特集 : World of Warcraftグループプレイガイド

この夏はグループでWoWりたい!「World of Warcraft」グループプレイガイド


Text by 星原昭典 

プル(Pull)のテクニック

誰がプルをするべきか

 「プル」(Pull)について学ぼう。プルとは,グループが待機しているキャンプポイントまで,誰かが敵を誘き寄せることを指す。
 「グループの中で,誰がプルすればいいか?」という疑問に対する答えは,状況によって異なる。メインタンクがプルすれば,まずはエンカウンター内のMobすべてがタンクのほうに向かうので,グループプレイではタンクがプルを行うというのが,とりあえずは定番のパターンだ。
 ただし,Paladinがメインタンクの場合,これがうまくできないことがある。なぜならPaladinには(基本的には)汎用性のある遠隔攻撃の手段がないからだ。その場合はPaladinが,自分が近づくことで敵に自分をターゲットさせるか,もしくはPaladin以外のメンバーがプルを行うことになる。

 

 グループのメンバー全員にちゃんとしたアグロマネージメントに対する意識があるのであれば,タンク以外のキャラクターがプルを担当してもよい。またときには,タンク以外のキャラクターがプルを担当したほうがよい状況も存在する。

 つまるところは“どのクラスが”ではなく,注意深く行動できる“プレイヤー”がプルを担当するのが最も安全だ,と考える人は少なくない。また,残りのメンバーの対応も大切で「より大きな安全を確保するために必要なのは,プルの距離を十分とることだ」ということを,グループ全体が理解して行動できなかった場合には,せっかくのプルの知識とテクニックも無駄になってしまう。

 そういったことを踏まえたうえで,キャラクター性能的に,プルに向いているクラスというのはある。まずはHunterだ。Hunterは自分が設置したTrapを有効に活用でき,誤って多くの敵をプルしてしまった場合には,「Feign Death」(死んだフリ)を使って最初からやり直せる。

 

Hunterが氷のトラップを設置してプルを開始しようとしているところ

 敵がヒューマノイド/ビースト系だった場合にはMageのPolymorph,ビースト系だった場合はDruidのHibernate,アンデッド系だった場合にはPriestのShackle Undead,デーモン/エレメンタル系だった場合にはWarlockのBanish……などのクラウドコントロール魔法(次章参照)を使って,1体を無力化することから戦闘を始める方法も考えられる。
 無力化されたMob以外のMobがグループに向かってくるので,そちらから片付けていくという作戦だ。無力化対象とグループの間に距離ができるので,無力化したMobを誤って覚醒させてしまうことが少ない,という利点がある。

 さらに息のあったグループになると,まずメインタンクが手を出して敵集団の攻撃目標をメインタンクにしっかりと向けさせて,こちらへと向かってくる途中の敵の1体にクラウドコントロール魔法をかけてその場にとどめ,残りを十分プルしてから戦いを始める……といった方法を使うこともある。
 この方法だと,タンクはスレットの管理がしやすく,またクラウドコントロール対象も含めて敵集団を十分な距離をプルできるので,周囲のMobが追加で戦いに参加してくる可能性も下がって,とても具合がいい。

 

奥に3体のヒューマノイド系Mobがいる。このグループにはMageが2人いたので,タイミングを合わせて2体の敵を同時にヒツジにした。Mageに向かって走ってくる残りの1体をBear FormでタンクしているDruidがキャッチ。危なげない展開だ

ラインオブサイト(Line of sight)

壁や曲がり角などを利用して,敵を十分な距離プルできれば,より安全に戦える

 「ラインオブサイト」(LoS,Line of sight)とは,視線のことだ。弓矢や魔法などのレンジド(遠距離)攻撃を行う場合,自分とターゲットの間に障害物があるとLoSが通っていないことになり,攻撃できない。

 プルに関する知識として,魔法使いや弓使いといったレンジド攻撃を使う敵を,グループのほうまで引き寄せる方法のことを知っておきたい。そういった敵は,こちらが射程内に入った段階で立ち止まって遠距離攻撃を仕掛けてくるために,十分な距離をプルできないことがある。そのことが不注意なグループメンバーの前進や,逃走する敵の取り逃がしなどを招いてしまい,結果的により多くのMobが反応してしまってグループが全滅……という事態へとつながることもある。

 これを避けるには,そのMobを十分プルできればいいわけで,そのためには攻撃対象となったキャラクターが,そのレンジドMobのLoSをカットすることを意識して,うまく曲がり角など地形の陰に隠れればいい。こちらが敵の視界から外れると,敵は視線が回復するところまでこちらを追ってくる。この性質を利用すれば,遠距離攻撃を使うMobを,こちらにとって十分にセーフティな場所までプルすることが可能だ。

 ただ,これをきちんと機能させるには,周囲のメンバーの理解とクレバーな振る舞いが不可欠だ。たとえプル担当者がこの手を使ってMobを十分にプルしようとしても,ほかの遠距離攻撃が可能なメンバーがこの敵への攻撃を開始してしまい,スレットを集め,そしてその場から動かずに攻撃に夢中,といったような行動をとってしまうと,敵もその場を動かず,グループは危険にさらされる。
 遠距離攻撃ができるメンバーはいいが,メレー系のRogueやWarriorは,敵が近づいてこない以上,自分から向かっていく以外にない。そして向かっていくと,ターゲット以外のMobの反応範囲に入るなどして,同時に相手をしなくてはならない敵は増え,グループが全滅する可能性も増していってしまう。

 

タイトル World of Warcraft
開発元 Blizzard Entertainment 発売元 Vivendi Games
発売日 2004/11/23 価格 49.99ドル
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/800MHz以上,メインメモリ:512MB以上,グラフィックスチップ:GeForce 2以上[GeForce FX 5700以上推奨],グラフィックスメモリ:32MB以上[64MB以上推奨]

(C)2005 Blizzard Entertainment. All rights reserved.

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/specials/wow_groupguide/wow_groupguide_006.shtml