「プル」(Pull)について学ぼう。プルとは,グループが待機しているキャンプポイントまで,誰かが敵を誘き寄せることを指す。
「グループの中で,誰がプルすればいいか?」という疑問に対する答えは,状況によって異なる。メインタンクがプルすれば,まずはエンカウンター内のMobすべてがタンクのほうに向かうので,グループプレイではタンクがプルを行うというのが,とりあえずは定番のパターンだ。
ただし,Paladinがメインタンクの場合,これがうまくできないことがある。なぜならPaladinには(基本的には)汎用性のある遠隔攻撃の手段がないからだ。その場合はPaladinが,自分が近づくことで敵に自分をターゲットさせるか,もしくはPaladin以外のメンバーがプルを行うことになる。
グループのメンバー全員にちゃんとしたアグロマネージメントに対する意識があるのであれば,タンク以外のキャラクターがプルを担当してもよい。またときには,タンク以外のキャラクターがプルを担当したほうがよい状況も存在する。
つまるところは“どのクラスが”ではなく,注意深く行動できる“プレイヤー”がプルを担当するのが最も安全だ,と考える人は少なくない。また,残りのメンバーの対応も大切で「より大きな安全を確保するために必要なのは,プルの距離を十分とることだ」ということを,グループ全体が理解して行動できなかった場合には,せっかくのプルの知識とテクニックも無駄になってしまう。
そういったことを踏まえたうえで,キャラクター性能的に,プルに向いているクラスというのはある。まずはHunterだ。Hunterは自分が設置したTrapを有効に活用でき,誤って多くの敵をプルしてしまった場合には,「Feign Death」(死んだフリ)を使って最初からやり直せる。
敵がヒューマノイド/ビースト系だった場合にはMageのPolymorph,ビースト系だった場合はDruidのHibernate,アンデッド系だった場合にはPriestのShackle Undead,デーモン/エレメンタル系だった場合にはWarlockのBanish……などのクラウドコントロール魔法(次章参照)を使って,1体を無力化することから戦闘を始める方法も考えられる。
無力化されたMob以外のMobがグループに向かってくるので,そちらから片付けていくという作戦だ。無力化対象とグループの間に距離ができるので,無力化したMobを誤って覚醒させてしまうことが少ない,という利点がある。
さらに息のあったグループになると,まずメインタンクが手を出して敵集団の攻撃目標をメインタンクにしっかりと向けさせて,こちらへと向かってくる途中の敵の1体にクラウドコントロール魔法をかけてその場にとどめ,残りを十分プルしてから戦いを始める……といった方法を使うこともある。
この方法だと,タンクはスレットの管理がしやすく,またクラウドコントロール対象も含めて敵集団を十分な距離をプルできるので,周囲のMobが追加で戦いに参加してくる可能性も下がって,とても具合がいい。
奥に3体のヒューマノイド系Mobがいる。このグループにはMageが2人いたので,タイミングを合わせて2体の敵を同時にヒツジにした。Mageに向かって走ってくる残りの1体をBear FormでタンクしているDruidがキャッチ。危なげない展開だ |