― 連載 ―

スカッとゴルフ パンヤ アリンの「恋はチップイン」
最終ホール:アリンのハートにトマホークショット
決まると痛快! 7種類あるスペシャルショットの魅力

本連載での必要以上の露出が功を奏したかどうかは不明だが,我がアリンちゃんは現在最も多く見かけるキャラクターである

 誰でも手軽に楽しめる,カジュアルゲーム指向のオンラインゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」。これまでの連載記事を読んできた読者なら,もうゲームの基本面についてはバッチリだろう。むしろ,横道に逸れたプレイばかりしている筆者より良いスコアを出していても,なんら不思議ではない。
 筆者にとっては,バーディーやイーグルがどうこうといったスコアの話など,先日のアップデートで導入されたアリンちゃんの衣装に比べれば些事である。

 このような例は極端として,パンヤはキャラクターを愛でるヌルいプレイでも十分に楽しめる。しかし,よりハイレベルなプレイや成績を目指すための,特殊なテクニックがあるのをご存じだろうか。それが全部で7種類ある「スペシャルショット」だ。
 ショット時に特定のコマンドを入力することで,通常では成し得ないさまざまな効果を伴う「スペシャルショット」が打てる。今回は,これらスペシャルショットをはじめとした,中級者にステップアップするためのコツをかいつまんで紹介していこう。

 

タダで遊べて,キャラクターの女の子達は可愛くて,ゲームは面白くて,美味しいことずくめのオンラインゴルフゲームである

ボールの任意の位置をクリック(またはCtrl+カーソルキー)すると,打点の位置を変更できる。スペシャルショットでも必要になる

そしてついに,アリンちゃん用のヘアカラーが一気に7色も追加! この嬉しさは筆者の乏しい文章力では到底表現できない

 

 

 

パワートップスピン

「ボール上部を打点指定」+「↑長押し」+「パンヤショット」

パワートップスピン

「ボール上部を打点指定」+「↓長押し」+「パンヤショット」

 

 まずは手軽に出せる2種類を紹介しよう。ボールに縦方向の回転を加えることで,飛距離の長さを調整できるショットである。ここで初めて出てきた"打点指定"というのは,簡単にいうとボールの上を狙えば低めの軌道で,下を狙えば高めの軌道で飛んでゆくという意味。これに加えて「カーソルキー操作+パンヤショット」の条件を満たすことで,激しいスピンを掛けられるようになるのだ。

 「パワートップスピン」の入力が成功した場合,ボールが着地して静止した直後,キュルキュルとボールが回転して少しだけボールが前に転がる。具体的な用途としては,少しでも飛距離を伸ばしたい場面や,より多くのPPボーナスを獲得したいティーショット時などに使うのがよいだろう。仮にショットを失敗してもデメリットはないので,積極的に狙っていきたい。

 

 「パワーバックスピン」は,ボールが何度かバウンドしたあと早い段階でスピンがかかり,ボールがキュルキュルと回転して少し後ろに転がるというもの。この"早い段階で"というのがポイントで,結果としてボール着地後の転がる距離(ゴルフ用語でいうところの"ラン")を短く抑えられる。あまり長距離を転がられると困る場面,例えば狭いグリーンへのアプローチショットなど,活用したい機会はとても多い。7種類あるスペシャルショットの中でも,かなり役に立つ。

 

写真はパワートップスピンに成功した瞬間。パワーゲージに名前が表示されているのが分かるだろうか

パワーバックスピンでは黒い焦げ目をつけながら手前に戻ってくる。手軽な割には効果の高いスペシャルショットだ

 

 

パワーカーブ

「ボール右部を打点指定」+「→長押し」+「パンヤショット」
「ボール左部を打点指定」+「←長押し」+「パンヤショット」

 

 次は,横方向に回転を加えた特殊ショット。パワーカーブが成功すると,最初は斜め40度くらいの到底ありえない角度でボールが飛んでゆく。そして途中から反対方向へ急激なカーブがかかるというわけだ。ボールが最初に着地するポイントは通常ショットの軸線上に近いものの,その後は斜め方向にランが行われる。

 パワーカーブの実践例としては,真正面が崖や巨大な障害物によってふさがれている場合が挙げられる。高難度の"ウィズウィズ"では,そのようなコースをいくつか確認できる。ただし万が一パワーカーブに失敗,例えば1ドットの誤差でもパンヤショットに失敗してしまうと,想定していたカーブ効果をほとんど得られず,OBになる危険性が高い。失敗時のリスクがパワースピンよりも大きい点には気をつけてほしい。

