― 連載 ―

AoE3 新大陸漂流記

AoE3連載第5回 日本語版ウォークスルー

 2006年1月27日に日本語版が発売される,「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III」(AoE3)。首を長くして待っているファンにとっては,あと約1か月が待ち遠しいに違いない。すでに英語版をプレイ中の人にとっても,日本語版の発売による日本人コミュニティの盛り上がりに期待したいところだろう。
 さて,このたび編集部にも日本語評価版が到着したので,その中身についてお伝えしよう。今後の連載も,この日本語評価版を使ってお送りする。英語版の名称との対比については,そのつど併記していく予定だ。今回のように両者の発売時期に差がついてしまうと,ゲーム中の名詞について齟齬が生じることが心配されるが,本連載がその懸念を払拭する一助となれば幸いである。
 なお,使用するのはあくまでも「評価版」のため,製品版と若干の違いが生じる可能性についてはご了承いただきたい。

日本語版の全体像

 全体をざっと見渡した感じでは,英語版と日本語版の違いは言語のみだといってよい。インストール手順から始まり,チュートリアル,シングルプレイ,マルチプレイ,シナリオエディタなど,すべて英語版と同じだ。肝心の最新版へのアップデートも,英語版と同様の手順で現在最新の1.02へとアップデートできた。ほぼすべてのテキストが日本語化されているが,シナリオエディタは一部英語のままとなっている。これは,そのほうが都合がよいからだろう。
 そうなると,残る大きな関心はユニット名/建物名などの名詞の日本語訳。軍事ユニットについては次回以降にまとめて取り上げるので,ここではそれ以外の基本的な名称について紹介しよう。

・Civilization(文明)
Portugueseポルトガル
Ottomanオスマン帝国
Dutchオランダ
Spanishスペイン
Frenchフランス
Russianロシア
Britishイギリス
Germanドイツ
・Native Tribes(アメリカ先住民族)
Aztecsアステカ
Caribカリブ
Cherokeeチェロキー
Comancheコマンチ
Creeクリー
Incaインカ
Iroquoisイロコイ
Lakotaラコタ
Mayaマヤ
Nootkaヌートカ
Seminoleセミノール
Tupiトゥピ
・Age(時代)
IDiscovery Age発見の時代
IIColonial Age植民の時代
IIIFortress Age要塞の時代
IVIndustrial Age工業の時代
VImperial Age帝国の時代
・Building(建物)
Town Center町の中心
Market市場
Mill粉引き所
Livestock Pen家畜小屋
Dock
Plantation農園
Factory工場
Capitol議事堂
Outpost前哨
House
Wall防壁
Trading Post交易所
Church教会
Barracks戦士育成所
Stable騎兵育成所
Artillery Foundry砲兵育成所
Fort
Arsenal兵器庫
Field Hospital野戦病院
・Civilian Unit (民間ユニット)
Settler入植者
Coureurクルール
Settler Wagon入植者の馬車
Covered Wagon幌馬車
Envoy使節
Priest司祭
Missionary宣教師
Imamイマーム
Surgeon軍医
Hot Air Baloon熱気球

 おおむね自然な訳になっている。目を引くのは「Ottoman」がオスマン帝国であることくらいか。これまでトルコと呼ばれることが多く,本連載でもトルコと記載してきたが,今後は「オスマン帝国」で統一する。

チュートリアル

百科事典

シングルプレイ

日本語版でプレイしてみて改めて分かったが,AoE3のキャンペーンは単なるゲームモードの一部とは片付けられないくらい,手の込んだストーリーである

 日本語版の大きな魅力の一つとして,豪華声優陣による吹き替えが楽しめることが挙げられる。とくにキャンペーンは,ストーリーを完全に理解するうえでも完全日本語化はありがたい。プロの声優を起用しているのだから当然だが,吹き替えのクオリティは高い。英語版のものと同様のイメージを引き継いだ,的確な人選と吹き替えである。
 スカーミッシュにおいても,コンピュータAIとの対戦時には各文明の支配者キャラクターがしゃべるので,セリフを耳にすることは多い。とはいえ,繰り返し聞かされているうちに飽きるので,実際にはオプションでオフにしてしまっている人も多いと思うが……。面白いので,ぜひ一通りは聞いてみよう。

