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タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版

第2回:キャラクター育成時のキモとなる8種類のマスタリー解説(初級編)

 ちょうど本日(9月1日),ついに「タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版」(原題 Titan Quest)が発売された。すでにパッケージを手にしている読者も多いのではないだろうか。さて,“ディアブロって何?”というようなPCアクションRPG初心者でも,本作を100%楽しめるよう解説していく当攻略連載の第2回では,キャラクター育成の骨格となる,“マスタリー”について見ていこう。

8種類のマスタリーから二つを選び,自分だけのキャラクターを育成する

本日発売となった「タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版」。ディアブロ好きなら絶対遊ぶべきだし,ディアブロを知らない人にも十分お勧めできる

 本作におけるマスタリーとは,分かりやすく言うとジョブのようなものである。具体的には,「Warfare」「Defence」「Nature」「Spirit」「Earth」「Storm」「Rogue」「Hunting」の8種類がある。
 本作のマスタリーが,一般的なゲームのジョブと大きく違う点は,転職などを行うことなく,最初から(厳密に言うとレベル8から)2種類選べる点だ。この組み合わせが,本作のキャラクターの職業となる。

 

 各マスタリーにはそれぞれ20種類のスキルが用意されており,キャラクターのレベルアップ時や,一部のクエストのクリア時に獲得できるスキルポイントを消費して,新たなスキルの習得や,習得済スキルのランクアップを行っていく。これによって,キャラクターの個性はさまざまな方向へと育っていくのである。
 スキル一つをとっても,すべてを覚えてオールラウンドなキャラクターにしてもいいし,いくつかのスキルにポイントを集中させて,一撃必殺タイプのキャラクターにしてもいい。
 ここまでは,ディアブロタイプのゲームでは割と普通だが,本作ではさらに一歩進んだシステムが採用されている。マスタリー画面左下にある「+」をクリックすることでマスタリーレベルにスキルポイントをつぎ込むと,1,4,10,16,24,32ポイントに達したときに,新たなスキルを習得可能になる。当然そこで消費したポイントはスキル自体のランクアップには使えなくなるが,マスタリーレベルを上げると基礎ステータスも向上するので,仮にスキルを覚えないとしてもポイントを注ぎ込むだけの価値がある。これらの要素が相まって,スキルポイントの使い方が,実に奥深く,面白いのである。

 

二つのマスタリーを組み合わせた“職業”は全部で28種類。二つめを選ばず,一つのマスタリーを極めてもいい。戦術の組み合わせは幅広く,非常に奥が深い

 二つのマスタリーのスキルを組み合わせることでのみ実現する戦術も数多くある。マスタリーは,キャラクターのレベルが2になったときに一つめ,レベル8で二つめを選べるようになる。前述のとおり,その組み合わせによって最終的な職業が定められるのだ(下表参照)。なお,二つめのマスタリーを選ばず,一つのマスタリーを極めていくことも可能だ。
 ちなみに本作では,ゲームを進めていくと,対価を支払うことでスキルポイントの再割り振りが行えるようになる。しばらくは不要だと判断したスキルからポイントを回収したり,逆に一時的に特定のスキルにポイントを注ぎ込んだりと,必要に応じて思い切った方向転換が可能だ。ただし,一つめのマスタリーは,一度選択すると(たとえ全スキルポイントを回収しても)選択し直せないので注意してほしい。このマスタリー選択は,ゲームを始めて比較的早い段階で訪れる,キャラクター育成時の大きな分岐路といえる。

 

 そこで今回は,それぞれのマスタリーが一体どのような特徴を持っているのかをまとめることにしよう。ゲーム序盤で習得できるスキル群も紹介しているので,各マスタリーのイメージをつかみやすいはずだ。

 

画面左下のMastery Levelにスキルポイントをつぎ込み,1,4,10,16,24,32ポイントに達すると,バーの高さより低い位置にあるスキルが開放される 各マスタリーの特徴を理解すれば,“Warfare+Hunting=Slayer”といったような職業のイメージもつかみやすくなるだろう。これから始める人は本稿を役立ててほしい

 

