― 連載 ―

トラックマニア マニアックス

第3回 「トラックマニア オリジナル」を紹介

 

「トラックマニア オリジナル」って何なのさ

 

 蒸し暑い夏をさらに熱く,そしてスカッとさせるべくお届けしている週刊連載「トラックマニア マニアックス」。前回までは「トラックマニア サンライズ エクストリーム」(TMSE)の「ココは!」という部分にスポットを当ててお伝えしてきた。笑えるほど突拍子もないゲーム性に惚れて,トラックマニアマニアが増えてくれれば,本連載の目論みどおりである。すでに多くの人が,夜な夜な(昼間でもいいけど)妙チクリンな奇声を上げつつ,走り&飛びまくっていることであろう。

 

 さて今回は,7月28日に発売された「トラックマニア オリジナル」(TMO)にスポットを当てていく。TMOとは,新作である「トラックマニア サンライズ」のゲームエンジンで作り直した,初代トラックマニアのリメイク版。単なるリメイクにとどまらず,TMSEにあるゲームモードの追加などがなされており,初代トラックマニアをプレイした人も再び楽しめちゃうというわけだ。

 

 

 

ステージと登場する車

 

 TMOもTMSE同様,ステージにより使う車は固定されており,3ステージ3車種が登場する。TMOでは「スノーステージ」「スピードステージ」「ラリーステージ」と,まったくシチュエーションの異なるステージが登場する。

 

スノーステージ

 「特設コース?」と思えるような,木造コースが斬新なスノーステージは,なんと日本がモチーフ。日本家屋をイメージしているのか,コースは板張りだし,五重塔らしき建物も登場するあたり,やっぱり日本ってこんなイメージなんだろうなぁ。コースはアップダウンが激しく,タイトでブラインドコーナーが多いレイアウト。コースサイドにガードレールなどはなく,油断すると即コースアウトだ。ところどころに積雪があり,乗るとスピードダウン。ほとんど車が曲がらない&止まらない凍結路面や,一面が凍結した湖面を走ることもある。

●ピックアップトラック
 使う車はピックアップトラック。なにやら怪しげなカタカナが書かれた,日本仕様のカラーリングも用意されている。あまりスピードが出ないため,下り坂やブーストでスピードを稼ぐ。ハンドリングはクイックで,タイヤも氷上以外はグリップ力も高く,きびきびした走りを楽しめる。

 

スピードステージ

 アメリカのテキサス州やネバダ州を彷彿させる,砂漠地帯が舞台のスピードステージ。茶褐色の断崖絶壁を風景の中にコースが設営されている。コースはアスファルト路面でコース脇にはガードレールや縁石があるため,コース外に飛び出すことは少ない。コースは強烈なアップダウンを織り交ぜた,クネクネとした部分と,フルスピードでかっ飛ばせるストレート,そしてループや大ジャンプなどバランス良く配置されている。

●アメリカン・カー
 使用する車は,往年のアメ車をモチーフにしたスポーツカー(アメリカン・カー)。加速力とブレーキ性能が素晴らしい半面,足回りはフニャフニャで,路面の凹凸やジャンプの着地でバランスを崩しやすい。また,急ハンドルを切ると片輪走行状態になるので,微妙なアクセル,ブレーキ,ステアリングコントロールが要求される。

 

ラリーステージ

 ヨーロッパにある片田舎の雰囲気がプンプン漂ってくるラリーステージ。アスファルト,ダート,城壁の上など走るコースもさまざま。先の見えない狭い林道を走っていたと思ったら,突然開けてアスファルト路面に変わり,さらに進むとコースは途切れて原っぱのようなところを突っ走るなど,コース状況の移り変わりを楽しめる。まさにラリーっぽさが出ているステージだ。とはいえ,もちろんTMSEのような回転大ジャンプをするシーンも登場する。

●ラリーカー ターボ2
 車は丸っこくて可愛らしい,ラリーカー ターボ2。見た目とは裏腹に悪路だって何のその,キビキビ走れるのでプレイしていて非常に面白い車。ハンドリングがクイックでピーキーな挙動なのでドリフトさせやすいが,4輪ドリフト状態でコース外へ飛び出しやすい。コーナー手前での的確なブレーキングが必要になる。

 

 

 

ゲームモード

 

 用意されているゲームモードは,ソロプレイとしてオフィシャルキャンペーン,コミュニティキャンペーン,シングルキャンペーンがあり,ネット対戦が可能なマルチプレイも用意されている。本連載を最初から見ている人はピンと来たと思うが,ゲームモードはTMSEとまったく同様である。

 

 TMOのメインモードである,オフィシャルキャンペーンの内容も同様で,ターゲットタイムを切る走りを目指す「レース」チャレンジ,トリッキーなコースを少ないリトライ数で走破する「プラットフォーム」チャレンジ,アクロバット走行でスタントポイントを稼ぐ「スタント」チャレンジ,建設ブロックを使ってコースの抜けた部分を埋めて走破する「パズル」チャレンジ,ライバルと競い合い打ち負かしていく「サバイバル」チャレンジが用意されている。各ゲームモードの内容については本連載の第1回に掲載しているので,そちらを見ていただくことにして,唯一,流れの異なる「サバイバル」チャレンジを紹介していこう。

