特集:ゲーマーのための「Windows Vista」基本のキ

ゲーマーのための「Windows Vista」基本のキ

Text by 宮崎真一 

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Windows Vistaを試してみたい人に贈るインストールガイド

 

 前のページで,Windows Vistaのポイントを確認してきたが,果たして普段プレイしているゲームが動くのか,そもそもOSが快適に動いてくれるのかなど,Windows Vistaが登場したら,製品版で実際に確かめてみたい人は多いと思われる。
 そこで,ここでは,Windows Vistaの製品版を購入予定の人のため,インストール方法をあらかじめ説明しておきたい。

 

 Windows Vistaは,DVD-ROMメディアから起動してインストールする方法(A)と,Windows XP上でインストールする方法(B)の2種類でセットアップできる。
 (A)はシンプルで分かりやすく,HDDが1台しかないPCでも簡単に行えるが,例えばそのHDDにWindows XPがインストールされていた場合,その環境を捨て去ることになる。一方(B)は,HDDが2台以上ないと実行するのは難しいが,Windows XPとWindows Vistaのデュアルブート環境を構築できるので,テストには向いている。
 Windows XPのゲーム環境を維持したまま,Windows Vistaを試したいのであれば,(B)のほうがオススメだ。(B)で動作確認などを行って問題がないと確認できたら,データをバックアップして(A)に切り替えるのを勧めたい。

 

 今回はスケジュールの都合で,報道関係者向けの製品評価版(RC1:Release Candidate 1)を用いているが,インストール方法そのものは製品版と基本的には変わらないので,この点はご安心を。

 

(A)まっさらのHDDにWindows Vistaをインストール
(1)Windows XPと同様,Windows Vistaのメディアを光学ドライブに挿入し,同ドライブからPCを起動する。画面はP5B Deluxeのものだが,大小メーカー製PCでも,たいていは「Boot」など,ブート(=起動)に関連したBIOSメニューから変更できる

 

(2)言語やキーボードの種類を選択する画面に移るので,適切なものを選択する。基本的には変更不要で[次へ]を押せば問題ないが,英語配列キーボードを使っている場合はご注意を

 

(3)この画面に切り替わるので,[インストール]をクリック

 

(4)プロダクトキーを入力して,[次へ]

 

(5)ライセンス条項が表示されるので,よく読んで,問題ないと判断したら「条項に同意します」をチェックして[次へ]

 

(6)インストール方法の選択ウィンドウに移るので,「カスタム」を選択する(※まっさらなHDDを利用する場合,「カスタム」しか選択できないが,問題ない)

 

(7)Windows VistaをインストールできるHDD一覧が表示される。画面は,まっさらな状態のHDDが1台だけ接続されている例になるが,本文で触れたように,Dドライブへインストールするような場合は,ここに2台以上並ぶことになる

 

(8)まっさらなHDDを1台接続した場合,Dドライブ内に新規パーティションを作成した場合にかかわらず,インストール対象となるHDD領域(=パーティション)は「未割り当て領域」と表示されているはずだ。インストール先を選択して「新規」を押すと,その「未割り当て領域」のうち,何MBをWindows Vista用に割り当てるか聞かれる。よほどのことがなければ,空き領域と同じサイズを指定して[適用]ボタンを押そう

 

(9)すると,指定したサイズをWindows Vista用にフォーマットすることの了解を求めるウィンドウがポップアップする。ここは迷わず[OK]を押してかまわない

 

(10)しばらく待つと,(8)で確保した領域が「未割り当て領域」から「パーティション」に変わる。それを確認したら,当該パーティションを選択して,[次へ]を押す

 

(11)「Windowsのインストール中…」というウィンドウが出たら,しばらく待つ。途中,何度か自動的に再起動するが,とくにユーザー側からの操作は必要ない

 

(12)これでインストールそのものは終了だ。Windows Vistaが起動し,ユーザー名やパスワードを設定,続くウィンドウでPC名を入力する

 

(13)初回起動時のデスクトップ。PCのスペックによって,半透明処理が行われなかったりもするが,おおむねこのような画面になるはずだ

 

(14)(13)の状態でデバイスマネージャを確認すると,今回の構成ではマザーボード上のJMicron製RAIDコントローラ,そして「Sound Blaster X-Fi Fatal1ty」が標準では認識されていないのが分かる。一方,GeForce 7900 GSは標準でMicrosoft製ドライバがインストールされている

 

 

(B)複数台のHDDを搭載する環境で,Dドライブ以降にインストール
(1)Windows XPが動作するPCの光学ドライブに,Windows VistaのDVD-ROMをセットする。すると,「Windowsのインストール」というウィンドウが開くので,「インストール」を選択する

 

(2)「インストールの重要な更新プログラムの取得」に移る。PCがインターネットに接続されているなら,「インターネットに接続して最新のインストールの更新プログラムを取得する」を選ぶ

