのは,チーム戦の3on3だ。やはりこちらのほうが,より濃く,面白い内容になっている

対決

 学生時代,バスケットボールの授業中に前歯を折るという事故に見舞われて以来,かなり苦手意識の強い(というか憎んでいた)バスケットボールだが,何度も何度もプレイしていると,徐々にFREESTYLEの面白さが伝わってきた。ファウルを取られない程度の競り合いや,フェイントからのシュートができるようになり,すっかりバスケ通を気取る筆者。
 対決だってドンと来いと有頂天になる姿を苦々しく思ったのか,今回はKawamura氏が指名するよりも先に,挑戦状を叩きつけられてしまったのだ。敵は「4Gamer編集部イチのルカワ」を名乗るTeT氏である。なんとかいうバスケ漫画の熱狂的なファンにして,自他共に認めるアイドルマニア。そしてルカワ。なんだか強敵っぽいオーラがむんむんと出ているわけだが,ところで「ルカワ」ってなんですか……?

 

麻生ちはや
TeT氏の愛読書,某バスケ漫画をまったく知らないという,アンテナ短めなフリーライター。スポーツの中でルールがちゃんと分かるのは,ダーツだけという。先日も野球は9人か11人かで議論になった

(TeT)
まるで泣いている顔文字にしか見えない4Gamer編集者。ときめきメモリアルとアイドル関連の取材では極めて自発的に活動するが,それ以外では微塵も動こうとしないという鋼の意志を持った男である

 

 

左の女性キャラクターが筆者,右のいけすかない三白眼の男性キャラクターがTeT氏である。すでに見た目で迫力負けしている

 己の愛読書を軽視されたと思い,鼻息も荒く乗り込んできたTeT氏との対決には,助っ人なしの「1on1」を選択。これまでの連載は,筆者が練習に練習を重ね,対する編集者はいつも多忙を理由に何の練習もしていなかった……というパターンだったが,今回は敵の気合いが違う。
 最初からこちらを倒すつもりでやってきているだけに,相当TeT氏は練習を重ねたようで,その動きはまさに完璧。アイドルマニアの弱点を突こうと「ゆうこりん」「しょこたん」「長澤」などとチャットメッセージを送って動揺を誘うも,まったく効果なし。第一試合は健闘もむなしく4-8で負けてしまった。

 

狭いハーフコートをスタコラ走り回る姿。それにしても手を伸ばすとゴールリングに触れそうなTeT氏のキャラ,ちょっとでかすぎません? TeT氏が8点めを決めた,ちょっといい画像。ちなみに,バスケって1ゴールで2ポイントも入るんですね。このゲームで初めて知りました

 

ちょっと分かりづらいかもしれないが,TeT氏に思い切り突き飛ばされた瞬間だ。遠慮がないにもほどがある!

 本連載の流れをすでに把握しているTeT氏は,ニコニコしながら(顔は見えないが)「じゃ,第2試合いきましょう」などと,余裕の申し出だ。これまでは第1試合で負けた場合,次は難度が高くトリッキーなステージを選んで強引に勝利をもぎとってきたのだが,FREESTYLEの場合ステージはあくまで見た目が違うだけ。試合は常にプレイヤー次第なので,ごまかしがきかない,真の実力勝負なのだ。第2試合でもまったく手を抜かないTeT氏に筆者は一方的に押され,キャラクターは突き飛ばされて尻餅をつくわ,バスケのルールをよく知らないのを見透かされて反則へ導かれるわ……。0-4でTeT氏が圧倒的勝利を収める結果となった。

 

 結論はただ一つ。操作方法をマスターする前に,まずバスケのルールをマスターしろってこと。ところでもう一つ質問しておきたいのですが,「ダブルドリブル」って何ですか?

 

 

 

■■麻生ちはや(ライター・お姉さん)■■
ロンドンから帰国後,お土産を持って4Gamer編集部を訪問した麻生氏。本当はロンドンから持ち帰った風邪をうつすのが目的だったらしいが,残念ながら編集部では8月末のGC 2006で取材スタッフが持ち帰った「ドイツ風邪」がすでに猛威を振るったあとで,同じタイプのウイルスと推測されるロンドン風邪には全員免疫ができていたのだ。結局,ビル訪問者に義務付けられている「GUEST」と書かれたプレートを首から下げたまま(本来は帰りに回収),ふらふらと帰っていった。てか,海外での感染症って帰国時に申告しなくていいんだっけ?
タイトル クールにバスケ FREESTYLE
開発元 JC Entertainment 発売元 NHN Japan
発売日 2005/11/24 価格 基本プレイ料金無料(アイテム課金)
 
動作環境 対応OS:Windows 98/2000/Me/XP(+DirectX 9.0以上),CPU:Pentium III/800MHz以上[Pentium 4/1.40GHz以上推奨],メインメモリ:256MB以上,グラフィックスチップ:GeForce2MX以上もしくはRADEON 7000以上[GeForce3以上もしくはRADEON 7500以上推奨],グラフィックスメモリ:16MB以上[32MB以上推奨],空きHDD容量:220MB以上

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