8種類のマスタリーの特徴と初級スキル解説

【1】Warfare

 一言で言えばファイター。武器を用いた攻撃面に特化したマスタリーだ。ほかのマスタリーでは,例えば「杖を持っているときのみ有効」といった“武器限定”の攻撃スキルが多いが,Warfareのスキルのほとんどは,近接系であれば幅広く扱える。しかも全マスタリー内で唯一“二刀流”を習得できるため,獲得したさまざまなマジックウェポンを効果的に使っていけるのだ。
 また,序盤で習得できるスキルにパッシブ系が多いの特徴である。これらはスキルを習得した時点で効果を発し,使用時にタイミングを計ったり,エネルギーを消費したりしない。そのため,初心者でも比較的プレイしやすいマスタリーといえよう。

 

近接攻撃系のWarfareは,基本攻撃をサポートするスキルがぎっしりと詰まっている。アクションRPG初心者が悩んだら,一つめのマスタリーはWarfareを選ぶといい 敵に囲まれたときも,ザコ敵なら“War Horn”でスタンさせている間に1,2匹倒せる。“Dual Wield”で二刀流ができるというのもWarfareだけの特徴だ

 

A=アクティブスキル,使用時はスキルの発動が必要 P=パッシブスキル,スキルを習得した時点で有効になる

 

【2】Nature

 自然の力を借り,冒険に役立たせるマスタリー。回復呪文系のスキルを持つ,ヒーラー的な存在といえる。本作では,自分以外のキャラクターを回復できるスキルはあまり多くないため,Natureの持つ“Regrowth”から派生する回復系のスキルツリーは,ある意味最もNatureらしいスキル群だ。
 ヒーラーという性質上,(このマスタリー単体では)攻撃面をサポートするスキルは心許ない。しかしNatureでは,最初からペットの狼を召喚できる“Call of the Wind”を覚えられるので,アクションが不得手な人にも向いたマスタリーといえる。

 

Natureは召喚した狼に近距離攻撃を任せ,自身は遠距離から攻撃するのが基本戦術となる。攻撃面が少々強化しづらいので,もう一つのマスタリーで補う形になるだろう 主要スキルとなる“Regrowth”を使うときは,ショートカットキーを活用するのがお勧め。例えば右クリックに割り当てておけば,対象をクリックするだけで瞬時に回復させられる

 

ER:“Energy Reserve”の略。使用するとエネルギーの最大値が減る代わり,キャラクターが死ぬまで効果を発揮続けるタイプのアクティブスキル

 

【3】Defense

 Warfareと同じく近接戦闘向けのマスタリーだが,こちらは防御面を重視している。戦士系のスキルを攻撃(Warfare)/防御(Defense)に分けたといえば分かりやすいだろう。とはいえ純粋な防御というよりは,盾で敵を殴って弱体化させるなど,「攻撃的な防御」といったイメージが強い。またDefenseでは,被攻撃時のタイミングで効果を発揮するタイプのスキルが多い。
 WarfareやDefenseといった近接戦闘系は,とくに序盤のプレイ中はヘルスにだけ気を遣えばいい。また,Defenseでは“Armor Handling”で防具の装備条件を引き下げられる。初期段階から比較的いい防具を身に着けられるので,初心者にはプレイしやすいマスタリーといえる。ただしWarfareの二刀流とDefenseの盾は共存できない。マスタリーを二つ組み合わせるときは,こういったスキルの相性面に留意するのも忘れずに。

 

Defenseは「片手武器+盾」という基本に忠実なスタイル。近接攻撃主体のマスタリーで攻略する場合,二刀流を使えるWarfareとのどちらを選ぶかが悩ましい “Rally”は体力を瞬時に回復してくれるので,最後まで重宝するだろう

 

 

