「2005年秋 FPS祭り」の第2回は,10月27日にライブドアから発売された「Quake 4」をお送りする。現在では3Dゲームの代表的ジャンルとして君臨するFPSだが,黎明期を支え,その基盤を作ったのが「DOOM」と「Quake」の二大巨頭だ。
2004年にはシリーズ10年ぶりの新作となる「DOOM 3」が驚異的な新グラフィックスエンジンを引っさげて発売され,さらに翌2005年,シリーズ6年ぶりの新作となる「Quake 4」が,「DOOM 3」のエンジンを搭載して発売された。まさに二大巨頭,ここに復活である。
発売から6年経った「Quake III Arena」が,今でも競技用FPSとして現役で頑張っているせいか,"Quake"シリーズというとマルチプレイのイメージが強くなりすぎてしまった感がある。もちろん「Quake 4」でも,基本的にコアシューターが期待しているのはマルチプレイモードである。だが今回は「Quake II」の続編を描いたストーリーモードを,ある意味最大のウリとしているだけあり,シングルプレイの充実っぷりも窺える。「シングルもマルチも両方存分に楽しめないといやだ!」という人が,安心して購入できる作品といえるだろう。
極端ともいえるほど光と陰影の描画に特化したエンジンで,当時すでに限界に到達しつつあると思われていたFPSのグラフィックス分野でさらなる新時代を切り開いた「DOOM 3」。2005年現在でも最も美しい描画能力を持つDOOM 3エンジンをチューンナップし,閉鎖空間だけではなく広大な屋外も描画可能になった「Quake 4」は,まさに現在最も美しいFPSの一つといえる。
「Quake II」のシングルモードで描かれた,地球征服を目論むStroggという機械生命体との過酷な戦いから数時間後。壊滅的な打撃を受けた地球人が,今度はStroggの本拠地に捨て身の攻撃を仕掛けるというのが「Quake 4」のストーリーである。内容は最近のFPSの時流を汲んでか,"仲間"との連携を主体としており,AI兵士達と共に敵地での死闘を繰り広げるテンポの良い展開が見どころだ。AIとはいえ,仲間との共同戦線は感情的に妙に盛り上がるうえ,行き先や目的を誘導してくれるので大いに助かる。やはり時代は仲間だ。
「Quake 4」のマルチプレイは,発売から6年経った今も現役の競技FPSである「Quake III Arena」を,できるだけ忠実に継承するというスタンスで生み出された。シングルプレイモードとは描画状態や移動スピードなども大いに異なり,まるで別ゲームのようである。なんせ今後のe-Sportsにおける主要な競技タイトルとなることが,期待というよりは宿命づけられており,大変な重責のもとで開発されてきたのだ。「FPSはマルチプレイが命」という人なら,今後は必携のタイトルといえる。
- マルチもシングルも両方満足したい
- e-Sporsで世界にデビューしたい
- 伝説の"Quake"シリーズに興味があった
- とりあえず王道タイトルを選びたい