「プロサッカークラブをつくろう!」,通称「サカつく」といえば,セガから発売されているプロサッカークラブ経営シミュレーションシリーズだ。1996年にセガサターン用のソフトとして発売されて以来,多くのファンからの支持を集めてきたこのシリーズが,オンラインゲームとなって登場する。それが「プロサッカークラブをつくろう!ONLINE」(以下,サカつくONLINE)である。
3月28日からは,2回目のクローズドβテストに相当する「プレシーズントライアル2nd」がスタートする予定で,プレイヤーの期待は高まるばかり。今回は,そのプレシーズントライアル2ndを前に,ゲームの内容を詳しく説明していこう。
Text by K.サワノフ 
※本稿はプレシーズントライアルに基づいて執筆しています
サカつくONLINEでは,プレイヤーがゲームにログインしていないときでも,ゲーム中の時間が進行するというシステムが採られている。ログアウト中は,ログインしている間に出した指示に沿って,練習や試合,スカウト活動などが自動的に行われる。このため,接続時間があまり取れないという人でも,気軽にプレイすることが可能だ。
ゲームの舞台となるのは,イングランド,フランス,オランダ,ドイツ,スペイン,イタリアの欧州6か国。プレイヤーは好きな国を一つ選び,その国のリーグに参加する。各国のリーグはディビジョン1〜9の9段階に分かれており,最初は最下層のディビジョン9からスタートし,リーグ戦で好成績をおさめたらディビジョン8,7……という具合に1段階ずつ昇格していくのだ。逆に,成績が悪いと下のディビジョンに降格してしまう。
上位のディビジョンに行くほど,賞金やスポンサーからの収入は増えていく。スタジアムやクラブハウスなどの施設により多くの金額を投資できるようになり,いい選手を獲得しやすくなる。自分の目指す理想のクラブへと近づけ,さらに上のディビジョンを目指す。この好循環を成立させ,最終的に最上位リーグのディビジョン1で優勝することが,サカつくONLINEの目的の一つだろう。
もちろんリーグには,ほかのプレイヤーのクラブも多数存在している。同じ時間の流れの中で,直接ライバル達と昇格/降格争いを繰り広げていく。これが,これまでのシリーズ作品にはなかった,オンラインゲームならではのサカつくの楽しみ方である。
各ディビジョンのリーグ戦は,基本的に16クラブで争われる。それぞれの相手とホーム&アウェイで2戦ずつ行い,全30節で1年1シーズンのリーグが終了となる(ただし,ゲームを始めたタイミングで,最初のシーズン期間は変わる)。実時間の1日で9節の試合が行われるので,30節終えるまでには3日ちょっと必要になる計算だ。30節終了時に上位に入っていれば上のディビジョンに昇格し,下位になると降格してしまう。
また,リーグ戦とは別に,カップ戦形式の大会も用意されている。カップ戦は常にいくつか開催されており,賞品や賞金,大会形式,勝利条件が異なっている。プレイヤーはその中から好きな大会を選んで参加可能だ。一つの大会に要する時間は,短いものだと1時間,長いものでも数時間ほど。リーグ戦に比べるとかなり短いため,空いた時間に集中的にプレイするといいだろう。
これらのカップ戦にはグレードが設定されており,特定の大会で優勝することやリーグ戦で上位に入ることで,よりグレードの高い大会に挑戦できるようになる。当然,高グレードの大会ほどいい賞品が用意されているわけだ。
ちなみに,試合が行われているときには,実際にそれを観戦できる。ただし,試合はダイジェスト形式で再生されるが,試合中にプレイヤーは指示を出せない。そのため試合前に,チーム編成画面で,しっかりとゲームプランを立てておく必要がある。ゲームプランは,特定の相手クラブに合わせて,特別な設定をすることも可能。試合のスケジュールは先々にわたって決定されているので,あらかじめ相手の情報を確認して,それに対応した作戦を立てておこう。
リーグ戦やカップ戦で勝利するためには,クラブをしっかり育成していくことが大切だ。優秀な選手や監督をスカウトし,個人練習/チーム練習でクラブの実力を上げる。スタジアムを拡大して収入増を目指し,クラブハウスやオフィスの施設を充実させる。このあたりは,これまでのサカつくシリーズとほとんど変わりはない。
サカつくONLINEの最重要オリジナル要素といえるのが「カード」の存在だ。カードには,個人練習に使われる「スキルカード」,選手や監督の発掘/獲得に使われる「スカウトカード」,チーム戦術を決定する「戦術カード」,試合の際に使われる「応援カード」の4種類がある。また,各種カードには4段階のレアリティがある。コモン,アンコモン,レア,レジェンドの順に,希少かつ効果が高いものになっていく。