 

一見とんでもない方向にボールが飛んでしまっているが,これはパワーカーブの効果によるもの。ちゃんと真正面に戻ってくるのがすごい

パワーカーブはこういった,真正面が障害物でふさがれている場合に有効。パンヤショット率に自信があれば,ぜひとも挑戦してみたい

 

 

パワーショット

「ショット前にAlt」(コンボゲージを赤1マス分消費)

 

 パンヤショットに成功すると,画面上部にある黄色の"パンヤコンボゲージ"が少しずつ溜まっていく。ゲージがある程度溜まると赤いマスへと変わって使用可能になるのが,これから紹介する3種類のショットだ。赤ゲージがないと使えず,これまでのショットと違って使用回数に制限があるものの,際立った効果がある。

 「パワーショット」は,ゲージを消費するタイプでは最もオーソドックスなもの。使用するとショット時のカーソル移動が速くなり,合わせるのが難しくなるが,通常よりも飛距離を伸ばせるようになる。中級者になると,これを狙って打つというよりは,後述する2種類が失敗して結果的にパワーショットになるというケースが多いだろう。

 

画面上部の赤いゲージを消費するパワーショット。このようにキャラクタが光り包まれ,いかにも何かすごいことが起こりそうな雰囲気

アイスバーンなどを利用して,少しでも飛距離を伸ばしたいときにも重宝する。トマホークに自信がなければ,積極的に使っていこう

 

 

トマホーク

「パワーショット」+「↑↓」(バー下降中の半分未満で)+「パンヤショット」

 

 パンヤ最高の大技といえるのが,この「トマホーク」である。成功するとボールが炎に包まれ,空高く飛んでいく。そして狙った地点に爆音と共に着弾し,しかもランが発生せずに停止するのだ。
 通常のパワーショットでは,1番ウッドでの飛距離が"244ヤード"と表示されているとすると(Max距離で打てた場合),実際は210ヤード程度の地点に着地したあと,ランの距離を足して合計244ヤード前後になる。しかしトマホークショットが成功すると,ノーバウンドで約244ヤード飛び,着地点でピッタリ停止するのだ。
 普通に打つと絶対に届かない場合や,高い場所にあるグリーンでも,トマホークであれば一気に辿り着ける。何よりも見た目が格好いいので,最初はトマホークが決まっただけでも面白くて仕方がない。難度は高いものの,これが高確率で決まるようになれば相当なスコアアップが期待できるだろう。

 

トマホークに成功すると,ボールが炎に包まれながら飛んでいく。初めて見たプレイヤーは,さぞかし驚くのではないだろうか

着地後はランが発生せず,その場所でピッタリ止まるというのがとてもユニーク。長距離巡航ミサイルの名前は伊達じゃない

 

 

コブラ

「パワーショット」+「→↑」(バー下降中の半分未満で)+「パンヤショット」

 

 入力条件はトマホークと似ているが,ボールの軌道は対照的なこのショット。最初は超低空飛行でボールが飛び,途中から一気に上昇して一気に落ちるというものだ。横から見たボールの軌道がコブラに似ているため,このように名付けられたと思われる。具体的には,例えば"ウィンドヒル"の風車を下からくぐり抜ける場合などに役立つだろう。しかし,ほとんどの場合はトマホークでも代用が利くためか,実際に使っている人はあまり見かけない。仮に「消費ゲージがトマホークよりも少ない」といったバランスならば,使い分けができて面白かったかもしれないが。

 

少々分かりづらいが,コブラによってボールが急激に上昇した瞬間。このまま空高く舞い上がり,そしてすとんと落ちる軌道だ

写真の状況では,普通に打つと壁の天井に当たってしまうかもしれない。このような場合でも,コブラなら下をくぐり抜けられる

 

