― 連載 ―

カジュアルゲーム

 

カジュアルゲームの時代だとお姉さんは思う

 冒頭から偉そうで何なのだが,今一番勢いのあるゲームジャンルはMMORPGではなく,FPSでもRTSでもなく,実はカジュアルゲームなんじゃないかと思っている。
 麻雀やカードゲームといった時代の流行に左右されない定番系とは別に,豪華で可愛らしいビジュアル,ちょっとしたアクションや駆け引きが楽しめるシンプルで熱いゲーム性,溜めたポイントで着せ替えが楽しめるなどのオマケ要素も持った「今どきのカジュアルゲーム」は,この1年で驚くほどそのバリエーションを増やしているのだ。
 本連載では,そういったゴージャスな「今どきのカジュアルゲーム」のお勧め作を,次から次へと読者の皆様にお届けするのが目的だ。ちなみに担当編集氏いわく,この連載を筆者に任せた理由は「レースゲームが笑っちゃうぐらい下手なのを見て,レース物が多いカジュアルゲーム連載で大いになごもうと思ったから」とか。

連載第1回 クリスタルボーダー

 第1回で取り上げるのは,ジークレストが同社のゲームポータルサイト「アットゲームズ」を通じて配信する,オンラインスノーボードゲーム「クリスタルボーダー」だ。
 スノーボードが題材である本作の魅力は,なんといっても手軽に味わえるハイスピード感。レースゲームのように平坦な道路を走るのではなく,急勾配をツルツルと滑り降りていく快感が,実にたまらないのだ。雪山のみならず,「ありえない!」というようなコースまでボードで滑ってしまう,無茶な設定もグッド。何を隠そう,本作は筆者イチオシのタイトルである。

 

 

 8月24日に正式サービスが開始され,新キャラクター,ペット,ファッションアイテムを販売する「アイテムショップ」,アイテムの装着やキャラクターチェンジが行える「マイルーム」機能がいよいよ実装された。これまで寒そうな初期装備しか選択できなかったトーヤとリディアに,思いっきりオシャレさせられるのだ。もちろん正式サービス後も,ゲーム自体は無料で遊べる。

 

 スノーボードに乗りひたすら猛スピードで坂を下っていくわけだが,基本ルールは既存のレースゲームとほぼ同じで,障害物をよけながら制限時間内にコースを完走することが目的。操作方法はカーソルキー左右の移動と,上下カーソルキーのアクセルとブレーキのみで,極めてシンプル。途中に設けられたジャンプ台やコースの地形でジャンプしている間,空中で「Altキー」や「Shiftキー」とカーソルキーを押して決める「トリック」(技)が,「テックポイント」として加算されるのがスノボっぽい要素だ。無事完走すると,タイムとテックポイントの総合判定によって,経験値を獲得する。

 

 

 オープンβ開始直後のコースは,どれも難度に大きな差はなく,ただ障害物を避けるだけだったが,その後のアップデートでは仕掛けもふんだんになり,トリッキーなコースもだいぶ増えた。この手のゲームを得意とする,上級プレイヤーが退屈しない工夫もなされているのだ。
 またアイテムショップでは,キャラクター別にヘアスタイルやスノーボード用の新しいウェアなどが販売されている。これらの衣装は単なるオシャレアイテムだが,ペットだけは少し異なる。リディア&トーヤが乗っているスノーボードは,実はペットが変身したもので,アイテムショップで購入できるようになった新ペットは,価格によって最大6%まで速度が上がる。購入にはクリスタルボーダー専用通貨「RC(レッドクリスタル)」またはゲーム内で溜められる通貨「BC(ブルークリスタル)」が必要だ。

 

キャラクター紹介

トーヤ
プロスノーボーダーの両親を持ち,本人もアマチュア界のトップに立つサラブレッドの16歳。リディアとは幼馴染だそうで

リディア
父親がトーヤの両親の元ライバルで,スノーボードの腕前はトーヤに負けないという女の子。トーヤのことが気になるそうで

ユフィ
8月24日から使用可能になった有料キャラクター。何やら地殻変動で危険な目に遭いかけたところを,トーヤに救われたそうで

ステージ・ゲームモード

 ここから先は,実際のレース画面を交えつつ,クリスタルボーダーの具体的なゲーム内容をお伝えしよう。
 まず,ゲームモードには「レース」と「ジャンプ」の2種類がある。このうちジャンプモードは,制限時間内にコース最終に設置されたジャンプ台にたどりつき,かつジャンプ台からの飛距離で順位を競うというもの。一方のレースモードはごく普通に,ゴールまでのタイムを競い,完走できなければ経験値が入らないシステムだ。現時点ではレースのほうが圧倒的に対応コースが多い。

 

ジャンプモードのコースは,今のところ三つだけ。ラストに控える大ジャンプ台までの道のりは結構長く,ある程度は普通に滑る必要がある 画面下部の「クリスタルゲージ」が溜まっているなら,最後の大ジャンプ台の直前で「Ctrl」キーを押して超加速! 飛距離にかなりの差が とはいえ,実は序盤でコースの罠にはまり,リタイアした回数のほうが本当は多かったりして。いや,別に罠じゃないんでしょうけどね……
レースモードは最初3種類のコースだったが,今では11種類にまで増えている。どれも地形の起伏や仕掛けが面白く,飽きがこない 「★★★」(多いほど難しい)の割に走りやすく,初心者にオススメしたいのが「LOST CITY」だ。障害物やコース全般にクセがない 難度が上がり,慣れないうちはゴールすら許されない「W.MILKY WAY」や「AQUARIUM BEACH」。ここで1位が取れれば一流ボーダー

