― 連載 ―

絶対領域 ヨーグルティング
第3回:早くも落第か? 2年生カリキュラムは難関続き

 

1年生と2年生で,"必修"エピソードの難度には大きな差があって,少々困惑。やはり名門私立校は予習/復習を欠かさない優等生でないと,ついていけないのだろうか?

 前回無事に2年生への進級を果たした,筆者の愛娘ならぬ愛キャラクター。頑張って夢の"スク水"(スクール水着)を手に入れるぞぉ! と鼻息も荒く登校したまではよかったが,やはり世の中はそんなに甘くなかったようだ。全国の「絶対領域」ファンの皆様には申し訳ないが,今週は比較的まっとうな形で,2年生前半のエピソード攻略に取り組ませていただきたい。
 というのも,「ヨーグルティング」ではエピソード/クエストの難度が名前の色で判別できるようになっており,薄い灰色なら余裕でクリア,黒なら自キャラのレベルに見合った水準,そして赤はほぼ即死を意味している。ところが「基本情報」タブで進級に必要なエピソードを確認してみれば,ズラリと並ぶ真っ赤なエピソード名。正直なところこの瞬間に,宵月学院を中退したくなった。いや,窓ガラスを壊して回ったりする気はとくにないが。

 

 

目指せゴーストバスターズ!

 最初に挑んだのは,エピソード「私の三角定規を返して!」。保険医である妖艶先生の,盗まれた三角定規を取り返すこのエピソードに,多くのプレイヤーは2年生前半のかなり長い時間を費やすこととなるだろう。
 制限時間内に200匹のモンスター「レイス」を全滅するこのエピソード,戦うマップは1枚のみ,パズル要素などもいっさい含まないシンプルなものだが,2年生に上がりたてのプレイヤーは,まずここで多勢に無勢の洗礼を受けることになる。
 開始とともに雪崩のごとく襲い掛かってくるレイスの数はとにかく多く,被ダメージも相当なもの。回復剤「新入生用牛乳」などは,もはや二日徹夜したあとの栄養ドリンク程度に無意味だ。ヨーグルティングの回復剤は即効性のタイプではなく,HPを一定量じわじわと回復させてくれる遅効性だ。そのためもったいない気もするが,レベルが上がるまでは素直にパック牛乳をガブ飲みして耐えることをお勧めする。

 

エピソード開始直後にもう瀕死状態。もともとの防御力が低いせいもあり,ここまでくると回復剤では状況を立て直せない

 手持ちの牛乳はどんどん減り,心細くなるいっぽうの三角定規エピソード。次のエピソード/クエストに挑戦できる目安は,「ゴーストバスターズ」の称号を得るか,ソロプレイでB+が出せるようになるころだろう。
 ここで称号システムについて少々補足しておこう。称号はゲーム内で一定の条件を満たすと,キャラクター名の前に付く。称号の種類は10個以上あり,取得条件やボーナス効果はそれぞれ異なる。
 ヨーグルティングの世界に初めて降り立ったときについていた「新入生」も,実は称号だ。そのほかに,例えば3回連続でF(落第)を取ると「落第王」。牛乳を何本も激しく飲むと「牛乳マニア」や「牛乳ジャンキー」が付き,牛乳によるHP回復速度が多少上がるという効果が用意されている。思うに,学校社会にありがちな"あだ名"の文化をルールとして取り入れたものだろう。
 で,肝心のゴーストバスターだが,これは「ゼロセブン」やレイスなどアンデッド系モンスターを8000匹倒すと手に入る。効果はアンデッド系モンスターへのダメージ増加で,たいへん都合がよい。200匹のレイスを倒すエピソードなので,一人で挑戦すれば40回でゴーストバスターになれるはずだが,最初のうちはとてもソロでこなせるエピソードではない。最低60回くらい挑戦すると見積もって,頑張ってほしい。

 

群がるレイスを一掃するのは,なかなか気分爽快。自分のキャラクターが強くなっているのがハッキリ感じ取れる

入り口から見て左前方の教室内部がベストポジション。壁際の長机が,レイスが背後に回りこむのを防いでくれるからだ

 