パンヤショット率を高めながら徐々にステップアップしていこう

どうしてもパンヤショットを出したい場合,各種アイテムを使うという手もある。絶対に失敗できない局面のために用意しておこう

 それでは次に,初心者が実際にスペシャルショットを練習するためのアドバイスだ。まず最初に確認しておきたいのは,これらのスペシャルショットには,"パンヤショットの成功"という共通条件があること。これは「パンヤ ジャパンカップ2005」で2位の成績を収めた"Lilis."選手も言っていたが,初心者はパンヤショット率を大体50%前後まで高めるのが何よりも先決である。パンヤショットの練習は,常に不可欠ということだ。
 ただしパンヤショットの成功率が低い人でも,スペシャルショットのキー入力の練習は可能だ。まずはパワートップスピン,パワーバックスピンなど簡単なキー入力のショットから練習し,徐々にトマホークやコブラの練習も始めよう。ショット自体は発動しなくても,ゲージの上に矢印が表示されていれば問題のキー入力は成功だ。
 なお実戦では,パンヤショットの成功率を上げる"ラッキーパンヤ"や,パワーゲージの変化速度が下がる"神経安定剤"などといった消費系アイテムを使うのも手である。

パンヤショットが思うように出せない腕前のうちは,ここ一番のシーンでスペシャルショットに賭けるのは控えたほうがよいだろう

 パワーショット関連は,コンボゲージを消費するため,普通のプレイでは繰り返して練習できない。そこで,「ひとりで練習」のゲームモードを利用するのがお勧めである。パンヤでは仮にアイテムを用いても,ホールが終了するまでは実際には消費されない。つまり"体力増強剤"でコンボゲージを増やしてパワーショットを行ったら,即座にゲームを中断。これを繰り返せば,ノーリスクでトマホークなどを練習できるのである。少々抜け道的な方法だが,覚えておくといいだろう。

 

"コントロール"のステータスを高めると,ショット時のバーの動きがゆっくりになる。パンヤショットも狙いやすくなるだろう

写真の状況では強く打つとバンカー,弱く打つと穴が待ち受けている。このようなときこそ,パワーバックスピンの出番だ

トマホークやコブラは,キーの入力が難しい。パワーゲージが下降時に半分,つまり写真だと128y未満でなければ入力が無効となるのだ

 

「ひとりで練習」モードでアイテムを使い,直ちに終了。あまり褒められた方法ではないが,現状ではこの方法が最も練習しやすいようだ

トマホークは難度が高いものの,一度使えるようになるとやみつきになってしまう。このような崖っぷちでもピタリと止められるのだ

パンヤショットの成功率を高める以外にも,ゲーム中にはさまざまな用途のアイテムが用意されている。使いどころを少しずつ覚えていこう

 

恒例のライター対編集者パンヤ対決も最終決戦

 筆者と担当編集者とがトホホな激戦を繰り広げる本企画も,今回で5回めを迎える。これまでの対戦を通じて,両者とも右往左往しながらもノウハウを積み重ね,なんとか脱初心者といえるレベルにはなれただろう(約1名を除く)。そこで今回は思い切って,"シルビアキャノン"に挑戦してみることに。

シルビアキャノンの舞台はなんと軍艦の上。ヘリや戦闘機が所せましと飛び交い,ほかのコースとは何から何まで違う印象

 シルビアキャノンは,軍艦の甲板をモチーフにしたパンヤ随一の仰天コース。プレイヤーの間では最もトリッキーかつ高難度のコースとして知られており,先日行われた「パンヤ ジャパンカップ2005」では決勝戦の舞台に採用された。現在の我々にとっても,ふさわしい舞台といえよう。全国大会の決勝戦にコマを進めるほどの実力者である筆者の腕を,ここで存分に披露しようではないか(編集部注:川崎氏は飛び入りのゲスト参加)。

 今回は記事中でも大きく取り上げている,スペシャルショットを積極的に使っていきましょうと筆者は最初に提案。するとKawamura氏は「今までもずっと使ってましたよ?」と,首をかしげている様子。しかし筆者が知る限り,彼がトマホークに成功したことは一度たりともない。そこで,各スペシャルショットのコツをレクチャーしながら対戦を行うことにした。「見てて下さい,こうやるんですよー」と言いつつ,ミスショットを連発する筆者。まぁ,我々の対戦ではよくある光景である。

 

中でも厄介なのが,軍艦から発射される大砲によって風向きが大きく変化すること。ショット時はくれぐれも気をつけたい

 しかしながら,筆者はこのようなお遊びプレイを行いながらも,今回ばかりはKawamura氏に負ける気がまったくしなかった。理由は,各ホールにおける攻め方のセオリーを,両者が知識として持っているかいないかの違いである。筆者が現在これらを多少なりとも吸収できているのは,やはり「パンヤ ジャパンカップ2005」の存在が大きい。あの舞台にプレイヤーとして参加した経験が,筆者を大きく成長させていたのだ。