スピードとトリック

 ジャンプモードは参加者が少なく,対戦相手を探すのが大変なため,本連載ではレースモードのテクニックを中心に画像で紹介しよう。
 最初のうちは,滞空中に技を決める「トリック」はあまり意識せず,「とにかくミスをせず完走する」を目標にすること。それよりもコース取り,ショートカットの位置,ジャンプする角度と着地地点の障害物などを体に叩き込むのだ。慣れてきたら,加速やジャンプのタイミング,高いテックポイントを出す組み合わせを考えて,高度な滑りを披露しよう。

 

ミニマップと見比べてもらうと分かりやすいが,正規のルートを外れてコースを大胆にショートカット。これを数回繰り返せば,ゴールタイムは1分以上縮められる ジャンプできる地点が近づいたら,「Shiftキー」の長押しでジャンプ力を溜める。直前で手を離すと滞空時間が長くなり,トリックがより多く出せるというわけだ

 

何種類ものトリックを組み合わせると,コンボが発生して高い得点に結びつく。着地までの時間が長いほどさまざまな技を繰り出せるので,滞空時間が重要なのだ 黙っていても滑り続けるため,ちょっと油断するとコースを外れて,とんでもない位置に引っかかったりする。さっさと「R」キーでコース復帰したほうがいい場合も

対決

 さて,ただゲーム内容を紹介しただけでは,お姉さんの名がすたる。本連載の真の目的は,4Gamer編集者を一人ひとり,題材となったカジュアルゲームで闇に葬ることにあるのだ。そう,この記事の最後に待つのは「カジュアルゲーム対決」である。
 というわけで,この連載の担当編集者であるKawamuraに,さっそく挑戦状を叩きつけたところ,「えーめんどくさい。一人でやれば?」と突っ返された。な,なんだそりゃ! あんたのそういうところが! 溜まりに溜まったこの恨み,このクリスタルボーダーで晴らしてくれる!

 

麻生ちはや
フリーライター。本記事を毎週執筆する立場の人である。このたびはビックリするほど下手なゲームの腕を買われて,本連載の担当ライターに抜擢された

Kawamura
4Gamer編集者。本記事を企画し,ライターに原稿を書いてもらうよう依頼する立場の人。原稿が書き上がるまでの間,何をしているかは秘密だ

 

 

 というわけで,編集者vs.ライターという悪夢の対決がここになんとか実現した。もちろん筆者はこの日のために,友人にも協力を求めて「★★★★」の高難度コース「W.MILKY WAY」を繰り返し特訓。あらゆるショートカットを熟知して対決に臨んだ。一方のKawamuraは,あまりこのゲームで遊んでいないという。担当のくせに! そういうナメた仕事態度を許すことは到底できないので,この機会に雪中深く埋めてくれる!
 ……が,アッサリ敗北。しかも敵に「このコースをプレイするのは初めてです」などと,憎らしいことを言われる始末。やむなく奥の手「もちろん3本勝負ですよね?」を繰り出し,勝負はさらに続くのであった。

 

 2試合目はKawamura氏が「LOST CITY」を選択。ここでも中盤あっさり抜かされたあげく,あせって派手に転んだのだが,ショートカットをいくつも駆使して,なんとか1位を取り戻し,1勝1敗に。ようやく経験の差が如実に表れてきたようである。
 そして3試合めは,初めての人はまず完走すら不可能な難コース,「AQUARIUM BEACH」を選ばせてもらった。卑怯だとは思うが,正直,負けるわけにはいかないのである。複雑なルートや仕掛けが各所に設置されたこのコース,筆者は堂々の完走,おまけにテックポイントも6000台となかなかのものだ。一方のKawamura氏は狙いどおり,手も足も出ずリタイアという惨憺たる結果に。いやぁ,カジュアルゲームって本当に面白いですね!
 次回はどんな因縁の対決か,お楽しみに〜。

 

 

 

 

■■麻生ちはや(ライター・お姉さん)■■
4Gamerのスタッフが冗談半分でコーナー名だけ思いついたような企画記事を,いつも実際にやらされる不遇のフリーライター。今回も,いつものように「名前だけ決まったんですけど,中身とか何も決まってないので,方向性をそちらで考えて原稿書いて送ってください。締め切りは週明けです。さぁ今すぐ取り掛かってください。まだですか! 早くしてください! もう,イライラするなあ!」といった発注のされ方だったとか。
タイトル クリスタルボーダー
開発元 WRG 発売元 ジークレスト
発売日 2006/08/24 価格 基本料金無料(アイテム課金)
 
動作環境 対応OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以降),Pentium III 700MHz以上[Pentium 4 1.6GHz以上推奨],メモリ512MB以上[1GB以上推奨],HDD空き容量:500MB以上,3Dに対応したグラフィックスメモリ32MB以上のGeForce2MX相当のグラフィックス環境[グラフィックスメモリ64MB以上のGeForce FX 5200/Radeon 9200相当以上推奨],ADSL 1.5Mbps以上のインターネット接続環境

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