 余談になるが,キャンペーンが始まって最初の「ハヤブサの来襲」。オスマン帝国のシャーヒンにマルタ島の砦が攻撃されていて,モーガンとその部下の石弓兵が丘の上で話しているシーンがあるが,その二人が映画の「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミアとレゴラスの声だったのには,思わず驚いてしまった。砦が攻撃されているシーンもシチュエーション的に似ている部分がある。日本語版スタッフが意識してそうしたに違いないと推測するが,実際のところはどうなのだろうか……? そんなところも,日本語版の見どころの一つかもしれない。

 セリフもすべて日本語に吹き替えられているが,ユニットの選択/命令の際に発する「かけ声」(「Yes」や「Bon jour」など)はそのままになっている。これは各文明の母語をしゃべっているので,当然といえば当然だ。

キャンペーン

スカーミッシュ

マルチプレイ

 日本語版でも,ESO(Ensemble Studios Online)を使った対戦システムを英語版同様に利用可能だ。アカウントも共通なので,英語版から日本語版に移行するときにはそのまま引き継ぎもできる。
 リプレイ(記録ゲーム)に関しても,完全な互換性がある。ただし英語版と同様,バージョンが異なるものは利用できない。現在のバージョンは1.02なので,1.01バージョンの優れたリプレイを見られなくなった点は残念。もちろん1.02になっても見尽くせないくらいのリプレイデータが,ネット上に日々アップロードされているので心配は無用だが。

マルチプレイ

 クリスマスが近いということで,開発元のEnsemble Studiosから公式のボーナスマップ「Winter Wonderland」がリリースされた。五大湖周辺をもとにした夜の雪原で,おだやかに雪が降っているマップだ。夜間のマップというのは製品版には入っていなかったため,なかなか新鮮な感覚。カスタムマップなのでマルチプレイではレーティング対象外になってしまうが,お楽しみマップということでぜひ一度お試しあれ。ダウンロードは「Age Community.com」からどうぞ。

Ensemble Studiosからのクリスマスプレゼント。シングルプレイでもマルチプレイでも両方使える 赤い鼻が光っているトナカイ。こうして見るとロシアの探索者がサンタクロースに見えなくもない マップの各所には,こうした「贈り物」という資源の詰まった箱が散らばっているので頂戴しよう
マップのど真ん中には,贈り物がどっさりと! プレイヤー同士での奪い合いになること必至だ クリスマスツリーのライトが美しい。マップ自体にも日本語版用データが入っているのだろうか 夜の戦闘はまた違った趣がある。激しい戦闘なのに,なんとなく静けさを感じるのは聖夜だから?
クリスマスの焼き討ち。松明を使って大人数で建物を破壊すると,炎のエフェクトが非常に美しい 残念ならがサンタクロースは登場しないが,プレイヤーカラーは赤でいくのが正しい楽しみ方?

 

■■Sluta(ライター)■■
このところ連載に時間を取られて,大学の勉強があまり進んでいないというSluta氏。そこで無理やりAoE3と勉学を結び付けようと目論んでみたが,氏は経済学部のため,ほとんど接点がないらしい。「次回,AoE3の市場を解析して効率のよい資源交換を研究するというテーマはどうでしょう?」と提案されたけど,資源交換ってAoE3ではどれくらい重要なんですか。
タイトル マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III
開発元 Ensemble Studios 発売元 マイクロソフト
発売日 2006/01/27 価格 9400円(税別)
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.40GHz以上[Pentium 4/2GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上,グラフィックスチップ:DirectX 9.0c以上に対応,グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨]

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http://www.4gamer.net/weekly/aoe3/005/aoe3_005.shtml