連載 : ああ,憧れのハワイ道路


ああ,憧れのハワイ道路

第4回:すばらしきオンラインプレイの世界【前編】

 

世界中のプレイヤーとオアフ島を走ろうじゃないか!

 

 アローハ! 日本もすっかり夏の陽気だが,ハワイは一年中夏。まさに常夏の楽園。そんなハワイ(正確に言ってしまうならオアフ島)のセレブリティな暮らしが誰でも楽しめる,今最もホットに涼しく,熱くてクールなドライブゲームが「Test Drive Unlimited」(以下,TDU)。そして,たぶんかなり多いであろうセレブ初心者の皆様のハワイ生活をサポートすべく始まった週刊連載「ああ,憧れのハワイ道路」。なんというか,読者の喜ぶ顔が目に見えるようだ。

 

 それはそうと,先日,この連載に使えそうなクールな写真を撮ろうと峠をウロウロしていたら,外国人プレイヤーと思われる3台の車に取り囲まれ,前後からサンドイッチ状態にされるわ,体当たりされるわ,さんざんもて遊ばれるという経験をした筆者である。
 あれは一体なんだったんだろう? 車から飛び降りて機関銃でもぶっ放せるゲームだったら蜂の巣にしてやったのになぁ,と強気のコメントを書いておくが,ゲームとはいえ少々ビビっていたのは内緒。もちろん,これはこれで楽しいし(編集部注:強がり),そういう人達ばかりじゃないので「うわ,ハワイこえ〜」とか思わないように。そう,こんな出会いこそがTDUのオンラインプレイの面白さなのである。

 

 というわけで,連載四回目となる今日の良き日は,そんなプチ恐怖もたまに味わえるけど,それ以上に楽しいオンラインプレイについてお届けしよう。一人でチャレンジやミッションにコツコツと挑戦していても楽しいが,世界中のプレイヤーとあんなことやこんなことができるオンラインプレイをやらないでどうする,と私は声を大にして言いたいのである。それでは,レッツゴー! 発車オーライ!

 

 

 

マッチングシステムにより,どこの誰と遭遇するかは運次第

 

見知らぬ人と遭遇したとき,突然始まる“円描き”大会。別に何があるってわけじゃなく,パフォーマンスを披露するだけの一つのコミュニケーションの方法。やあ,回っているなあ

 ドライブゲームのオンラインプレイというと,メーカーのサーバーに接続してロビーで対戦者を募って一緒にレースを楽しんだりするのが一般的だが,TDUのオンラインプレイは少々趣が変わっている。

 

 舞台となるオアフ島には,サーバーにつながっているすべてのプレイヤーが表示されるわけでなく,「マッチングシステム」により,自分に近いエリアにいる最大8人のプレイヤーが出現するのだ。この8人の選択はマッチングシステムに委ねられているから,セレブ友達と遭遇できるかどうかは運次第だ。自分に近いエリアにいればマッチングする可能性は上がるが,そのエリアに大勢のプレイヤーが存在すれば,ま,当然ながら遭遇する確率は落ちる。また,自分と相手の距離が離れると再マッチングされるため,常に一緒に走り回りたい相手がいるならマッチングを維持する「ロック機能」を併用するといいだろう。

 

 自分を含めほかのプレイヤーも同じオアフ島を走り回っている通常モード(フリーライドモード)ではオンラインプレイになるが,チャレンジやミッションに挑戦したり,一般車に接触してパトカーに追われるイベントが発生したりすると一時的にオフラインプレイに切り替わり,イベント終了後に再びオンラインプレイへ戻る。ついでながら,プレイ中にマップを開いても再マッチングが発生する。このへんはシームレスに切り替わるのでとくに意識する必要はないが,覚えておくのがよろしかろう。

 

 知り合いと一緒に遊びたいというケースでは,ちょっと使いにくいマッチングシステムだが,例えば人があんまりいない場所でこっそり待ち合わせたり(ほかのプレイヤーが少ないほどマッチングの可能性が上がる)など,遭遇しやすくなるコツはいろいろとあるようだ。ここらへんは実際にオアフ島で試行錯誤してもらったほうが良さそうだ。とはいえ,毎回,違うプレイヤーとの出会いや再会があるのも,これまた楽しいのではないだろうか? 昔から言うでしょ。「別れがなければ出会いはない」と。意味はよく分からないけど。

 

現在,自分とマッチングしているプレイヤーの人数は,画面左下のナビ画面下部にある人間マークの横の数字で判断できる。画面上にはほかのプレイヤーの名前,方向,自分との距離が表示される マッチングエリアにいるプレイヤーの場所は,マップのプレイヤー表示で分かる。頻繁に更新されているため,しばらく眺めていると状況が変化する。直接プレイヤーを選択してもマッチングされる場合とされない場合があり,なかなか思うようにはいかない。う〜む

 

 

誰かと一緒にオアフ島のツーリングを楽しもうじゃないか!

