連載 : 創世紀1701 ガッハッハフロンティア


創世紀1701 ガッハッハフロンティア

第3回:「確実な物資の供給」を学んでガッハッハの巻

 

上級シナリオで確実な物資の供給を実践

 

 前回までの,初級から上級の一部まで8本のシナリオを攻略していく中で,「創世紀1701 日本語版」で使用する基本的なテクニックは,一通り習得できたはず。なのに,いざ「継続プレイ」に挑戦してみたら,ちっとも思ったようにことが運ばない。
 そこそこ無理せず施設を増やしてきたはずなのに資金不足で破産するわ,普通に住民をアップグレードさせているはずなのに物資の供給が追いつかないわ,試しに敵国を攻撃してみたら報復を受けて泥仕合に発展するわで,リスタートを繰り返してばかりいるプレイヤー諸氏も多いことだろう。
 なぜ見てきたようにスラスラと書けるかというと,筆者自身がそうだったからだ! いや,この感心するほどシビアなバランスこそ,このゲームの本質なのだ。

 

 こうした事態を避けるには,将来どういう状況が発生するかを見越したうえで,しっかりと事前準備しておく必要がある。また不測の事態が発生した場合に冷静に対処できるよう,余裕を持った資金繰りと供給ルートを確立しておかなければならない。……と,もっともらしく文章にしてしまうと,なんだか起業者向けマニュアル本の冒頭に書かれている一般論みたいだが,それだけ本作が現実世界を上手に切り取って,ゲームにまとめているということでもある。

 

 そこで今回は上記のポイントのうち,余裕を持った資金繰りと供給ルートの確立,つまり,「生産」と「交易」による“確実な物資の供給”に焦点を当てつつ,9番目のシナリオ「栄光を取り戻せ(上級)」を少し詳しく攻略していこう。

 

無計画な施設の設置は資金と物資の不足につながり,軍備を整えないまま他国へ侵攻しても無駄な消耗戦にしかならない。現実世界において,将来に向けての計画と準備が重要とよく言われるが,本作でも同様である。よくできてるなあ,このゲーム

 

 

シナリオ攻略

 

 

要するに過去の栄光を引きずる親父に,もう一度いい夢を見させてあげようという,割と親孝行なシナリオである

 父親であるグスタフ・アイツェンによって築かれた,交易帝国を復活させるシナリオ。3人のAIプレイヤーと交易可能な状態を確立し,自国の住民を「商人」までアップグレードさせればクリアとなる。なお,このシナリオのプレイ中は収支が赤字になる場合が多いが,開拓資金は随時補充されるので心配しなくても大丈夫だ。

 

●第1段階…移民のうちにやっておくこと

 まずやらなければならないのは,「道具」の確保である。このシナリオの初期段階では,他国と交易できないどころか,ベニスの商人も存在しないため,デフォルトで与えられた道具を消費しきってしまう前に,自給できる体制を整えなければならない。幸いなことに,このシナリオでは最初から採掘可能エリアに粘土と鉄鉱石が入っているので,移民の人口が190人に達したら速やかに道具の生産を開始しよう。

  • 開拓者を移民にアップグレードさせる
  • レンガを生産するために,粘土製作場とレンガ工場を設置する
  • 移民の人口が190人を超えたら,鉄鉱の鉱山,鉄鉱精錬工場,道具工場を設置する
プレイヤーに与えられる領土は,住民が居住する島と物資生産に特化した島の二つ。最初から設置されている施設を利用して住民を「移民」にアップグレードし,レンガと道具の生産に取り掛かろう

 

 次に考えなければならないのは,人口について。最終目標の商人に到達するためには,最低でも700人の「市民」が必要となる。ちなみに市民の家1軒あたりの最大収容人数は20人。したがって住民の家は,700÷20で最低35軒必要となるのだ。ただし人口が増えると,今度は物資の生産と供給が追いつかなくなる恐れがある。したがって住民の家は35〜40軒で抑えたほうがいいだろう。
 なお35軒なら,礼拝堂や学校のような文化施設をそれぞれ一つだけ設置した場合に,ギリギリ効果の及ぶ範囲に収まる数である。その効果範囲を有効に使い,施設維持費を最小限に抑えるためにも,最初からある狩猟小屋は取り壊してしまおう。
 また,文化施設一つあたりの効果をより多くの住民に発揮させるためには,できるだけ町の広場に近い場所に設置したほうがいい。住民の家を増設する場合には,将来,文化施設を設置するスペースの確保まで考えておきたい。

