連載 : ハートマン松本7世の全軍突撃!バトルフィールド2142


ハートマン松本7世の全軍突撃!バトルフィールド2142

最終回 いつかはなりたい司令官

 

今回は理想の司令官を目指すことにしよう

 

ビクビクオドオドした新兵を卒業し,やがて連戦連勝の名司令官になるのが,正しいバトルフィールド道(言いにくい)なのかどうか実はよく分からないが,今回は司令官のイロハに迫ってみる。前作,「バトルフィールド2」とは微妙に違う,未来ならではの部隊さばきが要求されるのだ

 未来新兵諸君! 諸君ら「バトルフィールド2142」ビギナーを優しくビシビシしごきまくる本連載も今回が最終回である。正月早々,最終回というわけで,まさに未来の戦争はつらく厳しいものだと言えるだろう。もっとも,本職はだいたい8月末までオトソ気分が抜けないので,問題はない。
 さて,ここまで訓練についてきた諸君に,そろそろコマンダーになってもらおうではないか。コマンダー,英語で言うと司令官だ(編注:違います)。戦闘たけなわの昨今,はっきり言って,司令官という職務の人気はいまいちのようだ。ネットを介して未来の戦場に集まってくるプレイヤーの目的は,「戦うこと」に尽きる。弾雨をかいくぐり,敵に肉薄し拠点やサイロを奪いあう。あるいは戦車や戦闘機を駆って目もあやなハイテク戦を演じることこそが,プレイヤーの目的であり,“司令官”という名前にこそ権力を感じるものの,その実,やってることはただの裏方じゃないか,という感じで司令官の人気は薄いのである。

 

 そのうえ,ちょっと薄ぼんやりしてたり,分隊長のリクエストに従わなかったり,味方の陣地にうっかり砲撃をしちゃったりするだけで「退陣要求」を突きつけられることもしばしばだ。そのまま投票が可決されてクビになっちゃったりなんかすると,もう半分トラウマ。まさに「司令官の心,部下知らず」である。というわけで,参加人数の少ないマップなどでは司令官志願者が全然いない,なんてことも起きるのである。
 しかし,司令官の能力の優劣が戦況に影響してくるのは,やはり間違いのない事実だろう。優れた司令官は,かゆいところに手が届くように偵察機を飛ばし,補給をし,分隊長達に命令を下すのである。というわけで,今回は司令官の任務の実際について学ぶことにしようではないか。日々の戦闘でさえおぼつかない諸君にいきなりコマンダーになれ,とは言わないが,「末は博士か大臣か司令官」という諺もあるくらいなので,ぜひ未来戦争の明るい未来のために刻苦勉励してほしい。

 

 

司令官の基本

 

これが司令官画面。戦場全域を一望に収め,敵味方の位置をすべて把握できるのは司令官だけなのである。無理,無駄,ムラのない能率的な戦略を立てよう

 「バトルフィールド2」のプレイヤーにはもうすっかりおなじみだろうが,とりあえず司令官について簡単に説明しよう。司令官は各勢力一人ずつ着任し,全体の指揮をとって味方を勝利に導くのがその役目だ。司令官に就任すると司令官専用画面(デフォルトでCaps Lockキー,もしくはHomeキー押下)へのアクセスが可能になり,ここで一般兵士にはできないさまざまなオプションを使用して任務を遂行する。
 また司令官は,偵察衛星の情報によって戦場に展開する敵味方の位置をリアルタイムで知ることのできるただ一人の存在であり,つまり,部下の兵士を手足のように使い,チャンスと見れば攻撃を仕掛け,また危機の際は適切な対処を施さなくてはならないのである。ちなみに,司令官が命令を下せるのは分隊長だけで,その命令を受領するかどうかは分隊長の判断となる。基本的には,現実の師団司令部がそうであるように,偵察,補給,そして支援砲撃の三つの任務をこなすのである……,てなもんだ。お分かりか?

 

 司令官のなりかたは,前作「バトルフィールド2」と同じである。つまり,Enterキーを押下してマップ画面を出し,「部隊」タグをクリック,司令官に「適用」すれば志願完了だ。司令官として承認されると,その旨表示されるので,Page Upキーを押下してオッケーすれば諸君もめでたく司令官である。「口を開く前と後にサーを付けろ」,などと命じてもいいのである。よくないかもしれないが。司令官立候補者が多数いた場合,階級の高いほうから選出され,同級だった場合はランダムだ。

 

 言うまでもなく,司令官は自ら戦う必要はない。ポイントは,自軍の平均点がもらえるうえ,勝利すれば司令官ボーナスとしてそれが2倍になる。さらには,分隊が司令官の命令に従って任務を達成したときにもポイントが入る。なので,諸君のように「マイナス2点だった」とか「今日は久々,10点の大台に乗った」などと言っている新兵にとってはなかなか魅力的な収入ではないだろうか。ともあれ,司令官はゲーム中でただ一人(敵を入れれば二人だが),ほかのプレイヤーとまったく違うゲームを進めるのである。

