― プレビュー ―
熱狂のクローズドβ2テストをプレビュー
ときめきメモリアルONLINE
Text by midi
2006年3月22日

 

前回同様,今回も多くのテスターが参加した「ときめきメモリアルONLINE」のβテスト。サーバーは最終的に五つが稼働した

 2月9日から2月27日までの18日間,コナミが運営する話題の学園MMOコミュニティゲーム「ときめきメモリアルONLINE」(以下,TMO)の(クローズド)β2テストが行われた。ここでは,そのテストに参加し,遊んでみたうえでプレビュー記事をお届けする。
 開始直後にサーバーがダウンし,テスト開始日の延期(詳しくは後述)が発生,テスター達をやきもきさせたβ2テスト。日をあらためての開始前は,事前の対応の悪さに荒れたテスターがいるんじゃないかと内心ドキドキしていたが,フタを開けてみればそんな不安も吹き飛んぶほどに賑やかで,かつ適度にまったりとしたいい雰囲気に包まれていた。
 今回のテストから多くの新要素が導入され,β1テスト時よりも遊びの幅がさらに広がった感のある本作品。具体的にどのような要素が追加されたのかという確認と,正式サービス開始に先だっての要望も含め,原稿を書き進めていきたいと思う。

 

 

■「恋愛候補生」「試験」の導入など,新要素を多数追加

 

学園のマドンナの天宮小百合は,校内噴水広場に立っている。意外と気付いていない人も多かったようだ

 追加された新要素としては,まず「ときめきメモリアル」らしい部分である“NPCとの恋愛要素”の存在が大きいだろう。今回のテストでは,すでに発表されていた「恋愛候補生」の5人,天宮早百合,桜井 晴,春日つかさ,弥生水奈,犬飼洸也が登場。残念ながらプレイヤーとの恋物語が完結するところまでは遊べなかったが,ある程度までなら攻略可能となっていた。
 天宮と桜井のメイン2人に関しては,ゲーム開始直後の校内紹介でプレイヤーの案内係として登場。その後,天宮が校内マップの噴水近くに,桜井が放送部前に立っていて,それに話しかけることで物語が進展していく。一方,春日,弥生,犬飼の3人は,特定のドラマイベントを進めることでマップ内に登場し,話しかけることで物語がスタートする仕様となっていた。
 ざっと遊んでみた印象だと,各キャラともによく個性が描かれており,イベントCGも多く用意されているようで,これまでのときめきメモリアルシリーズとはタイプは違うものの,ゲーム内における“恋愛っぽさ”は強く感じられた。
 しかし,テスターの中には,恋愛候補生が学園内にいることはなんとなく知っているが,どうやったら恋が進展するのか分からないという人が多くいたようだ。そういう意味では,まだまだこの要素の概念自体が浸透しているとは言い難かった。保健室にいる保科直美先生(校内1,2を争うボン・キュッ・ボ〜ン! なセクシーキャラ)が,ときめきメモリアル第一作でいうところの早乙女好雄のような役割をし,テスターを恋愛要素へと誘導するきっかけとなっていたが,それだけではフックが弱かったのだろう。
 より多くの人が恋愛要素へと目を向けるには,すでにプレイして楽しさを知った人からのクチコミなどで恋愛候補生の存在と攻略法が知れ渡るか,運営側からゲーム内外を通じて情報公開をしていくしかないだろう。本作品のウリの一つとして成り立つファクターなだけに,筆者としては,運営側の積極的な情報公開を期待しているが……。今後に期待したいところだ。

 

恋愛候補生の一人,春日つかさ。彼女はまず,とあるドラマイベントの冒頭で初めて姿を見せる ドラマイベントで顔見せしてから,校内マップに出現するというのが,恋愛候補生の登場パターンのようだ イベントCGもインサートされている。ちなみにこれは,登校時に校門でつかさちゃんと激突(!)する出会いシーン

 

恋愛候補生とのイベント中には,このシリーズのファンにはお馴染みの三択も用意されている プレイヤーキャラのパラメータを上げつつ,こまめに候補生に話しかけることによって,恋愛ドラマは進んでいくようだ 保科先生の地獄耳在校生情報のコーナー。個人情報の流出だとかそういう堅いことは言わない方向で

 