 

(3)(A)−(4)にもあったプロダクトキーの入力画面が出てくるので,入力して[次へ]

 

(4)「インストールの種類」ウィンドウが開いたら,ここは「カスタム」を選択する

 

(5)ここで,Windows Vistaのインストール対象となるHDDを選択する。なお,Windows XPからWindows Vistaをインストールするときには,HDDのフォーマットやパーティション分割を行えない。それらは,あらかじめWindows XPのコントロールパネルなどから行っておく必要があるので,この点は要注意。例えば,Dドライブの内容を一度すべてCドライブに待避させてから,Dドライブを「Windows XPのデータ用」と「Windows Vista用」に分けるといった作業を行っておくといいだろう

 

(6)(5)でHDDを選択して[次へ]ボタンを押すと,インストールが始まる。あとの処理は(A)−(11)以降と基本的に同じだ

 

(7)Windows XPがインストールされている状態で,HDDの別領域にWindows Vistaをインストールすると,OS起動時に「Windowsブートマネージャ」が表示され,どちらのOSから起動するか選べるようになる。Windows XPから起動するには「Earlier Version of Windows」を選択すればいい

 

 

 以上でWindows Vistaのインストールは完了だ。全体として,Windows XP時代と比べて自動化がかなり進み,容易になっている印象だが,(A)の(14)で示したように,Windows Vistaの初回起動時には,インストールされないドライバも存在する。また,グラフィックスドライバに関しては,あくまで最低限の機能が提供されるだけなので,ゲームをプレイするにはAMDやNVIDIAなどから,別途ドライバを入手する必要があるので注意したい。

 

JMicron製コントローラ用ドライバは搭載マザーボードのメーカーであるASUSTeK Computerのサポートページから,Sound Blasterのドライバはクリエイティブメディアの特設ページから,いずれもβ版ドライバを入手可能。画面は後者の特設ページだ。このように,β版専用のページを設けているメーカーは少なくない

 

本稿執筆時点では,デバイスマネージャ上で正常に動作しているように見えても,実際にはそうでないことがあった。このあたりは,発売日までに解決していくだろう

 2006年12月27日時点では,多くのドライバがβ版で,各社の正式版ドライバとはダウンロードページが異なっていたりするので,やや苦労するかもしれないが,これは一般向けWindows Vistaのリリースに向けて次第に解決していくはず。実際,今回のテスト環境では,標準でインストールされたネットワークドライバがおかしく,なぜかGoogleに接続できなかったが,こういったトラブルを避けたいのであれば,発売と同時に飛びつくのは避け,ある程度互換性情報が出揃うのを待つべきと思われる。

 

 最後に念のため,主要デバイス各社のβ版ドライバ入手先をまとめておいた。発売日の時点でも正式版が用意されなかった場合は,以下のリンクを参考にしてもらえれば幸いだ。

 

Windows Vista対応ドライバの入手先(2006年12月27日現在,32bit版のみ)
グラフィックスドライバ
AMD: Catalyst Beta Display Driver for Windows Vista RTM(32 bit)
Intel: Intel Graphics Media Accelerator Driver
NVIDIA: ForceWare 96.85 Beta Windows Vista x86 RC2

 

チップセットドライバ/ソフトウェア
AMD: Catalyst Beta Display Driver for Windows Vista RTM(32 bit)(内蔵グラフィックスコア用ドライバ)
Intel: Intel Chipset Software Installation Utility(チップセットドライバ)
Intel: Intel Matrix Storage Technology(クリーンインストール時に必要なRAIDドライバ)
Intel: RAID/AHCI Software - Intel Matrix Storage Manager(RAID管理ソフトウェア)
NVIDIA: Beta Driver - nForce - Windows Vista x86 RC1

 

ネットワークドライバ
Intel: Network Adapter Driver for Microsoft Windows Vista(32-bit)
Marvell: Yukon Windows Vista x86
Realtek Semiconductor: RTL8100B(L) / RTL8100C(L) / RTL8101L / RTL8139C(L) / RTL8139C(L)+ / RTL8139D(L) / RTL8100(L) / RTL8130 / RTL8139B(L)

 

サウンドドライバ
Creative Technology: Windows Vista - ドライバ対応状況一覧
Realtek Semiconductor: High Definition Audio CODECs - Vista Driver
Realtek Semiconductor: AC’97 Audio CODECs - Vista Driver

 

メーカー製PC,周辺機器など
Microsoft: パソコン、アプリケーションおよび周辺機器メーカー各社による対応情報(PC,内蔵デバイス,周辺機器,ソフトウェアの互換性情報リンクページ)

 

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タイトル Windows Vista
開発元 Microsoft 発売元 マイクロソフト
発売日 2007/01/30 価格 エディション,入手方法による
 
動作環境 N/A

(C)2007 Microsoft Corporation.

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/specials/vista_intro/vista_intro_002.shtml