月曜日からクローズドβテストの始まった「飛天online」。ゲームの基本と日本での同ゲームの展開について,プロジェクト推進部 大久保岐信氏に話を聞いてみた。なお,クローズドβテストは開始されており,すでに自明の部分もあるがご了承を。
プロジェクト推進部 久保岐信氏
取材したのはβテスト前ということもあり,まずは一通りのゲーム要素を披露してもらった。最初はキャラクターメイキングからだ。
4種族から男女を選んで,顔(目),髪,髪の色それぞれ6種類ずつと,手足や胴体の長さ/太さなどを個別に指定していく。選択肢はさほど多くないが,顔や髪のプリセットパターンはまずまずといった感じ。身体については,かなり自在に変更が可能だ。
キャラクターの外見ができあがると,名前を決めて干支と誕生日を入力する。これが,宿命の相手を決めたり,キャラクターの運勢などを決定する宿命システムの基本となる情報だ。
大久保氏:
宿命システムの部分は,日本版へローカライズしている途中でして,もう少ししたら詳しいことをお話しできると思います。
4G:
入力は干支だけでいいんですか? 東洋でも西洋でも,多くの占いは生年月日をもとにして行いますよね。本格的に占うのだと,生年月日にしたほうがいいかもしれませんね。
大久保氏:
このへんは東洋っぽさということで,とくに気にしたことはないのですが,将来的には変更するかもしれません。詳しいことは,現段階では申し上げられないのですが……。
宿命システムについては,台湾版も,割とちゃんとした中国占いになっているとのことだが,日本版ではさらに改良が施される。おそらく有名な占い師に委託しているのではないかと思われるが,まだ公表できないということなので,もうしばらく待つとしよう。
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初心者は専用の幟を装備できるので,ゲーム内で手助けの必要な人はすぐに分かる。逆に手助けを進んでする人のための装備も用意されている |
キャラクターを複数作った場合,キャラ選択画面で「自分のほうを選んで!」としきりとアピールしてくる。キャラ削除を選択すると…… |
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さて,キャラクターメイキングが終わると,オープニングイベント(飛ばすこともできるが,最初は見ておいたほうがいい)が始まる。
大久保氏:
ここで出てくるのは神様です。神様との最初の会話で,キャラクターが理性派と感性派に分かれます。理性派か感性派かで,クエスト時のやりとりが少し変わってくるんですよ。
4G:
クエスト自体が変わるのですか?
大久保氏:
いえ,クエスト自体は同じですが,メッセージが変わってきます。途中で出てくる謎の人は,今後もクエストを進めていくと,たびたび現れます。
あちこちに出現する崑崙鏡からメインストーリーのクエストは始まる
飛天onlineには,お使いや収集などのクエストのほかに,崑崙鏡を覗くことで始まる,ゲーム全体のストーリーを構成するクエストのシリーズが用意されている。開発元のソフトスターはとくに強調していなかったようだが,日本側でローカライズを進めていると,この手のゲームには珍しく凝ったストーリーが用意されていたので驚いたのだという。さすがはオフラインのRPGを作っていたメーカーといったところだろうか。
なお,このメインのクエストは「たくさんの鏡の中の世界」での話となる。パーティでやるときには,その人の鏡の中の世界の手伝いをしてあげるという感じになるらしい。
マップを表示して行きたい場所をクリックすると自動移動できる。うまくいかないこともあるが,かなり便利な機能だ
続いて,マップクリックでの移動や,諸々のシステムを見せてもらった。公開されている画像でお馴染みの,武器に乗って空を飛ぶ,飛剣システムも見ることができた。
クローズドβテスターならすでにご承知と思うが,飛剣onlineのクリック移動は,パス検出性能があまりよくない。これはマップをクリックしての移動でも同様で,カクカクと蛇行したり,途中で引っかかったりすることも多く,あくまでも補助的なものと考えておいたほうがいいだろう。慣れてくると,目的地点のクリックをどのあたりにすると引っかからないかなども分かってくるが,うまくいけばラッキー程度に考えておいたほうが無難だ。それでも,アクティブな敵がいないマップでは,クリック放置で(たいてい)狩り場まで行ってくれるのでかなり便利に使える。
空中を移動する「飛剣」スキル。武器にならなんにでも乗れる
なお,W/S/A/Dキーでの移動にすることもできる。FPSに慣れている人はそちらのほうがよさそうだ。私はマウスで向きを変えつつ前進(「↑」またはWキー)での移動に落ち着いた。マウスの方向に連続移動するモードにもできるのだが,すぐに止まれないと不便なのだ。
そして飛剣である。国内では,すでに飛行をウリにした「フリフオンライン」があるので,今回はとくに強調しなかったということなのだが,本作の情報を追っているファンからは飛剣に対する期待も高いようで,問い合わせも多いのだという。
4G:
飛剣システムが使えるのはレベルいくつからですか?