 

 

司令官になったら

 

 コンクエストモードの場合,司令官はまずHQを設定しなくてはならない。HQ(ヘッドクォーター)と言えば聞こえはよいが,要するに隠れ場所だ。積み上げられたコンテナの隙間や,廃屋の陰にこっそり隠れて命令を下すのである。バトルフィールド2でもそうだったが,バトルウォーカーや戦車など,貴重な兵器に乗って指揮を執るのは間違いである。選択する兵科は「突撃兵」がいいかもしれない。万一の場合,医療キットを使って自分自身を治療できるからだ。
 タイタンモードの場合は,自軍のタイタンに座乗するのが順当だろう。意外な線を狙って,地上に隠れるのもアリかもしれないが,安全性はタイタンのほうがはるかに上だ。選択兵科はなんでもいいが,壊れた砲台を修理できる「工作兵」がオススメと言えばオススメかしら。

 

 

司令官の任務

 

補給

 

 補給物資の入った箱をパラシュート投下するのは,司令官の重要な任務だ。戦場では「援護兵」が弾薬を,「突撃兵」が医療パックを供給してくれるとはいうものの,常にそれらの兵士がそばにいるとは限らないし,投下された箱には,兵士だけでなく車両のダメージを回復する能力もあって,一箱あるととても便利だ。さすがは22世紀の科学力だが,バトルフィールド2でも同じことができたなどと言わないように。
 投下する際には,補給物資が破壊可能であることと敵も使用できるということを考慮しなければならない。敵に塩を送るような状況は避けたいものである。分隊長のリクエストに応じて,こちらの拠点/サイロに投下するのが一般的だろう。一度投下すると,次に投下できるまで約1分のインターバルがあるので,その点も注意が必要だ。

 

「今から補給物資が諸君のところに行くぞ」という声と共に,パラシュート降下してくるのがこの箱。弾薬やヘルスだけでなく,車両のダメージまで回復してしまうというハイテクボックスである

 

EMP攻撃

 

 EMP攻撃は,一定時間,敵兵器の動きを停止することができ(搭載砲なども使用不可能になる),また歩兵のHUD画面を乱して視界不良に陥らせる。破壊するわけではないのでいささか地味だが,敵の接近を遅らせたいときに使えるだろう。有効範囲はさほど広くない。また,一発撃ってから次を撃てるようになるまでのインターバルが約2分間あり,タイミングを取るのもなかなか難しい。とはいえこのEMP攻撃,映画「マトリックス」みたいで非常にカッコよく,意味ないなあ,と思いながらも使ってみたくなっちゃう自分が憎い。

 

兵器を一定時間行動不能にするEMP攻撃。動き回る目標に当てるのはなかなか難しく,また効果範囲もあまり広くない。混戦中,ピンポイントで敵兵器に命中させられるようになるまで猛練習だ

 

衛星スキャン

 

最も頻繁に使うのがこの衛星スキャンである。スキャンによって敵の位置が赤く表示されるので,どの拠点がピンチなのかすぐに分かるという寸法だ

 衛星スキャンを行うことにより,敵味方すべての位置を表示することができる。基本的にこの情報によって司令官は戦略を立てるのである。であるから,30秒のインターバルが過ぎたらすぐに衛星スキャンを行い,これを繰り返すことが必要。レーダーのように画面を光の帯がスキャンしていくところが,これまたやたらカッコいい。
 スキャンで発見した敵を右クリックして,「敵発見」を選ぶと,味方のミニレーダー画面にその敵が表示される。これを行うのもまた司令官の重要な任務なのである。黙ってる司令官は良くないのだ。

 

偵察

 

 戦場上空にUAV(無人偵察機)を飛ばせば,その周辺の敵位置を暴露できる。衛星スキャンの結果は司令官しか見られないが,こちらは味方のミニレーダー画面に敵の姿が赤く表示されるので,利便性が高い。索敵範囲はさほど広くなく,また持続時間も短いが,飛ばせるようになったら(インターバルは約1分)即座に発動させるのだ。
 偵察で最も重要なのは,どこに飛ばすかということ。一般に,最後に残った敵の拠点周辺など「絶対に敵がいるところ」を飛行させるのは無意味である。衛星スキャンと併用し,こちらが手薄な拠点を狙っているような敵を見つけた場合,そこへ飛ばして兵士の注意を喚起するような使用法が望ましいのである。

 

UAVは撃墜可能なので,余裕があれば撃ち落とすといいだろう。司令官としては,衛星スキャンの情報を十分に考慮し,どこに飛ばすのが一番有効なのかを考えなければならない

 

軌道砲撃(コンクエストモードのみ)

 

 バトルフィールド2でもおなじみの“砲撃”だが,さすが2142年,こちらは軌道上の衛星による砲撃である。したがってバトルフィールド2のような「あっ,くるくる」といった前兆がなく,いきなりあたり一面が炸裂するので始末が悪い。砲撃範囲も広く,とくに歩兵に対しては効果甚大。次の砲撃ができるようになるまでのインターバルは,約1分半といったところだ。
 砲撃さばきのうまい司令官が名司令官と思われることが多いので,ぜひがんばってほしい。奴らを一人も逃がすな!

