［iPhone］100以上の機能が追加された「iPhone 3.0」がついに登場。iPhone/iPod touchゲームの今後はどうなる

　「カット，コピー＆ペースト」「横向きキーボード」「Spotlight検索」をはじめとする100以上の新機能が追加された，iPhone/iPod touchユーザー待望のiPhone OS 3.0が，本日（6月18日）未明，ついにリリースされた。すでにアップデートを行い，新しい機能を試したという人も多いだろう。個人的にはまず，ホーム画面のページ数制限（9ページまで）が解除されたのが嬉しい点だったりする。
　さて，iPhone/iPod touchゲームの情報を追っている4Gamerでは，先日開かれたWorldwide Developers Conference 2009の基調講演の内容をもとに，“3.0”がゲームファンにもたらす恩恵について，ざっくりまとめておきたい。


■アプリ内購入

　これは，アイテムやステージなどの追加コンテンツを，ゲーム内で購入できるようにするもの。WWDCの基調講演では，人生シミュレーション「The Sims 3」で家具を購入し，家の中に配置する様子や，タワーディフェンス系ストラテジー「Star Defense」でロックされたステージを解除する様子などが紹介された。
　またアプリ内購入では，一定の期間単位で料金を支払うサブスクリプション型のアプリも実現できるので，今後，月額課金制のオンラインゲームや，週刊/月刊誌など，さまざまなタイプのアプリ/コンテンツ販売の実現が期待できる。これまで参入に慎重だったコンテンツプロバイダーからも多数のアプリが提供されれば，App Storeはさらなる盛り上がりを見せるだろう。


■Bluetoothでのピア・ツー・ピア接続

　これまでは，iPhone/iPod touch同士で接続して対戦型のゲームをプレイする場合，Wi-Fi環境が必要だった。それに対し，iPhone 3.0ではBluetoothを用いたピア・ツー・ピア接続が可能となっており，この機能を用いたゲームであれば，Wi-Fi環境がなくても対戦が楽しめるようになった。
　対戦型のゲームをプレイするためのハードルがグッと下がることになり，今後，マルチプレイモードを用意するソフトが増えれば，対戦プレイを楽しむiPhone/iPod touchゲーマーもさらに多くなっていくはずだ。


■iTunes Music Libraryへのアクセス

　iPhone OS 3.0では，iPhone/iPod touch内に保存されているiTunes Music Libraryに対し，アプリ内部からアクセス可能となっている。WWDCの基調講演では，レーシングアクション「Asphalt 5」で，カーステレオ画面で自分のプレイリストを選択し，ドライブ中のBGMとして再生する様子がデモンストレーションされた。
　そのほか，The Sims 3のデモンストレーションでは，ゲーム内で家具として購入したステレオを操作し，iPhone/iPod touch内の楽曲を再生したり，その音楽を聴きながらシムが陽気にダンスしたりするシーンが紹介された。
　単にアプリ内のBGMとしての利用以外にも，自分の持っている曲を用いて遊ぶ一種のアクションパズル「Audiosurf」のような作品の登場が期待できそうだ。好きな曲を用いてのさまざまな遊び方が提供されることに期待したい。


■プッシュ型通知

　iPhone OS 3.0には，アプリに関する最新情報などをプレイヤーに通知する機能が用意されている。通知方法は複数あり，ダイアログを表示する方式のほか，すでに「メール」で採用されている，ホーム画面のアイコン上に新着メール数を表示する形式もある。
　「Rolando」では，生き残っているRolandoの数をアイコンに重ねて表示する機能がすでに独自に実装されているようだが，iPhone OS 3.0の登場により，ほかのアプリでも容易に利用できるようになった。

　ゲームとのつながりを想像してみると，例えば，新アイテムが発売されたことを知らせるという利用方法が思い浮かぶ。
　また，iPhone OS 3.0が最初に発表された，Appleが3月に開いたイベント（関連記事）では，オンラインFPS「LiveFire」で，ほかのプレイヤーを対戦に招待する機能に，このプッシュ型通知が利用されていることが発表されている。
　アップルに聞いたところ，プッシュ型通知では，通知を受け取って処理するモジュールのみがバックグラウンドで動作しているとのこと。バックグラウンドでゲームのプログラムそのものが動くわけではないが，例えば，実時間と連動するペット育成ゲームなどで，食べ物を与える時間がきたことを知らせるといった利用方法も考えられる。


■外部デバイスとの連携

　iPhone OS 3.0では，外部デバイスから入力した情報を受け取って処理したり，逆にiPhone/iPod touchを用いて外部デバイスの操作を行ったりすることが可能となっている。iPhone/iPod touchに装着して使うゲームコントローラの登場に期待している人もいることだろう。
　ちなみにWWDCの基調講演では，iPhoneに血糖値測定器を接続し，計測結果を入力するという応用例が紹介されている。脳波を用いたコントローラや，グローブ型コントローラなども原理的には実現できるのかもしれない（iPhone/iPod touchで実現させる意味があるか，需要があるかはさておき）。


　さて，このiPhone OS 3.0は，iPhoneユーザーには無料で，iPod touchユーザーには1200円で提供されている。iPhone 3G S独自の機能にもとづくものは除き，従来のiPhone/iPod touchで最新機能を利用できる意義は大きい。
　iPhone OS 3.0の登場で，今後，ゲームをはじめとするiPhone/iPod touchアプリの世界がさらに広がりを見せることは間違いなさそうだ。音楽/動画再生用にのみiPod touchを使っているという人も，この機会にアップグレードしてみよう。