天城ミサトさん近影(松本隆一:画)これでベレー帽をかぶると,お隣の浜さんという気もする
人類の進化の行く末と同じく,どこへ行くのか分からなくなっているこの連載だが,臆せず前に進もう。家事能力に問題はあるものの,エージェントとしての腕前は一流という天城ミサトさんに,預けられた娘アスカちゃんは,戦いのなかでどうなっていくのか。ある種の「エキスパート」を目指し,基礎訓練を終えていよいよ実地訓練に入ったアスカちゃんの成長を,たどっていく。
早いうちから空手道場に通うなどして,格闘スキルを向上させてきたアスカちゃんだが,その甲斐あって最初の戦場である箱根……じゃなくて辺境の森林では,そこそこの戦果を上げられるようになった。訓練の成果は出ているようだ。
とはいえまだまだ序盤である。気は抜けないと思っていたら,案の定敵対勢力は,アスカちゃんを亡き者にしようと再びシト……じゃなくてシカクを送り込んくる。
マグマでも海中でもなく,脇道の先に潜む敵を殲滅
成長したアスカちゃんはこれを返り討ちにするものの,マグマ……じゃなくて脇道の奥には,より強力な敵が。シカクとの激しい戦闘を終えたあとということもあり,稼働限界を超えたアスカちゃんは幸か不幸か暴走することもなく,キューブに救出される。
そんな不首尾で自信を喪失するかと思いきや,ミサトさんの励ましや負けず嫌いな性格が幸いしてか立ち直り,再戦を誓う。そして,見事に敵を撃破したのである。
そうした訓練や実戦の一方で,学園生活のほうはどうなっているかというと,ぱっとしない男の子であるシンジ……じゃなかったケンイチや,トウジ……でなくジンなどのクラスメイトと交流しつつ,それなりにエンジョイしている様子だ。
そうこうするうちに中学2年から3年になった。まぁ何かとシンクロするための条件に,14歳があるわけではなかったようなので,このまま続けることにしよう。
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学業でも実力の違いを示す,天才アスカ様。難しい言葉といっても,ドイツ語のことではないと思うが |
どこかで見たような髪型の同級生と交流しつつ,学園生活もエンジョイするアスカちゃん |
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何かのパイロットスーツ。いや,そもそも14歳では着られないし,色も違うし,どうすればいいのでしょうか? |
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フライ ミー トゥー ザ〜♪ ……って,それ別の人! うーんと,フランク=シナトラとか?
こうして学園生活を送りつつ戦闘を続け,スキルも向上してくると,格闘スキルで扱える武器では攻撃力に限界が出てくる。プログレッシブ……じゃなくてアーミーナイフなどの簡単な武器では,威力が足りないのだ。というわけで,格闘スキルに加えて剣術スキルを学ばせる。
実によくあるパターン(青?)だが,パラメータを確認してみると,魅力や気品といったパラメータが絶望的に低いことに気がついた。このままではミサトさんのように,職業能力は高くても家事能力に問題が出てしまう。
というわけで,カフェやメイド喫茶などのアルバイトをさせて,それらの技能を学ばせる。加えてアイテムを大量に購入し,これでさらにブースト。幸い購入資金は,アスカちゃんがふんだんに稼いでいる。どこの特務機関の予算かは知らないが。
そうした生活を送る間にも,シカクは続々と現れる。さすがに手強くなってきたシカクではあるが,ミサトさんの手際もあって,どうにか撃退し続けることに成功した。
妖精の花園,星霊の城塞などを舞台になおもシカクと戦い,「エキスパート」としての能力に磨きをかけていく上げていくアスカちゃん。そのうち敵対勢力は現れなくなってしまったが,この番組は最終回まで油断できないのである。……最終回?
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高校生になっても,一緒にお風呂に入れるのが母親プレイである。風呂上がりは,やはりビールだろうか |
ミサトさんの誕生日を忘れているアスカちゃん。ミサトさんが微妙な誕生日を迎えることは,ある意味宿命だ |
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アスカちゃんはもちろん,年上の男性に好意を持つのである |
現実感の希薄なデザインの敵に精神攻撃を受けるアスカちゃん |
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妖精の国の女王になってほしいと,頼まれるアスカちゃん
さて,その後アスカちゃんはどうなったのだろうか? 実は高校3年になって間もなく,妖精の国と星霊の国から女王になってくれと頼まれてしまったのだ。そのときは悩んでいたらしいアスカちゃんだが,自信を持たせ,独立心を養う教育方針をとってきたためか,ミサトさんに相談することもなく妖精の国の女王として,新たな人生(?)を送ることに決めたのだった。
こうして,いまや住み慣れた第三新浜崎市を離れ,人であることすらやめてしまったアスカちゃんであるが,理由はよく分からない。高校に入ってから魅力や気品といったパラメータを上げ,何かとシンクロするための「繊細さ」も上げたことで,妖精界に取り込まれる資質を持ってしまったのかもしれない。
まあそれもこれも,アスカちゃんの望んだ結末である。とりあえず,強制的にエンディングを迎える作品でよかったと,曖昧なコメントを残しておこう。