大久保氏:
現状では35からです。このあたりはプレイヤーからのフィードバック次第で変更される可能性があります。
4G:
35というのは,そこまでレベルアップするのにどれくらいかかるものなのでしょうか?
両刃の剣を扱う「剣客」はもっとも簡単になれる職業の一つだ
大久保氏:
1日やればレベル10くらいにはなるんですが,35まではかなり時間がかかりますね。
4G:
ここでいう1日というのは,どれくらいですか?
大久保氏:
10時間くらいですか(注:日本でのクローズドβテスト版では調整がしてあるので,4〜5時間)。
4G:
じゃあ2日くらいかかるかもしれませんね(笑)。だんだんレベルは上がりにくくなるんでしょうし,レベル20くらいで使えるようにしてもいいんじゃないですか?
大久保氏:
かなり注目されている機能ですので,確かに低いレベルでも使えるといいですよね。チュートリアル時点で一度飛べるようにできればと思ってはいるのですが。
4G:
ちなみに,これはどれくらいの高さまで上がれるんですか?
大久保氏:
これくらいです(と,実際にやってもらった。そこそこ高いが,もの凄く高いわけではない)。ここでは高度80と出てますね。これはマップによって多少変わってくるはずです。
4G:
飛剣で飛び越せない山などはあるんですか?
大久保氏:
いえ,どこへでも行けます。ダンジョン内などでは使えませんが,フィールド部分では移動の制限はありません。ただし,飛び立つのはどこからでもできますが,降りられる場所は制限されています。光の柱が立っている場所でないと降下できません(空中から簡単に識別可能。地図では水色の三角印のところ)。どこへでも行けてしまうとゲームバランスが崩れてしまいますので。
4G:
空中から攻撃はできますか?
