GDC 2003総力レポート
本年もまた,アメリカはカリフォルニア州のサンホセ市にあるSan Jose Convention Centerにおいて,Game Developers Conference(以下,GDC)が開催されている。GDCとは,世界中のゲーム業界人が一堂に会し,それぞれがこれまでの開発で学んだ技術や経営ノウハウを披露し,会社の垣根を越えて共有しようという趣旨で始められたもので,今年で17回めとなる歴史ある会合である。GDCの概要については,昨年(2002年)のGDC特集記事を参照してほしい。
本年のGDCは,セミナーやレクチャーが3月4日から8日まで,200社がブースを出展するエキスポは6日から8日まで行われる。
今回は,他分野からスピーカーを招いてゲーム制作の参考とする"一般教養"や,集まった業界人の母体団体であるIGDA(International Game Developers Association)の運営に関する"IGDA"系統のセミナーも追加されており,なんと1時間のセミナーが1日平均60種も行われている。4日と5日の二日間は,ゲーム学部を推進する諸大学の報告集会となる"Academy Summit"や,マイクロソフトの主催するDirectXに関するセミナー,OpenGL評議会の主催するセミナー,さらにはMMOのコミュニティなど,時間をかけて話し合われるべき話題が,丸1日を利用して講義されていたのだ。
GDC 2003の見どころは,「Dues Ex」のプロデューサー,ウォーレン・スペクター(Warren Spector)氏や,映画「ロード・オブ・ザ・リング」のアニメーション部門を指揮したジョン・ラブリー(Jon LaBrie)氏,さらには50年代から60年代にかけてIBMに在籍し,System/386などを開発した物理学者で現ノースキャロライナ大学名誉教授フレデリック・P・ブルックス・ジュニア(Frederick P Brooks Jr.)博士など,豪華なメンバーによる基調講演だろう。また,ゲーム開発者達を影で支えるハードウェアメーカーによる新作発表,開発者達が感銘を受けた作品が表彰される「Game Developers Choice Award」など,さまざまなイベントも例年通り行われる予定だ。
今年はオンラインゲームの成功が著しい韓国や,これまでは限定されていた日本からの参加も急増しており,まさしくIGDAのI(International)にふさわしいカンファレンスとなっている。まさに,ゲーム開発者達のゲーム開発者達による,(結果として)ユーザー達のための大イベントが開催されるのだ。
forGamer.netからは2名のレポーターが参加しており,各種イベントやセミナーの繊細をこと細かく報告していく。GDCは,これからのゲーム業界がどういう方向に向うのかを占う重要なカンファレンスなので,ゲームファンなら続報を要チェックだ。
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