 

激戦を前に道具も新調してみる

ヴェスパは小さな木の精霊たちが入ったバッグ。使用できるスキル「木霊の叫び」は,巨木を呼び出してその大声で衝撃波を与えるとか

 遠距離系の武器スピリッツを愛用する筆者だが,これまでは1年生が使えるスピリッツの中では攻撃力が最大の,「コブラバッグ」を愛用していた。背中からニョロニョロとコブラが顔を出すこの武器は,スキルの使い勝手がよく,手放せないエモノだったが,さすがに2年生エピソードになると攻撃力が足りない。そこで購買で売られている「ヴェスパ」に乗り換えてみた。

 新しい武器には強化が必須。宵月の場合は校舎2階の理科室で,おばちゃんが強化してくれる。必要材料は「結晶」と「強化参考書」と,強化したい武器そのものだ。
 まず,各エピソード/クエストでもらった「折り紙」「モネラのトゲ」などを100個集め,これまたおばちゃんに渡すと結晶にしてくれる。1年生用武器には「クレヨン」,2年生用武器には「色鉛筆」の結晶が必要となる。
 それぞれに水・火・地・金・土の属性があり,一度強化してしまうと,それ以降は同じ属性でしか強化できなくなるので,意識しておきたい。
 武器の強化は+3までは100%安全で,それ以降は失敗すると武器が壊れて消滅してしまう。+4で成功率は80%に低下し,+5以降ではかなりの高確率で武器は壊れる。購買で買えないレア武器を強化するときは,それなりの覚悟を持って挑戦しよう。
 なお,強化に成功した武器はキラキラと輝きを放つようになる。強化度が高ければ高いほど明るい輝きを放つので,外から見ればその武器の強さが一目瞭然というわけだ。

 

1年生武器「サラマンダー」の+4強化に挑戦。使ったのは茶色い土属性のクレヨンだ

壊れるリスクが20%ほどあるが,何とか成功した。貴重な武器がかかっているので手に汗握る

 

 さて,攻撃力は確かに高まったのだが,使ってみると「木霊の叫び」はちょっとクセのあるスキルだった。コブラバッグの「スネークチェーン」は,目見当でスキルを発動してもモンスターの群れを一掃できるが,木霊の叫びは撃ち込んだポイントから前方向に効力範囲が設定されている。このスキルは壁を背にして戦うなら最強なのだが,広いフィールドで四方を囲まれてしまった場合,慣れないと背後の敵を倒しにくい。
 ヴェスパでは必ず足を一歩踏み出した姿勢で通常攻撃をするので,後ろになる足のちょうど踵あたりにポインターを定めて,スキルを発動するのがコツだ。そうすると真後ろのモンスターも効力範囲に入れられる。

 

呼び出された巨木は,前に向かって"叫び"を発する。ちなみにこれは失敗例。背後のゼロセブンには攻撃が当たらない

この画面にあるとおりで,一歩引いて,後ろになる足の踵付近に狙いを定めるのが正解。これで背後のモンスターも叩ける

 

 

これは……恋? 気になるその人は暗田君

宵月学院の名物キャラクター,オカルト研究部の暗田君。いや,その熊人形を手にしたまま,彼女を作るのは無理だと思う……

 ヨーグルティングの魅力の一つは,個性際立つNPCの存在にある。とくに宵月学院で登場回数が多い,オカルト研究部員の暗田君の存在は欠かせないだろう。エピソード「月夜の大魔術!」では,なんとその暗田君が,恋愛成就の御札を使って,理想の彼女を召喚するというではないか。

 月夜の大魔術!は2マップで構成され,1マップめにはおなじみのソソスケルトンとゼロセブンが出現する。な〜んだ,と思うかもしれないがナメてはいけない。どうもヨーグルティングでは同じモンスターも,学年やエピソード/クエストに合わせて攻撃力/防御力が異なる様子。1年生で遭遇したゼロセブンとは桁違いに強く,1マップめから結構な苦戦を強いられた。

 

