4Gamer:
プロモーション手法はともかく,受け入れてもらえるだけの自信はあるんですね。
高井氏:
中高生や大学生って移り気ですし,ゲームに興味を持ってくれなかったりするのは確かです。でも,今は例えばダンスブームであったり,中高でもチアリーディング部を含めてダンス部のようなものが盛んであったりと,ダンパラみたいなゲームが受け入れられる下地はできてきていると思うんですよ。ドラマにもなってますし。
4Gamer:
「ダンドリ。」ですね。加藤ローサの巫女姿が可愛いんですよね。
高井氏:
で,これと並行した形でイメージをつけて,流行を作ることができれば,さらに下の層も興味を持ってくれるだろうと。それこそ,一昔前にダンスブームを経験した層が,今は子供を持っているんですよ。それで,子供にダンスを習わせたりしていると。
4Gamer:
ああ,そういう時代になってますよね。
高井氏:
そういうのも含めて,受け入れてもらえるだけの下地はできているんじゃないかと思うんです。もちろん,娘を持つお母さん達にも遊んでもらいたいですし。
4Gamer:
また,最近は小学生でもPCやインターネットを利用していますしね。
高井氏:
小学校高学年にもなれば,普通に両方とも使ってますしね。ちゃんとキーボードを使って。彼らは,僕らが子供の頃とは違うカルチャーで育ってきているんですよ。
4Gamer:
だからこそ,オンラインゲームに触れるきっかけがあれば,プレイヤーになる可能性も高いということですね。
高井氏:
きっかけ次第ですよね。きっかけさえあれば,一気に広がっていくと思います。そのためにも,まずは15〜22歳の女性にフォーカスを当ててやっていきたい。そうすれば,それ以外の男性も,この下の女の子達も,お母さん達も一緒についてくるんじゃないかなと。
4Gamer:
そういうときに,キーボードで操作しなければならないというのは,障壁にはならないんでしょうか。少なくともある年代は,パッドに慣れているわけですし。
高井氏:
確かにそれはあるんですが,最近の子供達ってちょっと違うんですよ。生まれたときから,コンシューマゲーム機も,PCも,それこそ携帯電話なんかも身近にあるような環境で,ゲームをするためのハードウェアに区別がないんですね。「ゲームはゲーム」という感じで。だから,面白ければやるという考え方なんじゃないかなって思うんです。
4Gamer:
ある意味ではドライですね。となると,無料で遊べりゃいいやっていう考え方もしそうですよね。そういうのは,オンラインゲームを運営していくうえでは,ちょっと厳しい話ではないですか?
高井氏:
そうなんですよねぇ……。ただ,最初から小学生などにアイテムを買わせようとは思っていないんです。オンラインゲームに触れて,オンラインゲームを好きになってもらって,自分である程度お金を使えるようになったときに,アイテムを買ったりしてくれればいいな。……というのが,基本的な考え方なので。
4Gamer:
種まきをしながら……ってことですか。うまく実るといいですね。
さて,ダンパラは基本的に無料で遊べるゲームですが,例えば有料アイテムとクライアントをセットにしたパッケージを販売するような計画はないのでしょうか。
高井氏:
現時点で,それは考えていません。
4Gamer:
今までオンラインゲームをやっていない層などを狙うとなると,無料ダウンロードのみ! っていうのは,ちょっとつらいんじゃないかと思うんですが。
高井氏:
そこは例えば,ファッション雑誌なんかと提携して,CD-ROMを付けたりだとか,やるとしたらそういう形なのかな,と。パッケージを売るとなると難しいので,サービスとして差し上げるという形がいいんじゃないかと思うんですよ。
4Gamer:
そういう話は,具体的に何か動いているんですか?
高井氏:
水面下ではいろいろと。ええ。
4Gamer:
うーん,ガードが硬いですねぇ(笑)。でも,レコード会社との提携がうまくいけば,アイテム用のシリアルをCDに封入したりといったこともできそうですよね。
高井氏:
ええ。例えばCD-EXTRAとして,楽曲以外の部分に何かを入れたりとか。
4Gamer:
何にせよ,提携が決まらないことには……ってところですね。
高井氏:
かなり確度が高いものもあるので,期待していてください。
4Gamer:
お,では期待していますね。
いま,カジュアルゲームの数も急速に増えていますよね。でも,ゲームをできる時間っていうのは,人それぞれ限られているわけです。その少ない時間の中で,このゲームを遊んでもらうためのフックは,どこにあるんでしょうか。
高井氏:
それこそ,MMORPGの息抜きっていうのもあるでしょうね。
4Gamer:
でもそれだけだと,ダンパラでなければいけない理由もないと思うんですよ。
高井氏:
そこで武器になるのは,音楽です。無料で音楽を選んで聴けるメリットって,大きいと思うんですよ。無料のジュークボックスとしても楽しんでもらえますし,そのうえゲームも遊べてしまうという。
4Gamer:
となると,競合相手はほかのカジュアルゲームだけではなくなりそうですが,確かにメジャーレーベルの楽曲を無料で楽しめる仕組みって,音楽好きには嬉しいですよね。
高井氏:
ダンパラの中では,それが実現されているわけですから。これを気軽に使っていただきたいです。