試験は授業と同じく全8教科。一気に受けようとすると4時間ぐらいかかってしまう,長丁場のテストだ

 また,以前からその存在が確認されていた「試験」システムも,β2テストで実装された。本作では通常,自分のキャラクターが属するクラスの教室にいると,一定時間ごとに授業を受けられるようになっている。だが,試験期間内になると全8教科のテストを受けられるように,一時的に変更されるのだ。これは,通常の学校でいうところの試験期間そのものだろう。
 試験はマークシート方式の全20問で,授業に出た問題を中心に出題される。つまり,日ごろからマジメに授業を受けていれば,試験も楽勝! ということになる。正直,試験を受ける前までは「面倒だなぁ……」と思っていたが,意外や意外,この手の試験に対し,真剣に取り組む行為は予想以上に楽しかった。筆者にとっては10数年前に過ぎ去った学生時代を,思い出しながらの試験体験。それは一種のノスタルジーを感じさせる。「三角関数なんて忘れたがな!」「英語の文法なんて,フィーリングでしか覚えてとらんわ!」などとボヤきつつも,「学業が本分」である学生の気分を存分に堪能させてもらった。
 試験結果は,試験終了直後のメンテナンス明けに発表され,高得点を獲得した生徒の氏名も掲示板などで公開。テスト結果には,授業の出席回数も関係しているため,「点数はよかったのに,出席回数が足りなくて評価が低かった……」と嘆く人も多くいたようだ。また,解答用紙に自分が所属するクラスと名前を書き忘れたがために0点扱いとなった人も多く,このあたりは本物のテストと同様,悲喜こもごもな結果発表となっていた。
 試験自体は大きな障害もなくスムーズに行われ,テスターにも好評だったように思う。しかし皮肉なことに,「試験期間中にやることがなくなる」という声が,テスターから多く聞かれたことは残念だった。通常授業時であれば,教室にいれば一定時間で強制的に授業に突入するため(オプションで授業OFFにすれば回避は可能),教室でのおしゃべりにも適度なメリハリがついていた。だが,試験は各科目につき一度しか受けられず,また,試験期間中は通常の授業は行われない。そのため,全教科の試験を受け終わった人は,教室にいてもただダラダラとしゃべるしかないという状況になってしまったのだ。試験を受け終えた人は普段通りに授業を受けられるか,もしくは試験に代わる何かを用意するなどの対策が必要なのかもしれない。
 また,試験関係でいうと,自分がどの教科を受験したのかをゲーム中で確認する術がないため,「あの教科の試験,受けたっけ?」と困惑するユーザーも多くいた。事実,筆者は2キャラを使い分けてβ2テストに参加していたのだが,どっちのキャラでどのテストを受けたのか途中から分からなくなり,受けた試験を受けていないものと勘違いし,教室で試験開始を待ち続けてしまった。メモを取っておけば済むことなのだが,こういう失敗を回避できるようシステム側で設計されていればさらに親切なのに……と思った次第だ。

 

試験は問題の答えをマークシートで塗りつぶしていく方式。制限時間は10分,途中退室も可能 解答用紙には,クラスと氏名を書くスペースがある。記入せずに提出してしまうと,問答無用で0点に

 

試験結果は,掲示板に張り出されている学校新聞でも確認可能。個人成績だけでなく,クラス別の成績も表示される 今回のテストから,授業の種類が8種類に増加。外国語,数学の問題には,多くのテスターが手を焼いていた

 

 β2テストから導入された要素はほかにもある。例えば,「仲良しグループ」や,「リーダー試験」の概念だ。
 仲良しグループは,既存のMMORPGでいうギルドのようなもので,結成するには代表となるプレイヤーがリーダーの資格を得なければならない。リーダーになるには,試験期間までに全科目の授業に7回以上出席して,その後試験で全教科70点以上を取ることが前提条件となっている。これをクリアしたうえで,理事長室の秘書さん(保科先生と同じくダイナマイトセクシーキャラ)に話しかけ,リーダー試験を受験し,合格する必要がある。
 ちょっと面倒くさそうに思えるが,裏を返せばマジメに授業に参加し,試験の結果もそこそこ点が取れていれば,誰にでもなれる可能性があるということだ。接続時間が長く,積極的にプレイしている人に対する一種の優遇措置なのだろう。
 仲良しグループを設立し,そこに加入すれば,多人数同時の遠隔チャット「仲良しチャット」や,ゲームにログインしているかしていないかも確認できる「メンバー名簿」といった機能が使用可能となる。これらは,長時間プレイするうえで,またゲーム内でのコミュニティを十分活用するためには便利な機能。実際,いくつかのグループがプレイヤーの手によって運営され,その使い勝手の良さを確かめていた。
 この仲良しグループ&リーダーの概念は,β2テスト終了間際に導入されたため,グループについての概要がテスターに十分伝わっていなかったようで,数は少なかった。まあ,致し方ないところだろう。正式サービスが開始後には,多くのグループが作られることを期待したい。

