人気アクションRPGシリーズの最新作,「イース・オリジン」に挑戦する冒険者らにアドバイスをお送りする本連載。第4回は,ダームの塔の終盤である「瘴血の領域」編から「魔核の領域」編の8フロア分を一気に紹介していこう。ちなみにこれらのフロアを突破すると,残るはほぼラスボスのみだ。
前回紹介した「黙砂の領域」編の終了時点では,女神フィーナが「ラドの塔」にいることが分かったものの,今は封印によって身動きできない状態にある。そこで主人公をはじめとする女神捜索隊は,もう一方の女神レアを探しながら,再びダームの塔を登っていくことになる。
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女神捜索隊とダレスの対決シーン。今まで見せ場らしい見せ場がなかった彼らだが,ここで面目躍如なるか? |
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……と,ここで大きなトラブルが。女神捜索隊のメンバー数名が「闇」の首領であるダレスと対決した末,石化させられてしまうのである。そこで主人公は,石化されたメンバーを助けるべく塔の中を奔走するというのが,「瘴血の領域」編における大きなテーマだ。
もっとも,1階の捜索隊本拠地にいるメンバーは無事なので,一部メンバーが石化されたことによる直接的な支障はほとんどない。石化を解呪する具体的なプロセスについては,ネタバレになってしまうため割愛するが,「ラドの塔」に捕らわれている女神フィーナと,1階の捜索隊本拠地にいるメンバーに定期的に話を聞くようにすれば,つまずくようなことはないだろう。
それよりも,このステージで(とくに昔ながらのイースファンにとって)興味深いのは,ユーゴ編におけるダレスとの対峙シーンである。
ここまでのゲーム内において直接示唆されてはいないものの,本作の主人公「ユーゴ=ファクト」は,名前を見る限りではのち(700年後)の初代イースにおけるラスボス,「ダルク=ファクト」との関連性が推測される。
さらなる力を渇望し,それを手に入れるためには手段を選ばないスタンスのユーゴ。そして兄であるトールと同様,ユーゴをも「闇」の勢力下に引き込みたいダレス。この二人が対峙したとき,一体どのような展開を迎えるのか,実際にその目で確認してみてほしい。
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上の写真から次の瞬間。結局はこのとおり。今度は,石化してしまった彼らを助けるため走り回ることに |
ユニカにとって「炎」の溜めスキルは,実に重宝する。写真のように一部の壁は貫通して攻撃できるのだ |
兄を超える力を欲するユーゴは,心に迷いが生じる。ダレスはその隙を見逃さず甘い誘惑をかける |
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「瘴血の領域」編には中ボスが存在しないので,最後に待ち受けるボス「ピクティモス」をいきなり紹介してしまおう。ピクティモスはカマキリをモチーフとしたボスで,やはり初代イースにも登場している。写真を見ると分かるように,このボス戦では普段よりもカメラワークの角度がやや低く,ピクティモスの体躯も巨大なことから,戦闘時はまるで戦車のような迫力を感じさせられる。
ピクティモスの主な攻撃方法は,両手に備えた4本の巨大なカマを振って,衝撃波を主人公めがけ一直線に放つというもの。この衝撃波には縦と横の2パターンがあり,振りかぶる瞬間のモーションでどちらかの判別が可能だ。縦の場合は真横にダッシュ,横の場合は2段ジャンプで避けるようにしよう。振りかぶるモーションは一瞬なので,もし判別が難しいと感じたら,ピクティモスと距離を多めに取るのがよい。
続いては,体からミサイルのようなものを複数射出し,それらが滞空したあとに,一斉にレーザーが降り注いでくるというもの。レーザーの照射時間は7秒前後と長く,しかもゆっくりと主人公を追ってくるため厄介だ。このときは攻撃の手を休め,レーザーから逃げることに専念するのがよいだろう。
そしてもう一つは,4本の鎌をすべて槍に変化させ,主人公に向けて突進してくるというもの。槍のリーチは見た目よりもかなり広いので,ピクティモスから離れるように逃げても結局は追いつかれてしまう。ここは逆に,ピクティモスの懐へと飛び込み,その足元を小さく回り込むように逃げるのが正解だ。
ピクティモスにダメージを与えるためには,体の正面に向けて攻撃を行えばよい。弱点がガードされていたりはしないので,遠距離系の攻撃方法であれば,どれでも衝撃波を避けつつ順調に戦っていけるだろう。
