4Gamer:
本作をパッと見て驚いたのが,そのグラフィックスのユニークさです。彩墨画風の3Dというのは,どのように生まれたんでしょうか?
北見氏:
フル3Dというのは,早くから決まっていたんですよ。三國志シリーズとしても,また私としても,フル3Dは初めてなので,結構気合を入れて臨みました。そこでまず,ありきたりの3D描写は避けようと思ったんです。 正直に言いまして,ターン制である三國志11は,システムだけを考えたら,2Dでも十分面白いものを作れると思います。言い忘れていましたが,ターン制ということで,マップも実はヘックスで区切っているんです。それをわざわざ3Dにするからには,何か3Dの良さを生かしたものにしたかった。その3Dの良さというのは,2Dに比べて,大幅に表現力が向上することではないかと思ったんです。 海外タイトルやコンシューマゲームなど,今では3Dのゲームが大半ではありますが,なぜか3Dになると,ついついリアルさばかりが追求されがちです。しかし三國志は,小説「三国志演義」をベースにしている。一応歴史に則してはいますが,基本的には“物語”の世界なんですよ。ですのでリアル方向ではなく,もっと“中国の昔のお話”的な雰囲気にしようと。
4Gamer:
なるほど,その考えは見事にはまっていますね。この彩墨画風のグラフィックスは,ある程度歴史に則していながらも,どこか幻想的な三国志演義の雰囲気を,十分伝えていますから。ちなみにこれ,エンジンは革新のものを利用しているのでしょうか?
北見氏:
基本的には,毎作毎作どんどんプログラムを改造していっているので,ずっと同じエンジンを使っているとも,毎回新しいエンジンを使っているともいえます。そういえば,革新ではシェーダは使っていなかったと思いますが,本作では頂点シェーダで,墨彩画風に描いたり,縁取りをしたりしていますよ。
4Gamer:
そういえば,一騎討ちも3Dになっていましたね。先ほどイメージイラストの話をしたときに,一騎討ちにも力を入れているとのことでしたが,具体的にはどのような感じになるのでしょうか?
北見氏:
うーん……。いや,実は一騎討ち部分もほぼ完成しているのですが,これは1月27日での発表でもまだ触れない部分ですので,ここでもあまり多くのことが語れなくて……すみません。
4Gamer:
そんなこと言わずに,ぜひ少しだけでも。まぁ基本は従来どおりですよね? 気合を溜めて,必殺技を繰り出すような……。
北見氏:
うーん……。どこまで言っていいんだろう……。そうだ。体力を削り合って,体力がゼロになったほうが負けです(笑)。
4Gamer:
それは分かっています(笑)。まぁ基本は従来どおりと。
北見氏:
実は,一つ目立った追加要素があるんですが,これは,次の次あたりの発表で公開するので,もう少しお待ちください。
4Gamer:
ううむ,それは気になりますね。孫策が弓矢を使っていたのとは関係がありますか?
北見氏:
いや,それはハズレですね。過去にも,一騎討ちで弓矢が出てきたことは何度もありますしね。今回のものは,もっと演出的な……まぁ,今日はこれくらいで。
4Gamer:
今回も必殺技の類(たぐい)はありますよね? 真・三國無双的な演出かなぁ。
北見氏:
さあ,どうでしょうね。
4Gamer:
ガードが固いですねぇ。では,舌戦についても聞かせてください。
北見氏:
これまた,詳細は次の次の発表ですので……うーん,画面を見てのとおりです。
4Gamer:
以前公開された舌戦の画像で,一枚だけ,ほかの画像と周瑜の知力が違うものがあったのですが,これにはどういう理由があるのでしょう?
北見氏:
あちゃー,見つかっちゃいましたか。いやぁ,すみません,それは単にチェック漏れです(笑)。なので,気にしないでください。もちろん,病気などでパラメータが落ちることがあるのは従来作どおりですが。
4Gamer:
なるほど,では基本はそれほど変わっていないんですかね。画面上を見た限り,知力の数値と,性格を表すと思われる「冷静」だけが表示されていました。このあたりが舌戦に関係してくるパラメータと考えていいんでしょうか。
北見氏:
ええ,そうですね。
4Gamer:
で,橋ではないものの,また高いところにいますし,お互いに押し合って,相手を落としたほうが勝ち,というのも同じですかね。
北見氏:
いや,押し合いませんよ。
4Gamer:
え? じゃあ相手を落とせば勝ち,というわけでもないんですね。……ではなぜあのような高い場所にいるんでしょうか。
北見氏:
押し合いはしませんが,高いところにいるのには意味があります。……これ以上は,今はいえませんが。
4Gamer:
横方向に押し合うのでなければ,次に考えられるのは……。
北見氏:
……何も聞こえません(笑)。そうそう,詳しくは言えませんが,“技”もあるかもしれませんよ,と話を変えてみたり……。
4Gamer:
苦しんでいるようですし(笑),次の話へ行きますね。細かい話で恐縮ですが,パラメータにはどのようなものが用意されていますか?
北見氏:
これは,従来作どおりですね。統率,武力,知力,政治,魅力の五つが基本的な能力です。今回,攻撃時は武力,防御時は統率の値が影響するなど,若干の違いはありますが。あとそれ以外は,兵科適正というのがありますね。これはS,A,B,Cの4段階で,ランクが上がれば,その分強力なコマンドが使用可能になるという感じです。
4Gamer:
三國志Xでの「特技」に当たるようなものもありますよね?
北見氏:
特技は,従来のものとは違うシステムを考えています。これまた,いずれ明かされるだろうということで……。
4Gamer:
これはまったく想像できないですね。その情報はいつくらい出てきますか? また2月下旬あたりですとか?
北見氏:
いや,1月27日の第2報以降は,比較的コンスタントに情報を出していくつもりなので,2月中旬くらいにも公開できるのではないでしょうか。
4Gamer:
お,案外早い。それくらいなら待てると思います(笑)。