 

理事長室にいる秘書さんがリーダー試験の試験官。彼女の出す試験に合格すれば,リーダーの資格を取得できる β2テスト終了間際に実装されたため,グループの数は多くはなかった。が,正式サービス後には増えていくだろう

 

 個人的には,今回のβ2テスト期間中にアップデートされたもののなかでも,バレンタインデーにまつわる交換イベントが印象に残っている。イベントといっても,購買部のおねーさんのところに特定のアイテムを持っていけば,義理チョコ,本命チョコと交換してもらえるといった規模の小さなもの(入手したチョコはほかの人にプレゼントできる)。
 しかし,季節に合わせたイベントが実施されるということをテスターに示せた点は大きい。今後行われるであろう,文化祭やクリスマスといった季節イベントにも期待したいところだ。余談ではあるが,筆者は他テスターから一個もチョコをもらえなかった。……悲しくなんてないですよ,ええ。悲しくなんてないですから。

 

バレンタインデーに合わせて,購買部のおねーさんがチョコレートを交換してくれるイベントが実装されていた 教頭先生に話しかけることで,キャラクターの体格を変更できた。キャラを作り直さなくていいので便利だ

 

 

■強化された「ドラマイベント」「クラブ活動」

 

校内に散らばっている先生達に話しかけると,ドラマイベントがスタートする

 続いて,β1テスト時から実装されたもので,β2テストになってバージョンアップしたものを書き出していこう。
 まずは「ドラマイベント」。β1テストのときは数種類しか用意されていなかったが,今回は開始直後からいくつかシナリオが追加されており,β2テスト期間中に行われたメンテナンスでも新作が何本か投入された。最終的には計22話にまで増え,数的にかなりやりごたえのあるものになっていた。
 全ドラマイベントに共通して言えることは,変に奇をてらわず,安心して読み進められるスタンダードなストーリーになっているところだろう。ベタな展開のものばかりだが,それが逆に安心感に繋がっていた。気合いを入れて遊ばなくてもいい,そんな配慮がストーリー面でもなされているような気がした。
 ちなみにこのドラマイベントは,時間や参加人数を問わずに気軽にプレイできるため,多くのテスターがプレイしていたようで,配信当日にすべての新シナリオをクリアする人も数多くいた。ドラマイベントを楽しむ人の種類は,大きく2派に分けられる。一派は,NPCを相方にして黙々とプレイするやり込み派。そしてもう一派が,友人と共にドラマイベントそのものを楽しむなりきり派だ。
 やり込み派は,ドラマイベントをクリアするともらえるキーワード(部活奥義の体得などに必要)が目当てで,それを取得するために何度も何度もプレイするスタイル。対してなりきり派は,友人とより仲良くなるためにドラマイベントを楽しむというスタイルだ。後者に関しては,ルームにパスワード(鍵)をかけているテスターがあまりいなかったため,乱入も行われていた模様。このように,ドラマイベントが新たな友人獲得のキッカケとして機能していた一面も,見逃せない事実だろう。

 

ドラマイベントの中には,特定のキーワードを入手していないとプレイできないものもあった これはタイムスリップがテーマの「タイムマシンによろしく」。時を遡って,失恋と暴力を止めるのだ

 

ドラマイベントで登場するツンデレキャラ・美原。涙まで浮かべちゃったりして,見事なツンデレっぷり ドラマイベント終了後に手に入ることがあるキーワードは,部活奥義の体得や,ほかのドラマイベントなどで使用

 

