― 特集 ―
ArenaNetの全世界イベントで一足お先に体験 Guild Wars Chapter2:Broken Alliance

Text by 川崎政一郎 

 去る1月20日から23日までの3日間,アクションRPG「Guild Wars」(邦題:ギルド ウォーズ)初の拡張パックとなる「Chapter2:Broken Alliance」の体験イベントが行われた。これは,今年春に予定されている発売に向けて一足先にお披露目するとともに,スキルなどの細かいバランスを調整するのが主な狙いのようだ。
 今回のイベントは全世界を対象としているため,現在オープンβテスト中の「ギルド ウォーズ日本語版」のプレイヤーも交え,かなりの盛り上がりを見せた。本稿ではこれらChapter2の各要素を,筆者の雑感なども交えつつ,紹介していこう。
 本稿は英語版でのプレイに基づいて執筆しているが,前述のとおりギルド ウォーズ日本語版でも参加可能だった。ゲーム内の用語については英語を基本としつつも,可能な限り訳語を添えた。

 

PvP関連のレクチャー機能が大幅に強化。新勢力「Zaishen」の登場

Chapter2の体験イベントでは,キャラクター作成画面を始めとしたインタフェースが一新されていた。同じゲームだが,かなり新鮮な雰囲気だ

 まず最初に気づいたのは,これまで世界各地に散在していたPvP用のエリアが,一か所にまとめられていることである。RPGモードのキャラクターであれば,ミッション中盤のエリア「Lion's Arch」(ライオンアーチ)から,これらが統合された別画面へ船で移動できる。一方PvP用キャラクターの場合は,RPGモード用のマップにはもちろん進入できないが,この統合エリア内に限り移動できる仕組みだ。この変更により,マップ画面の見た目がとてもすっきりした。

PvP関連のエリアは一画面に収まり,とても分かりやすくなった。Isle of the Namelessに限っては,冒険エリア扱いなので直接移動はできない

 既存のPvP用エリアが統合されただけではなく,対人戦にちなんだ新エリアが数多く追加され,そこではPvP関連の知識を,ステップアップ形式で習得できるようになっている。まず最初にプレイヤーが訪れるのは,「Isle of the Nameless」(名もなき島)。ここには,さまざまな敵の攻撃パターンや状態異常,攻城兵器など,対人戦におけるありとあらゆる状況を想定した環境が用意されている。スキルの効果などを,他人に気兼ねなくチェックできるのだ。

 

 次にプレイヤーは,「The Great Temple of Balthazar」(バルタザールの大神殿)において,実際にNPCのチームと対戦することになる。FlagやPriestといったPvP用のゲームルール/システムを個別に確認できるため,対人戦の初心者にとってはとてもありがたい。従来はいきなり人間相手の戦闘に放り出されてしまっていたため,尻込みする人もいたかもしれない。だが今後は,NPCを相手にじっくり練習できるというわけだ。

 

群島の各エリアには,ガイド用のNPCが滞在している。対人戦に必要な知識を,ステップアップ形式で習得できるようになったのだ Isle of the Namelessでは,対人戦のあらゆる環境をNPC相手に練習できる。スキルを習得したら,最初にここで試してみるのがよい NPCが横一列に並び,すべての状態異常攻撃を試せる。PvPのレクチャーがここまで充実した作品は,初めてではないだろうか

 

 その次に挑戦するのは「Zaishen Challenge」(ザイシンとの戦闘)というエリア。ここでは,より実戦的な編成のNPCチームと戦うことになる。例えばエレメンタリスト達の集中砲火や,レンジャー用のトラップといった戦術に特化したNPCチームがおり,実際に戦ってみるとなかなか侮れない。これは,チームアリーナの練習用としても最適だろう。

 そして,おそらく最終ステージと思われるのが,さらにパワーアップした「Zaishen Elite」(ザイシン エリート)。これは,ギルドバトルなどの対人戦に慣れたチームでも,かなり手こずる難度といってよい。しかも勝ち進んでいくと,次第に敵チームの人数が増えていくのだ。筆者も何度か挑戦してみたものの,Zaishen Eliteを最後まで勝ち進むことはできなかった。

 

基本知識を身につけた後は、NPCチームと実際に試合を行う。こちら側は通常通りパーティを編成できるため,知人に声を掛け一緒に参加してみよう Zaishen Challengeで戦うNPCチームは,一種類の戦術に特化している。それに対する措置を事前に考えておくと,幾分勝ち抜きやすくなるだろう NPC戦を勝ち進んでいくと封印解除が行われ,次の試練に挑戦できるようになる。Zaishen Eliteに到達するころには,対人戦にデビューできるだけの腕が身に着くだろう

