「世界一可愛いレースゲーム」のゲーム性はいかに?
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| 思わず潔さすら感じてしまうほどに,徹底的なまでの萌え志向は,起動直後のこの画面からも伝わってくる |
ガイアックスが運営するゲームサイト「ムポー」にて,8月1日より,オンラインレースゲーム「とぅいんくる」のオープンβテストが行われている。
本作は,国内デベロッパのリヴィールラボラトリが開発し,企画/ディレクターを女性が務めているというだけでなく,人気声優を起用したり,メイドカフェで発表会を開催したり,「ターゲットはA-Boy(Akihabara Boy)」と明確に打ち出したりと,その筋にとって気になる話題を振りまいている。
だが気になるのは,「世界一可愛いレースゲーム」を目指すという本作のゲーム内容が,いったいどんな具合に仕上がっているのかという点だ。このあたりを,オープンβテストに参加し,確かめてみた。
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| ゲーム全体の雰囲気は,ポップ&ファンタジーなテイストで統一されている。可愛らしさ全開だ | 本作に登場する各キャラクターは,多彩な“属性”を装備。メガネや巫女など,いろいろ取り揃えられている | ルーム画面はかなりサイバーでグラフィカル。キャラの配置位置,カメラアングルなどがかなり絶妙 |
キャラに重点をおいたキャッチーさで,つかみはOK!?
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| レース中の画面はこのような構成になっている。通常のレースゲームのそれとほぼ同じだ |
まずは本作の大きな特徴である,キャラクターについて触れておこう。いわゆる“萌え系”を真っ正面から狙ったキャラクターデザインは,本作のプロデューサーであるTankMUSASHINO氏の言葉どおり,A-BOYをターゲットにしたテイストでガッチリと統一されている。公式サイトでも,キャラクター性は前面に押し出されており,各キャラクターをテーマにしたコミックまでもが掲載されている。
もちろんゲーム中のグラフィックスも,かなり萌えを意識したものとなっている。なぜ,レースに出場するときにカエルやヒヨコの着ぐるみ姿なのか。なぜ,ライダースーツを着ずに布切れ一枚で肌の露出を強調するのか。なぜ,双子の巫女がレースに参加するのか。このあたりに,論理的整合性であるとか,倫理観を求めるのは無粋というものなのだろう。とぅいんくるの世界は,「萌えるんだからいいじゃん」という姿勢で成り立っているのである(ちょっと大袈裟な言い方ではあるけれども)。
本作のようなカジュアルテイストのゲームには,一目で分かるキャッチーな魅力が必要だ。そして多くの場合,そこに「萌え」がはめ込まれている。とくに本作は国産タイトルであるだけに,キャラクターが日本人好み(A-BOY好み)なものに仕上がっている。芸人的な発想で考えると,まずは「つかみはOK」ということなのだろう。
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| 現在サーバーは三つ用意されている。オープンβテスト開始当初は二つだったが,2日目に追加された | こちら,本作のナビゲーターを務めるPチャン。Pチャンの“P”って,もしかして「ピョ●吉」のP? | タイムを競うのもレースゲームの正しい遊び方のひとつ。このようなランキングも随時更新される |
「速く走る」より「相手を蹴落とす」バランス取り
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| ゲーム開始時には,モモカとひよっこのどちらかをマイキャラとして選べる |
では,ゲーム内容について触れていこう。
ゲーム開始時には,キャラクターを作成することになるのだが,現在は「モモカ」と「ひよっこ」の2キャラクターしか用意されていない。どちらかを選択すると,チュートリアルがスタート。操作は簡単で,ゲーム中に行える行動も必要最小限のことのみという作品なので,このチュートリアルをプレイしておけば,プレイに必要な情報のほとんどを得られるはずだ。初めてプレイする人は,きちんと見ておくことをオススメする。
実際にレースへと参加するには,ロビーでほかのプレイヤーが作成したルームに入るか,自分でルームを作成すればいい。もちろん,ルームにはパスワードで鍵をかけることもできるので,自分の友達だけを呼んで遊ぶことも可能だ。レースは6人までが同時に参加でき,参加人数が多ければ多いほど,レース後に獲得できるポイント(詳細は後述)も多くなる。
