― 連載 ―

コサックスII 大陸軍の軌跡
第3回 高地の奪取と渡河がポイントの「歴史上の戦い」

「歴史上の戦い」各シナリオの冒頭では,歴史的背景とともに地図と両軍の配置,戦略目標などが示される

 さて今回からいよいよ実戦編に入っていく。各ゲームモードを追いながら,実際のプレイの仕方を解説していこう。まずは「歴史上の戦い」からだ。
 このゲームモードは資源の採集やユニットの生産といった内政要素を完全にカットし,純粋に戦闘のみを行うもの。一度に動かすユニットが多いため操作は大変だが,それこそが「コサックスII 〜皇帝ナポレオン〜」(以下,コサックスII)の醍醐味でもある。
 ちなみにこのモードではポーズ中にも画面を自由に見渡せるし,ユニットに対して指示も出せるため,操作が忙しいという人は,適宜ポーズをかけながらじっくりと取り組んでいこう。本連載では,日本語体験版にも収録された「アスペン・エスリングの戦い」と「アウステルリッツの戦い」を例に解説していく。

徒渉点=突破地点選びが鍵の,アスペン・エスリングの戦い

 この戦いに限らず,「歴史上の戦い」では川の渡渉地点の扱いがクローズアップされていることが多い。渡渉地点で勘案すべきは,下が湿地であるということだ。これは必然的に,

  • (1)ユニットの移動速度が低下する
  • (2)カノン砲弾が地面を転がらない(最初の着弾地点で止まる=砲撃の効果がほとんどない)

 という二つの事柄を意味する。


渡河が戦術上の重要なポイントとなる「歴史上の戦い」では,じっと我慢して,敵に先に川を渡らせたい

 (1)については,主に後退しようとした場合にデメリットとして表れる。敵味方が普通に正対して互いに距離を詰めようとしている段階では,移動速度の違いはほとんど関係がない。しかるべきタイミングで銃を撃てばよいだけだ。しかし,いったん射撃した後や,強力な敵が向かってきたといった理由で後退に移った場合,湿地上の部隊は動きが鈍いため,瞬く間に距離を詰められてしまう。
 後退している最中は敵に背を向けているため,そこで銃撃を受けると士気の低下度合いが2倍と大きくなり,かなりの損害を出してしまうのだ。

 コサックスIIでは,120名で組む歩兵の隊形(猟歩兵などを除くほとんどの歩兵部隊)はすべて移動速度が同じなので,歩兵部隊同士で一方的に距離を詰められることは通常ないのだが,湿地は例外なのである。
 この観点からいえるのは,「いったん川を渡り始めたら,とことん前進すべし」ということだ。しかし,敵は川の向こうで横隊の守備モードを取ることで大幅に防御力をアップさせて待ち構えている場合が多い。あくまで渡り始めたら,であって先制攻撃が有利という意味ではないので注意が必要である。

 (2)は一見地味だが意外に重要な点だ。とくに「歴史上の戦い」では川を挟んで向かいあう状況が意図的に演出されているため,影響が大きい。
 通常,カノン砲弾は最初の着弾地点から一定の距離を真っ直ぐに転がって途中にいるユニットを倒し,最後に爆発する。いわば直線状の範囲攻撃となっているわけだが,最初の着弾地点が湿地だと砲弾がそこで止まってしまい,ほとんど敵ユニットを倒すことができない。
 つまり,敵のカノン砲に対する対策としては,湿地の上か湿地のすぐ後ろに陣取るのがベストということになる。

 以上の点に注意しながらマップ全体を見てみよう。地形や状況を"読む"ための練習と考えてほしい。

 戦場は大きく三つに分かれている。A地点,B地点,C地点ともに川を挟んで向かい合う形で大きな差はないように見えるが,C地点のみ迂回路が用意されていて,右下側から大きく回りこむことが可能だ。
 こういう場合,それぞれの地点で別々に戦って,全面撃破を目指すという方法での勝利も不可能ではないのだが,より効率的に,つまり少ない損害で勝利するためには,どこか楽な地点をまず突破し,そこを足がかりにして残りの2地点を攻略するという作戦でいきたい。
 では突破しやすい地点はどこだろうか。条件によって有利不利はいろいろと考えられるが,ここでは次のような理由から,A地点が最適と判断した。

