日本ファルコムから発売された「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd」は,「英雄伝説VI 空の軌跡」「英雄伝説 空の軌跡 SC」(以下,SC)に続く作品だ。エンカウント制の戦闘方式のシングルプレイRPGで,練り込まれたインタフェースや独特の世界観,魅力的なキャラクターなどが,多くのファンの心をつかんでいる,人気シリーズの最新作である。ここでは,さらにボリュームを増したストーリーや新要素などの概要をお伝えしよう。
なお,基本システムはシリーズ共通で,ストーリーは続いている。前2作を未プレイという人は,各レビューで基本情報のご確認を。
今度の主人公は七耀教会の神父ケビン・グラハム
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ティータの両親や,エレボニア帝国の宰相オズボーンなど,個性的な新キャラクターも続々登場し,物語を彩る |
前作のSCで描かれた,浮遊都市「リベル=アーク」の崩壊から半年。グランセル王国のヴァレリア湖から,謎に包まれたアーティファクト「方石」が発見されたところから,本作の物語は始まる。
ストーリーの中心となるのは,SCでも活躍した七耀教会「聖杯騎士団」所属の騎士ケビン・グラハムと,新キャラクターである従騎士リース・アルジェントだ。古代文明の遺産「アーティファクト」の調査/回収を行う「聖杯騎士団」は,「方石」回収のためケビンを派遣したが,その前に「黒騎士」と名乗る謎の男が立ちふさがる。黒騎士,そして彼が仕える「王」の目的は果たして何なのか?
おなじみのシリーズキャラクターに加え,新キャラクターも多数登場。物語はますます広がりを見せていく。
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左:七耀教会の巡回神父にして聖杯騎士ケビン・グラハム。SCではエステル達に協力する形で活躍。ボーガンを武器とする 右:七耀教会のシスターで「星杯騎士団」に所属する従騎士リース・アルジェント。幼いころから,ケビンと共に教会の施設で育った。伸縮する剣を使って戦う |
さらに増えたパーティキャラクター
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ある程度物語が進むと,誰をパーティに組み入れるかをプレイヤーが決定できるようになる。16人の中から誰を選ぶか,非常に悩ましい
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個性的なキャラクター達による,タクティカルな戦闘システムは健在だ。本作でパーティに加わる可能性のあるキャラクターは,16人。SCでのメンバーに加え,ミュラーやリシャール,レンといったキャラクターも操れるようになったのだ。それに伴い,キャラクター固有の技「クラフト」や,魔法「オーバルアーツ」にも新しい種類が追加されており,戦闘はますます奥深くなっている。
また,新システム「リモートアビリティ」にも注目だ。これは,実際に戦闘を行うパーティとは別に,支援キャラクターを設定できるというシステムで,設定したキャラクターごとにボーナスが付加される。誰に支援させるかで戦い方が変わりそうだ。
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新クラフト,新オーバルアーツも追加。画像は新キャラクターであるリースのSクラフト「へヴンストライク」だ。ド迫力の演出にも注目 |
リースなら経験値などの取得量アップ,ユリアなら防御系能力値上昇といったように,支援キャラクターによってボーナスが変化する |
行動順によって付与される「ATボーナス」も増えている。「DEATH」や「VANISH」など,独特の効果のあるボーナスを使いこなそう |
ファンなら見逃せない各種エピソード&おまけ要素
本作では,本編とは直接関係がない外伝的なエピソードが随所に盛り込まれており,SCのその後やメインキャラクターの過去の話を楽しめる。また,シューティングゲーム,クイズ,勝ち抜きバトルなど,多彩なミニゲームもプレイできる。お気に入りのキャラクターで遊ぼう。
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あちこちにある扉に入ると戦闘が発生。ここで勝利すると,ボーナスとともに,さまざまなエピソードを見られるのだ |
月の扉に入ると長編エピソード,星の扉では短めのエピソードを楽しめる |
太陽の扉では,おなじみのキャラクターが登場するシューティングやクイズなど,いろいろなミニゲームをプレイできる |
そして「英雄伝説7」へ……
まだまだ続く「空の軌跡」の物語
多くのファンを虜にした「空の軌跡」のストーリーは,本作でさらに広がっていく。シリーズ3作目ということで,基本的には前2作をプレイしていたほうが,より本作を楽しめるだろう。多くの人々を引きつける本シリーズを未プレイという人は,本作の発売をきっかけに,ぜひ前2作と合わせて遊んでみてほしい。
なお,公式サイトでは,「物語は『英雄伝説7』へと向けて新たな展開へ!」と,非常に気になる記述がある。「空の軌跡」としてシリーズが続くのか,それとも……。今後の展開も目が離せないところではあるが,まずは本作をじっくりと楽しもう。