  • 狩猟小屋を取り壊し,開拓者の家を増設する
  • 以降,急激な人口増加に伴う物資不足などに注意しながら,適宜開拓者の家を増設して人口を増やしていく
  • 学校を設置して,「採掘」まで研究を進めておく
  • 諜報機関を設置して,「爆弾兵」まで研究を進めておく
人口と物資の供給とのバランスがある程度とれたら,マップ上の探索を開始。しかし,どこへ行っても交易を拒否されてしまい,親父の権力が薄れていることを実感するだけでなく,市民へのアップグレードに必要な「煙草」を入手できないことに絶望する 学校を設置したら研究を開始。倉庫IIIが最初から設置されているので,粘土や鉄鉱を無限に掘り出せる「採掘」まで研究を進められる。また,後々必要となる諜報機関の研究も進めておくといい

 

 

 

●第2段階…市民にアップグレード

将来の交易増加を見越して,小さな造船所を設置。領土の島にはいくつか設置可能ポイントがあるが,市場などを増設する必要のないところを探してみよう

 移民の人口が280人を超えたら,市民へとアップグレードするために,煙草製品の生産と供給を開始したいところ。しかしマップ上で煙草を生産できる島は,すでにAIプレイヤー達の領土となっている。こういう場合,他国の領土に侵攻して島を奪取するか,交易で煙草製品を入手するかの二択となるが,現時点では戦艦も軍隊も作れないので前者は却下。ストーリー上においても,グスタフ・アイツェンの希望により平和的解決を求められるので,交易するしか方法はない。
 さて交易を開始するにあたっては,交易船を生産するために小さな造船所を設置したい。すでにプレイヤーには探査船と小型交易船が1隻ずつ与えられているが,将来,交易ルートが増加することを考えると,明らかに数が足りない。交易船は物資1種類につき1隻ではさすがに多すぎるにしても,交易ルート別に1隻ずつくらいは欲しいところ。というのも,一つあたりの交易ルートが長くなりすぎると,それだけ物資が供給される時間的な間隔も大きくなってしまい,物資不足で住民が不満を抱く機会が増えてしまうからだ。また,どう工夫しても長くなってしまう交易ルートには,交易船を2隻配備するなどの配慮も必要だろう。

  • 小さな造船所を設置して,小型交易船を生産する。以降,適宜小型交易船を生産する
  • 布が不足してきたら,機織小屋と羊農場×2を増設する。また余裕があれば,物資の回収速度を速めるために,倉庫と市場をアップグレードする

 十分な量の布を住民に供給できるようになったら,マップ東部のアミン・サヒールに,シナリオ開始当初から依頼されていた「布10トン」を届けよう。するとアミン・サヒールは,謝礼として煙草および煙草製品の輸出を解禁するので,さっそく生産しておいた小型交易船を配備して,交易ルート設定だ。
 このとき,加工された「煙草製品」を買いつければ手間がかからないのだが,今回は安価な原材料の「煙草」だけを輸入することにした。これは煙草加工場を自国に設置したほうが,長い目で見た場合に安上がりだからである。なお,せっかく交易ルートを作ったのに輸入だけではもったいないと思うのであれば,行きのルートでアミン・サヒールに布5〜10トンを輸出するといい。

  • マップ東部のアミン・サヒールに布10トンを届け,煙草製品の交易ルートを確保する
  • 煙草加工場を設置し,煙草製品を供給して住民を市民にアップグレードする
  • 市民の人口を700人以上に増やしておく
アミン・サヒールに布10トンを届けると,待望の煙草が手に入る。加工された煙草製品と比較して,原材料なら半額以下で購入できるので,長期計画という視点から見ると自国で加工したほうがいいだろう

 

 さて,今度はウィンフリー・シャラトに依頼された「道具10トン」を届けよう。すると謝礼として交易可能となり,北方の島を譲与される。この島の近くには,鯨を捕獲できる漁場があるので,速やかに「灯油」の生産体制を整えよう。なお,島にもともと設置されている布生産施設は,経費削減のために当面閉鎖してしまってかまわない。
 またこの時点になると,人口増加に伴って各種物資の供給不足が始まる。とくにレンガは,最初に設置した粘土製作場がすぐに枯渇してしまうので,マップ西部の小さな島に入植し,新たにレンガ生産を開始しよう。そのほか,食料とアルコールの増産体制を整えるのも忘れずに。

  • ウィンフリー・シャラトに道具10トンを届ける
  • マップ西部の島に入植し,粘土製作場とレンガ工場を設置する
  • 食料が不足気味なら肉屋と牛農場×2を設置する
  • 灯油を生産するために,北方の島に捕鯨基地と灯油製造所を設置する
ウィンフリー・シャラトから譲渡される島は,「明らかに価値がない」とは言い過ぎで,実際には灯油とアルコールを生産するための重要な拠点となる。灯油の生産と供給を開始するにあたって,小型交易船を1隻生産しておこう 研究を採掘まで進行させておけば,マップ西の小島で粘土を無限に採取できる。空いた土地は食料の生産にあてるといいだろう