召喚の儀式で登場したのは,なんと狐娘の火蓮。こんな小娘が暗田君の好みだったのかと愕然。でも火蓮のパジャマ姿はいいかも

 2マップめは障害物のない広いフィールドで,モンスター「フォクシー」がお目見えする。フォクシーは小さな狐の妖精で可愛らしい顔立ちだが,攻撃力/防御力ともに高めだ。一度に多数が登場するので,筆者のレベルではうっかりすると,たちまち戦闘不能に追い込まれてしまう。その場合の選択肢は三つ。

 

  • 1.エピソード/クエストをリタイアして学校へ戻る。この場合は経験値もアイテムももらえない。
  • 2.エピソードのスタートポイントに戻る。開始直後に倒れた場合はこれでよいだろう。
  • 3.119に電話する。

 

 その場で瞬時に復活させてくれる119は,複数マップの後半やボス戦では便利だが,泣きどころは呼び出しに500TAFF(ゲーム内通貨)かかること。お金がないと,おちおち倒れることもできないとは,妙に身につまされる話である。

 

 

Trick or Treat? いやTreatされすぎ

実にさりげない水蓮のお願いごと。クリア条件が「周囲を適当に整理して……」と曖昧なのも,実はサプライズ要素なのか

 1年生での最初の壁として,以前「彼と彼女の生徒会」エピソードを取り上げたが,2年生における第1の壁はおそらく「ハロウィーン・トリック」であろう。本来筆者のレベルはこのエピソードに遠く及ばないのだが,ハロウィーンの季節も間近である。無茶を承知でこのエピソードをプレイしてみた。
 ハロウィーンは毎年10月31日に行われる。クリスマスと同様に,日本では本来の意味よりも,可愛いかぼちゃグッズの販売シーズンと化している。生粋の日本人たる筆者は当然のこと,このエピソードには可愛くデフォルメされたかぼちゃやら,キャスパーのように愛らしいお化けやらが出てくるだろうと期待していたのだが,その期待はみごとに裏切られる。

 

ヴェスパのスキルでも,一撃で沈められないゾンビ達。えー,制服を着ているし,さしずめ「学校の怪談」といったところ?

 「墓地が騒がしいので見てきてくれませんか?」狐姉妹の水蓮の一言から始まるこのエピソードは,プレイヤーの感じ方にもよるが少々不気味なもの。舞台が墓地というのはよいとして,宵月の制服を着たゾンビが後か後から湧いてくる。
 いやその,正直なところ首なしで血まみれのゾンビと,ヨーグルティングの世界観ってどーなんだろ? そんなモンスターに四方を囲まれたら,泣きたくなるじゃないですか。

 ゾンビマップを駆け抜けると,少し手間取るパズルが待っている。マップ上にある,おなじみの白いブロックと赤いブロック。このうち白いブロックだけを青いマスへ運ぶ。決して複雑ではないのだが,間違えて赤いブロックを破壊すると中から「アンモネラ」が飛び出してやっかいだ。とはいえ3人以上いればサクサク進められる。

 

マップ上に2か所ある青い穴。ここに白いブロックをはめこむと消滅する

ここで戦っても時間がかかるだけ。オレンジのブロックは無視してしまうのが吉

 

 ブロックをすべて片付ければ奥の門が開き,最終決戦となる。ここでようやく,なんとかかわいいと言えないこともないモンスター,その名も「ハロウィーン」が登場。
 と……申し訳ないがここで「ハロウィーン・トリック」エピソードのレポートは終了。実はあまりにも自分のキャラクターが弱すぎて,勝負にならなかったのだ。パック牛乳も無意味なほど被ダメージが大きく,このマップだけで5回は戦闘不能に陥った。もう少し修行してから出直してまいります,ごめんなさい。

 

かぼちゃお化けのくせに,と悔し涙を流しました。もっと強くなってきます

やられすぎてあまりに不毛な展開。経験値もアイテムも放棄して撤収する(涙)

 

 