 

 ちなみにこれらのPvP用エリアは,戦いの神“バルタザール”の敬虔な信者“Zaishen”(ザイシン)達が治めているというバックグラウンドストーリーである。彼らが着ている衣装や建築様式などをよく見ると,オリエンタルな文化を取り入れつつも,本作ならはのテイストを盛り込んでいるのが面白い。これらの装備品が,Chapter2で実際に装備できるようになるのかも,大いに気になるところだ。

 念のため,現在のPvP関連エリアを整理すると以下のようになる。名称が変わっているエリアも一部あるので注意しよう。

 

【練習用】Isle of the Nameless(名もなき島)
【NPC戦】Great Temple of Barthazar(バルタザールの大神殿)
【NPC戦】Zaishen Challenge(ザイシンとの戦闘)
【NPC戦】Zaishen Elite(ザイシンエリート)
【4対4】Random Arena(ランダム アリーナ) ※旧「Compettion Arena」
【4対4】Team Arena(チーム アリーナ)
【8対8】Hero's Ascent(英雄たちの丘) ※旧「Tomb of Primeval Kings」
【Guild戦】Guild Hall(ギルド ホール)

 

Zaishen達の住まうこれらのエリアには,鳥居や祠のような建築物があり,オリエンタルな世界観を醸し出している。バックストーリーの詳細は明らかにされていないが,どのような展開を見せていくのだろうか
新たなNPCのグラフィックスもいくつか確認できたが,これらが身に着けているものもChapter2で装備できるのだろうか。風景と装備が大きく変わることで,これらPvP関連のエリア一体は別世界のような印象を受けた

 

 

新たなスキル150種前後をも含む,2種類のProfessionが追加

 今回の体験イベントの目玉は,従来のWarrior,Ranger,Monk,Necromancer,Mesmer,Elementalistに続く,2種類のProfession(ジョブ)でプレイできたことだ。これらはPvPモードのみで使用可能だったため,例えばRPGモードのクエストでスキルをUnlock(封印解除)するといったことは不可能。したがって,新たに用意されたテンプレートを基にして,“Faction-Balthazar”(バルタザールの報酬)で個別に封印解除を行うしかない。
 それでは,Chapter2で実装される2種類のジョブを見ていこう。

 

素早い身のこなしによるコンボ技に注目! 電光石火のアタッカー“Assassin”

アサシンの外見は忍者のようでもあるが,よく見ると微妙に違っている。あえていうなら,「外国人が解釈した忍者」に近いかもしれない

 最初に紹介するAssassin(アサシン)は「暗殺者」を意味し,素早い身のこなしを得意とする接近戦指向のProfessionだ。得意な武器は「短剣」で,これは両手に持って二刀流として装備する,ゲーム内では初めてのタイプ。両手に持った短剣で,敵に反撃の暇を与えずに,間断なく攻撃を繰り出せるのが,アサシンの最大の醍醐味である。

 新たなゲーム内概念として,アサシン専用のコンボ技というものが加わる。アサシン用の攻撃スキルの多くは,「Lead Attack / Offhand Attack / Dual Attack」(リードアタック/オフハンドアタック/デュアルアタック)の3タイプに属しており,順番に用いることを前提としているのだ。次に使うべきコンボ用のスキルは,アイコンが光ることでプレイヤーに知らせられる。「エバークエストII」のヒロイックチェインに近い感じのイメージだ。

 コンボ技は基本的に「Lead → Offhand → Dual」という流れに沿ってしか使用できない。例えば,いきなりDual Attackを用いることは不可能なのだ(エリートなどの一部スキルには例外もある)。その代わり,コンボの1セットがきっちり決まると,格闘ゲームのそれと同様の大ダメージと,状態異常を与えられる。テンポ良く順番にスキルを繰り出していくのが,プレイしていてなかなか気持ちいい。

 アサシンは接近戦系のジョブであるにもかかわらず、Energyの自然回復値が+4と高いのも大きな特徴だ(キャスター系のProfessionと同じ)。スキルの再使用時間を迎えたら,すかさずコンボ技を繰り出すように心がければ,瞬間的な攻撃力の高さは全ジョブ中トップクラスである。実際に今回のイベント開始後から数時間ほど状況を見ていても,アサシンに狙われたキャスターが,なすすべもなくサンドバック状態になっているのをよく見かけた。