ただし,ピクティモスは体力を半分程度まで削られると,カマキリの子供を大量に産み出し,それを捕食して回復してしまうのだ。これを防がないことには戦闘はいつまでたっても終わらないので,溜めスキルなど範囲系の攻撃方法で一掃しておきたい。
■対ピクティモス戦プレイムービーは「こちら」(3分28秒:51.3MB,WMV)
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ピクティモスは時折,空高くジャンプして距離を開けてしまう。そのため遠隔攻撃のほうが戦いやすい |
大量に生み出すカマキリの子供を,いかに一掃するかが鍵。中盤以降は手早く範囲攻撃を行えるように準備しよう |
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それでは引き続き,「魔核の領域」編を紹介していこう。ここは実質ラストステージということもあり,奇をてらったトラップなどは出現しない。むしろ,特定の属性のスキル攻撃でないと全然ダメージを与えられなかったり,強烈な引き寄せ能力を持っていたりと,純粋な戦闘テクニック面を求められるモンスターが数多く登場する。ここまで潜り抜けてきた人なら,歯応えのあるアクションを存分に満喫できるだろう。
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中ボスを倒した後は「幻光の狭間」という地帯へ立ち入ることに。内部は数多くのワープポイントにより結びついた構造 |
「幻光の狭間」は敵の数が少ないため,レベル上げには不向き。バーストをうまく活用できる場所をあらかじめ探しておこう |
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「魔核の領域」でのポイントは,「ブースト」の発展型である特殊攻撃「バースト」を習得できることだ。これは一定時間,自分を中心に強烈な結界を張るというもので,例えばザコ敵に囲まれたときにこのバーストを発動させれば,それだけで一掃できるほどの威力だ。ちなみに使用方法は,Vキーを押してブーストを発動させている最中に,もう一度Vキーを押すだけ。
ユニカとユーゴで,バーストの効果は微妙に異なっている。簡単に説明すると,ユニカの場合は発動時間が3秒と短く,発動中は移動できないものの,結界の範囲がとても広い。一方のユーゴは結界の範囲は狭いものの,発動時間は約6秒と長く,しかも自由に移動できる。いずれにせよ,最後に習得するにふさわしい究極の攻撃手段といってよい。
ただし,バーストを発動させるとブーストゲージが0になってしまうため,連発はできず,どういった状況下で用いるかが重要となる。これを最大限に活用するテクニックとしては,ブーストを発動させたあと,しばらくの間はブーストによるパワーアップ状態で普通に戦う。そしてブーストゲージが0になる直前にバーストを発動させるのだ。どの段階でバーストを発動させても,効果時間に変わりはない(どうせブーストゲージは0になる)ので,この方法だとブーストで活動できる時間分お得というわけだ。
また,このステージに配置されている一部の壷からは,ブーストゲージを瞬時に最大値まで回復できる薬を得られる。例えばエリアチェンジを繰り返しながら経験値を稼ぐときの効率が大きくアップするので,こういった場所を覚えておいて損はない。
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最初から最後までルーに世話になりっぱなし。もし「ロダの実」を余らせている場合は,どこかでルーを探し忘れているはず |
ユニカがバーストを発動させた瞬間。この間は移動できないのがネックだが,ザコ敵なら一網打尽にできるほど強力だ |
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このあたりで,トレジャーなどの取り忘れがないか一通り確認しよう。防具に関しては最高ランクのものさえ入手しておけば,途中は取り忘れていても問題ないが,例えば「クレリア鉱」による武器の鍛錬や,各種宝石によるスキルのランクアップは,できればすべて押さえておきたい。ちなみに武器のレベルは「7」,スキルのレベルは「4」が最高値となっており,そのときは装備スロットに「MAX」と表示される。
ほかには,女神の加護はもちろんだが,せっかく入手した「セルセタの秘薬」は意外と使い忘れている人がいるかもしれない。ラスボスとの戦いでは,上記のすべての能力が極限まで求められるので,これらを再度チェックしておこう。
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最終ステージまで来たのに,武器のレベル表示が「MAX」にならない人はいるだろうか? 「クレリア鉱」によるアップグレードの差は結構大きい |