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| 初めてゲームをプレイする前には,Pチャンによるチュートリアルを見ておこう。操作方法が一通り分かる | ゲームに関する各種設定や,ショートカットキーで送信できるメッセージなどは,「設定」画面で変更可能 | こちらがロビー画面。現在作成されているルームが,ズラリとリストで表示される。ソートも可能だ |
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| 一つのルームには6人まで入場でき,この人数での対戦が可能。ルーム作成者なら,人数制限もできる | コースのデザインや背景ももファンタジックでかわいい雰囲気。コースも萌え系ということなのか……? | レース中に使うのは,基本的にカーソルキーと「Z/X/C」キー,Spaceバーのみ。PCゲーム初心者でも安心だ |
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| レースはコースを3周して,着順を競うというオーソドックスでシンプルなもの。もちろん目指すは1位のみ! |
肝心のレース部分は,リヴィール ラボラトリの田中泰生COOが「マリオカートを参考にした」と言い切っているだけあって,かなりそれに近い作り。誤解を恐れずに言えば,早く走ることも重要だが,それ以上にアイテムを駆使した蹴落とし合いが勝敗の分かれ目になるバランスになっている。
1位で独走していても,ゴールの直前にアイテムで攻撃をされたら,一気に最下位になってしまう可能性だってあるということだ。実際筆者も,「もうすぐ1位でゴール!」というところで他プレイヤーにアイテムを連続して使われ,最下位に沈んだことが何度もあった。
当然のことながら,アイテムをうまく使って勝つことが前提のゲームであるため,後味の悪さなどはない。コース上に落ちているアイテムを手に入れたなら,ガンガン使ってライバルを蹴落とすべし,なのだ。……というか,アイテムを効果的に使わないことには,勝利は遠い。1位でレースを終えるには,中盤まではトップに食いつくように2,3位あたりをキープし,ファイナルラップでアイテムを使って逆転! というのが,望ましい戦法のようである。
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| アイテムによる攻撃の数々。爆弾を投げられたり,氷漬けにされたり,カエルに取り囲まれて飛び跳ねさせられたり…… | ||
なお,細かなテクニックとして一時的にとぅいんくる(星形の生物。プレイヤーたちはこの生物の背中にスケボーのように乗り,その状態でレースを行う)の走行速度がアップするダッシュや,ジャンプしながら方向が変えられる空中ターンも用意されているが,現在の仕様,および実装済みのコースでは,これらを駆使しなくても1位になることはできた。
実際にプレイしてみて思ったのだが,空中ターンは使いどころさえ間違えなければ非常に有効であるものの,ダッシュに関しては「少し速くなったかな?」程度の加速しか得られないため,その効果をあまり実感できなかった。このあたりのバランスが,今後のアップデートで調整されることを期待したい。また個人的には,効果の割に発動させにくいダッシュも,もう少し何とかならないかと思っている。
現在のところコースは,非常にシンプルなレイアウトのものが6種類用意されている。おそらく,タイムアタック用というよりも,対人戦用のフィールドという部分に主眼を置いて設計されているのだろう。しかし,何度か走っているうちに「もう少し骨のあるコースを走りたい」という気持ちが出てきたのも事実。
アイテムに頼らず,コーナーワークやライン取りといったテクニックだけでも競えるコースがいくつかあると,さらに対戦の面白さの幅が広がるのでは……と思う。正式サービス開始時(時期未定)や,その後のバージョンアップで追加されるであろう新コースに,こういったものが含まれることを期待する。
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各種アイテムは,コース中に置かれているアイテムボックスにランダムで入っている。うまく拾おう | レース中にFキーを押せば視点変更もできる。キャラのかわいさに見とれて壁に激突しないように | トップ集団のやや後ろの位置で走り続け,様子を見ながら攻撃のタイミングをうかがうのが勝利の秘訣か |