 

軌道砲撃は,とくに歩兵にとってはイヤな存在。戦闘が膠着しているようなときに使うと有効だ。味方を砲撃しないように注意すべきだが,これが結構難しかったりして

 

 

連戦連勝の名司令官はキミだ(たぶん)!

 

 これ以外に重要な司令官の任務として,分隊に命令を下すことなどがあるが,このあたりはバトルフィールド2に準ずるので,そちらを参考にしてほしい。また,以前「タイタン編」でも言ったように,タイタンの移動も司令官の裁量に属する。タイタン移動の是非についてはまだ議論の余地があるようなのでなんとも言えないが,動かすなら,いろいろと有利になるようなポイントを探して,そこへ移動させるべきである。
 分隊表の見方や意味なども知っておくべきだが,改めて言うまでもなく,各兵士が分隊に参加していないと,分隊/司令官システムはうまく作動しない。NetBatシステムや分隊ボーナスなど,分隊に参加すると有利になるようなシステムが増えているので,何度も同じことを書いちゃって恐縮だが,必ず分隊に入りなさいよ,ねえ。
 さらに付け足せば,前回,前々回で紹介した10枚のマップに習熟しておくことも司令官には必要だ。言うまでもなく,各拠点/サイロの価値はどれも等価ではなく,どの戦場においても「ここがキモ」というポイントが存在するからだ。
 このように覚えることは多いが,自らの指揮で部下が一糸乱れぬ戦闘を行い,鮮やかに勝利したときの快感はおそらくやみつきになるだろう。司令官の務めを見事にこなすことこそが,諸君らが新兵を脱した証拠なのである。いいこと言うなあ,オレ。言ってない?

 

本文では触れていないが,これらの地上施設を破壊することにより,軌道砲撃やUAVの飛行を停止することができる。通常兵器で破壊するのは難しいが,偵察兵の仕掛け爆弾と,戦闘機の機関砲が有効。また,味方の地上施設が破壊された司令官は,修理の要請を出すこともできる

 

 

未来戦争の未来は?

 

未来戦争はまだまだ続く。おそらく氷河期が終わるまで続くんじゃないかと思うが,機会があれば,追加情報などお伝えしていこうと思う。というわけで,さらばだ諸君!

 というわけで,長かった本連載もやっと終わりである。2007年1月5日現在,拡張パックやブースターパックの公式アナウンスなどはなく,ちょっと寂しいのは事実だが,その代わり,と言うのもなんだけど,パブリッシャのElectronic Artsはバトルフィールド2142がらみのさまざまなキャンペーンを行っている。現在は,“Away bonus”キャンペーンが行われており,これはこのホリデーシーズン,実家に帰ったり遊びに行ったりしていて未来戦争にごぶさたしていた兵士が久々にゲームを再開すると,休止期間の長さに応じてボーナスポイントが付くというものだ。いろいろ考えるねえ。
 これ以外にも,バトルフィールド2のプレイヤーがバトルフィールド2142を始めると,もれなくアイテムを一つアンロックできる“Veteran Program”などもやっているので,ぜひ,Electronic Artsの公式サイトおよびエレクロトニック・アーツの公式サイトを覗いてみよう。では,本日は解散!

 

■■松本隆一(4Gamer編集部/未来教官)■■
新年早々に連載の最終回を迎えて微妙な表情の松本教官。これで毎週金曜日におびえて過ごす必要はなくなったとはいうものの,いろいろと心残りもあるようだ。なにより,この連載のためにPCを新調したはいいが,それが届いたのがこの連載最終回の締め切り前日のことで「新品のPCにバトルフィールド2142をインストールする前に連載が終わってしまった」のが最大の心残りらしい。「高かったのに……」と遠い目をする教官に,あんたが無計画だからだ,とはなかなか言い出しづらいのである。
タイトル バトルフィールド2142
開発元 Digital Illusions CE 発売元 エレクトロニック・アーツ
発売日 2006/10/20 価格 オープンプライス
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.70GHz以上(Pentium 4/3.0GHz以上推奨),メインメモリ:512MB以上(1.5GB以上推奨),グラフィックスメモリ:128MB以上(256MB以上推奨)

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