さりげなく隠されている宝箱は結構多い。ところどころ取り忘れたまま,ここまで来てしまった人もいるのではなかろうか |
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続いて,「魔核の領域」編で戦う中ボスを,ユニカ編とユーゴ編それぞれで紹介していく。まずはユニカ編だが,お馴染みのエポナと再び合間見えることになる。もう,本連載でも何度か紹介してきた相手なので,基本的な戦術面については説明不要だろう。今回は槍によるチャージを2回連続で行ってきたり,分身を生み出して同時に攻撃してきたりと一工夫凝らしているものの,今のユニカにとって苦戦する敵ではないはずだ。
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エポナは途中から3体に分身して戦ってくる。実はすべてに当たり判定があるので,範囲攻撃が有効だ |
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一方のユーゴ偏では,「闇」の幹部の一人であるキシュガルと戦う。キシュガルは氷系の多彩なスキルを自在に操り,氷柱や氷竜の召喚を得意とする。また,キシュガル本人の移動速度もかなり高く,中でもハルバードのリーチを生かした回転斬りが厄介だ。
移動が速いこともあり,攻撃を当てようと思うと苦戦してしまう可能性が高い。しかし,これを逆手に取り,距離を置いたうえで遠距離攻撃を行っていると,キシュガルの側から当たりに来てくれるケースが意外とある。風スキルでガードを固めつつ,通常攻撃を間断なく放ち続けるのが,最も堅実だろう。
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キシュガルの攻撃は氷竜が厄介。二段ジャンプを行うとき,角度をつけるように飛ぶと逃げやすいかも |
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「魔核の領域」の中に設けられた「幻光の間」で待ち受けるボスは「ザバ」。さまざまなペットの使役を得意とする,「闇」のナンバーツーである。これまでに登場してきたザバは,ヴァジュリオンやジェノクレスといったペットに戦闘を任せきりであったが,ここでついにザバ本人と戦うことになる。
ただし,ザバは「ヨグレクス」「オムルガン」という強力なペットも付き従えており,これらも含めた攻撃パターンは非常に多い。この戦いは,ザバの体力残量に応じて2種類の行動パターンに大別でき,両者の違いについて把握するのが先決だ。
ちなみにザバはイースIIのボスモンスター(見た目は相当異なるが),ヨグレクス&オムルガンは初代イースのボスモンスターとして登場している。今回は,その両方のボスを同時に相手にするというわけだ。
まずは,ザバのHPが多いときの行動パターンから説明しよう。ザバは空中を漂いながら,光の弾をばらまくようにして攻撃してくる。このときのザバには,「二段ジャンプ」でないと通常攻撃を当てられないので注意が必要だ。
なんとかしてザバに攻撃を当てると,地上に落下した後に短時間気絶する。この瞬間がチャンスで,スキル溜めなどで一気に畳み掛けたいところだ。ただし,気絶から起き上がるときは爆風を伴って再び空中へ飛び上がるため,ヒット&アウェイが要となる。
そして2体のペットについてだが,ヨグレクス(赤い方)は口からファイアーボール,そしてオムルガン(青い方)は氷のブレスなどによる攻撃を常時行ってくる。間断なく続くペットの攻撃をかわしつつ,空中高くにいるザバを狙わねばならない,というわけだ。とくに,直接攻撃を主体とするユニカの場合は,二段ジャンプの頂点に近いところでザバに斬りかかるのがとても難しい。
しかし,ザバの体力がある程度減ると,その攻撃モードはさらに激しさを増す。ザバ本人がペットの中へと潜り込み,直接攻撃を当てられなくなるばかりか,ペットも大幅にパワーアップしてしまうのだ。中でもキツいのは,片方のペットが口から強烈な吸い込みを行いつつ,もう一方のペットが噛み付き攻撃を仕掛けてくるという連携技で,これは逃げるのが困難。ヨグレクスとオムルガンの攻撃パターンはほかにもいくつかあり,どれも対処法が難しいものばかりだ。
このモードでは,どちらか一方のペットの周りをクリスタルが回っているところに注目したい。これを何度か攻撃していくと,中に潜んでいたザバが放り出され,先の気絶と同様の状態になるのだ。ただし,ペットの攻撃は序盤よりも激しくなっているため,追い討ち攻撃を仕掛けるのも非常に難しい。
