― 連載 ―

AoE3 新大陸漂流記

AoE3連載第6回 日本語版ウォークスルー

 日本語版の発売まで残り1か月となった,「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III」(AoE3)。今回からは実戦編として,実際のゲームプレイで役立つような知識を解説していく。内政と戦闘のうち,本連載ではとくに戦闘の部分に焦点を当てていく予定だ。
 AoE3は一見すると内政の比重が大きいので,戦闘はなおざりにされがちというか,ただ生産したユニットをまとめてぶつける感じになってしまいがちだ。しかし戦闘はシンプルなように見えて,なかなか奥が深い。マニュアルやチュートリアルなどではほとんど説明されていないので,まずはユニットデータの見方から解説していこう。

ユニット情報

 まずはオプションを開き,「UI設定」の「ゲームUIオプション」のところを見て,「戦術コマンドボタンの表示」がオンになっているか確認しておこう。これをオンにすることで,軍事ユニットが異なる隊形を取れるようになる。

 軍事ユニットを選択すると,「戦術(Tactics)」の部分に複数のアイコンが表示されている。この戦術コマンドを切り替えることによって,ユニットが異なる動きや戦い方をするのだが,戦術コマンドの前に,まずはユニット情報について見ておこう。
 軍事ユニットを選択した状態で,書類のようなアイコンのタブをクリックする(またはAltキーを押す)ことで,そのユニットについての詳細な情報を見られる。各データのところへカーソルを持っていくと,より詳細な情報が表示される。

・ヒットポイント(Hitpoints)
 ユニットの生命力を表す数値。0になると,そのユニットは死亡する。上のウーランの例でいうと,最大値(初期値)が190で,現在の値が77ということになる。司祭(Priest)などで回復可能。

・速度(Speed)
 ユニットの移動速度。歩兵は4〜6,騎兵は6〜8くらいである。この数値は戦術コマンドによっても変化するほか,ハサーなど一部のユニットは,傷を負うと速度が低下する。
 移動速度はかなり重要な要素だ。足の速いユニットは,撤退しようとしている敵ユニットに追いつけるからである。例えば竜騎兵(Dragoon)は速度が7.25で,ハサー(Hussar)は6.75なので,ハサーが逃げようとした場合,竜騎兵は追いついて攻撃できる。ほかにもスカーミッシャー(Skirmisher:速度5)とマスケット銃兵(Musketeer:速度4)など,移動速度の差はユニット同士の相性と密接な関係を持っている。

・耐性(Resists)
 耐性には,近接攻撃に対する防御と遠隔攻撃に対する防御の2種類あり,どのユニットも必ずどちらか一方の防御だけ持っている。上のウーランの例でいうと,0.10,つまり10%の遠隔攻撃に対する防御力を持っている。これは攻撃力10の銃で撃たれた場合,9ダメージを受けるということだ。
 近接と遠隔,どちらの防御をどれくらい持っているかというのは,そのユニットをどう使うかに大きく関わってくる。例えばスカーミッシャーは30%の遠隔防御を持っているから,遠隔戦闘には強いが近接戦闘にはとことん弱い。よって近接戦闘に持ち込まれそうになったら逃げるか,あるいは護衛をつけておく必要がある。逆にマスケット銃兵は20%の近接防御を持っているから,近接戦闘でも十分戦えると考えられるのである。

・攻城攻撃(Siege Attack)
 建物に対する攻撃力。

・守り手攻撃(Guardian Attack)(騎兵のみ)
 財宝の守り手(Guardian)に対する攻撃力。

・近接攻撃(Hand Attack)
 近接戦闘における攻撃力。

・遠隔攻撃(Ranged Attack)
 遠隔戦闘における攻撃力。

・範囲攻撃(Trample Attack)(騎兵のみ)
 戦術コマンドで「範囲攻撃モード」にしておいた場合のみ表示される。一度に複数の敵ユニットにダメージを与えられるが,その代償として,攻撃するたびに自分自身もダメージを受ける。

 この画像の例で,もう一度確認してみよう。このベテランマスケット銃兵の場合は,

  • ヒットポイントは180/180(もとは150だったが,ベテランになったことで20%のプラス修正,つまり30が加わって合計180となった)
  • 移動速度は4
  • 近接攻撃に対して20%の防御力を持つ
  • 遠隔攻撃力は27で,射程が12ある
  • 攻城攻撃力は24で,射程が6ある
  • 近接攻撃力は15で,騎兵に対して3倍のボーナスダメージがある

ということになる。
 3種類の攻撃方法は,攻撃する対象と距離によって自動で選択される。建物に対して攻撃すれば「攻城攻撃」が,敵と離れた状態で攻撃すれば「遠隔攻撃」が,敵と接した状態で攻撃すれば「近接攻撃」が選択されるといった具合だ。
 この数値だけを見ると,遠隔攻撃は強力だが近接攻撃は弱いと思うかもしれない。だがこのデータには「攻撃速度」が表示されていないので注意が必要だ。一般に,“近接攻撃は遠隔攻撃の2倍の速さ”と覚えておこう。よってこのユニットの場合,実質的な攻撃力は近接のほうが高いということになる。さらに近接攻撃では騎兵に対して3倍の攻撃力を持っており,つまり騎兵に対しては45の攻撃力がある。よって,このユニットは騎兵に対して非常に効果的だといえる。