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カーソルキーの左右を連打すれば,とぅいんくるが赤く光って一時的に加速する(ダッシュ) | 急なカーブは,カーブ手前で軽くジャンプして空中で身体の向きを変えると,うまく抜けられる | かわいいカエルのフロート……だが,もちろん激突すると,大きなタイムロスになってしまうので要注意! |
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取ろうと思っていたアイテムボックスが,前を走るプレイヤーに取られてしまった。ギャフン! | 障害物に激突したとき,うまくリカバーしないとそのままバランスを崩し,逆走してしまうことも | 走れど走れど先頭を走るプレイヤーは見えず。それでも,最後まで奇跡と逆転を信じて走り続けろ! |
成長や着せ替えといったレース以外の要素も
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| レース中に入手したアイテムは,Myルームでとぅいんくるにエサとして与えられる |
本作では,レース以外に育成と着せ替え要素も用意されている。プレイヤーの部屋にあたる「Myルーム」では,自分のとぅいんくるにアイテム(キノーミ)をエサとして与えることができる。エサをあげ続けるととぅいんくるは成長し(レベルアップ),スピードなどの各種パラメータが上昇する。
エサにはさまざまな種類があり,どのエサをいくつ与えるかによってとぅいんくるの特性は変化する。つまり,とぅいんくるを通常のレースゲームでいうところの車に見立てると,この育成要素はチューンナップと同義である。まだオープンβテストが始まったばかりということもあってか,十分に成長したとぅいんくるはあまり見かけず,プレイヤー間での大きな差はないようだが,テストの終盤や正式サービス開始後には,スピードを競ううえで育成要素も重要になってくるのではないかと思われる。
さらもう一つ,本作をプレイするうえで大きいのがショップの存在だ。レースに参加すると,その着順に応じたポイント(GP)が入手できるのだが,これを利用して,モモカやひよっこといったキャラクター本体や,そのキャラクターに着させる衣装を購入できるのである。
服の種類によっては,キャラクターの性能をアップさせるものもあるので,ぜひ買い揃えたいところ。現在はショップに並んでいるアイテム数も少なめだが,今後どんどん追加されていくとのこと。オープンβテストでのキャラクターデータなどは,正式サービスに引き継がれる予定なので,今からレースに積極的に参加してポイントを稼ぎ,アイテムを手に入れておくといいかもしれない。
最後に全体的な感想を述べておこう。カジュアルレースゲームとしてのバランスは非常に良くできている。それこそ「マリオカート」が好きな人であれば,楽しく遊べるはずだ。また,それなりの人数が遊んでいる様子で,なかなかのにぎわいを見せているのも,対人戦がメインのゲームであるだけに好印象だ。レースゲーム好き,そして“萌え系”好きな人になら,安心してオススメできる作品といえるだろう。個人的には,せっかくキャラクターを作ったことだし,今後もしばらく遊んでみようかと思っている。
ちなみに,オープンβテストは8月10日までと,残り時間はあとわずか。テスト時間も15時30分から23時までと区切られている(例外として,8月5日と6日のみはサーバを停止させずにテストを実施)ため,「正式サービス前に一度遊んでみよう」と思っている人は,早めに取りかかってほしい。
なお,今回の10日間のテスト中には,キャラクター衣装の先行販売(8月5日21時より),ハテナカン特別セール(8月8日15時30分より),謎の何かが登場(8月10日15時30分より)など,ゲーム中で多くのイベントが実施予定となっている。詳細については公式サイトなどで確認していただきたい。
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| レース前のルーム画面では,どのキャラ,どのとぅいんくるを使ってレースに参加するかが決められる | モモカといえばカエル。しかしこのカエルスーツ,5万1000GPとかなり高めの価格設定。買える? なんちて | ひよっこといえばひよこ,ひよこといえ(以下略)。性能が大幅に上昇する服なので,こちらも高価 |




