新たに加わった総合演劇部の黒十影先生。年齢のみならず性別すら不明という,謎多きキャラだ

 「クラブ活動」に関しては,既存の野球部,バレー部,文芸部,家庭科部に,水泳部,陸上部,科学部,総合演劇部の四つが加わわり,計八つに。どのクラブに入るか,プレイヤーの選択の幅が広がったのは嬉しいところだ。筆者が属していたクラスの某男子は,「水泳部キャプテンの小鮎さんの胸のでっぱりがオレを呼んでいたから,迷わず水泳部に入部したぜ!」と,わけの分からないことを力説していたが,まぁ呼んでいたのなら仕方ない。クラブ活動は,勉強以上に自分らしさが出せる学園生活の華。こういうトンチキな理由で部活に励むプレイヤーがいたとしても,全然問題はない。
 だが,実際にクラブ活動に積極的に励んでいたプレイヤーの数はそんなに多くはなかった。それには確固たる理由がある。これはβ1テスト時にも噴出していた問題なのだが,肝心の戦闘パート(自主練,クラブ活動)のバランス調整が不十分なのだ。なにせ,初期装備で部活デッキを調整し,いざクラブ活動に臨んでみても,最弱であるはずのレベル1の部員(NPC)に勝てないのである。メンテナンスで若干の修正が行われたものの,その強さに大きな違いは現れず,根本的な解決には至っていなかった。
 では,どのようにすれば部員に勝てるのかというと,端的に言えば,自主トレで自分を鍛えまくるしかない。というのも,クラブ活動時の攻撃力や防御力などに影響する各種パラメータは,授業やクラブ活動で増減するが,自主トレではクラブ活動や授業などに比べ,各種ステータスがカンタンに上げられるのだ。このため,パラメータ上げを自主トレで,そして部活レベル上げをクラブ活動で……と割り切って行っていたテスターが多かった。……というか,ほとんどのテスターが自主トレをメインにし,必要なときだけクラブ活動に臨んでいたように思う。部活レベルが上がるメリットは,部活奥義の体得時に合成できるアイテムの数が増える程度であるのも,この状況に拍車をかけていた。
 これはこれで,そういう仕様だと割り切ることも可能だが,問題も潜んでいる。自主トレは,ほかのプレイヤーと対戦するいわゆる対人戦になるため,ソロプレイは不可能。つまり,一緒に自主トレをやってくれる仲間がいなければ,クラブ活動で部員に勝てないという,いささか転倒した構図が,システム中に横たわっているのだ。
 ほかのMMORPGでも,ボスキャラなどをソロで倒せないという場合は確かにある。が,それは,ある程度冒険を進めたプレイヤーのみに立ちふさがる問題だ。昨日今日ゲームを始めたばかりのプレイヤーに降りかかる試練ではない。が,本作では,一緒に鍛えるプレイヤーがいなければ,クラブ活動で勝てないということになってしまっている。一人でまったり部活を楽しみたい,というプレイスタイルが,不可能なシステムともいえるだろう。
 さらに,自主トレで敗北すると,ストレスのパラメータが一気に上昇してしまうため,自主トレでは参加者全員が延々防御し続けるなんて光景も当たり前。防御でも技の属性に応じて各ステータスのパラメータは上昇するのだが,ゲーム内の要素を積極的に楽しむというより,楽しむために我慢を強いられるような,そんな印象を受けた。
 クラブ活動や自主トレというシステム自体は,やり込み甲斐のあるいいアイデアだと思う。が,その敷居があまりにも高く,「どうやったら勝てるのか分からない」「ただダラダラと戦闘するだけで緊張感に欠ける」といった理由で,多くのプレイヤーがそれを楽しめないとしたら,残念なことだ。このあたり,さらなるバランス調整とシステム改善を行って,より多くの人が楽しめる,とっつきやすいものにしてほしいと切に願う。

 

追加されたクラブの情報は,校内新聞でも確認できた。この新聞,けっこう作り込まれていてなかなか面白い 筆者と同じクラスの某男子が心惹かれた水泳部・内海キャプテン。胸のでっぱりって……何のこと?

 

クラブ活動で部員(レベル1のNPC)と対戦。幸先よく攻撃を繰り出したテスター(右)だったが…… 部員の強力な攻撃を喰らってあえなくダウン。ちなみにこの部員,最弱のレベル1のキャラなのだ。強すぎる……

 

 

■未実装だった恋人,気になる「スペシャルゲストキャラクター」は?

 

恋人情報の欄は,当然のごとく空欄のまま。恋人システムとはどういったものなのか……。非常に気になる

 β2で実装されていなかった,いくつかの項目についても触れておこう。
 まずは非常に細かいところなのだが,キャラクター選択画面の情報画面で,「恋人情報」という欄が用意されていたのが気になった。現在のところ,恋人に関連するシステムは一切導入されていない。もしかしたら恋愛候補生がそれに当たるのかもしれないが,候補生は複数存在しており,さらにほかのプレイヤーも同様に恋愛できるという広さから考えると,恋人という概念には当てはまらないのではないかと思われる。
 となると,ほかのプレイヤーキャラクターと恋人関係になれるということなのかだろうか? MMORPGにはしばしば「結婚」というシステムが導入され,結婚したプレイヤーには特典も用意されていたりするが,それと同じようなものなのだろうか。これに関しては,過去に一度もアナウンスされていないため,気になるところだ。