 

 TMOに登場する「サバイバル」チャレンジは,TMSEの「クレイジー」チャレンジにあたるゲームモード。1〜3台のライバルを相手に,計18レベルのレースに挑戦する。レースはノックアウト方式でビリになるとゲームオーバーだ。レベル1から始めていくわけだが,コースはランダムに選ばれた2コースの中から一つを選んでレースを行い,ライバル達を打ち負かしていく。
 トップなら次の2レース(2レベル),2位なら1レースをスキップできるので,常に上位に入る走りをすれば少ないレースで頂点へ上りつめられるのだが,いつもギリギリでゴールしていると,最高18レースもこなすことになる。スキップするレースもランダムに2コース選ばれるので,苦手なコースを覚えておいてスキップすれば,少しばかり有利に挑戦していける。とはいえ,ランダムなので結局は運次第なのだが……。レベルが上がるにつれて,ライバルの走りは神懸かってくるし,TMSEの「クレイジー」チャレンジよりも難度が高いかもしれない。

 

 

 

どんなコースが用意されているの?

 

 TMOにも150種類ものコースが登場するが,世界中で大好評を博した初代トラックマニアがベースということもあり,トリッキーさは健在(そもそもTMOが元祖か)。とはいえ,TMSEとは一味違った面白さがある。

 

 TMSEでは一つの街としてコースを作っていたと例えると,TMOは狭苦しい箱庭に押し込んだというイメージだ。抜群のスピード感のあったTMSEをプレイした人は,TMOに登場する車は少々ノンビリなので楽勝のように感じると思うが,気の休まるストレートは少なく,直角コーナーやヘアピンが連続して配置され,そこにジャンプ,垂直ジャンプ,ループ,チューブ,ターボなどは当たり前のように登場するという具合に,かなりテクニカルでTMSEよりも難しいかも。

 

 

 やはりアレコレ言うよりも「動き」を見たほうが早いと思うので,今回もプレイムービーを用意してみた。前回のTMSEプレイムービーと見比べると,TMOならではのコース構成,トリッキーさがよく分かるはずだ。

 

 

プレイムービーその1
(27.6MB:41秒,WMV)
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プレイムービーその2
(35.5MB:1分7秒,WMV)
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プレイムービーその3
(18.3MB:46秒,WMV)
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次回予告

 

 さて,TMSE,TMOと二つのゲームのイカれっぷりをお伝えしてきたわけだが,いかがだっただろうか。このイカれっぷりこそ,比類なき面白さに直結しているのが分かってもらえただろうか。

 

 トラックマニアをプレイした人なら誰もが,「次は自分であっと驚くようなコースを作ってみてぇ」と思うだろう。嬉しいことに本作には,オフィシャルキャンペーン顔負けのコースを自分で生み出せる「コースエディタ」が用意されている。あと必要なものはセンスのみ! 自分で作ったコースをネット上にアップして,世界中のマニア達にプレイしてもらえるし,ネット上にあるマニアの作ったコースをダウンロードして,挑戦もできる。本作のコースは,無限大に用意されているといっても過言ではない。

 

 そこで次回は,もう一つの楽しみといえる「コースエディット(トラックエディット)機能」などを見ていくことにしよう。

 

 

 

 

■■UHAUHA(ライター・マニア)■■
ライター業のかたわら会社員も営んでいるUHAUHA氏は,愛する家族のため,ちょっぴり長めの往復通勤時間さえもライター業に費やすことに。このたび女房子供を質入して,VAIOオーナーメードモデル「VGN-SZ91PS」を購入した。CPUにCore Duo T2600,グラフィックスカードにGeForce Go 7400を搭載,自宅のデスクトップPC(Athlon 64 3500+搭載)よりもムービーファイルのエンコードをパワフルにこなし,ゲームもそこそこ動いてしまうという,ゴツいノートPCだ。「仕事に使ってますか?」と聞いてみたところ,「いやあw」という返事が。どういう意味かなあ。
タイトル トラックマニア オリジナル
開発元 Nadeo 発売元 オーバーランド
発売日 2006/07/28 価格 4800円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 98/2000/Me/XP/XP Professional 64-bit Edition(+DirectX 9.0b),CPU:Pentium III/450MHz以上[Pentium 4/1GHz以上推奨],メインメモリ:64MB以上[256MB以上推奨],グラフィックスチップ:DirectX 9対応以上,グラフィックスメモリ:16MB以上[64MB以上対応],HDD空き容量:420MB以上,オンボードグラフィックスは動作対象外,オンラインプレイ時は56kbps以上のネットワーク環境必須

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http://www.4gamer.net/weekly/trackmania/003/trackmania_003.shtml