4Gamer:
そういえば,まだ今作のコンセプトを聞いていなかったですね。これまで聞いたお話から想像すると,“原点回帰”的なものとか?
北見氏:
いえ,コンセプトはまた別に用意していて,具体的には「戦いの技巧」です。文字どおり,戦争で効率良く勝つには,工夫が必要となってくるんですよ。
4Gamer:
ちょっと話がずれますが,以前公開された本作のイメージイラストでは,関羽が一番前に描かれていましたよね。すぐ後ろには呂布もいました。三國志シリーズは従来,そのコンセプトに沿ったイメージイラストが描かれますよね。あのイラストを見て,一騎討ちがコンセプトになるのか,もしくは武将プレイ制を示唆しているのかなんて風に考えていたのですが,ここは素直に,「戦争が中心」が正解だったわけですね。
北見氏:
そうですね。一騎討ちにももちろん力を入れていますが,イメージイラストで表現しているのは,戦争の緊張感とか,“いろんな行為/要素が戦争につながっていく”ということです。内政も,つまり戦争のための礎作りですからね。
4Gamer:
戦争については,さっきも少し聞きましたが,ぜひもっと詳しく聞きたいですね。
北見氏:
では戦争について説明しますが……順序としては内政を説明したほうがいいので,こちらからいきますね。
4Gamer:
はい,ぜひお願いします。とりあえず,ターン制ということは先ほど聞きましたが,3D一枚マップということを考えると,信長の野望・革新のような,箱庭的なプレイも可能なんでしょうか。
北見氏:
確かに箱庭的な要素があります。3Dマップ上に建物を建設し,そこから収入を得たりします。「市場」を作ればお金,「農場」を作れば兵糧の収入がある,という感じです。
4Gamer:
となると,やはり革新に近そうですね。では,敵部隊の攻撃でその建物を壊されると,その分収入が減ります?
北見氏:
ええ,そうなりますね。
4Gamer:
革新と同様に,建物を造れる場所には制限があるのでしょうか?
北見氏:
内政用の建物は,ある一定領域内にしか作成できません。革新でも,建設可能な場所はある程度決まっていましたが,より限られた範囲になりますね。ただし,何かの建物を造るために,先に何かを建てなければならない……という要素はありません。
4Gamer:
では君主であるプレイヤーの立場では,ターンごとに,配下の武将に農場を作れなどの命令を出す。命令を出された武将は,その仕事を何ターンかにわたって従事する,という感じでしょうか。
北見氏:
はい,そうなります。もちろん仕事によっては,そのターン中に終了するものもありますよ。
4Gamer:
何ターンか必要な仕事に従事している間は,戦争に出られない?
北見氏:
そのとおりです。
4Gamer:
革新では一つの仕事に3人まで従事させられましたが,三國志11ではいかがでしょう?
北見氏:
それは仕事によりますね。
4Gamer:
なるほど,ちょっと細かい質問を立て続けに出しちゃいましたが,おかげで大体のイメージがつかめてきました。外見上はやはり革新に近い感じなんですね。
先ほど,建物を造れる場所に制限があるとのことでしたが,手持ちの領土内の土地を使い切ったら,あとはすることがなくて困る,ということはないのでしょうか?
北見氏:
いくらでも仕事があるので,まずそういう状況にはならないと思いますよ。徴兵したり,兵装――部隊には兵科があり,その兵科によっては,対応する兵装が必要です。騎馬とかですね――を購入したりとか,もちろんお金や兵糧を多く確保する必要もありますし。
また,一枚マップだから常に全方向に気を配っていないといけないので,やはりやるべきことは多いですね。
4Gamer:
では戦争に関しても教えてください。先ほど,“内政用の建物”は,ある一定領域内にしか作成できないという話でしたよね。つまり戦争用の建物もあり,これはどこにでも建てられるということですか?
北見氏:
そうですね,戦争用の建物/施設も存在します。ここが革新との大きな違いで,とくに建設場所が決まっているわけではないので,相手の都市近くに建設できるんですよ。だから,都市と都市との間では,陣取り合戦のようなことが起きます。
他勢力の都市の近くに,戦争用の都市/施設を造るのは,つまりこれから攻めると言っているようなものなので,造られた側は非常に恐いでしょうね。
4Gamer:
戦争用の建物/施設には,どういったものがありますか? 砦とかなんだろうな,とは想像がつきますが。
北見氏:
砦だけで何種類かありますよ。そのほか弓櫓ですとか,あと,いわゆる“罠”も含まれます。罠の種類にもよりますが,複数のヘックスに対し影響力のあるものもあるので,うまく敵部隊を集結させて罠を発動させれば,一気にダメージを与えることが可能です。
コンセプトである「戦いの技巧」にダイレクトに関わってくるのは,実はこの部分なんですよ。
従来作でも,騎馬隊が相手部隊をノックバックさせることがありましたが,本作では,どの兵科の部隊でも,ノックバックさせられるようになっています。また逆に,手前に引きずりこむようなことも可能なんですね。これを利用して,うまく敵部隊を罠の近くにおびき寄せておいて,まとめてドッカーンという戦術が使えるんです。これが決まると,かなり気持ちいいですよ。
4Gamer:
なるほど,それは気持ちよさそうですね。相手にやられるとかなり悔しいでしょうが(笑)。
北見氏:
戦争は力押しだけではダメで,工夫する必要があるんですよ。相手にうまくしてやられたら,相手のほうが一枚上手だったということです。
4Gamer:
分かりました。それ以外で,戦争に関して特徴的なシステムはありますか?
北見氏:
戦場が3D一枚マップ上というはもちろん特徴になりますが,基本的には,相手の都市を落とすのが目的であるなど,従来作と同様ですね。10日ごとに1ターンが過ぎる戦争と考えてもらえれば,従来作のファンならば,ほぼ正確にイメージできると思います。