 ただし,アサシンにも当然ながら弱点はある。例えばコンボ技はめっぽう強いものの,それに必要なスキルだけで,8個と限られたスロットのうち3個以上が埋まってしまう。すなわち,あまりにもコンボを重視しすぎたスキル構成だと,ほかに選べる戦術の幅が狭まってしまうのだ。そうしたところでコンボに対して冷静に対処されたら,かなりキツい展開となる。よって,コンボを生かせる状況をいかにして作り出すかが,アサシンでプレイするときの最大の焦点に思えた。例えば,ノックダウン系のウォーリアとコンビを組むのは大いにアリだろう。

 コンボ以外のスキルとしては,まるで忍者のように超人的な身のこなしを駆使するスキルが目立つ。その代わり,敵と真正面からぶつかり合うときに有効なスキルは少ない。Professionとしての全体像は,神出鬼没で電光石火の軽装アタッカー,というのが筆者の印象であった。アサシン用のアトリビュート(特性)と,テンプレート用キャラクターの構成を簡単にまとめてみたので参考にしてほしい。

 

●アサシン用アトリビュート(特性)一覧

・Critical Strikes(クリティカル ストライク)
 メインProfessionとして使った場合のみ選択可能。Energyを2獲得するクリティカルヒットの発動率が高まる

・Dagger Mastery(ダガー マスタリー)
 主に,ダガーを用いたスキルの効果が増大。2倍のダメージを与えられるダブルアタックの発動率が高まる

・Deadly Arts(デッドリー アーツ)
 主に,敵にダメージを与えるためのスキル効果が増大

・Shadow Arts(シャドウ アーツ)
 主に,アサシンの素早い身のこなしに関連したスキルの効果が増大

 

●PvP用テンプレート例:

・Shadow Blade(シャドウ ブレード):アサシン/ウォーリア
 コンボに関連したスキルが4個含まれており,この新しい概念の練習用に最適。コンボ終盤は空中で回転しながら突っ込んだりと,アクションの見た目もなかなか面白い。コンボ以外のスキルでは,ダッシュを始めてから十数秒後に,元いた場所にワープするという,"Shadow Step"が極めてユニーク。敵後衛の撹乱やギルドバトルでのフラッグ持ちなど,幅広い目的に活用できるだろう。

・Dark Flame(ダーク フレイム):エレメンタリスト/アサシン
 ターゲットした敵の隣に瞬間移動するアサシン用スキルを2個備えている。その直後のタイミングで,自分の周囲にいる敵全員にファイア系スキルでダメージを与えるという戦術を,狙えるテンプレートだ。通常エレメンタリストは,敵と距離を置いて戦うのが鉄則のはずだが,アサシン用スキルとの組み合わせで,一撃離脱というまったく新たなスタイルを確立している。

 

アサシンのアクロバティックな動きは,狙われる側にはたまらない。まさに神出鬼没のアタッカー,というProfessionだ アサシンはとにかく,コンボに始まりコンボに終わるという印象。狙う敵に応じて,与える状態異常を使い分けることも可能だ コンボは「Lead → Offhand → Dual」の順番に繰り出さないと機能しない。最初はチュートリアルでじっくりと練習しよう
コンボの最中に,きりもみ飛行をしながら敵に突撃する瞬間。このアクロバティックな動きは,見ていて飽きないのだ 今回はRPGモードをプレイできないため,テンプレートに登録されたスキルは重宝した。サブとして選ぶと,メインジョブの方向性も変わる 「Dark Flame」のテンプレートを用いて練習している最中。メインジョブがエレメンタリストなのに,接近戦を得意とするユニークな内容だ

 

 

精霊と灰を活用した,サポート役を得意とする召喚師Ritualist

 Chapter2で追加されるもう一種類のProfessionは,Ritualist(リチュアリスト)である。馴染みの薄い言葉だと思うが,Ritualとは儀式のこと。つまり,ティリアに存在する神々や精霊達に祈りを捧げ,その恩恵を得て活動するジョブなのだ。