対ザバ戦は,確実に有効な攻略パターンというものがない。対ザバ戦は純粋なアクションゲームそのものといって差し支えはないだろう。とくにユニカで戦う場合は,倒すまでに10分近くかかることもあり,個人的にはラスボスよりも強いと感じたくらいだ。
■対ザバ戦プレイムービーは「こちら」(2分34秒:38.0MB,WMV)
さて,最後に戦うことになる中ボスは,かつて「咎火の領域」で戦った因縁の相手である。最初に戦ったときは,おそらくほぼ全員がコテンパンにやられてしまったと思うが,今はこちらも十分に渡り合う力を持っている。
ユニカ編で登場するキシュガルは,「魔の因子」を取り込んで大きくパワーアップしている状態。もっとも,主な行動パターンは,先にユーゴ編で紹介したものと同じである。実際に戦うときは,「炎」の溜めスキルとバーストが非常に有効で,適当に使っているだけで大体当たってしまう。さらに炎の溜めスキルは,キシュガルが得意とする氷柱も一気に壊せるので,常時Cボタンを押して溜め続けていよう。魔の因子によってパワーアップしたキシュガルだが,体感的にはむしろユーゴ編で戦うときよりも楽に感じてしまうかもしれない。
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キシュガルは格好よく登場した割に,意外とあっけなく倒されてしまう。ユニカのバーストが強すぎるのかもしれない |
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もう一方,ユーゴ編で戦う「トール=ファクト」だが,こちらはラスボス直前に相応しい実力の持ち主である。基本的な行動パターンは,ダッシュでフロアを縦横無尽に駆け巡りながら,爪による素早い連続攻撃や回転斬りなどを交えてくるというもの。さらに,時折バーストにも似た即死級の必殺技を繰り出してくるのだ。はっきり言って,強い。
しかもユーゴがバーストで接近戦を試みようとしても,素早く逃げてしまい,ほとんどダメージを与えられない。戦い方としては正攻法で行くしかなく,トールがダッシュした直後は硬直時間が生じるので,この瞬間に通常攻撃を叩き込む展開となる。あとは風スキルでガードを固めたうえで,地道にヒット&アウェイを繰り返すしかないだろう。
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ここで戦うトールは,モーション関連が妙に「凝っている」と思った人は多いだろう。この点については,次回の連載で詳しく紹介しよう |
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この中ボス戦を終えると,あとは塔の最上階にて待ち受けるダレスを倒すのみで,それで一応のエンディングを迎える。
しかし,ダレスを倒してもゲーム本編の謎がすべて解明されるわけではない。トールが「魔」を受け入れた真の目的とは? 女神達が黒真珠を持ち去った背景は? まだまだ疑問点は残されているはずだ。本連載最終回となる次回は,これらの謎に迫る第3の主人公「トール=ファクト」編についてお送りしよう。
今回紹介するのは,主人公の行く先々において立ちはだかる「闇」の幹部達だ。ダレスを筆頭にザバ,キシュガル,エポナ,そしてトールと,人数は少ないものの,いずれも凄腕揃いである。
先週のこの欄で「女神捜索隊」を紹介した後だからかもしれないが,「闇」の面々は誰も彼もキャラが立っている印象を受ける。例えば,本来は敵であるにもかかわらず,思わずユーゴに攻略ヒントを与えてしまうエポナ(ツンデレ?)や,ユニカにとっては父の仇であるのに「別の形で会いたかった」と言わせてしまうキシュガルなど,本編のクリア後に彼らとのやりとりを思い出してしまう,という人も多いのではなかろうか。
ちなみに「闇」の面々についてだが,ダレスとザバは「イースII」のボスモンスターとして登場しており,キシュガルは直接は出てこないが,「イースVI −ナピシュテムの匣−」に「廃都キシュガル」というマップ名(地名)として登場している。彼らは700年後のアドルの時代にまで,暗い影を落とすことに成功しているようだ。
しかしキシュガルとエポナの兄弟が闇の一員になったいきさつや,ダームの塔に来るまでのエピソードなど,まだ気になることも多い。右上の写真でダレスが話しているように,「闇」よりスケールの大きな「魔」というものが,何らかの形で実在するのかもしれない。
さまざまな伏線に思いをめぐらせるのも,長い歴史を持つシリーズ作ならではの楽しみ方の一つといえよう。
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左から:キシュガル,トール,ダレス,ザバ,エポナ |
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