【4】Earth

 いわゆる四大元素エレメンタルのうち,火と土の属性に特化したマスタリー。炎の弾を投げつけたり,地割れから溶岩を噴き立たせたりなど,純粋なキャスタータイプといえば,比較的イメージしやすいはず。ただし炎の魔法は発動してから着弾までわずかなタイムラグが発生するため,位置取りにも気をつけなければならない。うまく敵にヒットさせるには頭を使う必要もあるが,慣れてくるとなかなか面白い。
 また火属性の攻撃面だけでなく,土属性による防御面も意外と充実している。例えば,下の表には含まれていないが,3段階目のスキルで土の精霊ペットを召喚でき,これが壁役としてとても役立つ。最初はマスタリーレベルを上げることに専念し,いきなり土の精霊ペット召喚スキルを覚えてもいいだろう。

 

Earthは派手な攻撃魔法を数多く習得できる。武器に炎を宿らせる“Earth Enchantment”は,序盤に役立つスキルだ ゲーム中盤以降では,ペットとの二人三脚のプレイが中心になる。ペット用のスキルツリーも豊富なので,長い付き合いとなるだろう

 

 

【5】Spirit

 精神や霊的な要素に関する,いわゆるネクロマンサー的なマスタリー。敵を混乱させたり敵のヘルスを吸収したりなど,基本的に意地悪な戦術を得意とする。一応はキャスタータイプだが,隣接するモンスターの体力を削ったり動きを鈍くするスキルも備えるので,近接戦闘との相性も意外と良い。
 SpiritはEarthと同様,3段階目のスキルで“Lich King”というペットを使役できるようになり,これが大きなポイントとなる。Lich Kingは,キャスタータイプの使役モンスターなので,敵モンスターの群れに無闇に突撃して即死,というようなことはあまりないのだ。極端な話,自分が囮になって逃げ回っているだけで,敵を倒すことも不可能ではない。

 

一撃で敵を倒すような痛快さはないものの,じわじわとなぶり殺しにする陰湿なスキルが揃っている。もっとも,Spiritを最初に選ぶような人にとっては,そこが魅力なのだろう 画面内のアンデッドは敵ではなく,Spiritが召喚したペットのLich King。間接攻撃タイプなので,ほかのマスタリーのペットよりも死ににくいのが特徴

 

 

【6】Rogue

 暗殺業に長けたマスタリー。刃物に毒を塗って攻撃することで,一定時間継続的なダメージを与えられる。よって敵と正面切って渡り合うよりは,ヒット&アウェイといった戦術に向いている。ダガーのように攻撃間隔の短い武器を用いれば,生物系の単体モンスター相手にはかなり強力である。
 ただし,複数の敵と同時に戦うのはあまり向いていないので注意が必要だろう。とくに毒が通じないスケルトンなどのアンデッド系に対しては,Rogue用のスキルだけでは苦戦を強いられてしまう。得意/不得意の分野が分かれており,プレイヤーにもテクニックを要求するようなスキルが数多く詰まっている印象だ。

 

単体の敵相手に戦うのは,全マスタリー中トップクラスの面白さ。ヒット&アウェイでチクチクとダメージを与えられるので,ボス戦などに有効だろう 敵に囲まれたうえにアンデッドが含まれていたりすると手詰まりになりがち。もう一方のマスタリーを組み合わせ,うまくスキルを使い分けるのがよい

 

 

【7】Hunting

 屋外活動に通じた,レンジャー的な性質のマスタリーである。片手用槍や弓を得意とするのだが,とくに弓に関するスキルが数多く含まれている。Huntingを選ぶからには弓を積極的に使っていきたい。本作の弓は攻撃間隔がやや長いものの,矢弾を消費しないためとても扱いやすいのだ。弓は攻撃速度が遅いため,ほかのマスタリーでは扱いづらい武器だが,Huntingでは弓矢や槍の攻撃速度を速める“Wood Lore”というスキルがある。
 また,移動速度をアップさせられるのもHuntingならでは。本作におけるキャラクターの移動はダッシュのみで,元々ゲーム展開はかなりスピーディである。しかし,Huntingであればさらにスピーディな展開が可能だ。例えば宝箱やボスモンスターだけを狙う,いわゆるトレハン的な活動にも適している。

 

敵の集団と戦うときは,逃げながら“Ensnare”を使うことで各個撃破に持ち込める。ちなみに,敵にEnsnareを使われてタコ殴りにされるとかなり悔しい 槍を構えて突撃する“Take Down”は,遠くから一気に距離を詰めて攻撃できるスキル。キャスター系の遠隔タイプを追い詰めるときなどに重宝する