戦術コマンド

 それでは今回の本題,戦術コマンドについてみてみよう。すでに軽く述べたが,戦術コマンドとはユニットの隊列を指定し,特定の行動を取らせるために指示するコマンドのことだ。これを上手に切り替えることにで,そのユニットの能力をフルに引き出せるようになる。戦術コマンドの使い方次第で,戦闘の結果は大きく左右されるといっていいだろう。
 切り替えは,それぞれのアイコンをクリックするだけでいい。緑のチェックマークが入っているものが現在選択しているコマンドである。戦術コマンドは,ユニットの種類に対応した五つのパターンがある。

(1)遠隔攻撃可能な歩兵:石弓兵(Crossbowman),マスケット銃兵(Musketeer)など

(2)近接攻撃のみの歩兵:長槍兵(Pikeman),ドッペルゾルドナー(Doppelsoldner)など

(3)近接攻撃のみの騎兵:ハサー(Hussar),ランセロ(Lancer)など

(4)遠隔攻撃可能な騎兵:竜騎兵(Dragoon),弓騎兵(Cavalry Archer)など

(5)大砲:ファルコネット砲(Falconet),臼砲(Mortar)など

連射モード(Volley)
遠隔歩兵ユニットの既定のコマンド。敵との間に距離がある場合には遠隔攻撃を行い,敵が一定距離内に接近してきた場合には近接攻撃へと自動で切り替える。グループで選択した場合には横列隊形をとる。密集しているので敵の歩兵や騎兵への攻撃には優れている半面,大砲の範囲攻撃には弱いという欠点がある。
千鳥隊列モード(Stagger)
遠隔騎兵ユニットの既定のコマンド。攻撃方法に関しては連射モードと同じだが,グループで選択した場合に散開隊形をとり,ユニット同士で適度に距離を空けて布陣する。大砲の範囲攻撃を受けても損害が少なくて済むという利点がある一方,味方同士が離れているため,敵の歩兵や騎兵からの攻撃には対処しにくい。
接近戦モード(Melee)
近接歩兵/近接騎兵ユニットの既定のコマンド。遠隔攻撃可能なユニットでも,これを選択した場合は遠隔攻撃は一切行わず,近接武器のみで攻撃する。近接攻撃のみを行わせたいシチュエーションとしては,「先ほどの例のマスケット銃兵の対騎兵のように,近接攻撃にボーナスを持っている」「敵の遠隔防御力が非常に高い(大砲など)」の2種類が考えられる。
援護モード(Cover)
近接歩兵のみ使用可能なコマンド。移動速度が低下し,攻撃力も半減する代わりに,遠隔攻撃に対する防御力50%を得る。このコマンドを使うシチュエーションとしては,ユニットを完全に「肉の壁」として使いたい場合が考えられる。例えば大砲を護衛する矛槍兵や,スカーミッシャーを護衛する長槍兵の場合などである。グループで選択した場合,中央に空間のある円形の隊形を取る。
防御モード(Defend)
すべての歩兵/騎兵が使用可能なコマンド。ユニットにその場に留まるよう指令し,付近のエリアに入ってきた敵を迎え撃つが,追いかけることはしない。特定のエリアを防衛したい場合に便利なコマンドである。グループで選択すると,中央に空間のある方形の隊形を取る。能力値や攻撃方法に変化はない。
範囲攻撃モード(Trample)
近接騎兵のみ使用可能なコマンド。行く手にいる敵を踏みつける(Trample)ように攻撃することで,周囲にいるすべての敵ユニットに同時にダメージを与える。ただしペナルティが厳しく,移動速度が低下し,攻撃速度が若干低下するのに加え,敵に与えたダメージの50%を自分自身が喰らってしまう。かなり非効率なので,敵に完全に囲まれた場合に自爆覚悟で使うくらいだろうか。
砲撃モード(Bombard)
大砲が砲撃する場合に使用するコマンド。この状態でも移動はできるが,前車モードと比べて速度は大幅に低下する。砲撃モードと前車モードを切り替えるには時間がかかるので,このままの状態で移動したほうがよい場合も多い。
前車モード(Limber)
大砲を長距離移動させるためのコマンド。この状態では一切攻撃できない。

 敵に勝利するためには,やはり内政で敵を上回って軍隊の量と質を充実させるのが一番なのだが,敵に劣る戦力で戦術を駆使して勝利した場合の嬉しさはまた格別なもの。内政と違って戦闘はまず相手ありきなので,なかなか研究しづらいが,リプレイ(記録ゲーム)を見ていると本当に色々な戦い方があるのだと痛感させられる。
 今回は個別のユニットの使い方について見てきたが,次回はこれを踏まえ,兵種ごとの使い方やユニット同士の相性関係やコンビネーションについて解説する予定だ。

 

■■Sluta(ライター)■■
Sluta氏が実はSluta氏であることが,とうとう大学の友人にバレたらしい。先日,授業でプレゼンテーションをするために,Powerpointファイルを作って友人に渡したところ,ファイル情報の中のユーザー名が「Sluta」だったことから正体が発覚したという。だが,バレても全然支障はないそうだ。ちぇ。
タイトル マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III
開発元 Ensemble Studios 発売元 マイクロソフト
発売日 2006/01/27 価格 9400円(税別)
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.40GHz以上[Pentium 4/2GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上,グラフィックスチップ:DirectX 9.0c以上に対応,グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨]

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http://www.4gamer.net/weekly/aoe3/006/aoe3_006.shtml