アメリカ時間の3月20日から24日まで,全世界のゲーム開発者達が集う会合Game Developers Conference(以下,GDC)が開催中だ。場所は,いつもどおりカリフォルニア州サンノゼ市の中心部にあるSan Jose Convention Centerで,主催者のCMP Mediaは,昨年記録した1万2000人という参加者数を上回るものと予想している。
GDCは,IGDA(International Game Developers Association)の会員を中心とした開発者や業界人達が参加するもので,今年で17回目になる。デザイナーやプログラマー,オーディオ/ビジュアル・アーティスト,さらには経営者,広報,大学や政府機関の研究者や学生といった幅広いジャンルの人々が集まり,ゲーム開発のノウハウや現場の事情について語り合うのである。
GDCでは,約1時間のレクチャーやパネルディスカッションが複数,並行して常時行われている。これまでの,プログラミング,ゲームデザイン,プロダクション,経営&法律,オーディオ,ビジュアルアート,IGDA会合,そしてゲームの未来像やあり方についての講義をまとめた“ビジョン”という八つのトラックに加え,今年からは携帯デバイスのゲーム開発に関する“モバイル”というカテゴリが追加された。
また,ゲームを生活や知識,医療などの向上に活用する「シリアスゲーム・サミット」が,さらに体系的に進められてるほか,今年は新たに「カジュアルゲーム・サミット」が新設されて注目を集めている。毎年恒例となっている「デベロッパーズ・チョイス・アワード」や「インディペンデント・ゲーム・フェスティバル」のような催しもあり,基調講演のスピーカーとして,昨年に引き続いて任天堂社長の岩田聡氏が登壇するのに加え,Sony Computer Entertainment of EuropeのPhil Harrison(フィル・ハリソン)氏,Electronic ArtsのWill Wright(ウィル・ライト)氏などの登場が予定されている。
日本からの参加者も毎年増えており,今年のGDCでは,ヘッドフォンを利用した日本語同時通訳のサービスのあるセッションが充実しているのも特徴的だ。さらに,中国で設立されたばかりの上海IGDA,ならびに中国で最大の業界報道機関であるChina GC Networks (遊戯創造電網)から使節団が送られているなど,アジア市場との融和が加速している印象を受ける。
それでは今週から来週にかけて,4Gamer独自の情報も含めて,GDC06で話題になったレクチャーやイベントの内容を随時お伝えしていこう。