Black&White。そりゃ別のゲームだ

白ニーソックスを目立たせるために,あえてほかのアイテムを脱いで記念撮影してみる。うーん,やっぱり変か

 こうしてハロウィーン・トリックの前に空しくも敗れ去った筆者だが,一つだけこの傷心を癒してくれる存在がある。経験値稼ぎも兼ねてしつこくプレイしたエピソード,月夜の大魔術!で,とあるものを入手したのだ。  ヨーグルティングを実際にプレイしている人なら,そしてこの記事を読んでくれている人なら,もう何のことだかとっくにお分かりのことと思うが,あえてもったいつけて言わせていただく。

 見よ,この神々しいまでに美しい「白ニーソックス」を!!。

 本当は四つのパーツで構成される「看護服セット」の靴に当たるアイテムなのだが,これが何と白いニーソックスなのである。宵月学院冬服の黒いニーソックスもいいが,白ニーソックスが放つ,まぶしいまでの清潔感には何だかゾクゾクしてしまう。普段は1ファッションにつき1画面ショットでお届けしているが,今回ばかりは写真多めでお送りいたします♪

 

 

これが白ニーソックスの本来の着用形態。残念なことにハイソックスだかニーソックスだか分からないのである

 ところが,この看護服セットには1点だけ大きな短所がある。ピンクと白のキュートな衣装であることは間違いないが,何よりも大切な「絶対領域」が完全に隠れてしまうのである!これはいけない。嫌がる担当編集を説き伏せてまでこの連載タイトルを決めたのに,肝心の部分が隠れてしまったのでは意味がないではないかっ。

 そこで泣く泣く看護服をいったん諦め,手持ちの衣装で白ニーソックスが似合うパターンを試してみた。

 

1.制服冬服とのコーディネート

膨張色の白ニーソックスだけが浮いてしまい,少々バランスが悪い取り合わせになってしまった

 

2.制服夏服とのコーディネート

むー。似合わないを通り越してやや滑稽だ。これではただの王子様風白タイツである

 

3.手芸部制服とのコーディネート

絶対領域も見えるし,似合わないこともないのだが,いかんせん華美すぎるため,コレも却下であろう

 

 膨張色である白がいけないのか,どれも納得いかず持て余し気味な白ニーソックスにため息をついたとき,すばらしい組み合わせを思いついた。それがコレだ。

 

4.冬コートとのコーディネート

ロングコートの隙間から見えるチラリズムに加え,完璧なバランスの絶対領域。来週からは飼育服に代わってこのスタイルでレポートをお届けしようか

 

 さらにオマケとしてもう1ポイント。ヨーグルティングはチャット欄に「/glad」「T_T」といったコマンドを打ち込むと,エモーションを出したりポーズをつけたりできる。試しに「/happy」コマンドを入れてみると……。
 さて,これだけニーソックス,ニーソックスと繰り返せば,さすがに寛容な読者も飽きてきたころだろう。4Gamer史上おそらく最多のニーソックス言及を残し,ラストは白&黒ツインニーソックスでお別れしたいと思います。また来週〜。

 

翻るスカートの下にかろうじて確認できるアレ。私は今,とても満足です……

有名な缶入り軟膏のマークのような看護服と,白黒それぞれのニーソックス

■■麻生ちはや(ライター)■■
ニーソックスをこよなく愛する(らしい),女性ゲームライター。「ウルティマ オンライン」と「ラグナロクオンライン」を並行でプレイできる貴重なセンスの持ち主だが,この連載で遺憾なく発揮しつつある新たなセンスで,個人的な人間関係に支障をきたさないかどうかが心配なところ。この場合,ライターと担当編集,どちらが被害者でどちらが加害者かについては,職業上の守秘義務に基づき,黙っておくことにしよう。
タイトル ヨーグルティング
開発元 Neowiz 発売元 ガンホー・オンライン・エンターテイメント
発売日 2005/11/24 価格 基本プレイ料金無料(アイテム課金)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/1GHz以上[Pentium 4/1.80GHz以上推奨],メインメモリ:256MB以上[512MB以上推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨],HDD空き容量:2GB以上,ネットワーク環境:1.5Mbps以上,Windows XP Professional 64-bit Editionは動作対象外

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