複数の敵に同時にダメージを与える攻撃スペルは,基本的に敵1体としか戦わない「エバークエスト」(EQ1)では利用頻度が低かったが,複数の敵と戦うのが日常的なEQ2ではとても有効だ。対象の数が多ければ多いほど,1回のキャスト/同量のパワー消費で与えられるダメージの合計は大きくなる。もちろんDPSも上昇するので,敵を倒すスピードも上がる。メイジとしては,なるべくこのスペルを多く使いたいところだ。
メイジが,このような効率の高いキャストをどれだけ行えるかは,半分はメインタンクの働きにかかっている。タンクが複数攻撃魔法のメリットを理解し,エンカウンター全体に対して頻繁にタウントを行えば,メイジは安心して,あるいはより短い間隔でこの魔法を使用できるようになる。
ただし,メイジのほうもタンクのタウントに頼り切っていてはいけない。エンカウンタータウントは再使用までの時間が長いので,タンクがメインターゲット以外の敵のヘイトを十分に高めるまでには時間がかかる。それを考慮せずに複数攻撃魔法を連発すれば……結果は明らかだ。ヘイトの状態を見極めて,適切なタイミングで使うよう心がけたい。
エンカウンターに対して作用する,アイコンの背景が緑色のスペル/アーツは,EQ1などで
AEや
AoE(Area of Effect)魔法と呼ばれていたものに近いが,働き方が少々異なることを知っておきたい。これらはターゲットの周囲にいるNPCに無条件でダメージが入るのではなく,ターゲットとリンクしている敵グループ(つまりエンカウンター)に対して作用するようになっている。だから例えばソロの敵(ほかのMobとリンクしていない敵)を同時に3体相手にしているようなときには,これらのスペルは効果的には機能しない。
さらにもう一つ,"エンカウンター攻撃は
メズブレイクを誘発しない"ということは,すべてのプレイヤーが知っておきたい知識だ。エンカウンター内にエンチャンターのメズメライズで寝かしつけられているMobがいた場合,エンカウンター攻撃はそのMobに対してダメージを与えない。つまり,かかっている術が解けてMobが目を覚ますことがない。EQ2は,能力が干渉し合うためにクラスの持つ力が発揮できないという状態が,なるべく生まれないようにデザインされているのだ。