 

ツーリング中と思われる集団と遭遇。そばに停まって様子を見ていたら,マッチングロックの申し込みを受けて飛び入り参加することになった。知らない相手なのに距離が離れると途中で止まって待っていてくれる。親切な人達であった

 と,このように,島には自分以外の多くのプレイヤーが走り回り,ゲームの現実感をいやが上にも高めているのである。もちろん,路上で遭遇するプレイヤーとチャットを使ったコミュニケーションなどもとれるわけだが,ただ近づいてクラクションを鳴らし,鳴らし返されたりするだけでも,まるで本当にその場にいるような,なんとも言えない嬉しい気持ちになれる。したがって筆者はクラクション鳴らしまくりである。鳴らして鳴らして鳴らしまくっている。クラクション万歳! 迷惑ですか? 迷惑ですね。

 

 さて,出会った相手が知り合いか見ず知らずの他人か関係なく楽しめるのがツーリングである。チャットで行き先を決め,ノンビリとドライブするのもいいし,一般車の間をすり抜けながら爆走する先導車の後をひたすら付いて行くのも面白い。数台集まっているところに近づき,クラクションを鳴らして止まっていると,ロックの申し出があったりして。これはつまり「一緒にツーリングしようぜ!」って意味で,許可すればメンバーの仲間入りとなる。意味不明に突っ込んでくる危険な人もいるにはいるが,フレンドリーなドライバーも多いのでぜひ安心していただきたい。

 

 ときにクラッシュしたりコースアウトしたりするが,ただ走っているだけでもツーリングは楽しい。単独で1時間も走り回るのは苦痛以外の何者でもないが,仲間がいればそれくらいのドライブはあっという間。このあたりは現実のツーリングと一緒だ。

 

 ちなみに筆者が先導車になると,つい「セレブらしくドリフトしてカッコ良く走ろう」と調子に乗って崖から落ちて仲間の視界から消えたり,いつの間にか同じところに戻ってきてしまったり(ナビ画面を活用してるというのに),ということがしばしばあって愉快だが,現実を見ているようで泣けてくる。もともと親戚一同が不安になるくらいの方向音痴なので,先導は苦手なのだ。

 

ツーリングでは交通ルールを守って走るのもいいが,やっぱり一般車をすり抜けながらの爆走が楽しい。当然だが,前を走る仲間と自分とでは一般車を抜くタイミングが異なるので注意が必要。君達の華麗なドライビングテクニックを見せつけるチャンスだ 単独で走行中に声をかけてもらって合流した日本の方々。なんでも同じクラブに所属しているとかで,この後,ドリフトしながらのツーリングにも参加した。やはりチャットも日本語(ローマ字だが)だと安心できる

 

 

ほかのプレイヤー相手に即席レースで競い合おうじゃないか

 

マンガとかアニメとか国産ドライブゲームとかでおなじみなような気がする「パッシングにより突然始まるストリートレース」。女の子同士の熱いバトルという状況になっているが,格下の車だからってナメるんじゃないわよ!

 「のんびりドライブなんかごめんだ!」「オレはレースがしたいんだ!」「はっきりと白黒を付けようじゃないか!」(何のだかは不明)という方向性を求める人のために用意されているのがインスタントレースだ。オアフ島でばったり出会った見知らぬプレイヤーにレースを挑んだり,挑まれたりしちゃうんだからドキドキである。ふふふ。オアフ島最速伝説のこのUHAUHA様にかかってくるとはいい度胸じゃないか。お手柔らかにお願いしますね。

 

 インスタントレースのやり方は簡単で,オアフ島を流しているほかのプレイヤーに対して,後ろからパッシングするか(されるか)だけ。筆者はクラクションとパッシングのボタンを隣同士に設定しているせいか,クラクションを鳴らそうとしてパッシングしちゃってレースが始まっちゃってあわてちゃったりしているので君達も気をつけてほしい。

 

 レースはその場で始まってしまうため,自分の乗っている車やバイクじゃ明らかに相手にならなかったり,そもそもレース自体が面倒くさかったり,夕食の時間になっちゃったりした場合はキャンセルもオッケーだ。そう,相手の挑戦を受けるか受けないかは,挑戦を受ける側の判断にゆだねられるのだ。