スキルカードは,選手一人一人に付帯させて使うものだ。選手にはスロットが用意されており,これにスキルカードをセットすることで,カード内容に応じた能力がアップする。本来能力が低い選手でも,スキルカードを使って育てることで,良い選手になることもある。なお,スロットの数や,セットできるカードのレアリティ制限などは,一人一人違っている。選手獲得の際には,能力パラメータだけでなく,スロットの数などにも気を配る必要がある。
また,特定のスキルカードを組み合わせてセットすることで,選手に「プレイスタイル」を習得させられる。プレイスタイルは,後述する「戦術」と組み合わせることで,より大きな効果を発揮するのだ。残念ながら,プレイスタイルを習得できるのは,もともとその素養がある選手だけに限られる。もし支配下の選手がプレイスタイルの素養を持っているなら,できるだけ習得させておこう。
スカウトカードは,いい選手/監督を探すスカウトの働きをサポートするものだ。地域ごとの発見確率を上げる「エリアカード」,ポジションごとの発見確率を上げる「ポジションカード」,高ランクの選手を発見しやすくする「ランクカード」の3種類に分類できる。スカウトを各地域に派遣するときには,できるだけこれらのカードをつけておきたい。
戦術カードは,監督のスロットにセットして使うもので,「攻撃戦術カード」と「守備戦術カード」の2種類がある。これの組み合わせで,クラブの攻撃スタイル,守備スタイルが決定するわけだ。もちろん,監督自身にも得意とする戦術があり,それに沿ったカードをセットしたほうが,より高い効果を期待できる。戦術カードのためのスロットは複数用意されているので,それぞれに違うスタイルのカードをセットしておけば,相手や状況に応じて切り替えて戦うことも可能だ。
最後に応援カードだが,これは個々の相手とのゲームプラン決定時に使用するもの。簡単にいうと,選手の能力を一時的にブーストする効果がある。実力が拮抗している相手と戦うときには,事前に準備しておこう。
カードは,種類ごとに入手方法が違う。スキルカードとスカウトカードは,お金を払って購入できる。ただし,入手できるカードの枚数,種類はランダム。必ずしも自分の欲しいカードを買えるとは限らないのだ。ちょうどトレーディングカードを買うようなものと思ってもらうといいだろう。戦術カードと応援カードは,試合の後に報酬としてもらえることがある。種類はやはりランダムだ。また,常にもらえるとは限らない。
他プレイヤーとのコミュニケーションは,オンラインゲームにとって欠かせない要素だろう。サカつくONLINEでは,基本的に他プレイヤーは,クラブ経営におけるライバルになるのだが,同時に頼もしい仲間になる可能性も秘めているのだ。
6か国は,それぞれ異なる特徴を持っている。フランスは選手の育成が得意だが,経済面が弱く,クラブは財政的に厳しくなる傾向がある。逆に,イタリアやスペインはスポンサーがつきやすく,裕福なクラブが多いが,選手を育てるのには向かない。そこで,フランスのクラブは育てた選手を売りに出し,イタリアやスペインのクラブがその選手を買えば,お互いの欠点を埋められる。このように,互いの弱いところを補えるようなトレード相手を見つけることは,ゲームを進めるうえで非常に重要になる。
もちろん,各種カードもトレードの対象だ。カードの種類はかなり多いので,欲しいカードがいつまでたっても手に入らない,などということが多い。そんなときも積極的にトレードを行っていくと,必要なカードが手に入りやすくなるのだ。
ちなみにサカつくONLINEには,複数のプレイヤーで「同盟」を組む機能が用意されている。「同盟」についての詳細は,まだあまり明かされていないが,MMORPGでいうところの「ギルド」に近い雰囲気がありそうだ。同盟内でカードや選手をどんどんやり取りしていけば,効率よく強いチームを育成できるだろう。
また,サカつくONLINEのプレイヤーには,Web上に専用の「マイページ」が提供される。このページでは,自クラブの詳細情報の確認や,ライバルクラブの研究/分析ができるようになる。そして,本作のプレイヤー以外の人でも閲覧できる部分もあるので,多くの人達とコミュニケーションが取れる。サッカーに興味がある人達同士でも,盛り上がれるだろう。
これらのコミュニティ機能を活用することで,ゲームはより面白く,深みのあるものになっていくだろう。オンラインゲームならではの要素が詰まった,新しいサカつく。その開幕は,もう間もなくだ。