 

 

 

●第3段階…商人を目指す

 灯油の生産と供給を確立できたら,イゴール・イェゴフに依頼された「アルコール20トン」を届けよう。これでイゴールとの交易が可能となるはずだ。注意すべき点は,イゴールと敵対しているウィンフリー・シャラトとの交易が絶たれてしまうことだが,これまでに示した手順通りにゲームを進めているならば,大きな問題は発生しないだろう。
 またイゴールとの交易が可能になって少し経つと,今度は南方のエミリオ・カステリからのアプローチがある。これはイゴールの領土に「スパイ」を放ち,その情報を元に「爆弾兵」を使って大きな造船所を破壊するという依頼だ。スパイは諜報機関を設置した直後から使用可能だが,爆弾兵は研究が完了するまでに数十分かかる場合もある。したがって,住民がまだ移民の段階で諜報機関を設置し,順次研究を進めておくといい。

  • イゴール・イェゴフにアルコール20トンを届ける
  • エミリオ・カステリからの依頼に従って,イゴールにスパイをつける
  • エミリオの依頼に従って,爆弾兵を使いイゴールの大きな造船所を破壊する
イゴール・イェゴフにアルコールを届けてしまうと,ウィンフリー・シャラトとの交易が断絶する。それによって損失が出た場合には,イゴール相手にアルコールを輸出すれば,いくぶんか取り戻せるだろう イゴールと交易可能になったら,今度はエミリオ・カステリから依頼がある。彼の依頼に応えるには,諜報機関および時間のかかる研究が必要となるので,この記事で示す手順のように,早めに準備しておきたい

 

 造船所を爆破すると,エミリオとの交易が可能になる。エミリオからはチョコレートを輸入できるので住民に供給し,また劇場を設置して,住民を商人にアップグレードする準備を始めよう。
 また,エミリオとイゴールの間で戦争が勃発するが,これはプレイヤーと関係ないので無視してかまわない。戦争終了後,カカオを生産できる島をエミリオから譲渡されるが,エンディング間近なので無理に使うことはないだろう。
 ここまでくれば,あとはシナリオが進行するままにアミン・サヒールに「灯油10トン」,ウィンフリー・シャラトに「食料25トン」を届ければ,めでたくシナリオクリアだ。

  • エミリオとイゴールの戦争終了後,エミリオから譲渡された島の施設を閉鎖する
  • 劇場を設置する
  • エミリオとの交易を通じて,市民にチョコレートを供給し,商人にアップグレードさせる
  • アミン・サヒールに灯油10トンを届ける
  • ウィンフリー・シャラトに食料25トンを届ける
イゴールとエミリオの間で戦争勃発。開戦のきっかけは,プレイヤーがイゴールの造船所を破壊したことだが,なぜかプレイヤー側に交易の断絶などの不利益は発生しない アミン・サヒールは灯油10トンと引き換えに,プレイヤーとウィンフリー・シャラトの国交回復を手伝う。この後,ある意味で神秘的な,ある意味で力の抜けるイベントが発生する チョコレートの供給と劇場の設置で,市民から商人にアップグレードさせる。今回はシナリオなのでチョコレートを購入したが,継続プレイでは生産したほうが経費を抑えられる

 

 

 

 

■■大陸新秩序(ガッハッハライター)■■
町内会の役員として積極的に活動する大陸氏。自分の町も隣町も同じくらい寂れているのに,なぜか隣町は飲食店が異様に充実していることが気になったという。「まさか隣町は税制上の優遇措置などがあるのでは! 戦争だ!」と思い,我慢ならなくなってさっそく調査を開始。そして分かったのは,なんと隣町は30年くらい前まで有数の“夜の歓楽街”で,今でも隠れスポットとして一部では有名な町らしいということ。で,その手のお店の従業員が利用するため飲食店は大変繁盛しているというのだ。「いい店は見つかりましたか」と聞いてみたところ,「安くておいしい店が結構多いです」と答えてくれたが,聞いてるのはそっちじゃないですよ!
タイトル 創世紀1701 日本語版
開発元 Sunflowers 発売元 ズー
発売日 2007/03/30 価格 9240円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c),CPU:Pentium 4/2.20GHz以上[Pentium 4/3GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨],HDD空き容量:3.5GB以上

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http://www.4gamer.net/weekly/anno1701/003/anno1701_003.shtml