リチュアリストの外見は,占い師や踊り子に近い雰囲気がある。奇抜な姿のアサシンと比べても,遜色ないインパクトといえそうだ

 リチュアリストが得意とするのは「精霊」の召喚だ。これは詠唱した場所に一定時間,固定で出現する味方モンスターと考えればよい。精霊は敵を単純に攻撃するだけでなく,敵のHealthを吸収したり,ノックダウンさせたり,仲間のHealthを回復したりといった,さまざまな特殊効果を発揮する。概念的にはレンジャー用のトラップに比較的近いものの,対象が範囲内の全員か,または範囲内の一体かという点で異なる。

 精霊を召喚している間は,その近辺にいれば味方が一人増えたようなものなので,とても頼りになる。よって,どちらかというと自ら攻めに行くより,敵を待ちかまえる戦術に適している。アサシンと異なり瞬発力には乏しいものの,どっしりとした安定感を備えるProfessionというのが,筆者の第一印象だ。

 しかし,精霊系のスキルは総じて詠唱時間と再使用までの間隔が長く,消費Energy量も多い。常に精霊を召喚し続けるといった戦術は不可能だ。また,メスマーなど詠唱中断に長けた敵に集中的に狙われると,手詰まりとなる危険性がある。もう一つ,精霊の近くから動かないでいると,エレメンタリストの強力な範囲魔法の前には絶好の標的となってしまう。待ちに徹したいリチュアリストを,いかにして切り崩していくかが攻防時の焦点となりそうだ。

 精霊のほかに,「灰」を召喚できるのもリチュアリストの特徴の一つ。灰は手に持つ壺のような外見をしており,装備用のアイテムでない点に注意してほしい。ミッションで一時的に持つタイプのアイテムに近いものである。そして,「灰を持っている間」と「灰を落とす」の2アクションを起点として,さまざまな魔法効果を発揮するのだ。具体的な効果としては,「灰を持っている間,被攻撃時にHealthを回復」や,「灰を落とした瞬間,周囲の敵を盲目状態にする」といったものがある。

 灰を用いるタイプのスキルは,今回のイベントで用意されたテンプレート案には盛り込まれておらず,その存在に気づかなかった人もいたようだ。また召喚系以外のスキルも数多くあり,味方を回復したり魔法をエンチャントするなど,その方向性を簡潔に説明するのは難しい。恐らくは習得したスキル構成によって,プレイスタイルはがらりと変わるはずだ。リチュアリストのProfessionとしての全体像は,サポート役のスペシャリストといった印象である。

 

●リチュアリスト用アトリビュート(特性)一覧

・Spawning Power(スポーン パワー)
 メインProfessionにしたときのみ選択可能。召喚した精霊の最大Healthと,関連したスキル効果が増大

・Communing(コミューン)
 精霊を召喚するスキルの効果が増大

・Restoration Magic(レストレーション)
 防御や回復等にちなんだスキルの効果が増大

・Channeling Magic(チャネリング)
 電撃やエネルギーにちなんだスキルの効果が増大

 

●PvP用テンプレート例:

・Earthbinder(アースバインダー):リチュアリスト/メスマー
 4種類の召喚系スキルをはじめとして,精霊関連に特化したテンプレート。Earthbindの精霊によって敵を転倒させてから,Wanderlustの精霊で転倒時間を延長する流れが非常に強力。そして,万が一敵に接近されたら,精霊を消失させるRupture Soulを使えば,周囲に盲目を伴う大ダメージを与えられる。ただし,やみくもに精霊召喚を行うと,再使用時間が追いつかなくなるため,いかにしてこれを補うかが鍵を握るだろう。

・Soul Spinner(ソウルスピナー):リチュアリスト/モンク
 攻撃は切り捨てる代わりに,回復系のスキルを重視したテンプレート。同じ回復とはいえ,リチュアリストらしく精霊が行うといった方向性で,モンク主体とは微妙に異なる。味方を自動的に回復するPreservationの精霊と,範囲内の自然回復力が増大するRecuperationの精霊は,ヒーラーとしての仕事を大きくサポートしてくれるだろう。ただし,味方メンバーにその旨を伝えておかないと,精霊の効果範囲外へ出てしまいがちなので要注意だ。

 

精霊とともに戦うプレイスタイルが新鮮。細かく動き回りながら戦うのは苦手なものの,防御に徹したリチュアリストはかなり頑強 召喚した精霊は,このように地面に鎖で縛りつけられている。どの場所で召喚するかが,戦術上の大きなポイントとなりそうだ 精霊の召喚スキルはどれも詠唱時間が長く,敵からも一目でそれと分かる。味方に護衛してもらうなど,安全確保に努力しよう
回復などのサポート用スキルも,なかなか充実している。スキルの構成次第でキャラクターの方向性はまったく違ってくるだろう この手に持っているのが,リチュアリストが召喚したAsh(灰)。これを持つ,あるいは落とすことでさまざまな魔法効果が発生する 灰を落とすというアクションは,見方を変えると詠唱時間ゼロの魔法に近い。先読みで灰を召喚しておくと,即座に対応できるのだ

 

 

今からChapter2の本実装がどうしようもなく待ち遠しい!

