4Gamer:
GMなども含めた今後の運営体制についてもお聞きしたいのですが。
見吉氏:
GMに関しては,PSOBBでもすでに導入していますので,その延長線上でいきます。あとはプレイヤー数などを見ながら,増強します。今はGM単体でもイベントを行えるようになってきていますし,本運営が行うイベントと,GMが行うイベントが今後は出てくると思います。ゲームが活発になればなるほどGMもたくさん必要になってくるので,そういったところはケースバイケースで強化していこうと考えています。
4Gamer:
GMのサポートは24時間体制で行われるのですか。
見吉氏:
GMコールがあるわけではないので,24時間体制というわけではないですね。ゲーム的にGMを呼ばないと解決できないような部分というのは,基本的にはないと思います。プレイヤー同士のいざこざにGMが介入するということも基本的にはないので,どちらかというと,大きな運営の部分をGMが補っていくという形になります。お客様投稿ページの内容を分析して,必要なデータを開発部署に回したり,サーバーのメンテナンスを行ったりなどですね。
4Gamer:
ということは,プレイヤーは普段はあまりGMを意識することはなさそうですね。
見吉氏:
そうですね。徐々にイベント運営などで出てくるとは思うんですが,最初のうちはあまり表には出てこないでしょうね。
4Gamer:
例えばですけれど,ゲーム内でハラスメントや嫌がらせ行為があった時に,GMにどうしても伝えたいといった場合は,どうすればいいのでしょう。
見吉氏:
そういった場合は公式サイトの投稿フォームから報告を行っていただきたいと思います。すべての報告に対して直ちにアクションを起こすというのではなく,その場に応じて様々な規定をもとにアクションを起こします。もちろん,行き過ぎた行為に対しては,一定期間のアカウント停止を行うこともあります。
酒井氏:
あとは,ゲーム中にもブラックリスト機能があって,その人の発言を見えなくする機能も入れてあります。
4Gamer:
プレイヤーとのコミュニケーションという意味では,発売前からすでにオフラインイベントを活発に行っていますが,そうしたイベントは今後も行っていくのですか?
見吉氏:
やっていきたいと考えているのですが,今のところは決まっていません。
酒井氏:
プレミアムディスクの配布の際にも,数百枚用意してあったものが一瞬で捌けてしまったりして,ファンの皆さんからの期待の大きさや熱気を実感できたので,また何かやりたいとは思っているんですが……。
4Gamer:
イベントなどで配布されるグッズなども,熱心に集めているファンは多いはずですので,ぜひまたそういったオフラインイベントを行ってもらいたいですね。
見吉氏:
こちらとしても,そういったイベントは行っていくべきだとは考えています。ただ,簡単に言ってしまうと,オンライン上でのイベントについては自由に決められる権限があるのですが,オフラインイベントについては開発部署だけでは決められないという面もありまして……。ぜひやりたいと思っているのですが,実際にはかなり大変なんですよね。僕らだけでできることであればぜひやりたいですね。ただ,グッズはPSOの頃よりもかなりたくさん作っていきますよ。やはり,長く愛されるゲームにしていきたいと考えていますので,たくさんグッズを用意し,新しいプレイヤーさんも引き込むようなイベントなどを行っていくことで,皆さんにもっともっと楽しんでもらいたいですね。
4Gamer:
ファンタシースターシリーズは,オフラインRPGとしてスタートし,PSOでオンラインRPGへと生まれ変わりました。PSUはその両方のいいところをうまく取り込んだといえますが,今後のファンタシースターシリーズはどうなっていくと思いますか。
見吉氏:
ファンタシースターシリーズはこの先も長く残っていくタイトルだと思っています。オフライン,オンラインを問わず,常に新しい形のRPGとして発展していってほしいと思いますし,またそうしていきたいですね。もしかすると,次回は僕達ではない開発部署が制作を行うことになるかもしれませんし,また僕達が担当することになるかもしれません。どちらであっても,セガのメインタイトルの一つとして続いていくことを願っています。
酒井氏:
PSUに関する話で言えば,例えば街の様子が変化したりとか,新しいフィールドが追加されたりといった具合に,2週間から1か月に1回くらいの間隔で,どんどん変化をつけていこうと考えています。常にプレイヤーさんを楽しませる次の手を考えているので,長く楽しめるものになると思います。
4Gamer:
それでは最後に,4Gamerの読者とファンタシースターシリーズのファンに向けて,一言お願いします。
見吉氏:
本当にお待たせしました! としか言いようがないですが,ぜひストーリーモードを遊んで,そのうえでネットワークモードも遊んでもらえたら嬉しいですね。知り合いと遊ぶのが一番楽しいと思うので,面白いなと思っていただいたら,友達を誘って,みんなでネットワークモードをプレイしてください。
酒井氏:
同じことを言っちゃいそうだな(笑)。そうですね,僕らが思う「ネットワークゲームの理想系」というものを追求して作り上げたのが,このPSUです。まずはストーリーモードを遊んでいただいて,その後はネットワークモードでも楽しんでいただいて,できれば長くプレイしてもらいたいと思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
長くサービスが続いているオンラインゲームにおいてはやむを得ないことではあるが,PSOシリーズも,これまでコアゲーマー志向のバージョンアップが続いてきた。よりレアなアイテム,より難度の高いミッション,それ自体は一つの方向性として決して間違いではないが,同時に新規プレイヤーに対してはハードルとなっていた。
しかし,あえてPSOというシリーズ名を捨て,これまで以上にストーリー性を重視することで,従来のファンから新規プレイヤーまで幅広く楽しめる,新シリーズとして生まれ変わった。「ストーリーモードは壮大なチュートリアル」と語る本作では,再び新規オンラインプレイヤーの獲得を大きな目標の一つに掲げているのだ。
しかし,いかにストーリーモードの延長線上でネットワークモードに入っていけるとはいえ,実際に新規プレイヤーがオンラインの壁を越えるのは,課金形態や通信環境などの問題も含め,簡単なことではない。こうした,「オンラインプレイには興味があるけれど,あと一歩踏み込めない」というプレイヤーの獲得には,ネットワークモードならでは魅力をアピールしていくことが絶対条件だ。今後配信されるクエストやミッションで,いかにして新規プレイヤーをネットワークモードに惹きつけていくことができるか,注目していきたい。