 

 

【8】Storm

 Earthとは反対に,四大元素エレメンタルの風属性と水属性に特化したマスタリー。基本的にはEarthと同じキャスタータイプだが,ダメージ面ではEarthに劣るものの,Stormでは敵の鈍化が伴う,と覚えておけばいいだろう。中盤以降では敵を凍らせることもできるので,複数に囲まれるような状況に陥っても対応しやすい。
 Storm用のスキルで防御面を強化したうえで,近接攻撃用のマスタリーを組み合わせるスタイルは完成度がかなり高い。中でも“Storm+Warfare=Thane”や,“Storm+Defense=Paladin”は,攻守共にバランスが良く,初心者から上級者まで幅広くお勧めできる定番の職業といえる。

 

同じキャスター系でも,Earthよりやや防御系のマスタリー。ダメージを与えるとともに敵を凍らせたりスタンさせたりすることで,敵からダメージを受ける機会を減らせる 自分が敵を鈍化/凍らせている間に,ペットに攻撃してもらうのもいいだろう。ソロはもちろん,マルチプレイでも働けるマスタリーである

 

 

マスタリーの特徴を押さえたら自分のプレイスタイルに合わせて選択しよう

 8種類ある各マスタリーの概要としては以上である。マスタリーに関連したノウハウ面はまだまだあるのだが,序盤ではそれほど必要とされないし,語り尽くすにはボリュームがかなり必要なので,今後本連載で徐々に解説していこう。
 これからプレイを始めるような人は,とりあえずマスタリーの概要を押さえておけば大丈夫だ。そしてマスタリー個別の特徴を理解したら,二つのマスタリーを組み合わせると一体どのようなキャラクターができあがるのかをイメージしてみよう。

 

 28種類(+単一マスタリー特化形の8種類)ある職業のどれでもクリアは可能なので,完全に好みでマスタリーを選んでまったく問題ない。だが,アクションRPGに不慣れな人向けのアドバイスとしては,最初に選ぶマスタリーはWarfare,Defenseをお勧めしておきたい。キャスター系とは違って,主な攻撃手段にエネルギーを必要としないので,初心者でも比較的プレイしやすいからだ。

 

 マスタリーの使い方を把握した頃にはレベルが8以上になっているだろう。そうしたら二つめのマスタリーとして,今度はキャスター系を選択すると,一人のキャラクターで本作のエッセンスを幅広く堪能できる。バランス良くスキルを割り振ってゲームを進めてもいいが,途中で思い切ってキャスターにスキルを特化させてみると,同じキャラクターでもプレイスタイルが180度変わる。これは実に新鮮なので,ぜひとも一度は試してみてほしい。
 本作ではスキル選択におけるリスクは一切無い。なので思う存分,自分だけのマスタリー構成を模索してほしい。実際にプレイしてみれば,そのプロセスに本作の面白さが凝縮されているのだと実感できるはずだ。

 

 さて次回は,ゲームの序盤から中盤まで進めるうえでポイントとなる要素を,いくつかピックアップして紹介していこう。

 

 

■■川崎 政一郎(ライター)■■
アクションRPGに目がないフリーライター/記者。前回の著者紹介欄を見て落ち込んでいると思いきや,驚いたことに逆にわくわくしている様子。仕事抜きでTitan Questをプレイするのが楽しくて仕方ないようだが,そのあとに「私が深くかかわるタイトルって,ヘビーな記事ばかりなんですよね……」と,ポツリと一言漏らしていた。どうやら過去にいろいろとあったようだが,今後もヘビーに攻略してもらうためにも,聞こえなかったことにしよう。
タイトル タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版
開発元 Iron Lore Entertainment 発売元 ズー
発売日 2006/09/01 価格 8190円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.8GHz以上[Pentium 4/3GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスチップ:GeForce 3/Radeon 8500以上[GeForce 6800以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨]

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http://www.4gamer.net/weekly/titanquest/002/titanquest_002.shtml