 ゲーム中のことでいえば,システム云々の話ではないが,β1テスト時に行われた公式のイベント(β1テストでいうところの「メタルユーキを探せ!」に相当するもの)が,今回は一切用意されていなかったのも気になった。メンテナンスや新機軸の導入でドタバタしていたためではないかと思われるが,公式イベントは運営側の本気度合いを見せるチャンス。β2テスト期間中に,一度でも開催していれば,正式サービスへの参加を考えている人の心象も,かなり違ったのではないだろうか。

 また,個人的に今回のβ2テストでぜひ導入してほしかったものの一つとして,「スペシャルゲストキャラクター」がある。公式サイトで発表されている,西田奈津美さんをはじめとしたタレント達が,いったいどのような形で登場するのか,このβ2テストでそのテストケースを見せてほしかった。
 公式サイトには「西田奈津美のβ2テスト体験レポート」なるコンテンツが掲載されているが,写真などを見ているかぎり,彼女自身をデフォルメしたスペシャルキャラではなく,他の一般プレイヤーと同じようにキャラクターを作って,自分が西田奈津美であることを隠して参加していたようだ。が,それでは何の意味もない。スペシャルゲストキャラクター本人の登場は,正式サービス後のお楽しみといわれればそれまでだが,校内を活性化させるための話題作りとして,イベント的に開催してもよかったような気がする。

 

 

■プレイヤーに芽生えた運営サイドへの不信感をどう払拭するかが問題

 

テスト開始直後の騒動では,雪の降りしきるなか,多くのテスターがこの校門をくぐれずにいた。正式サービス後には,こうした自体が起こらないことを切に望む

 ……ということで,β2テストをプレイしたうえで感じたことをザッと書き連ねさせていただいた。本来であれば,ここで筆を置いてもいいところだが,最後にどうしても一つだけ,書いておきたいことがある。このβ2テスト開始時に発生し,多くのプレイヤーを困惑させた“テスト延期問題”についてだ。
 今回のβ2テストは当初,「11月よりスタート」とのアナウンスがコナミよりなされていた。が,11月18日になって「クオリティ向上のため」という理由から2月に延期されることが発表され,多くの人達から落胆の声が上がっていた。
 とはいえ,ここまでならまだ理解もできるし,許容範囲でもある。だが,まだまだ事件は続く。β2テスト開始当日の2月1日,テスト開始直後から不具合が発生し,ログインすらできないテスターが続出(というか,ほとんどのテスターがログインできなかった)。いったんサーバメンテナンスに入り,翌2日から再スタートとなったが,さらにそこでも同様の不具合が生じ,テスト再開日がアナウンスされないままテスト打ち切りという,近年のオンラインゲーム業界で,まれに見るドタバタが発生したのだ。
 この一連の騒動で「早くゲームをプレイしたい」と思うテスターの気持ちが,何度裏切られたことか。βテストとは「ゲームがサーバ上で動くかどうか」もひっくるめて確認するものだが,それにしても今回の件はお粗末すぎたのではないだろうか。テスターが一気に集まるテスト開始日に,サーバーがダウンしてしまうような事態は,あり得ない話ではないから多少の覚悟はしていた。が,多くのテスターの心には,運営側に対して不信感が募っていただろう。
 とはいえ,これがβ2テストの段階で発生したものだから,まだ救いがあったと考えるべきなのかもしれない。月額課金制の正式サービスが始まってからこのような問題が起こっては,プレイヤーの怒りも今回の比ではないはず。幸いなことに,テスト中盤からはサーバーも安定して稼働していたようなので,正式サービスもこの調子で安定した運営が行われれば,プレイヤーからの不満も減少していくことだろう。
 本作で描こうとしている,“楽しい学園生活”というテーマは,今回のβ2テスト中でも十二分に感じられた。ゲーム本体に関しては,細かいバランス調整などが必要な部分もあるが,おおむね良好と捉えていいだろう。
 今回のβ2テストで起こった事件のように,期待を膨らませてみたものの,学園に入学することすらできず,門前払いを喰らう生徒が一人も出ないことを願う。そして,またあの学園でたくさんの仲間に会えるよう,運営側の万全なる準備/対応を期待したいところだ。

 

タイトル ときめきメモリアルONLINE
開発元 コナミデジタルエンタテインメント 発売元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2006/03/23 価格 パッケージ版:1980円(税込)〜,プレイ料金:税込み1200円/30日〜
 
動作環境 OS:Windows 98SE/Me/2000/XP,CPU:Pentium III/650MHz以上,メインメモリ:256MB以上,グラフィックスメモリ32MB以上

(C)2005 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.

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http://www.4gamer.net/review/tmo_b2/tmo_b2.shtml