  • ●渡渉地点の幅が広い(横幅が広く陣取れたほうが一斉射撃に有利)
  • ●味方に大砲が3門あって敵陣に風穴を開けやすく,敵には大砲がない
  • ●敵に騎兵部隊がいない
  • ●敵部隊に射撃の得意な選抜歩兵がいない

 いっぽうB地点は味方の戦力こそ豊富なものの,高台に陣取っている敵の選抜歩兵が怖いし,小さな林があって射撃の邪魔になりそうなので除外する。同様に,C地点は渡渉地点の幅が狭いのと,敵に強力な騎兵部隊がいるので除外した。
 それではA地点からの突破を目指して開戦だ。

 まずは大砲に指示を与える。重カノン砲とりゅう弾砲とがあるが,どちらも集中運用が基本だ。地点ごとに一か所を狙わせよう。砲撃方法はユニットを直接狙うのでなく対地攻撃(エリア攻撃)がよい。Tキーあるいは砲弾のグラフィックをクリックし,攻撃地点をクリック。これで指定した地点にえんえんと砲弾の雨を降らせ続けてくれる。

 B地点には敵の大砲が3門あるので,ある程度の損害は覚悟しよう。味方をあまり密集させないようにし,敵が近づいてくるまでは最前列の隊列以外は後ろに下げておく。敵が近づいてきたら国土防衛兵2部隊が一斉射撃すれば,撃退できるはずだ。

 C地点では隙を見せると敵の騎兵部隊が突撃してくるため,無駄に撃って弾を切らさないようにしよう。位置的にはフュージリア兵部隊を若干前に出すと完璧だ。味方のカノン砲の砲手が敵の猟歩兵に狙われやすいので,注意したい


 さて問題のA地点。まずは中央の方陣隊形の国民軍部隊を,こちらの大砲3門で集中砲撃する。多少時間はかかるが,それだけでこの国民軍部隊は潰走するはずである。これで攻撃の突破口が開けるので,続いてフュージリア兵部隊を二つ並べて前へ出し,一斉射撃できる態勢にする。

 騎兵を側面に配置しながら,少しずつ前進する。士気が50以下の部隊であれば,一斉射撃を浴びせることによって,画面で緑色のゾーンへの射撃でも,隊形を崩壊させられるはず。潰走した敵兵士は周辺の部隊の士気を下げるので,その連鎖でどんどん全体の士気を下げることが可能だ。

 ついにA地点を確保。後は道路沿いにB地点やC地点へと向かい,残りの敵を包囲してしまおう。ちなみにテント周辺に敵の逃げた兵士が固まっているが,そのままスルーすればとくに攻撃してこない。勝利条件である戦略地点の確保に集中しよう。

敵から高地を奪い取る,アウステルリッツの戦い

圧倒的に不利な布陣からスタート。目指すはあの丘(プラッツェン高地)の頂上だ

 この戦いでは,高地に陣取る敵とのハンデを,どう克服するかがポイントになる。高地にいる部隊は射程が延びるため,高低差のある部隊同士が撃ち合った場合,高地にいる側が圧倒的に有利になる。このマップでは,プレイヤー側であるフランス軍は完全に低地側にいる。そのまま前進していくと明らかに不利だ。
 この不利を埋めるためには,なるべく敵の側面を取ることが重要になる。敵を正面と側面から包囲する形に持っていくわけだ。とはいえ側面に兵力を回しすぎると,正面から突破されて目も当てられないので,正面には十分な数の歩兵部隊を残しておく。
 また,この戦いでは選抜歩兵をうまく活用したい。選抜歩兵は銃の火力が130と通常の歩兵より高く,射程も長いため,高低差による不利をある程度埋められるからだ。
 後はやはりアスペン・エスリングの戦いと同様になるが,突破しやすい地点を選んで足がかりとし,残りの地点は防御に徹するというのが,最小限の損害で勝つための近道といえる。