大久保氏:
空中は移動のみです。空中に敵がいたり,空中から攻撃したりというのはないですね。それをやると大幅にバランス調整が必要になりますので。
踊り子はBuffやDebuffを得意とするが,かなり前衛でも戦える職業のようだ
4G:
そのほか何か制限はありますか? 最近ちょっと見ている中国産の完美世界というMMORPGでは,飛行中にマナが減っていくというシステムがあって,職業によっては長時間飛べなかったりしたのですが。
大久保氏:
飛剣を行うと,武器の耐久度が下がっていきます。また,使いすぎて武器が壊れてしまうと,死んだときに再起する場所まで強制的に移動させられてしまうんです。
4G:
それは使いようによっては便利かもしれませんね(笑)。
問題の飛剣の様子だが,上下方向にも移動でき,飛んでいるというか,空間を登っていくといった感じだ。見た目にもふわふわ感はない。飛剣というイメージからすると,ちょっと違和感があった。3次元移動になるためか,クリック移動ではなくキーボード操作になっており,余計そのように感じたのかもしれない。
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空中には敵も障害物もないので安全に移動できるが,光の柱が伸びている部分でしか降りることはできない |
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残念ながらマップクリックでの自動移動は,飛剣中はサポートされないそうだ。飛剣中に放置して武器が壊れてしまうのも問題なので,仕方ないのかもしれないが,障害物のない空中での楽々移動はほしかったところ。どうしてもという場合は,自動移動(前進のみ)は可能なので,だいたいの方向を向けて放置しておけばよいのだろう。
さて,「飛剣」とはいうものの,実は武器であればなんにでも乗れる。その職業が武器として使えるものであれば,弓(狩人)でも扇(踊り子)でも楽器(楽士)でも注射器(医師)でもOKだ。武器の種類による速度差などはとくにないが,飛剣のスキル値が上がると移動速度が速くなる。
スクリーンショットコンテストの賞品で,レベルに関係なく飛剣のできるアイテムも用意されているので,レベル制限は絶対的なものでもなさそうだ。一刻も早く飛剣を一般開放してほしいものである。
潜在天賦の部分に各職業から天賦を貼り付けて,オリジナルなスキルセットを構成できる
飛天Onlineでは,レベル10になると,最初の「平民」からさまざまな職業に転職できる。最初は剣客か刀客あたりが無難だろう。一度職業を決めたあとでも,転職仙人のところにいけばメインの職業を切り換えられるので,あれこれ悩まずとりあえず適当に決めてしまっても問題ない。むしろ,最初から剣客と刀客の両方の職業を取っておいてもよいくらいだ。
職業と副職(?)の関係はちょっと特殊なので,ここで解説しておこう。
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取得した職業のリストから副職を選ぶ。一人ですべての職業を備えることも可能だ |
各職業のスキルで,すでに取得しているものは色付きで表示される |
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職業ごとにスキル(天賦)が用意されている。これは「戦技」「特性」「生活」の3種類に分かれているのだが,戦技メインジョブで二つの戦技系列と一つの特性が割り当てられるのは当然として,サブジョブでは,最大で二つの戦技,二つの特性,一つの反撃と,計5種類の要素を割り当てられる。この5種類は,メインジョブ以外のどの職業から割り当てても構わないのだ。要するに,たくさんの職業を身につけている場合には,メインジョブと合わせて最大で6職業分のスキルを駆使できることになる。
フルで使えるのはメインジョブのスキルだけだが,ワンポイントで各職業のスキルを習得していくことで,キャラクターの能力は大きく,そして多彩に変化することになる。
さまざまな素材からアイテムを合成する「錬金」には多彩なレシピが用意されている
なおかつ,最初に説明したように,転職仙人のところでメインの職業を切り換えることもできる。また,天賦仙人のところでは,簡単にサブジョブのスキルセットを再構成できる(いずれも無料)。
メインとサブの2種類の職業の組み合わせで選択の幅を広げているゲームは山ほどあるが,最大6種類,しかもこれほどの自由度で職業選択ができるゲームはなかなかないだろう。
なお,平民は生産活動に特化された職業なので,ときには平民に戻って生産活動に精を出すのも悪くない。
4G:
それぞれのスキルにもレベルがあるわけですか?
大久保氏:
そうですね。レベルアップ時にポイントが増えていき,それを割り振ることで,スキルのレベルを上げられます。スキルレベルに上限はあるのですが,基本的にはかなりオールマイティなキャラクターも作成できますよ。
4G:
そうやって習得できるスキルはたくさんあるけど,一度に全部は持っていけないということですね。
大久保氏:
ええ,そうです。
4G:
なるほど。
大久保氏:
ただ,これだとなんでもできすぎて,キャラクターの差がなくなりがちですので,日本版ではもっと職業の色を出せるようにしたいと思っています。
4G:
メイン職業だけが選択できるスキルなどもあれば,かなり変わってきそうですが。
大久保氏:
そのあたりのバランス取りも,当面は様子を見ながらということになると思います。