プレイヤーは一人の兵士となって,オンラインでつながった戦場を駆けめぐる。画面はこのような感じで,自分自身の姿は見えない
さて,今さら言うのもなんだが,FPSとは一人称視点のシューターのことだ(※)。プレイヤー,つまりあなたは対立する二つの軍のどちらかの兵士となって戦場に臨み,仲間達と連携し,スコープに敵の姿を捕らえ,あるいは戦闘機を駆って自軍の勝利を目指す。
時は1990年代。世界最大の石油埋蔵量を誇るDERBARAN軍と,それを狙うN.I.U軍が戦うという設定だ。時代背景から分かるように,登場する武器や兵器はほとんど実在するものをモデルにしており,まったく架空の兵器類は出てこない。むろん,その性能に関しても実物にほぼ準じており,同じピストルでも,Glockよりデザートイーグルのほうが威力が大きい,あるいはアサルトライフルのAK47は同じM4A1より集弾率が低い(いずれの銃もショップアイテム)といったリアルな設定がなされている。そのため,FPSに慣れたプレイヤーならほとんど常識の範囲内で使い分けられるはずだが,ビギナーでも心配することはない。リアリティとゲーム性のバランスがよく考えられているため,しばらく使っていればすぐにその武器の特性に慣れるはずだ。調べようと思えば調べられるが,ここは「習うより慣れろ」だろう。
また,中規模戦マップの一部と大規模戦マップに登場する大型兵器,つまり戦車や航空機に乗るために,戦車兵やパイロットである必要はない。誰も乗っていない兵器があれば,近寄ってFキー(デフォルト。以下同)を押下するだけで搭乗できる。車両に搭乗すると,視点が三人称に自動的に切り替わるが,ハンヴィーの後部席からM2機関砲を撃つときなどはVキーで一人称視点に戻したほうがやりやすいはずだ。
バイクの高速性を生かした拠点の奪取。8人乗りトラックを使った兵士の素速い展開。そしてスプラッシュ効果が非常に大きい戦車など,こうした大型搭乗兵器は戦局を左右する重要なファクターになる。その運用には戦略眼や慣れが必要になるが,ただ動かすだけなら誰でも簡単で,使用するキーはごくわずかだ。とくにヘリコプター類はSpaceバーを押すだけでどんな状態からでもホバリングできるので,例えば敵の放ったスティンガー対空ミサイルに対して回避行動を取っているうちに体勢を大きく崩したとしても,すぐに立ち直れるという手軽さ。初心者でも少し練習すれば,これもまたすぐに慣れるはずだ。
歩兵だけでなくパイロットとして,あるいは戦車乗りとしても活躍できるところがWarRockの特徴なのである。撃ち合いに自信がなくても大丈夫なゲームシステムなのだ。
ちなみに,トレーニングモードを使えば,一人でこうした大型兵器の練習もできるうえ,マップの地理にも詳しくなれて一石二鳥だろう。
(※)2006年に行われた第2次クローズドβテストでTPS,つまり三人称視点がテストされたが,正式サービス後はFPSのみとなっている。TPSに関しては時期未定ながら,実装が予定されており,現在公開に向けた内部テストが続けられているところだ。
ビギナーにとって,多様な兵科もまたプレイの助けになる。WarRockには「偵察兵」「戦闘兵」など5種類の特徴ある兵科が用意されているが,必ずしもすべてが戦闘に特化しているわけではない。例えば「工兵」は所持するスパナを使って兵器を修理できる。戦車や装甲車がダメージを受けても,工兵さえいれば,わざわざ修理ポイントまで運ぶ必要がないのだ。衛生兵は傷を負った兵士の体力を回復させ,一人いればほかの兵士の心強い味方になるだろう。FPSといえば,手に汗握る撃ち合いを考えがちだが,戦場の裏方として活躍することも可能なのだ。
実際に「衛生兵オンリー コンクエストバトル」なども開催されており,敵を倒すばかりでなく,味方の救助によるポイントが競われたこともあるのだ。