 

 インスタントレースではパッシングを受けた場所がスタート地点となる。挑戦を受ける側がマップ画面上でゴール地点を設定すればスタートになり,あとは相手に負けないように華麗なドライビングテクニックでゴールまで突っ走るだけだ。賭け金を設定しておけば,レースに勝って天狗になって賭け金までふんだくれるわけだ(負ければ当然,相手に支払う)。この賭け金設定はインスタントレース画面ではなく,ゲームオプションで設定するので,うっかり見逃していて実はものすごい賭け金になっていた,なんてことがないように気をつけよう。

 

インスタントレースを受けるか受けないかは相手次第。断わられたらすぐにあきらめるのがセレブ。いくら断わっても何度も何度も申し込んでくる人がたまにいて困るのね 賭け金のあるインスタントチャレンジでは,勝てば相手から賭け金を奪い取れる。勝ち逃げという手もあるが,リベンジを申し込まれたら受けて立つのがマナーかもしれない

 

 

今週のハイライト:TDUのムービー2本を一挙公開

 さて,いくら「リアルなオアフ島」とか,「スバらしいグラフィックス」などと文字で書いても,隔靴掻痒の感なきにしもあらずなので,この際筆者が撮影したムービーを2本掲載しよう。内容としては,「ヒッチハイクのオヤジを乗せて目的地へ向かう途中で事故を起こす」と「ヒッチハイクのスーパーモデルをちゃんと送り届ける」というもの。
 言うまでもなく,モチベーションが違ったのである。スーパーモデルにいいところを見せようとドリフトをかけまくる筆者の下心がよく分かるムービーに仕上がっている。
 ハワイの空やホノルルの街の様子,そしてゲームの疾走感をぜひ堪能してほしい。

 

「ヒッチハイク オヤジ編」ダウンロード

ファイルサイズ:57.9MB(60,732,995バイト)

 

「ヒッチハイク スーパーモデル編」ダウンロード

ファイルサイズ:28.6MB(30,064,085バイト)

 

 

次回予告

 

 というわけで,今回はオンラインプレイのフリーライドモードの楽しみ方を中心にお伝えしてきたが,どうだろう? 本作が他に類を見ないようなタイプのドライブゲームだということがお分かりいただけただろうか。実際のところ,比較的分かりやすい英語だけでなく,ドイツ語(らしき言葉。もしかしたらスペイン語かも)でチャットしている人などもいて,そこにローマ字なんかも入り交じって全体的にコミュニケーションは取りにくい状況にあるが,走り出してしまえば言葉や国籍の壁は関係なし。オアフ島は実にワールドワイドであり,一流のセレブを目指すのであれば,もっと社交的に世界中のセレブとの交流を持とうじゃないか諸君。う〜ん,自分で言っててなんかかっこいいぞ! 世界に平和を!

 

 さて,これまでの連載を読んでくれた読者は薄々感づいていると思うが,まだまだオンラインプレイの要素は残っている。なにしろ「前編」ですからね。そこで次回は,「もっとレースを!」「オレの作った記録に挑戦してみろ!」といった,よりドライブゲームらしいオンラインプレイについて見ていこう。では,また来週。アロハ!

 

 

 

お気に入りの場所で写真を撮りまくろう

 今までの連載で掲載したスクリーンショットにも使っているが,好きな場所で愛車の写真を撮れるのもTUDのいいところ。ズームや回転などのカメラアングルの微調整はもちろんのこと,焦点距離,ぼかし,彩度,天候,時間,コントラスト,フィルター(セピアなど),キャラクターのオン,オフなど写真に効果を付けて撮影することも可能であるのだ。オアフ島で出会った人とツーリングの後の記念の一枚なんていかが?

 

 

■■UHAUHA(レーシングライター)■■
どうもこのごろついていないというUHAUHA氏。最近では,何かのはずみにマイカーのリモコンキーを壊してしまい,わざわざキーを車のドアに差し込んで乗り降りをしなければならないわ,自宅の庭では自分の車を家族の車にぶつけてしまうわ,さんざんだとこぼす。だが,リモコンキーなど持っておらず,というかマイカーすら持っておらず,家には庭がなく,家族がそれぞれ自分の車を持つような境遇にない担当編集者は,そんなUHAUHA氏の嘆きを右から左へ軽く聞き流すのである。「はあ,そうなんスか……」。
タイトル Test Drive Unlimited
開発元 Eden Games 発売元 ATARI
発売日 2007/09/28 価格 39.95米ドル
 
動作環境 N/A



【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/weekly/tdu/004/tdu_004.shtml