では,GE2.0でのゲームの進行はどんな具合なのかを見ていこう。
新/旧の仕様で最も大きく異なるのは,「ゲーム進行のためのクエスト」が存在しないという点だ。旧仕様では,例えばリボルドウェからコインブラ,またテトラ地域からポルトベルロなどへ拠点や狩り場を移すためには,必ず要所で専用のクエスト――便宜上,本稿ではメインクエストと呼ぶ――をこなす必要があった。そしてメインクエストを完遂したうえで,新大陸開拓支援本部のリンドンに報告→新たな地域へ……という流れだった。
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ゾーンも増え,“開拓”にふさわしい規模となったGEの世界。Alt+Wキーで見られるワールドマップには,ゾーンの接続関係と,出現モンスターのレベルがまとめられている。ただしレベルは“対象レベル”ではないことに注意 |
GE2.0では,それらメインクエストを意識することはないようだ。実はテストサーバー公開時点では,ミッションサーバー周りに不具合があり,リボルドウェ地方のアル・ケルト・モレッツァや,コインブラ地方のテトラ遺跡などの最深部へは足を踏み入れられなかったわけだが,それでも,
リボルドウェ→採石場→フェルッチオジャンクション→
アル・ケルト・モレッツァ→カタリ滝→王達の庭園→コインブラ
と,とくに制限なく次々と新たな土地を開拓できる。この仕様が暫定的なものである可能性もあるが,ともあれ,新しい土地を見たい人はどんどん先へ行けるし,NPCを仲間にしたりレアアイテムを探したりしたい人はクエストを進めればいいしと,ゲーム進行とクエストは完全に切り分けられている。
そしてこの仕様で嬉しいのは,キャラクターのレベル帯で狩り場を制限されないことだ。この仕様だと,例えば通常のソロプレイは適正レベルで,スクワッドでは少し上のレベルで,GEならではの「ながらレベルアップ」時(実際,食事をしながら狩りをする人も多いらしい)には少し下のレベルで,といった具合に狩り場を選択できるわけである。
以下,ゲーム開始のチュートリアルクエスト終了後からレベル60付近にいたるまでの道のりをダイジェストで書き留めておこう。
また,クエストはすべてレベル制限が設けられていて,依頼人となるNPCに話しかけると「レベルxxから任務遂行可能」の旨を伝えられることが多い。このおかげで,「この地域ではまずこのクエスト,次はこれ」とシーケンシャルに任務を遂行できる。初心者にもやさしい仕様変更といえるだろう。
テストサーバーはやはり“検証”の色が濃く,「取得経験値10倍」など,キャラクターの成長には多くのボーナスがあった。ただ今回のテストの中で,最も効果の大きかったのは自動戦闘,いわゆる“放置狩り”を(おそらく)許容している点だ。
連載第第2回などでお伝えしてきたとおり,GEには,キープモードやホールドモードという自動戦闘モードが存在する。どちらもキャラクターが自動的に策敵して戦闘を行うモードだが,前者はある程度キャラクターが移動する,後者はまったく移動しないという違いがある。とはいえ,プレイヤーがキーボードから手を離せるというのは共通である。
キープモードをSpaceバーで設定できるおかげで,敵に不意を突かれたときや,急いでスカウトの自動回復機能を使いたいときに対応しやすくなった。敵味方が入り乱れてなかなかターゲットを選べないコロニー戦でも有効だ
これら放置可能な戦闘モードは,プレイヤーの間でも賛否両論ある。ただテストサーバーでは,自動戦闘モードを阻害する「スカベンジャー」が配置されておらず,どうやらある程度これらのモードの多用は許容されていたらしい。キーボードのショートカットキーも若干改良されているのだが,キープモードをSpaceバーだけで設定できるのは,今後も頻繁な利用が想定されているからだろうか。
さてこれら自動戦闘モードだが,完全に放置するとなれば,使ううえでのコツが生まれる。「放置してもキャラクターが死なないレベル帯の狩り場を選ぶ」のは当然として,まず重要なのは,キープとホールドどちらのモードを使うかだ。
結論からいうと,現在の仕様では確実にキープモードのほうが高性能だ。というより,ホールドモードの性能が悪い。ホールドモードには“敵にスキル攻撃をされるとモードが解除される”という致命的な弱点があり,気がついたらキャラクターが棒立ちになって全滅……ということが頻繁に起きてしまうからである。
一方キープモードにも,策敵のタイミングによってどこまでも敵を追い続けてしまう弱点があるが,それは狩り場とチーム構成を考えることで回避できる。
敵モンスターのスキル攻撃を食らうと,ホールドモードは解除される。うかつに使うと「さぁてどれぐらいレベルが上がってるかな……ぎゃ!(死んでる!)」という状況を経験するはず
キープモードによる自動戦闘でまず考慮すべきことは,「敵が多い/敵の発生(repop)間隔が短い」狩り場を選ぶこと。これは,常にチームの周囲をモンスターが取り囲んでいる状態を作るためだ。こうすることで経験値取得効率が良くなるのはもちろん,キャラクターの不用意な移動を抑えることができる。ちなみにテストサーバーは,本サーバーに比べて敵の密度が低い半面,repopタイミングがとてつもなく早く,より放置狩りに適していた。これもある程度レベルアップのスピードを上げる措置だろう。
狩り場選びに関するもう一つのポイントは,「モンスターの攻撃属性が遠/近どちらかに偏っている」こと。これはチーム構成によっても変わってくるが,ファイター系のキャラクター(またはNPC)で戦闘する場合は近距離戦闘,ウォーロックやウィザード,マスケティアがメインなら遠距離戦闘のモンスターを相手にするのが望ましい。大抵のゾーンは遠/近攻撃両方のモンスターがまんべんなく配置されているが,例えば,「ポルトベルロ忘れさられた埠頭」(遠距離攻撃のモンスター「キャノントータス系」のみ」),「三姉妹の湖」(近距離攻撃のモンスター「ボンバーエージェント」「ハンマーエージェント」「スラッシュエージェント」およびそれぞれのエリートクラスのみ)のような場所も,探せばいくつかある。
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筆者のチームはファイターを主戦力としているため,近距離攻撃系のモンスターの多い「テトラ遺跡」付近,および「三姉妹の湖」でかなりの時間を過ごした |
見出しにもあるとおり,上記のような特色はテストサーバー限定のものかもしれない。ただ,「自動戦闘モードにしておいて寝る」とはいかないまでも,スクワッドによる多人数プレイで一定範囲を制圧するなどの機会を考えれば,覚えておいて損はないだろう。
最後に新コスチュームの一覧を掲載しておこう。基本的にはレベル40以上,大抵は60前後の高レベル向けの装備品ではあるが,プレイのモチベーション向上には一役買うはずだ。