 A地点から突破する。A地点は側面が大きく空いているため,包囲する形にもっていきやすい。猟歩兵が2部隊いるので側面を衝きやすいし,敵に騎兵がいないのも好材料である。
 それに対してB地点は敵の部隊も多く,火力の高い国境警備兵部隊もいるのであきらめ,防御に徹することにしよう。そしてC地点は敵味方ともに戦力不足なので,主戦場にはならないと判断した。しかし味方には選抜歩兵がいるため,これはぜひうまく使いたいところだ。
 なお,このマップでは三つの戦場おのおのが互いに近い位置にあり,敵AIが中央のB地点にいる戦力をA地点やC地点に割いてくる可能性もあるため,注意が必要だ。この戦力で守れると思っていたら,いつの間にか敵が1部隊増えていて守りきれなかった,という展開もありうる。常にマップ全体に目を光らせ,敵部隊の配置を確認しながら進めるようにしよう。

 B地点は敵と味方の間にある森が嫌な感じだが,不用意に動くと守備モードが解けてしまい,隙ありとみて敵AIが突撃してくる場合がある。ここはとりあえずそのままの配置を保っておきたい。ただし,カラビニエ騎兵は最重要部隊なので,敵の大砲に削られないように後ろに下げるか,山の陰に隠しておくかしよう。
 また分かりにくいが,後ろのほうに重カノンが2門あるので,うまく使いたいところ。対地攻撃か,あるいは自動砲撃にしておけばよいだろう。

 C地点もとりあえず守備モードになっているため,そのままにしておく。ただしフザール騎兵は側面に展開しておこう。近くにあるりゅう弾砲に攻撃指示を与えるのを忘れないように。


 そしてA地点である。国民兵部隊とフュージリア兵部隊で正面を支えることにし,てき弾兵部隊2部隊と猟歩兵2部隊を側面に展開する。側面にてき弾兵を使う理由は,疲労に強いため長距離の移動に耐えられるからだ。

 あまり無理して前進しようとせず,側面から猟歩兵で敵の隊形の士官や旗手などを狙いながら,隙をうかがう。うまく包囲できれば作戦勝ちである。そうしたら敵は我慢できずに突撃してくるので,あとは一斉射撃を浴びせればよいだけだ。

 B地点ではときどき敵部隊が前進してくるかもしれない。しかしここは甘んじて敵の射撃を受けよう。味方のフュージリア部隊は守備モードに入っているため,どのみちそれほど損害は出ないのだ。敵に撃たせたら,弾切れしたところにカラビニエ騎兵を突撃させて蹴散らせばよい。

 C地点も同様に,敵に撃たせる。そして弾切れしたところをフザール騎兵で蹴散らそう。そして,丘の上の敵歩兵部隊が居なくなったら,いっきに丘を登る。中央に残っている敵を包囲するのだ。

 両翼から中央を包囲する。ここまで来たら勝ったも同然だが,焦らずじっくりと前進しよう。フュージリア兵や国民兵は疲労しやすいので,いっぺんに長距離を移動させないようにする。最後にB地点に残していたカラビニエ騎兵と合わせて両翼から同時に攻撃をかければ,残っていた敵部隊はひとたまりもなく壊滅するだろう。


 このように,史実とはかなり異なる展開を見せるわけだが,参考になっただろうか。今回解説した二つ以外の八つの戦いでも,基本は変わらない。川の渡渉地点での攻防,高地をどう攻略するかの2点がマスターできていれば,勝ち抜けることだろう。
 次回は「ヨーロッパの戦い」モードを解説/攻略する。ナポレオンが果たせなかった全ヨーロッパ制覇に挑戦してみたい。

■■Sluta(ライター)■■
"コサックスシリーズ"のプレイヤー達の間では言わずと知れたベテランプレイヤー。通っている大学で,あるときオンラインゲームを取り上げる講義があって,そこには「ラグナロクオンライン」や「Lineage」「大航海時代オンライン」が登場。だが彼が驚いたのはそのこと自体よりも,講師がきちんとプレイしていたことに対してらしい。いや,学者さんが研究対象に真摯に向き合うのは正しいことなんだけど,そこに妙なおかしみが生まれるのは,むしろ日本におけるアカデミズムの立ち位置を問う意味で面白いということなのかもしれない。
タイトル Best Selection of GAMES コサックスII〜皇帝ナポレオン〜
開発元 GSC Game World 発売元 ズー
発売日 2006/10/13 価格 3990円(税込)
 
動作環境 N/A

(C) 2005 CDV Software Entertainment AG. All rights reserved. CDV, the CDV logo and Cossacks II - Napoleonic Wars are either registered trademarks or trademarks of CDV Software Entertainment AG or GSC Game World in the US and/or UK and/or other countries.