 試合内容については細々と説明するよりも,スコアカードを見てもらうほうが手っ取り早い。1ホールを除いて,筆者の圧勝という結果である。そして今回はシーズン2の目玉機能である"スキンスモード"でプレイしていたため,トータルで2010PPを獲得した。
 だが今の筆者はスコアの優越よりも,スペシャルショットを決めること自体が面白くてたまらない,というのが正直なところ。トマホークを代表とするスペシャルショットには,そう思わせてしまうほどのド派手な演出効果があるのだ。

 

画面上にあるオブジェクトは,すべてが障害物というわけではない。中にはボールの当たり判定がないものもある

Kawamura氏は先日導入されたチャイナ服を購入してご満悦。白いタイツと組み合わせているあたりに,彼の性癖が垣間見える

一方の筆者はというと,パンヤカフェユニフォームをフルセットで購入。あまり人のことをどうこういえない気もしてきた

 

前回に引き続きスキンスモードで対戦した。コースごとにお互いのPPを賭け,ときには数千PPに達するという恐ろしいゲーム

今回は対戦そっちのけで,積極的にスペシャルショットを狙ってみた。今はもうこれが楽しくて仕方がない

Kawamura氏も負けじと挑戦。しかし写真をよく見ればわかるように,なかなかパンヤショットが決まらずに苦労していた様子

 

しかし筆者もミスショットを連発してしまう。キー入力をパンヤショットの,どちらか片方だけに意識がいくと失敗しやすい感じ

試合内容に関しては筆者が手堅く勝利するホールが続く。写真のパッティングでは一気に560PPを獲得!

筆者が唯一落とした14ホールでは,このような事態が発生していた。アンプレイアブル宣言の方法が分からないながらも余裕のチャット

 

スペシャルショットを使いこなせるようになるだけで,面白いようにスコアが良くなっていく。そのことを実感した今回の対戦であった

写真のホールでは800PPが賭けられているので,念には念を入れたい。このような場合では各種アイテムの活用がポイントとなるだろう

パッティングのとき,Altキーを押すと自分が透けて表示される。ライン取りを確認しやすいので基礎知識として覚えておこう

 

煙突のような障害物のわずかな隙間を,これからトマホークで抜けようというところだ。さて,その結果は?

やっぱり直撃! せっかくトマホークの入力に成功したのに,これはかなり悔しい。コースによってセオリーを知らないと,かなり苦労する

しかし次のショットでは無事に成功し,しかもピンから3ヤードの好位置に着弾。今回の対戦ではこの瞬間がもっともアツかった

 

 

結局は2000PPを越える大差をつけて筆者が勝利。仲の良い友達とスキンスモードで遊ぶときは,気をつけたほうがいいかもしれない

 本連載の主旨はあくまでも,パンヤの未経験者にゲームの魅力を伝え,初心者が戸惑わないようプレイの手ほどきすることにある。そしてその目的は,今までの連載を通じて自分なりに果たしてきたつもりだ。今回で本連載は終了するが,この連載をきっかけにパンヤを始めてくれたプレイヤーには,今後もより深くパンヤの魅力を追求してもらいたい。

 

▼今回のスコア▼

上が筆者で下がKawamura氏。今回筆者のスコアは,ほぼイーブンパーで進行している。これもスペシャルショットのおかげだろう

 

■■川崎 政一郎(ライター/記者)■■
回を追うごとに,ゴルフゲームなのかギャルゲーなのか分からなくなっていった本連載。まさに川崎氏の人格改造は大成功といった感じだが,はて,いったい誰が成功を望んでいたのだろうか。ちなみに今回は40枚以上のスクリーンショットが掲載されているが,男性キャラがとんと見当たらない。一応パンヤには男性キャラも用意されているので,男性ゴルファーファンもご安心を。
タイトル スカッとゴルフ パンヤ
開発元 Ntreev soft 発売元 ゲームポット
発売日 2005/05/27 価格 無料(アイテム課金),フロンティアグルーヴ販売のパッケージ版は2100円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP CPU:Pentium III以上(Pentium 4以上推奨),メインメモリ:256MB以上(512MB以上推奨),グラフィックスチップ:GeForce 2 MX以上(GeForce 3 Ti以上推奨),グラフィックスメモリ:16MB以上(64MB以上推奨),HDD空き容量500MB以上(700MB以上推奨),DirectX 8.1以降(9.0c以上推奨)

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