エレクトロニック・アーツが運営する「ウルティマ オンライン」(以下,UO)は,1997年にサービスが開始され,今年でなんと運営10年目を迎える,MMORPGのパイオニア的存在。そうでなくても当時珍しかった大人数参加型のオンラインゲームであったことに加え,戦士,魔法使いといった職業(クラス)の枠にとらわれず,自分が好きな能力を好きなだけ伸ばせる「スキル制」,戦闘系と生産系キャラクターが互いに支え合う必要があるというシステム,そしてPK(Player Killing)あり,盗みありというハードな世界観に,多くのゲーマーが魅了されたのだ。
当時のUOは今とは比較にならないほどゲームバランスもルールもシビアであり,さらに言語の壁もあったが,それらの問題を乗り越えてでもUOをプレイしたいという熱心なコアゲーマーが日本国内にも多く存在していた。
シャード(サーバー)は当初北米にしかなかったが,1998年9月には初の日本シャード「Asuka」がオープン。その後も「Yamato」「Wakoku」などの日本シャードが次々と開設され,現在(2007年)は最新の「Sakura」を含む八つの日本シャードが存在している。
10年ものサービス期間を誇るタイトルだけあり,振り返ってみるとUOは過去に「第3の夜明け」「ブラックソンの復讐」「武刀の天地」などなど,実に数多くの大規模アップデートを導入してきている。そんな長い歴史を持つUOが,このたびまったく新しい形に生まれ変わる。それが2007年夏の正式サービスが予定されている,「ウルティマ オンライン 甦りし王国」(以下,UOKR)だ。
生まれ変わるといっても,そのゲーム性や世界観まで何もかもが"変わる"わけではない。UOKRでは,従来のUOの魅力はそのままに,ゲームクライアントが刷新され,主にグラフィックスとインタフェースがガラリと変わるのだ。
ここでは,5月31日からオープンβテストが実施されている本作について,あらためて紹介していこう。擬似3Dで表現される美しくもダークなUOKRの世界を,現役UOプレイヤーはもちろん,かつてブリタニアに住んでいた引退者からUO未経験のビギナーまで,ぜひ楽しんでほしい。