ガマニアデジタルエンターテインメントのMMORPG「巨商伝」は,いち早くアイテム課金制を取り入れた作品で,また経済システムを持ったMMORPGの先駆けの作品として登場し,この春で正式サービスから2周年を迎えることになった。
正式サービス2周年を記念して,巨商伝のイメージキャラクターの一新をはじめとした大規模なアップデートも行われるなど,巨商伝は,いまなお勢いを持って運営されているゲームである。新しいアップデートの詳細と巨商伝の運営について,ガマニアデジタルエンターテインメントで巨商伝を担当しているYim Myoung Hum(任明勲)氏に話を伺ってみた。
実は2月上旬に行ったインタビューなので(ちょっと遠い目),すでに周知の情報もあると思われるが,巨商伝の運営と,既存のプレイヤーには気になるであろう「巨商2」などの話題も含めて,いろいろな話を聞いてみた。
4Gamer(以下4G):
さっそくですが,今回のアップデートの内容はどのようなものでしょうか?
Yim氏:
今回のパッチは小分けにして八つのものが用意されています。まず,ゲーム内のキャラクターがリニューアルされます。
4G:
それは,新しいキャラクターが加わるというのではなく,従来のキャラクターが変更されるということですね?
Yim氏:
はい。現在の4か国の男女のキャラクターグラフィックスが変更されます。「ちょっと若く」「現代風に」というコンセプトで全体的に描き直されています。それに伴い,ログイン画面などが変化してきます。これは韓国のほうで作ったイラストをもとにしたものになります。日本で作られた,せんのあきさんのイラストは対外的に使用していくことになります。
せんのあきさんのイラストによる台湾女性。えらく若くなっているような
4G:
日本のイラストは,またちょっと雰囲気が違ってきますね。とくに台湾とか。
Yim氏:
そうですね。それと大きく変わる点としては,巨商伝にはチュートリアルが完全に揃ってなかったという問題点がありましたが,これが解消されます。
4G:
一応,現在のものにもチュートリアルで商人とか軍人とかのクエストがありますよね?
Yim氏:
これまでにあったものでは,自分でNPCのところに行ってクエストを受けなければなりませんよね。そういうのではなく,「チュートリアルを受けますか?」といった感じで,システム側が明示的にチュートリアルを示すことができるようになります。
これには伝書を使っています。伝書システム自体は7月のアップデートで実装されていたものですが,ちゃんと使われていませんでした。今回の伝書クエストでは,新しいキャラクターがゲームに入ると,伝書でクエストが飛んでくるわけです。これで,マップを見る方法とかゲーム操作に関するいろいろなことを教えてあげるという感じにしています。これまでクエストを取りに行っていたものが自動的にくるようになるわけです。
4G:
なるほど。
Yim氏:
以前のクエストでは,どういうNPCのところに行って,どういう話をしてというのが分からない人が結構多くいるようでした。
4G:
そうですね。ちょっと分かりにくいかもしれませんね。最初から結構歩かされますし。
Yim氏:
隣に立っていたんですけど,それがNPCかどうか見分けがつかないという話も聞かれました(笑)。それが伝書システムで解決されます。
4G:
伝書を使ってクエストを出す仕組み自体はチュートリアル以外でも使用できますよね? 高レベルプレイヤー向けのクエストなどはなにか用意されているのでしょうか?
Yim氏:
たとえば,伝書がきて「○○に行って2時間以内に○○を倒してアイテムを持ってきなさい」といった時間制のクエストもあります。クエストのレベルは3段階のものが用意されていますね。
4G:
伝書クエストは断ることもできるわけですよね。その場合,あとでクエストを受け直すことはできますか?
Yim氏:
普通のクエストは何度も受けることができますが,チュートリアルクエストは一つずつ,最初のが終わると次の伝書が届くようになっていますので,最初のをキャンセルしてしまうと残りのも受けられなくなってしまいますね。
4G:
飛んできたチュートリアルをいきなり「やらない」という人は少ないとは思いますが,要注意ですね。
Yim氏:
あと,伝書と似たものでも,う一つ「早馬」というものが実装されます。これは基本的に伝達手段なのですが,コミュニティでのコミュニケーションを取りやすくするためのツールで,プレイヤー同士でメッセージを送ることができます。
4G:
それはユーザーが,個人と個人でやるものですか?
Yim氏:
はい。そうです。
4G:
じゃあメッセンジャーみたいなのものでしょうか?
Yim氏:
メッセンジャーというより,むしろメールみたいなものですね。グループに対してもメッセージを送ることができます。たとえばリーダーがグループ全体に対してメッセージを送ることで統率が取りやすくなります。リーダーの場合は全員に,その下のメンバーでは20人までに送ることができます。
4G:
新しく「隆山」というエリアが追加されていますね。
Yim氏:
巨商伝では,これまで低レベル用の狩り場がないということが問題になっていました。新規ユーザーの適当な狩り場がなく,ダンジョンに入っても,すぐ殺されてしまうということで,レベル10から40まではフィールドで成長させるしかないという状況でした。それに対して用意されたのが,「隆山」です。
4G:
初心者向けのダンジョンですね。
Yim氏:
そうです。構成は1階から4階に分かれておりまして,1階はレベル10から20のプレイヤー,2階は20から30,3階は30から35,4階は35から40といったレベルのプレイヤー向けに作られています。
ダンジョン内では,各階にNPCがいてクエストアイテム「星の破片」を集めてもっていくと装備やアイテムをもらったりできるので,このダンジョンだけでレベル40まで成長させることができます。
4G:
隆山は中国にあるわけですが,たとえば日本から行くのは大変ではないでしょうか?
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| 隆山のマップ1階 |
隆山のマップ2階 |
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| 隆山のマップ3階 |
隆山のマップ4階 |
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Yim氏:
歩いていくのは大変ですが,途中,韓国と台湾にワープできる場所がありますので,そこを利用するのがいいですね。そんなに行くのは難しくないようにできています。
4G:
あまりお金もかからないと?
Yim氏:
はい。そうですね。
4G:
上級者向けにはどうなんでしょうか?
Yim氏:
少林寺という上級者向けのダンジョンが追加されます。これまでは冥界がいちばん高レベルの人気ダンジョンでしたが,それでももの足りないという人のためのダンジョンです。
いちばん低いレベルのモンスターに「鬼門衆徒」というのがいますが,それが冥界の5階にいるモンスターに匹敵するくらいのものとなっております。いまの冥王より強力なモンスターが出てきます。
4G:
相当難しいわけですね。
Yim氏:
相当難しいですね。冥界では,召喚されるモンスターが地上にいるものしかなかったのですが,今回は空中を飛ぶモンスターも召喚してきますので,かなり難易度も上がってきます。どういうふうにパーティを組むか,どういう傭兵を雇うかがかなり重要になってきますね。ボスの鬼門衆頭などは桁違いの強さになっています。普通には召喚できないようなものまで召喚してきますので,かなり注意が必要です。
また,少林寺内では,NPCがクエストを与えてくれるので,これもかなりよい報酬が得られますね。
日本では2年目なんですけど,韓国は3年目に入っておりまして,もっとレベルの高いものが要求されています。それに対応したレベルの高い部分はどんどん追加されていく予定です。
4G:
先は長そうですね。