「A3インタビュー」

小島氏
■小島幸博(こじま ゆきひろ)氏プロフィール
A3のプロデューサー。ソフトハウス「アトラス」での勤務後,ゲーム雑誌やゲームサイトの編集長クラスを歴任,また最近ではゲームオンのMMORPG「ミュー」のプロデューサーも勤めた。「A3」では,宣伝プロデューサーとして活躍中。
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徐々に浮き彫り

4G:
 ちょっと気になっているのですが,先ほどキーワードとして出てきた"A3がそもそも抱えているクリティカルな問題"とはなんですか? 薄々は分かるのですが……。

小島氏:
 ああ,それはA3におけるコミュニティの育成に関わる部分です。ズバリ,「プレイヤーのレベル差が10以内でないと,パーティは組めない」という点。これが明らかにコミュニティの育成を阻害していると思います。
 実は,この問題点はスタート直後から気付いていたのですが,やはりこの程度のレベル差でパーティが組めないのなら,自然とコミュニケーションが減っちゃいますよね。「レベル65なんだけど,パーティ組まない?」「すいません……私まだレベル40なんで……」といったように。

4G:
 たしかにキツイですよねあれ。メリットはともかく,組めてもいいじゃん?っていう。

小島氏:
 もちろんこれはできるだけ早く改善する予定です。本家韓国では,8月にこの制限は取り払われていますしね。
 あとこれは日本語版にのみ適用する予定なんですが,騎士団の創設レベルと加入レベルを,それぞれ80から70,50から40という具合に下げようと考えています。

4G:
 ほうほう,それはなぜでしょう?

小島氏:
 なんといいますか,これは単純に,より多くの人に騎士団戦の楽しみを味わってもらおうというものです。
 結局,騎士団トーナメントなどはやっぱりハイレベルプレイヤーのものになりがちなんです。これまで5回開催したトーナメントでも,やはり1次組や2次組がメイン。やっぱりもう少し大衆化しないといけないと思うんですよね。甲子園じゃないですけど,気軽に騎士団戦ならではの緊張感を楽しんでほしい,と。

4G:
 なるほど。先ほどのお話で"国はあるけど国民がいない"っていう状況を考えても,理にかなった施策ですね。プレイの時間が限られている社会人がメインであろうプレイヤーの年齢層も考慮されてますし。

小島氏:
 実際,面白いですよ。チャットの会話なんかを見てたら「週末はゴルフで〜」とか,スポーツ新聞を読んでそうな人達の会話が聞こえてくるんですから。もちろん若い人もいらっしゃるでしょうけど,こんな風に,18歳以上でもさらに多年層のプレイヤーがいるっていういのは非常にいい傾向だと思ってます。

今後追加される

4G:
 ゲームの改善案ついでに,この先実装される新機能について教えてもらえませんか?

小島氏:
 せっかく来たんだし,お土産を置いていきますよ(笑)。ハイレベルプレイヤーさんも気になっているでしょうから。
 ただ最初に言っておきたいのが,先ほどの改善案と共に今のA3に必要なのは"ジャパナイゼーション",つまり日本に合わせた機能実装だということです。海外産のゲームをもってきた場合に必要になる部分ですよね。
 まずお気付きになったかもしれませんが,最近,A3のゲーム内で運営側が告知するメッセージを変えました。

4G:
 うーんと,システムメッセージのことですよね?

小島氏:
 そうです。これまで「こんにちは。A3運営チームです」と初めにメッセージを入れてきたんですけど,おいおいこりゃ違うな,と。元々本作は,ストーリー性を重視しているのに,こんなメッセージでプレイヤーを現実に引き戻しちゃイカンでしょうと。
 私達は常に「物語ること」というコンセプトを念頭に置いていますので,このメッセージも,実際にゲーム内のキャラクターがしゃべるように変更しました。

4G:
 たしかに,公式Webサイト(「こちら」)での「プロローグ」や「レジェンド」といったバックグラウンド紹介を見ながら,常にストーリーを意識してほしいと以前からおっしゃってました。それはまだ変わってないよってことなんでしょうね。

小島氏:
 あと新機能……。まぁ言っちゃっていいかどうか分からないですけど,ザッと列挙してみましょうか(やっぱり広報さんの目を見つつ)。
 今後やろうと思ってることは,まずダンジョンのBGMをすべて変更します。

4G:
 現状では,A3のダンジョンはすべて同じBGMですからね。

小島氏:
 そうです。現在,鋭意制作中です。
 あとは個人商店の追加,それとクエストの増量でしょうか。
 クエストは,通常のものをさらにボリュームアップするほか「スペシャルクエスト」というものを4から5個ぐらい追加する予定です。なにがスペシャルかというと,クエスト中に動画が流れる点。コンシューマ機で遊べる通常のRPGみたいな感じですね。

4G:
 ずっと気になっていたのが,以前おっしゃっていた"ソロ"でも楽しめるという部分だったんですよ。現状ではやっぱり騎士団が花形なのかなぁっていう雰囲気になってますし。

小島氏:
 でも,今でも「血祭り」(※6)なんていうイベントも月一でやってますし,なかなか盛況ですよ。この血祭りは,"ヘルマーシュを血に染めて"っていうサブタイトルの通り,モンスターとの激しい戦闘が繰り広げられて,画面上に見事に地獄絵図が展開してましたね。いやぁ,結構みんな血気盛だなぁっていう。
 なので,こういったイベント,そして隔週で騎士団トーナメント,さらに隔週でライブキャストという具合に,プレイヤーが自分のプレイスタイルや接続時間に合わせて遊べるんじゃないかと思ってます。
 ちなみに,騎士団トーナメントは「土日だけだと,逆にほかの用事もあってキツイ」なんて意見もあったんで,平日にも開催するのもいいかもしれません。まだ未定ですけどね。
 でも,土日に花火大会に行こうか,はたまたA3をやろうかなんて悩んでもらえるのは,とても光栄なことですね。(グッと拳を握り締めて)こんなかんじ(笑)。

※6……2004年の7月下旬に開催されたイベント。この期間中は,通常よりもモンスターを倒して得られる経験値が増加した。

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