あからさまに不気味な外観に様変わりしたTomb of Primeval Kings。今はRPGモードにおける最難関ダンジョンとなっている

 Chapter2での変更点はほかにもある。PvP用エリアが一か所に統合されたことにより,対人戦の舞台としての役割を終えたエリア「Tomb of Primeval Kings」(古代帝王の墳墓)は,なんとRPGモード用の最難関ダンジョンとして生まれ変わったのだ。エリア内の敵を一掃したら次のステージに進むという内容で,筆者も実際に挑戦してみたが,かなりアツい。しかも,ここでしか入手できないユニークアイテムも多数登場し,RPGモードを楽しむプレイヤーにとって,大きな目標となったのだ。

 そして嬉しいことに,本稿で紹介したうちアサシンとリチュアリスト以外の要素は,今回設置されたサーバーで期間限定イベント後も継続してプレイできる。つまり,これから「ギルド ウォーズ日本語版」を始めたい,といったプレイヤーに向けては,チュートリアルも含めた最高の環境が整えられているのだ。興味を持った読者はこの機会にぜひとも,本作をプレイしてみてほしい。対人戦というジャンルに対する見方が,少なからず変わることだろう。

 開発元のArena.netは過去にも,追加ダンジョンや雪合戦イベントなどを追加してきており(もちろん無料),プレイヤーの好評を博している。今回のイベントとサーバーの継続的な開放も,実に彼ららしい気前の良さであり,プレイヤーとしては十二分に堪能したいところだ。

 アサシンとリチュアリストのバランス面についていうと,今回が初のオープンテストにもかかわらず,既存ジョブの中に違和感なく入り込んでいた。すでに480前後のスキルが独特のバランスを作っているところで,さらに2Profession/150スキルを追加したことを考えると,これはなかなか驚くべきことである。さすがはあの,カードゲーム「Magic:the Gatherring」のゲームバランサーの仕事といえよう。そして,Chapter2が本実装されるときには,今よりもさらに完成度を高めて帰ってくるのだろう。
 実装時期は春を予定しているとのことだが(韓国筋の情報では,4月くらいを予定しているとのこと),そこまで待ちきれないくらい楽しみというのが,偽らざる感想だ。

 今回のテストで見られたゲーム内の各システムについては,現時点でことごとく日本語表示が用意されていたことも付け加えておこう。実装そのものはしばらく先だが,日本語で楽しめる時期がさらに遅れる心配は小さいようだ。一人のプレイヤーとして,1日も早い実装を願ってやまない次第である。

 

Tombの内部は,Underworldなどダンジョンが複数エリアによって構成される。レベル20の8名が高いチームワークを発揮して,ようやく少しずつ進めるという難度だ ギルド ウォーズはPvPを重視しているが,RPGモードが疎かになっているわけではない。このTombに限らず,定期的にRPGモード用の新エリアも導入されているのだ ユニークアイテムは名前が緑色表示で,際立った外見を持つ。その効果も個性的で,アイテムコレクターにとっても集め甲斐は存分にある
今回のテストでは,アサシンとリチュアリスト用のスキルが合計150前後も実装されていた。既存のゲームバランスを踏まえたうえ,これらを追加するのは相当難度が高いと思われる 試しにリチュアリスト用スキルの封印解除を行ってみた。これは製品版に引き継がれるとのことだが,言い換えるとサーバーレベルでの開発作業がほぼ完了しているということか 3日間と限られた期間ではあったが,今回の体験イベントは実に中身の濃いものだった。日本語化も,抜かりなくすべて行われていた様子だし,早くChapter2の製品版をプレイしてみたい

 

タイトル ギルド ウォーズ Campaign2 戦乱の章
開発元 ArenaNet 発売元 エヌ・シー・ジャパン
発売日 2006/04/28 価格 オープンプライス(パッケージ版)
 
動作環境 N/A

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/specials/guildwars_c2/guildwars_c2.shtml