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メモリ&OpenGLパフォーマンスの向上した「Catalyst 6.8」公開
2006/08/21 15:30
 ATI Technologiesは,Radeonシリーズ向けグラフィックスドライバ「Catalyst」の最新スイート「Catalyst 6.8」を公開した。すでに4Gamerの最新ドライバページではリンクを更新しているので,すぐに入手したい人はそちらを利用してほしい。

 さて,Radeonシリーズ搭載グラフィックスカードと,グラフィックスコア内蔵チップセットであるRadeon Xpress用となる今回の最新ドライバは,パフォーマンスの向上がトピックだ。
 注目したいのは,メモリ周りに大幅な最適化がなされたとされている点だ。英語版リリースノートによれば,恩恵を受けられるのはグラフィックスメモリを256MB以上搭載する,Radeonシリーズのグラフィックスカード。グラフィックスメモリに負荷のかかる状況下において,大幅なパフォーマンスの向上が見られるという。具体的な例としては,リリースノートに以下の二つが挙げられている。

Catalyst 6.8のメモリ周り最適化がもたらすメリット
  • Radeon X1000シリーズを採用する,グラフィックスメモリ256MB以上搭載のグラフィックスカードを利用し,解像度1280×1024ドット以上&アンチエイリアシング有効という設定で「3DMark06」を実行すると,性能が22%程度向上
  • Radeon X550以上のGPU(グラフィックスチップ)を採用する,グラフィックスメモリ256MB以上搭載のグラフィックスカードを利用し,解像度1280×1024ドット以上&アンチエイリアシング有効という設定で「Call of Duty 2」をプレイすると,性能が30%程度向上
 また,OpenGL採用タイトルに対する最適化が進んだのも,Catalyst 6.8の特徴だ。効果がもたらされるのはRadeon X1000シリーズに限られるが,主に以下のようなパフォーマンス向上が得られるという。

Catalyst 6.8のOpenGL最適化がもたらすパフォーマンスの向上
  • 「DOOM 3」で6.5%程度
  • 「Quake 4」(Version 1.2以上)で18%程度
  • 「Prey」で16%程度
  • 「Chronicles of Riddick」で20%程度
 このほか,主要ゲームタイトルや,DVD-Video再生時の問題が,下に挙げるとおりいくつか解決している。ゲームとは直接関係ないものの,Radeon X1000シリーズ利用時の動画再生周りは,ここに挙げた以外にも多く修正されたとのことなので,動画周りに不満を抱えていた人にとっては,かなり重要なアップデートになるかもしれない。

Catalyst 6.8で解決した主な問題
  • Radeon X800シリーズを用い,Windows XP+SP2環境で「The Lord of the Rings: The Battle for Middle-Earth」をプレイしていると,画面の表示がおかしくなる問題
  • Radeon X1900シリーズを用い,Windows XP Media Center Edition環境下で「Prince of Persia: The Two Thrones」をプレイすると,特定の描画設定時に水の描画がおかしくなる問題
  • Radeon X1600/X1300シリーズを用い,Windows XP環境下で「QQ Fantasy」をプレイすると,エラーメッセージが表示されたり,マウスポインタが不正な動作をしたりする問題
  • Radeon X800シリーズを用い,Windows XP環境下で「Tom Clancy's Splinter Cell: Chaos Theory」をプレイすると,画面がおかしくなる問題
  • Radeon X1600/X1300シリーズを用い,解像度1920×1200/1280×720ドットで「WinDVD」からDVD-Videoを再生すると,画面がおかしくなる問題
  • Radeon X1600/X1300シリーズを用い,「Windows Media Player 11 Beta」からメディアファイルを再生すると,画面がおかしくなる問題
  • Radeon X1800シリーズを用い,日本語版のCatalyst Control Centerを使うと,ビデオオプションが正しく反映されない問題
  • Radeon X1000シリーズを用い,Windows XP環境下でMPEG-2ムービーを再生すると,画面がおかしくなる問題
 「Battlefield 2」を超高解像度でプレイできなかったり,「The Elder Scrolls IV: Oblivion」で特定の描画設定を行うと画面がおかしくなったりするといった,いくつかの問題は残っている。とはいえ,パフォーマンスの向上や,ビデオ周りの問題解消など,多くのユーザーにとって興味深いものとなっているのも確かだ。アップデート作業は自己責任になるが,今回も,Radeonシリーズのユーザーにとっては,十分にアップデートの価値があるといっていいだろう。(佐々山薫郁)


ATI Catalyst
■開発元:AMD(旧ATI Technologies)
■発売元:AMD(旧ATI Technologies)
■発売日:-
■価格:無料
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.08/20060821153040detail.html